(cache) 進退、結論急がず 鳩山前首相が苫小牧入り:苫小牧民報社

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進退、結論急がず 鳩山前首相が苫小牧入り

(2010年 7/17)

インタビューに応じる鳩山首相

 次期不出馬発言の経過を説明するため、苫小牧入りした鳩山由紀夫前首相は17日、市内のホテルで苫小牧民報社の取材に応じた。次期衆院選に出馬しない考えを示していることに、鳩山氏は「基本的な考えは変わらない」としながらも、「(首相経験から)国益への責務の果たし方としてどういうことがあるのか、もう一度真剣に考えていく」とも述べ、議員を続けることを含めて検討する考えを示した。鳩山氏は18日まで、胆振、日高管内の各市町を訪れ、民主党や後援会の会合に出席する。

 インタビュー骨子は次の通り。
  ―参院選の結果をどうとらえているか
  「民主党惨敗と見出しに書かれても仕方ない負け方だった。首相を辞める判断をして、その結果失った信頼がV字回復した。菅新政権が消費税の問題について、唐突に打ち出さなければ敗北にならないような戦いは十分にできた」

 ―鳩山政権時代の影響は
  「普天間問題や政治とカネの問題がすべて影響しなかったと言うつもりはないが、V字回復した現実と各地でおわびしながらの応援の中で、批判的な言葉はなかった。その意味では消費税の議論と、みんなの党に対して選挙中に協力の呼び掛けに聞こえるような発言をしたことが大きい」

 ―次期衆院選に出馬しないというのはどういう思いからか
  「自民党政権下で、首相経験者が内閣や政権に影響力を行使するのはいかがなものかと考え、運営している政権がやりにくいと見えた。自分が首相になった場合、辞めた後は潔くすべきとの思いからだ」
  「それはわたしの考え。わたしが今日あるのも、バッジを着けているのも有権者が1票を投じて期待をしてくれたから。当然、辞める時にもそのことを理解してもらうことが最低限求められている。発言は発言として、もう少し丁寧に有権者や後援会の皆さんと話して、認めてもらえるか判断していきたい」

 ―首相経験者としての役割があるのでは
  「24年間、国会議員として首相まで経験した責務がある。それが選挙に出ないことで果たしたことになるのか。これからの自分の生きざまは国益にかなわないといけない。長く居続けることが国益に反するのではないか、と判断した。鳩山としての国益への果たし方があるのかどうかをもう一度真剣に考えていく。菅首相も3年間選挙がないと言っている。その間にさまざまな動きがあるので、後援会や議員仲間とも相談しながら急いで結論を出すつもりはない。だから後継も考えていない」

 ―今後、どういう政治活動をしていくのか
  「新しい公共や地域主権などの考えが順調に進んでいくのかを見守る。領土問題を含めた日ロ問題など国際的なテーマをバッジを着けている環境の中で任を果たしたい。また、二酸化炭素25%削減について、首脳同士や首脳経験者が何回か議論することになっている。それをやってほしいと菅首相からも言われており、受けるつもりだ」