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【国際】

人権活動家のブログ遮断 中国当局、ネット統制強化

2010年7月18日 朝刊

 【北京=朝田憲祐】中国の大手ポータルサイトが運営するブログのうち、人権活動家ら約100人のブログが今月中旬から、閲覧できなくなったことが分かった。関係者によると、サイトの管理者は「(当局の)主管部門からの指示により、やむを得ず遮断措置を取った」と説明したという。中国当局による言論統制の強化とみられる。

 関係者によると、見られなくなったのは▽共産党の独裁廃止を求めた声明「08憲章」の主要執筆者の張祖樺氏▽同憲章に署名した法律学者の賀衛方氏▽民主派弁護士の浦志強氏−らのブログ。14日ごろから、「管理人により削除されました。ご不便をおかけします」などと表示されるようになった。

 大手ポータルサイト「新浪網」にある張氏のブログでは、「中国にはなぜ市民社会が必要なのか」といった項目は表示されるが、本文を閲覧しようとすると「このページは表示できません」となる。

 一方、サイトの管理者は、一連のブログ遮断は「独自の判断ではない」と強調。指示を出した「主管部門」がどこかについては口を閉ざしたという。ある民主派知識人は、本紙の取材に「当局による大規模なネット言論の弾圧が始まった」と批判した。

 中国当局による情報統制は強まっている。今月1日には、主要都市ごとに発行され独自報道に力を入れる「都市報」と呼ばれる新聞に対し、各地の都市報同士の記事の交換を禁じる通達を出した。自社以外の記事を載せる場合は、新華社の配信だけを使うよう指示した。

 今年の全国人民代表大会(全人代=国会)の直前、国内13紙が現行の戸籍制度を批判した共同社説を一斉掲載するなど、都市報に広がる独自報道の動きを抑え込む狙いがあるとみられる。これに対し、一部の都市報の幹部は、中国当局の幹部に対し、通達の取り消しを求めたという。

 

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