土佐豊(手前)を寄り倒しで破る豊真将=愛知県体育館で
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◇名古屋場所<6日目>
平幕の豊真将(29)=錣山部屋=が土佐豊を下して全勝を守った。一人横綱白鵬は小結白馬を一方的に押し出し、平成以降で単独トップとなる初場所からの連勝を38に伸ばした。幕内の全勝は琴欧洲と鶴竜を加えた4人。大関陣は琴欧洲が旭天鵬を寄り切って6連勝とし、魁皇は安美錦をはたき込んで1敗を守った。把瑠都は小結栃ノ心を左上手投げで退けて4勝目。日馬富士は阿覧に引き落とされて4敗目を喫した。
全身から充実感がみなぎっている。豊真将は、すかさず左上手をとり土佐豊を危なげなく寄り倒した。初日から無傷の6連勝に「納得の一番です」と胸を張った。
先場所は、把瑠都戦で痛めていた頸椎(けいつい)を悪化させ、無念の途中休場。それでも、その夜からまわしを締めて下半身強化に励み、名古屋場所での再起をめざしていたという。
「差しがうまい相手なので本来は組みたくなかった。でも自分から先手を取れたし、相手のまわしを切ってから前へ出られた。がむしゃらにいくだけでなく、少し考えられるようになっている。イメージトレ通りに体が動く」と豊真将は話す。
師匠の錣山親方(元関脇寺尾)も「今場所は自分から動こうとしている。やる気が見えるし、まずは勝ち越しを狙ってほしい」と目を細める。
初日からの6連勝は、昨年の春場所(7連勝)以来、自身2度目。久しぶりの快進撃に「信じられません」と声も弾む。
サッカー好きで知られる豊真将はW杯の日本代表に「勇気をもらった」と話す。報道陣に「じゃ今場所は本田になりますか」と振られて「本田というより闘莉王ですね。良く外国人に間違われるんで…」とご機嫌。
日本人力士では、ただ一人の勝ちっ放し。最高潮の流れをつかんだ豊真将が優勝戦線をかき回しそうだ。 (竹尾和久)
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