Bitter Choco Liqueur
/ ビターチョコリキュール
「魔法少女キアラ」
第四話
電柱の上で雀がつぶやいている。顔を上げると、朝陽が昇り始めているものの、空の深い蒼にはまだ夜の名残が見て取れる。私は、普段、通学路に使っている道を自宅に向かって歩いている。まだ目覚めたばかりの街はまどろみをたたえ、すれ違う人影もまばらだ。昨夜、魔法少女の衣装となったドレスは、今はいつも通りの学校の制服になっている。
ほどなくして、自宅の前に着いた。私はそのまま、門をくぐる。植木の葉に、朝露が輝いているのが見えた。私は財布から玄関の鍵を取り出すと、家の扉を開く。自分になじんだ我が家の匂いが感じられた。
スリッパにはきかえて、ぺたぺたと廊下を歩きリビングをのぞく。そこには、寝息を立てる人の気配があった。兄だ。兄は寝間着にも着替えず、普段着のまま、リビングのソファの上に横になっていた。
私は音を立てないよう気をつけながら、部屋に入る。部屋を横切って、奥にあるキッチンの前に立つ。私は、子供の頃から料理が好きだったが、両親が海外に行ってからは兄の分も含めて食事の支度は私の仕事になっている。
まずは、コーヒーメーカーのスイッチを入れた。次にフライパンを熱してサラダ油を落とし、ベーコンを焼いて、卵を落とす。トースターに食パンを放り込み、野菜室から適当に見繕って簡単なサラダを作る。そうこうしている内に、コーヒーメーカーがコポコポと音を立て始める。濃いめに淹れたコーヒーを、温めたミルクで割ってカフェオレにする。
「うふふ……」
私は薄く笑う。朝食の支度の手を止めて、下半身に意識を集中させる。私の内側で、心臓以外のものがドクンと脈打つ。
「……はぁん!」
思わず私の口から、甘いうめきがこぼれる。直後、ずにゅり、とした感触を残しながら、私のお尻にある穴から紫色にぬめる大蛇が這い出てくる。ミダラお姉様が私に植え付けてくださった太い触手は、びちびちと跳ねるようにスカートの中でうごめき回る。
「あぁん……もお。暴れちゃ、ダメよ」
私の中に寄生した触手がうごめき回る度に、腸壁がかき回されて、快感が走る。私は子供をたしなめるように語りかけながら、触手を掴む。すると、今度は甘えるように亀頭を掌に押しつけてくる。触手と私の神経は融合して、その快楽を共有している。お尻の触手と自分の手がこすれる感触に、私は自ら身悶え、惚けた笑みを顔に浮かべる。
「いつまでも、こうしているわけには、いかないじゃない……言うこと聞いてよお。ん、大丈夫……一緒に気持ちよくなれることだから……」
私は、どうにか触手をなだめると、右手で掴み直す。蛇の頭にある孔と鈴口を、カフェオレを入れたマグカップに狙いを定めた。そのまま私は、硬く張りつめている紫色の胴体をしごき始める。手と指を筒のようにして、触手の首を前後運動でこすりつける。とたんに、ビリビリとした官能の神経信号が背筋を抜けて、脳天まで駆け上がっていく。
「あぁっ! キモチイイよお……」
私は、口角からよだれを垂らしながらも構うことなく、異形の部位を用いた奇怪な自慰行為に没頭していく。やがて、律動する快楽の波が高さを増して、亀頭がぷっくりと膨れて張りつめていく。
「あ……あぁ……ッ!」
私が絶頂を予感した、その瞬間、肉蛇の先端が爆発した。触手の胴体に充満している半透明の粘液が放出し、兄のマグカップにどばどばと注ぎ込まれていく。後には、たまらない解放感が私の中に満たされる。
「好きぃ……尻尾で射精するのぉ……大好きぃ……」
私は白痴のような笑みを浮かべて、キッチンにもたれかかり、しばし人外の絶頂の余韻に浸った。少し待つと、尻尾は満足したかのように直腸の中へと戻っていった。私はそれに併せて、再び立ち上がる。兄のカフェオレをティースプーンでかき混ぜて、ごまかした。テーブルの上に、食器と料理を並べる。朝食の支度がすむと、ソファの上で横になる兄の元へと歩み寄った。
「お兄ちゃん……起きて……朝ご飯できたよ?」
兄の耳元で、優しくささやく。兄は煩わしそうに目をこすり、薄く瞳を開くと……急にがばっと起きあがった。
「キアラ! 無事だったのか!?」
兄が目を丸く見開いて、私を見つめる。おそらく兄は、私と通信ができなくなって、一晩中私を心配して起きていたのだろう。顔にいやらしい笑みが浮かびそうになるのを、微笑みを張り付けることで隠し、兄の方に向き直る。
「どうしたの! お兄ちゃん……」
兄が私の肩を掴み、問いつめる。
「それはこっちのセリフだ、キアラ! おまえ、通信が途切れた後どうしていたんだ……?」
「うん。あの後、魔女がアジトに使っている飛行船に見つけてね。乗り込んで戦っている内に、通信機も壊れちゃって……それに、魔女も後一歩のところまで追いつめたんだけれども、逃がしちゃったんだ。ごめんね、心配かけちゃって……」
私は、道すがら考えておいた言い訳を兄に説明する。
「そうだったのか……いや、キアラが無事でよかったよ……」
兄は心底ほっとした様子でそういった。正直、あれこれ問いただされたら面倒くさいと思っていたけれど、兄はすんなり信じてくれたみたいだ。うふふ。妹の言うことを素直に信じてくれてありがとう、お兄ちゃん……
「それよりも、朝ご飯作ったから食べてよ。お仕事は、どうするの? 徹夜したみたいだから、休む?」
「バカ言うな。社会人は、そう簡単に休むわけにはいかないんだよ」
私と兄は、二人で食卓に着いた。私はなに食わぬ顔で、兄に食事を勧める。兄は、カフェオレのマグに口を付けた。
「……? キアラ、これ甘すぎないか」
「うん。ハチミツをたっぷり入れておいたの。睡眠時間が不足している分、栄養はたっぷりと取らなくっちゃ」
兄は、私のその説明で納得してくれたみたいで、カフェオレを飲み干してくれた。蜜は蜜でも、私の触手から出した蜜なのだけれども……私の分泌物である液体を、兄が飲んでいる。その光景を見つめるだけで、私の欲望とそれ反応する尻尾は暴走しそうになり、私は平静を装うのに苦労する。
「ごちそうさま……キアラの朝食のおかげで、体が温まって、元気が出てきたみたいだ」
「ほんと? よかったぁ」
触手の分泌液に含まれている媚毒作用が、効果を表し始めているみたいだが、もちろん兄に気がつく術はない。私は内心ほくそ笑みながら、そのまま出社する兄を笑顔で見送った。体内に取り込まれた媚毒は、時間の経過につれて全身の神経を冒していく。私は、この後に起こるであろうことを脳裏に描きながら身支度を整え、自分も学校へと向かった。
放課後、私は友達の誘いを断って家路を急いだ。本当は、親しいクラスメイトを人気のないところに誘い込んで尻尾で犯してあげたい衝動もわき起こったのだけれども、今は兄を私のものにすることが最優先だ。そう、自分自身と、普段は直腸に身を潜めている触手の尻尾に言い聞かせる。
「ただいまー」
夕刻には、私は自宅に到着する。私は、まだ誰もいない家の中に声をかける。途中のスーパーでは、夕食の材料を買ってきた。今夜はカレーライスを作るつもりだ。兄は、味覚に関してはお子様なところがあって、カレーとか、ハンバーグとか、子供が喜びそうな料理が好きなのだ。それに、鍋で煮込む料理は、今日の私にとっては都合がいい。
タマネギ、ニンジン、ジャガイモ……包丁を片手に野菜の皮をむいて、切りそろえる。順番に材料を鍋に放り込み、火にかけてグツグツ煮込む。調味料で味を整える段になって、私はにやりと笑う。
「うふふ……お兄ちゃんのために、秘密の隠し味、た〜っぷり、入れてあげるね……」
私は、丸く張ったお尻の間から、尻尾をはやす。粘液にまみれて出てきた触手は、一度学習したためか、今度はすんなりと私の意志に従ってくれる。煮立った鍋に、先端を向けて私は尻尾の胴体を擦り始める。指の節と、触手の瘤がこすれる度に、快感の火花が散った。たちまち、射精衝動(この言葉が正しいかどうかはわからないが、私にとってすごくしっくりくる表現だ)がわき起こり、張りつめた尻尾の亀頭から粘液の塊を鍋の中に向かって発射する。
触手が満足げに、ぶるぶると身を震わせた。それでも、私は満足しない。兄に、もっとたくさんの媚毒を与えたい。私は、触手の胴を強く握り直すと、先ほどよりも激しくシェイクする。肉欲の化身である紫の肉の蛇は、すぐに順応した。融合した私の神経系に、官能のパルスを流しながら、先走る次の粘液を飛び散らせる。すぐに、私の官能は満杯になる。立て続けに、二度目、三度目の射精が、一度目よりも濃く大量に放たれて、鍋の中身のかさを増していく。連続して満たされる射精欲求と、これが兄の胃袋へと納まるんだという妄執に、私は呆然と酔いしれる。
「……ただいま」
そのとき兄の声が響いて、私は我に返った。私は、触手を慌ててお尻の中に引っ込めて、玄関へと向かう。
「おかえり、お兄ちゃん。今日は帰り、早かったね」
「あぁ、風邪を引いたみたいだから、定時で仕事を切り上げさせてもらったんだ。なんだか、熱っぽいしな」
見れば、兄の頬が赤らんでいる。媚毒による身体の火照りは確実にあわれているようだけれども、兄はそのことに気がついていない。すべては、順調に進んでいる。
「そっか、徹夜が響いたのかもしれないね……それじゃあ、ご飯にする? お風呂にする? それとも……」
「おいおい、どこでそんな言い回し覚えてきたんだよ。そうだな、まずはご飯食べようか。なんだか、無性に腹が減っているんだ」
私と兄は談笑しながら、リビングに向かう。空腹は、色情に狂いつつある肉体が、セックスするための栄養を求めているせいだが、兄はそのことに気づいているのだろうか。私は特製のカレーを皿に盛って、兄に差し出す。自分の分も用意して、向かい合うように席に着く。
「それじゃあ、いただきます」
「いただきま〜す」
兄がスプーンを手に取り、カレーライスを口に運ぶ。私は内心でにやつきながら、その様子を見守る。兄が、私の媚蜜入りのカレーをゆっくり租借し、飲み込む。
「キアラ、このカレーいつもより甘いけど美味しいな」
「ほんと? よかったぁ……今日は、いつもとレシピを変えてみたんだよ。それに、隠し味も違うし」
私は、満面の笑みを顔に張り付け、嘘を並び立てる。
「へえ。どんな隠し味を入れたんだ?」
「それは、ヒミツ」
「何だよ、教えてくれたっていいだろう?」
「えへへ。それよりも、いっぱい食べてよ。たくさん作っちゃったし、風邪気味なら栄養もしっかりとらなきゃ!」
兄は、うなずくともりもりとカレーを食べ始める。このカレーを美味しいと感じたのは……まぁ、私の料理の腕もあるが……媚毒が兄の身体に馴染み始めているからだ。私は、たまらなくなり、兄に気付かれないように尻尾を出して、自らの秘裂をなぞった。何度か、甘いうめきをこぼしそうになるが、兄は気がつく様子もなく、食べ続ける。次第に、兄の全身の皮膚が赤くなり、目の焦点も虚ろになる。私がおかわりを勧めると、言われるままに、もう一皿平らげてしまう。
「キアラ……ごちそうさま……」
「うふふ。お粗末様でした、お兄ちゃん」
スプーンを置く頃には、兄の表情は心ここにあらずと言った感じになる。
「ねえ、お風呂なんだけど、私が先に入ってもいいかな?」
私が尋ねると、兄は静かにうなずき返す。うふふ。下拵えは順調。でも、もっと深く、後戻りできないようにしてあげるね。お兄ちゃん。私はそんなことを考えながら、スカートの中で身を絡ませてくる触手を連れて、脱衣所へと向かった。
制服の上着をたたみ、スカートを脱いで、ブラウスを脱衣かごに放り込むと、私は下着代わりのレオタードインナーだけの格好になる。魔法のパワーソースとなるアンダーウェアは、いまや漆黒に染まり、お尻の部分には小さな穴も開いたいやらしい形状になって、紫色の触手が我が物顔で出入りしている。私はそのレオタードも脱ぎ捨てると、浴室へと足を踏み入れる。シャワーを出して、全身の汗を洗い流す。
触手の分泌液は、先端から射精するだけではなく、体内にも分泌されている。そのため、私の身体はいまや四六時中媚毒の効果を受けていて、シャワーの滴ですら快感を覚えずに入られない。尻尾は相変わらず、私のクレヴァスをこすり続けている。私は、尻尾を使って自分の肉壷を欲望のままに貫きたい衝動を抑えて、浴槽へと身を沈めさせる。
「お兄ちゃん……今日は、入浴剤も特別性だからねぇ……」
私はうっとりと独り言をこぼしながら、触手を掴む。湯船の中でも構うことなく、性欲にふける猿のように自分の尻尾をしごきあげる。
「あぁん……ッ!」
もう、何度目か数えるのも煩わしい尻尾からの射精が起こる。湯の中に放たれた白濁液は、見る間に溶け込んでいく。やがて、完全に湯に溶け込むと、お湯は薄い桃色に変わり、やたら甘ったるい香りを放つようになる。兄が、この湯に浸かったら……想像するだけでもゾクゾクし、私は立て続けに再度の射精をして、湯の媚毒性分をより濃厚にする。
「うふふ。もう少し、もう少しよ……待っててね。お兄ちゃん……」
私は半ば上の空でつぶやきながら、浴室から上がった。
廊下からリビングをのぞき込むと、兄はお酒を飲んだわけでもないのに、顔を赤くしてソファに寄りかかっている。私は、リビングの扉をくぐった。
「お待たせ……お兄ちゃん。上がったわよ」
「き……キアラッ!? お前、なんて格好しているんだよ!!」
兄が驚いたような顔をして、大声を上げる。対する私は、素肌にバスタオルを巻き付けただけ、という出で立ちだ。兄は、その姿を見咎めたのだ。ただ、その言葉とは裏腹に兄の視線がなめるように私の身体を見つめたのが、手に取るようにわかる。
「ごめ〜ん。着替え用意するの忘れちゃってぇ」
私は、わざとらしく主張し、さらに続ける。
「でも、お兄ちゃん。いつも『お前は子供っぽい身体しているから、女性として見られないな』ってからかっていたじゃない」
「バカ! そういう意味じゃない!! 慎みについて言っているんだ!!」
わざと膨れてみせる私に、兄がしどろもどろに言い訳する。
「とにかく、早く服を着てこい!」
「うん、わかったよ。お兄ちゃんも、早くお風呂に入った方がいいよ?」
私は、やりすぎというくらいにお尻を振りながらリビングを後にする。背中からでも、兄の視線が私のお尻に釘付けになっているのがよくわかった。
バスタオル一枚の格好のまま、裸足でぺたぺたと階段を上がり、そこでいったん立ち止まって階下の様子を伺う。かすかに水音が聞こえてきた。兄が、浴室に入ったのだろう。私は、急いで自室に向かった。そこで、黒いレオタードインナーを身につける。上に何か着るのは面倒くさかったが、万が一、兄と鉢合わせになったときに備えてパジャマの上だけは身につけた。さらに自分用のタンスから、魔法少女の仕事をするとき以外に身につけている薄ピンク色のショーツを一枚取り出す。そのまま自室を出る。
私は隣の兄の部屋に、無言で侵入する。無断で入るのは、生まれて初めてかもしれない。私は、兄の部屋のドアを閉めると、そこの空気を吸い込んだ。兄だけの匂いが染み込んだ部屋には、書斎机の他に、無骨なパソコンラックがあり、その上に兄が自作したパソコンや、私にはよくわからない電子機器が設置されている。工具の類もあったが、どれも整然と整理されていた。
私は部屋の真ん中に立つと、尻尾を引っ張り出す。触手の先端に、自分のショーツを被せて射精した。ねっとりと濃い濁液が、腐った果実のような匂いをさせながら、私のショーツに絡みつく。私は、それをわざとらしく兄の部屋の真ん中に落とした。そそくさと兄の部屋を抜け出す。幸い、廊下では兄と鉢合わせにならなかった。私は、そのまま、一端自室に身を潜めた。
しばらくすると、兄が階段を登ってくる足音が響いた。バタンと扉を開け閉めする音が聞こえたのを確認し、私は廊下に出る。兄の部屋の前に立って、様子を伺うが何も聞こえてはこない。ただ、部屋の外に出てくる気配も感じない。私は、足音を潜めて階段を降りた。兄が電気を消したのだろう。
暗くなった廊下を歩いて、脱衣所に向かう。脱衣所の照明だけ、スイッチを入れる。私は洗面器を手に取り、それに水を張った。床に置いて、私自身もひざをつく。目を閉じて、自分の中でたぎっている欲望にイメージの焦点を集中させる。
「邪悪な魔法よ……私の欲望をカタチに変えて……ッ!」
私が唱えると、洗面器の水面が妖しく輝く。次いで、そこにここではない場所の像が映し出される。始めぼやけていた映像は、徐々に鮮明な姿を描き出す。邪悪な魔法は、その場所の音までも、私の元へと届けてくれる。
『あぁ……キアラ……キアラぁ……』
水面に浮かび上がるのは、兄の部屋の様子だった。上気した表情の兄が、ベッドの端に腰かけて私の名前を何度もつぶやいている。右手には、粘液まみれになっている私のショーツが握られていた。くしゃくしゃに握りしめた私の下着を、自分の顔に押し当てて兄は匂いを吸い込んでいる。
「あはぁ……お兄ちゃんったら……ヘンタイなんだからあ……」
私は、脱衣かごの中を漁り、兄が脱ぎ捨てた下着を探す。まだわずかに温もりの残ったトランクスを見つけると、映像の中で兄がするように自分の口と鼻を使用済みの男性用下着で覆う。兄の汗の臭いを、鼻孔一杯に吸い込む。
「んッ。お兄ちゃんの……臭いがするぅ……」
無意識のうちに、私の指が下半身に伸びる。暗いハイレグレオタードの上から、浮かび上がった女性器のスリットをなぞり、刺激する。くちゅり、といやらしい水音があふれた。
『あぁ……ゴメン、キアラ……俺、我慢できない……』
兄がはいていたトランクスを膝まで脱ぎおろす。すでに硬くそそり立っている兄の男根が、水面に映し出される。兄は、自分の肉棒の先端で、真っ赤に充血してひくつく亀頭に、私の体液で汚れたショーツを被せた。そのまま、私の下着で自分の男性器をしごき始める。
「あはぁ……お兄ちゃんが私のショーツを、犯しているよぉ!」
私は、指の刺激では満足できなくなって、レオタードの股間部分を指でずらした。蜜で湿る女性器が露わになる。お尻の周りでのたうつ触手を捕まえて、自分の秘所にあてがった。蜜壷の感触を思い出した肉の尻尾が、私の中へと潜り込んでくる。
「あふッ! 犯して!! お願い、お兄ちゃん……もっと、犯してッ!!!」
私は、自分の尻尾を兄のペニスに見立てて、蜜唇を犯させる。膣壁をこすりながら、尻尾は私の中をかき回す。
『ゴメン、キアラ……俺、イク……キアラの下着でイクよ……』
「いいのよ、お兄ちゃん……イッて? 私のを使って、イッて!!」
兄のペニスと、私の尻尾が同時に限界を迎え、射精の時を迎える。私の膣内は触手の体液で満たされ、水面の中ではショーツの内側で兄と私の精が混ざりあう。
「あふぅ……」
私は満足感を持って、尻尾を引き抜く。愛液と濁液が混ざりあったものが床に滴る。私は立ち上がりながらレオタードを整えると、羽織っていたパジャマを脱ぎ捨てた。洗面台の鏡に、黒いレオタードのみを身に付けた私の肉体が映し出される。
「……あはぁ」
私は感嘆のため息をこぼす。バストは相変わらず小さいが、媚毒に侵され続けた結果、乳首と乳輪はぷっくりと膨れ上がり、インナーの上からでも見てとれるくらいだ。小さなお尻も少し肉付きが良くなり、寸胴だったウェストもきゅっと引き締まり、心なしか唇も厚くなった気がする。なにより、全身を締め付ける黒薄布のハイレグアンダーウェアと、四肢に巻きつく淫肉の尻尾が私のいやらしさを引き立てる。
大丈夫。こんなに淫らな肉体なら、兄を誘惑することができる。兄を、私の虜にすることができる。私は、舌を出して自分でもゾクゾクするような妖美な笑いを浮かべると、脱衣所を後にして、兄の部屋へ向かった。
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