沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で、日米両政府は、名護市辺野古に建設するとした滑走路をめぐる専門家協議を再開し、2本の滑走路を作る従来の計画に加え、滑走路を1本にする案も選択肢として、来月末の期限に向けた協議を本格化することにしています。
普天間基地の移設問題で、日米両政府がことし5月に合意した共同声明では、名護市のキャンプシュワブ辺野古崎地区に滑走路を建設するとしたうえで、具体的な立地や工法などは来月末を期限に専門家による検討を終え、秋に開かれる予定の外務・防衛の閣僚協議で決定するとされています。これを受けて、日米両政府は、専門家による協議を、先月の東京に続いて15日から2日間の日程でワシントンで再開しました。この中で、日本側は、V字型に2本の滑走路を建設するとしている従来の計画に加え、滑走路を1本にして沖合に数十メートルずらす案も選択肢としたうえで、工法については、浅瀬にくいを打ち込む方式にこだわらず、埋め立てにする方式も検討する用意があることを提案したものとみられます。さらに、日本政府は、来月末の時点では立地場所などを1つに絞らず、複数の案を示すことで地元沖縄の理解を求めたいとしていますが、アメリカ側は、1つの案に絞ることが望ましいとしていることから、結論のまとめ方を含めて、協議が本格化する見通しです。