自民党、民主党「大連立政権」(小沢一郎首相、与謝野馨副首相)に向けて進む出来レース模様
2009年02月09日(月) Theme: メルマガ原稿清話会メールニュースにて流させていただきました文章です。
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自民党、民主党「大連立政権」(小沢一郎首相、与謝野馨副首相)に向けて進む出来レース模様
板垣英憲 氏(政治経済評論家)
◆麻生太郎首相が、衆議院予算委員会で行っている発言の「真意」が、様々に取りざたされている。首相発言の背後で、果たして何が起きているのであろうか。
麻生首相は2月3日、中央省庁高級官僚の退官後人事をめぐり「渡りと天下りを今年いっぱいで廃止するための政令を作ることにしたい」と発言、5日には、郵政民営化で発足した日本郵政グループの4分社化体制について、「4つに分断した形が本当に効率としていいのか。もう1回見直すべき時に来ている」と答弁している。
実は、総選挙後の政権の姿について、自民党と民主党は、2008年10月、総選挙の結果如何にかかわらず、「大連立する」ことで基本的に合意している。
合意した当事者は、自民党側が、中曽根康弘元首相、与謝野馨金融財政担当相、民主党側が、小沢一郎代表、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長である。大連立政権は、小沢一郎首相、与謝野馨副首相、菅直人官房長官、鳩山由紀夫外相という布陣で、これも合意しているという。
この大連立政権には、公明党を外す。小沢代表の強い意向である。新進党時代に公明党に裏切られたという怨念が消えていないからである。
また、小沢代表は、小池百合子元防衛相にも憎しみを抱いている。細川護熙元首相、新進党代表時代の小沢代表と渡り歩き、小泉純一郎元首相に媚びを売って環境相の地位をあてがわれ、自民党最大派閥「町村派」の世話人代表・中川秀直元幹事長に担がれて、2008年9月の自民党総裁選挙に立候補し麻生太郎候補と戦った「変節女ぶり」を苦々しく思い続けてきた。
◆さて、ここから自民党内の主導権が始まった。
中川秀直元幹事長は、中堅・若手議員を集め、大連立政権内での主要ポジションを確保しようと蠢く。そのために原動力となる資金源を得ようと画策。郵政民営化に手を携えてきた小泉純一郎元首相、安倍晋三元首相、それに日本郵政の西川善文社長(元三井住友銀行頭取)、オリックスの宮内義彦会長(小泉内閣の規制改革・民間開放推進会議議長)と図り、日本郵政の資産のうち、保養宿泊施設「かんぽの宿」をオリックスに一括売却を進めた。この売却益の一部を政治資金としてオリックスからキックバックさせようとしたのである。
この中川元幹事長の画策を警戒したのが、与謝野金融財政担当相であった。日本郵政を所管している鳩山邦夫総務相に情報提供し、鳩山総務相は、「かんぽの宿一括売却」に「待った」をかけ、中川元幹事長の「資金づくり潰し」に取りかかった。
町村派内では、派閥の主導権をめぐり、最高顧問の森喜朗元首相が、2月5日の総会で、それまで町村信孝元官房長官、中川秀直元幹事長、谷川秀善参院議員の3人の世話人代表による集団指導体制を改め、町村元官房長官を正式に派閥会長に復帰させ、中川、谷川両人は、留任させ、結果的に中川元幹事長を「降格」させた。いまや「落日の森」と言われている森元首相の泣き落としが、辛うじて効を治めたのである。
◆ところで、中川元幹事長の背後に控えている小泉元首相は、米国のブッシュ政権時代、ブッシュ大統領とその最大パトロンであったロックフェラー財閥の3世代末子、シティグループオーナーでエクソンモービルオーナーでもあるデイビッド・ロックフェラーの強い要請を受けて、350兆円もの莫大な資金保有を誇る郵政の民営化に応じた。
この郵政民営化に加担したのが、三井住友銀行頭取時代の西川善文社長であった。この結果、350兆円の資金は、シティグループの支配下に落ちるものと見られた。
だが、ブッシュ大統領が、イラク戦争の巨額戦費の支出により財政が再びピンチに陥ったことから、財政再建を賭けて、友人でもあるスノー財務長官のクビを切り、デイビッド・ロックフェラーの宿敵であるゴールドマンサックス社のヘンリー・ポールソンCEОを財務長官に抜擢した。
ゴールドマンサックス社のオーナーは、ジョン・D・ロックフェラー4世(民主党上院議員、ディビッドの甥)である。そして、何を隠そう、西川善文社長は、ゴールドマンサックス社の日本総代理人であったことを知ったディビッドは、裏切り者・ブッシュ大統領と小泉元首相に恨みを抱き始めた。
ちなみに、小泉元首相は、これに止まらず、アメリカから引き受けていた米国債の大半をただの紙切れにして、帳消しにしたとも言われている。
ブッシュ大統領は、小泉元首相やその忠実な後継者であった安倍元首相をピンチに陥れた。自民党政権の継続に見切りをつけたジョン・D・ロックフェラー4世が、小沢一郎代表と与謝野馨金融財政担当相に大きな期待を寄せてきたからである。
しかも、この期待は、民主党のオバマ大統領が実現してますます膨らんできた。この過程で小泉元首相は、衆議院議員としてのバッチを外し、引退する決断に追い込まれたのである。
◆麻生首相は、7月8日から10日までイタリアのマッダレーナ島で開かれるサミットに出席し、これを花道にして退陣する腹を固めている。サミットから帰国し、同月12日の東京都議会議員選挙を見て後、解散・総選挙を断行、政権を小沢一郎代表に引き渡す。
オバマ政権は、明治以来続いている日本の官僚制度が、いわゆる「最大の障壁」と見て、官僚組織の「本丸」の改革を要求、小沢代表が、かねてから提唱してきた国家公務員制度の本格的な改革に乗り出すものと期待している。
麻生首相は、「官僚が動かなければ、行政がマヒする」との立場から、官僚がサボタージュしないよう細心の配慮をしつつ、かつ、「「渡りと天下りを今年いっぱいで廃止するための政令を作ることにしたい」と発言して、オバマ政権に対して、「改革に取り組む姿勢」を示すメッセージを発信している。安倍元首相が官僚のサボタージュによる心労から胃腸障害を起こして、ついに倒れて政権を放り投げさせるを得なくなった姿や官僚にゴマ刷りしたがために国民から見放された福田元首相の前例を記憶しているからである。
大連立に向けて政局が確実に動いているなか、当の小沢代表は、「4月14日公示、26日投開票」と檄を飛ばして、陣営の引き締めを図り、その一方で、麻生首相の言動をひたすら静観する余裕の姿勢を取り続けている。要するに、国民は、自民党、民主党「大連立政権」(小沢一郎首相、与謝野馨副首相)に向けて進む出来レース模様を見せられ続けている。
アメリカ・ウォール街発の「金融危機」も、サブプライムローン破綻問題で勝ち組となったゴールドマンサックス社が中国、ロシアの資金を封じ込める目的で仕掛けた作戦であり、「2010年6月から景気が回復する」という。これも仕掛人による「出来レース」というから、恐ろしい。
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