維持員席問題は９月に対策…独立委員会第１回会合

　日本相撲協会の抜本的な改革を目的に設置された「ガバナンス（統治）の整備に関する独立委員会」が１６日、東京都内で第１回の会議を開いた。座長に選ばれた奥島孝康・日本高野連会長は「反社会的勢力の排除」と暴力団関係者の観戦が問題になった「維持員席」の２点を大きな課題に据え、９月の秋場所までに対策を決めることで一致。

　１１人による会議は、中島隆信副座長の「相撲部屋の実態が不透明ではないか」など、さまざまな意見をもとに議論。相撲の歴史についての説明に多くの時間が割かれたという。外食や介護などの事業を展開するワタミの会長、渡辺美樹委員は、相撲協会の最高意思決定機関である理事会の改革を提案。「理事の３分の２は外部から招き、３分の１は内部の人間でいいのでは。新しい理事会を立ち上げることが委員会の責任だと思う」と話した。

　次回は２４日に行われる予定で、今後は週１回のペースで集まる方針。議決権のないオブザーバーに特定の親方衆を置かないことも決めた。

　独立委の前に行われた特別調査委では、佐ノ山親方（元大関千代大海）が週刊新潮で野球賭博などへの関与を報じられた件について、記事は信用性を欠くと判断した。

　特別調査委は役割を独立委に引き継いでいったん解散したが、この日暴力団関係者との接触が報じられた貴乃花親方（元横綱）の問題について調べるため、再設置されることになった。

　奥島孝康座長「一朝一夕に改革できるものではない。歴史と伝統の中ではぐくまれてきたものを維持しながら、当面の課題を中心に相撲界の新しい方向付けを提言していきたい」

　中島隆信副座長「解決策までに至らず、問題点を洗い出した。組織を変える方向性や中長期的な課題を考えながら、われわれが示す案によって相撲協会も変わっていくと思う」

　新田一郎委員「５年後、１０年後に大相撲がどうなるのかが大事。わたしとしては、こういう形で（角界に）関与するのは愉快ではない。早いところ片付けて外野から相撲を見ていたい」

　渡辺美樹委員「長期にわたる改革になる。親方らにも積極的に会って、皆さんの意見を聞きながら改革したい。協会も内部から変わっていかないと前に進まない」

　村山弘義・日本相撲協会理事長代行「独立委員会が迅速に取り組んでいただいていることに、協会を代表して心から感謝する。本日の提言に沿って、特別調査委員会を再設置して貴乃花親方の疑惑報道について、ただちに調査をお願いすることにした」