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流出原油回収の切り札…台湾系巨大改造タンカー 「油回収できず」

2010.7.17 17:50
メキシコ湾内で原油の回収実験をするタンカー(ロイター)メキシコ湾内で原油の回収実験をするタンカー(ロイター)

 【ワシントン=渡辺浩生】米南部メキシコ湾の原油流出事故で、英メジャー(国際石油資本)BPの原油除去作戦の“切り札”として台湾企業が売り込みをかけていた巨大改造タンカーについて、米沿岸警備隊は16日、試験の結果、期待したほどの性能はないと判断した。一時は米メディアの注目を集めた巨大タンカーは近く同湾から“撤退”する見込み。

 このタンカーは海運大手TMT(台湾海陸運輸公司)の「クジラA号」で、大きさはフットボール競技場3個半分。先月ポルトガル・リスボンの造船所で改造された後、メキシコ湾に到着。1日50万バレル(約7950万リットル)の海水を浄化できると米政府にアピールし、沿岸警備隊による試験を受けていた。

 油混じりの海水を船体に開いた穴から吸い込み、油だけ船内に残して、水を排水する仕組みだったが、約2週間の試験で微量の原油しか回収できず、同隊は、原油除去作業の「必要性には適さない」と判断した。

 現場海域は油が薄く広く拡散しており、小回りのきかない巨大船では対処が困難だったとみられる。沿岸警備隊は従来通り、小型船を大量投入して原油すくい取りを続ける。

 TMTは約70隻を保有する有数の海運会社で、最高経営責任者(CEO)の蘇信吉氏が株式の51%を保有。海上運賃の先物市場で積極的な売買を展開する投資家としても知られている。しかし、自費でタンカーを改造して、史上最大の流出事故の対処に名乗りを上げた「大ばくち」は失敗に終わったようだ。

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メキシコ湾内で原油の回収実験をするタンカー(ロイター)

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