トップ |佐賀県内ニュース | ||||
低価格店次々に 佐賀市内で「ラーメン戦争」始まる | ||||
庶民の味として親しまれているラーメン。長引く不況で外食離れが進む中、佐賀市内では低価格路線に踏み切る店が増えてきた。1杯330円に加え、500円でラーメンにごはん、おかずまで付いたランチなど、激安メニューが続々と登場。外食不況の時代に生き残りをかけた「ラーメン戦争」が勃発している。 「うまくて安いは時代の要請。だから1杯330円にした」と、10月に久留米ラーメン「ふくの家」を同市本庄に開店した製麺(めん)業「福山」(本社・鳥栖市)。うどん店13店舗を県内外に展開してきたが、ラーメン店は初めて。福山博志社長は「うどんは200円台が多いのに、値ごろ感のあるラーメンは県内になかった」と出店の理由を説明。その上で「主原料は同じ小麦粉で麺作りは私たちの得意分野。低価格で若者を引きつける」と自信を見せる。
■いち早く対抗 近くに店を構える「ぶらっくぴっぐ」(松尾吉次店主)もいち早く対抗。午後3~5時限定で400円でサービスラーメンを提供する。ほかの時間は1杯550円だが替え玉を130円から100円に値下げした。 低価格が進む背景には、不況に伴う外食離れがある。佐賀市のあるラーメン店は「世界的な金融不況になった昨秋以降、平日のサラリーマン、休日の家族連れが激減した」と語る。 「うちも人ごとではなく、早めにてこ入れ策を打ち出した」というのが同市兵庫南のマルハチらーめん兵庫店。1コイン(500円)ランチで集客を図る。通常580円のラーメンに、ごはんと鳥の空揚げなどのおかず1品(週替わり)が付く。10月から平日限定で、サラリーマンを呼び込む作戦で「他店の動向を見ながら、お客さんの要望を受け始めた。忙しい方が店も活気づく」。 こうした価格競争は、不況で所得が減少する家庭にとって心強い味方だ。500円ランチは20~50代の男性サラリーマンに人気があり、激安ラーメンは小さい子どもがいる家庭や学生らが固定客になっているという。 ■製麺機を導入
低価格路線が消費者に支持を広げる一方、店側は利益確保に頭を悩ます。「ぶらっくぴっぐ」は麺の仕入れをやめ、製麺機を新たに導入。小麦粉を取り寄せ、製麺することで製造コストを50円前後抑えた。 マルハチは、業務用食材を使わず、すべて自社調理することで経費を削減。低価格で卸す精肉工場を探し、大量発注し材料費を抑えている。同店は「顧客の立場を思って出したぎりぎりの価格」と胸を張る。不況の先行きが見えず、厳しい状態が続くラーメン業界。今後も、さらなるサービス競争が加速しそうだ。
【写真上】ラーメン、ご飯、おかずを500円で提供する平日限定ランチ=佐賀市兵庫南の「マルハチらーめん兵庫店」 |
||||
2009年11月30日更新 |