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マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ (2286198)

Windows シェルの脆弱性により、リモートでコードが実行される

公開日: 2010年7月17日
要訳

お知らせ内容

脆弱性の公開

更新プログラム

検討中

被害報告

あり

回避策

あり

対応方法

セキュリティ更新プログラムの提供を含め、対応方法を検討中です。
本アドバイザリの更新時にメールで通知を受け取る。

概説

概要

マイクロソフトは、Microsoft Windows のコンポーネントである Windows Shell の脆弱性を悪用する限定的な標的型攻撃に関するレポートを調査しています。このアドバイザリでは、この問題に対する回避策および問題を緩和する要素とともに、影響を受ける Windows のバージョンに関する情報を提供しています。

Windows がショートカットを正確に解析しないため、ユーザーが、特別な細工がされたショートカットのアイコンをクリックした際に、悪意のあるコードが実行されるといった脆弱性が起こります。この脆弱性は、リムーバブル ドライブを経由して悪用される可能性が最も高いと考えられます。自動再生を無効にしているシステムでこの攻撃が行われるには、お客様がリムーバブル ディスクのルート フォルダーを手動で閲覧する必要があります。Windows 7 システムのリムーバブル ディスクの自動再生機能は、自動的に無効になっています。

マイクロソフトは、パートナーがお客様にさらに幅広い保護を提供するために使用できる情報を提供すべく、Microsoft Active Protections Program (MAPP) (英語情報) で積極的にパートナーと協力しています。

この調査の完了時に、マイクロソフトはお客様の保護のために適切な措置を講じる予定です。

アドバイザリの詳細

問題の詳細情報

この問題の詳細については、以下の参照情報をご覧ください。

参照情報番号

CVE リファレンス

CVE-2010-2568

影響を受けるソフトウェアおよび影響を受けないソフトウェア

このアドバイザリは次のソフトウェアについて説明しています。

影響を受けるソフトウェア

Windows XP Service Pack 3

Windows XP Professional x64 Edition Service Pack 2

Windows Server 2003 Service Pack 2

Windows Server 2003 x64 Edition Service Pack 2

Windows Server 2003 with SP2 for Itanium-based Systems

Windows Vista Service Pack 1 および Windows Vista Service Pack 2

Windows Vista x64 Edition Service Pack 1 および Windows Vista x64 Edition Service Pack 2

Windows Server 2008 for 32-bit Systems および Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2

Windows Server 2008 for x64-based Systems および Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2

Windows Server 2008 for Itanium-based Systems および Windows Server 2008 for Itanium-based Systems Service Pack 2

Windows 7 for 32-bit Systems

Windows 7 for x64-based Systems

Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems

Windows Server 2008 R2 for Itanium-based Systems

よく寄せられる質問

このアドバイザリの目的は何ですか?
マイクロソフトが Microsoft Windows のコンポーネントである Windows Shell に影響を及ぼす新たな脆弱性が報告されたことを確認していることをお知らせすることを目的としています。これは「影響を受けるソフトウェア」の欄に記載されているオペレーティング システムに影響を及ぼします。

これはマイクロソフトが更新プログラムをリリースする必要があるセキュリティ上の脆弱性ですか? 
この調査を完了次第、マイクロソフトは、お客様を保護するための適切なアクションを行う予定です。

Windows Shell とは何ですか? 
Windows ユーザー インターフェイス (UI) により、ユーザーは、アプリケーションを実行し、オペレーティング システムを管理するために必要な様々なオブジェクトにアクセスすることができます。これらのオブジェクトのうちで、最も多く、よく知られているのは、コンピューターのディスク ドライブのフォルダーとファイルがあります。また、リモート プリンターにファイルを送信したり、ゴミ箱にアクセスするなどのタスクを実行したりできる多くの仮想オブジェクトがあります。Shell により、これらのオブジェクトが階層的な名前空間に整理され、ユーザーおよびアプリケーションが、オブジェクトにアクセスし、管理するにあたり、一貫した効果的な方法が使用できるようになります。

ショートカットとは何ですか? 
ショートカットは、ファイルまたはプログラムのリンクで、アイコンによって表されています。ショートカットをダブルクリックすると、ファイルまたはプログラムが開きます。ショートカットは、頻繁に使われるファイルを 1 回でフォルダーまたはデスクトップといった場所に簡単にアクセスできるようにするメカニズムです。ショートカットは、LNK 拡張子付きのファイルとして実装されています。

この脅威は何が原因で起こりますか? 
ショートカットのアイコンをロードする際に、Windows Shell がショートカットの特定のパラメーターを正しく検証しないためです。

攻撃者は、この脆弱性を悪用して何を行う可能性がありますか
攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、ログオン ユーザーとして任意のコードを実行する可能性があります。ユーザーが管理者ユーザー権限でログオンしている場合、攻撃者が影響を受けるコンピューターを完全に制御する可能性があります。その後、攻撃者はプログラムのインストール、データの表示、変更、削除、または完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成する可能性があります。システムで、アカウントのユーザー権限を低く設定している場合、管理者ユーザー権限で実行しているユーザーよりもこの脆弱性の影響が少なくなると考えられます。

攻撃者はこの脆弱性をどのように悪用する可能性がありますか? 
攻撃者は悪意のあるバイナリに関連付けられた悪意のあるショートカットの存在するリムーバブル ドライブをユーザーに渡します。ユーザーが Windows Explorer またはショートカットのアイコンを解析するその他のアプリケーションで、このドライブを開くと、悪意のあるバイナリが攻撃者の意図したコードを被害者のシステム上で実行します。

攻撃者はまたリモート ネットワーク共有の設定を行うかもしれません、その後、この共有に悪意のあるコンポーネントを配置します。ユーザーがこの共有をブラウズした場合、Windows はショートカットのアイコンをロードしようとし、悪意のあるバイナリを呼び出します。

この脆弱性は、リモートで悪用される可能性がありますか? 
この脆弱性は、リムーバブル ドライブを通して悪用される可能性が最も高いと考えられます。しかし、影響を受けるショートカットはネットワーク共有またはリモートの WebDAV 共有でも配布される可能性があります。

Windows 7 Service Pack 1 Beta および Windows Server 2008 R2 Service Pack 1 Beta リリースはこの脆弱性の影響を受けますか? 
Windows 7 Service Pack 1 Beta および Windows Server 2008 R2 Service Pack 1 Beta は、この脆弱性の影響を受けます。これらのベータ リリースを実行しているお客様は、このアドバイザリで説明している回避策を適用することを推奨します。

このセキュリティ情報で説明しているソフトウェアの旧バージョンを使用しています。どうしたらよいでしょうか? 
このアドバイザリに記載されている影響を受けるソフトウェアのテストを行い、影響を受けるリリースを確認しました。その他のリリースは、サポート ライフサイクルが終了しました。製品のライフサイクルに関する詳細情報は、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトをご覧ください。

今後、脆弱性の影響を受けないようにするため、旧リリースのソフトウェアを使用しているお客様は、サポート対象のリリースに移行することを強く推奨します。使用しているソフトウェアのリリースのサポート ライフサイクルを確認するためには、プロダクト サポート ライフサイクル - 製品一覧をご覧ください。これらのソフトウェアのリリースのサービス パックの詳細情報は、サポート対象サービス パックをご覧ください。

以前のソフトウェアに関するカスタムサポートが必要なお客様は、担当営業、またはマイクロソフト アカウント チームの担当者、担当テクニカル アカウント マネージャ (TAM)、またはカスタム サポート オプションのマイクロソフト パートナー担当者までご連絡ください。プレミア契約をお持ちでないお客様は、マイクロソフトサポート契約センター (営業時間 9:30-12:00 13:00-19:00 土日祝祭日を除く TEL:0120-17-0196 FAX:03-5388-8253) までお問い合わせください。連絡先の情報は、Microsoft Worldwide Information Web サイト の Contact Information のプルダウン リストから、国を選択し、[Go] ボタンをクリックすると、連絡先の電話番号が表示されます。お問い合わせの際、お住まいの地域のプレミア サポート営業担当にご連絡ください。詳細情報は、マイクロソフト ライフサイクル ポリシー FAQ をご覧ください。

問題を緩和する要素

「問題を緩和する要素」とは、設定、一般的な構成または一般的な最善策、既定の状態により、この問題の深刻度が低くなる可能性がある要素を指します。お客様の状況で、次の「緩和する要素」が役立つ場合があります。

攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、ローカルのユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。システムで、アカウントのユーザー権限を低く設定している場合、管理者ユーザー権限で実行しているユーザーよりもこの脆弱性の影響が少なくなると考えられます。

自動再生を無効にしている場合、ユーザーは手動で Windows Explorer または類似のアプリケーションを起動して、リムーバブル ディスクのルート フォルダーを閲覧する必要があります。

境界ファイアウォールで送信の SMB 接続をブロックしている場合、ファイル共有を使用したリモートからの悪用のリスクは低減します。

回避策

回避策は、設定または構成の変更を示すもので、基本的な脆弱性を正すものではありませんが、更新プログラムの適用前に、既知の攻撃方法を阻止するのに役立ちます。マイクロソフトは次の回避策をテストし、回避策が機能性を低下させるかどうかの情報を提供しています。

ショートカット用アイコンの表示を無効にする

注: レジストリ エディターの不正確な使用は、オペレーティング システムの再インストールが必要となる深刻な問題の原因となる可能性があります。マイクロソフトはレジストリ エディターを正しく使用しなかったことが原因となる問題について保証することはできません。レジストリ エディターは、お客様各自の責任において使用してください。レジストリの編集方法に関する情報は、レジストリ エディター (Regedit.exe) の "キーおよび値を変更する" ヘルプ トピックをご覧ください。または Regedt32.exe の "レジストリ情報の追加と削除" および "レジストリ情報の編集" ヘルプ トピックをご覧ください。

1.

[スタート] メニューをクリックして [ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に、[名前] ボックスに「Regedit」と入力して、[OK] をクリックします。

2.

以下のレジストリ キーを検索し、クリックします。

HKEY_CLASSES_ROOT\lnkfile\shellex\IconHandler

3.

[ファイル] メニューをクリックして、[エクスポート] を選択します。

4.

[レジストリ ファイルのエクスポート] ダイアログ ボックスに、LNK_Icon_Backup.reg と入力し、[保存] をクリックします。

注: これによりマイドキュメントフォルダーに既定でレジストリ キーのバックアップが作成されます。

5.

レジストリ エディターの右ウィンドウで、値 (既定) を選択します。キーの値を編集するために Enter キーを押します。値を削除 (値を空白に) し、Enter キーを押します。

6.

Explorer.exe を再起動するか、コンピューターを再起動します。

回避策の影響: ショートカット用のアイコンの表示を無効にすることで、影響を受けるシステム上でこの問題が悪用されることを防ぎます。この回避策を行うと、ショートカット ファイルおよび Internet Explorer ショートカットが表示されなくなります。

WebClient サービスを無効にする

WebClient サービスを無効にすると、WebDAV (Web Distributed Authoring and Versioning ) クライアント サービスで行われる可能性の最も高いリモート攻撃の方法をブロックして、影響を受けるシステムによりこの脆弱性が悪用されることを防ぐのに役立ちます。この回避策を適用した後でも、リモートの攻撃者がこの脆弱性の悪用に成功して、Microsoft Office Outlook に標的のユーザーのコンピューターまたはローカル エリア ネットワーク (LAN) のプログラムを実行させる可能性がありますが、ユーザーにはインターネットの任意のプログラムを表示する前に確認ダイアログが表示されます。

Web Client サービスを無効にするためには、次のステップを行ってください。

1.

[スタート] メニューの [ファイル名を指定して実行] に "Services.msc" と入力し、次に [OK] をクリックします。

2.

選択したサービスを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

3.

スタートアップの種類を [無効] に変更します。サービスが実行されている場合、[停止] をクリックします。

4.

[OK] をクリックし、管理アプリケーションを閉じます。

回避策の影響:  WebClient サービスが無効にされた場合、Web Distributed Authoring and Versioning (WebDAV) の要求は送信されません。さらに、Web Client サービスに明示的に依存するサービスは開始されず、システム ログにエラー メッセージが記録されます。例えば、WebDAV 共有はクライアント コンピューターからアクセスできません。

回避策の解除方法:

Web Client サービスを無効にするためには、次のステップを行ってください。

1.

[スタート] メニューの [ファイル名を指定して実行] に "Services.msc" と入力し、次に [OK] をクリックします。

2.

選択したサービスを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

3.

スタートアップの種類を [自動] に変更します。サービスが実行されていない場合、[スタート] をクリックします。

4.

[OK] をクリックし、管理アプリケーションを閉じます。

追加の推奨されるアクション

コンピューターを守る

マイクロソフトは引き続き、「コンピューターを守る」のガイダンスに従い、ファイアウォールを有効にし、すべてのソフトウェアの更新を適用し、ウイルス対策ソフトウェアをインストールすることを推奨しています。これらのステップについては、Protect Your PC Web サイトをご覧ください。

インターネットにおける安全性に関する詳細情報は、マイクロソフトのセキュリティ ホーム ページをご覧ください。

Windows を最新に保つ

すべての Windows ユーザーは、最新のマイクロソフトのセキュリティ更新プログラムを適用してください。これは、ユーザーのコンピューターが可能な限り保護されることを手助けするものです。ご使用のソフトウェアが最新のものかどうか定かでない場合、Microsoft Update Web サイト で、利用可能な更新プログラムがあるかどうかに関してコンピューターをスキャンし、提供されている優先度の高い更新プログラムをインストールして下さい。自動更新を有効にしている場合は、更新プログラムのリリース時に配信されますが、インストールしたことを確認する必要があります。

関連情報

Microsoft Active Protections Program (MAPP)

お客様のセキュリティ保護をより向上させるために、マイクロソフトは、月例のセキュリティ更新プログラムの公開に先立ち、脆弱性情報を主要なセキュリティ ソフトウェア プロバイダーに提供しています。セキュリティ ソフトウェア プロバイダーは、この脆弱性の情報を使用し、ウイルス対策、ネットワーク ベースの侵入検出システムまたはホスト ベースの侵入防止システムを介して、お客様に最新の保護環境を提供します。この様な保護環境を提供するセキュリティ ソフトウェア ベンダーの情報は、Microsoft Active Protections Program (MAPP) Partners (英語情報) に記載されている各社のWeb サイトをご覧ください。

リソース:

フィードバックをご提供いただく際は、マイクロソフト サポート オンライン のフォームへ入力をお願いします。

セキュリティ関連、およびセキュリティ更新プログラムに関するご質問や、ご不明な点などありましたら、マイクロソフト セキュリティ情報センターまでご連絡ください。マイクロソフト セキュリティ情報センター 利用可能なサポート オプションに関する詳細は マイクロソフト サポート オンライン をご覧ください。

その他、製品に関するご質問は、マイクロソフト プロダクト サポートまでご連絡ください。マイクロソフト プロダクト サポートへの連絡方法はこちらをご覧ください。

Microsoft TechNet セキュリティ センター では、製品に関するセキュリティ情報を提供しています。

免責:

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更新履歴: 

2010/07/17: このアドバイザリを公開しました。


 

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