俺の邪気眼な黒歴史を聞いてくれ
2010-07-14
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:47:50.80 ID:zLYXzb/j0
話は小4のころまで遡る。
当時、俺は学年でも有名なひょうきん者だった。
多少ピザだったが友達は多いし、
バレンタインにはクラス内外問わず4、5人から義理チョコを貰っていたほど。
そんな俺が、小5のクラス替えから急にぼっちになった。
話は小4のころまで遡る。
当時、俺は学年でも有名なひょうきん者だった。
多少ピザだったが友達は多いし、
バレンタインにはクラス内外問わず4、5人から義理チョコを貰っていたほど。
そんな俺が、小5のクラス替えから急にぼっちになった。
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:48:25.62 ID:S1afxYi30
ひょうきんって言葉を久しぶりに聞いた
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:51:22.82 ID:zLYXzb/j0
新学期の最初のころは他のクラスに行った仲いい友達とかが、
休み時間になると来てくれたのよ
けど一ヶ月過ぎたあたりで、みんなそれぞれ他にグループ作っちゃってさ
俺はじめてのぼっち。
「え、この俺がまさかwwww」って思ってたの覚えてる
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:51:47.37 ID:mLtf1ssi0
いやどぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:54:22.24 ID:zLYXzb/j0
んで、俺の小学校って小4から林間学校があるんだよ。
まあ小4のときは人気者だったからな、それなりに楽しかった
今年もそんな感じで楽しめるだろうなあって考えてたんだけど、
世界はぼっちに対して優しくはなかったのさ
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:57:04.95 ID:izp9MzPs0
まさか、周りの奴らは
急に出だしたお前のオーラを感じとってやがるってのか!?
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:57:08.33 ID:zLYXzb/j0
小5にもなると、
去年まであった「男vs女」の構図が少しずつ崩れていくんだ
なんか、みんなして「今日の夜さ、女子の部屋いく!?」とか笑いながら話してる。
すんげえ楽しそうに。
俺はこの頃、自分がハブられてるのに気づいてなかったんだな。
「俺も行くぜ!」とか行って果敢に輪に入っていったっけ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:00:23.24 ID:zLYXzb/j0
そしたらなんだ、
「いや、お前は部屋にいたら?」とか遠慮がちに言ってくんだよ
はぁ!?って思ったね。
この俺が参加しなけりゃ女子もつまらんだろうって真剣に思ったね
まあそんな感じのことをひょうきん者らしく面白い感じで伝えたら、
クラスでも評判の池面が俺の胸倉つかんできたんだ
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:02:05.73 ID:LGgZooUw0
おいやめろ
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:03:19.92 ID:zLYXzb/j0
「お前は部屋にいろって。うぜぇから」
これを耳元で、ひっくい声で言われちゃあそらお前、
誰でもビビるっちゅうねん!
俺は「あ、そう?・・・あはは、まいったなあこりゃ」
みたいに笑って誤魔化してたと思う
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:05:49.56 ID:zLYXzb/j0
言い忘れてたけど、これ林間学校に向かうバスの中な。
そっから俺ずっと無言。
もう去年の面影はまるでなかった
たまにトイレ休憩とかで隣に他のクラスのバスが止まってさ、
窓越しに仲よかった友達が手ぇ振ってくるんだよ
それにも全力で愛想笑いしてた。
こっちはそれどころじゃねんだってば。
池面にビビッて漏らしそうなんだってば
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:07:47.12 ID:zLYXzb/j0
で、なんだかんだで鉱山見学を終えて、
でっけえ体育館みたいなとこでドッヂボール大会した
俺は「ヘイ!ヘイこっちパス!ああああ!あー…」とかやってた
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:07:47.90 ID:jXN2EM+Q0
今のところ邪気眼要素無し
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:09:47.93 ID:zLYXzb/j0
それから飯食って、一回部屋に入ってから風呂いって、
それから就寝まで2時間くらいの自由時間があったんだ
なんだかんだ言っても俺は池面たちのグループに入ってると思ってた。
だからきっと、女子の部屋に行くときには
「一緒に行こうぜ!」って言ってくれるもんだと信じてたんだ・・・
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:13:35.04 ID:zLYXzb/j0
でも現実は非情でした。
池面グループは俺を傍目に部屋を出てって、
残されたのは俺と根暗なオタク一人。
ちくしょうが。
ちょっと背が高くてスポーツできるってだけで池面を気取りやがって
部屋に残された俺は、仕方なくオタクに話しかけたんだ
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:18:55.44 ID:zLYXzb/j0
俺「お前、女子の部屋いかねえの?」
オタ「ぼぼぼ、僕が行っても嫌がられるだけだし、ブフッww」
俺 「あ、そう・・・」
オタ「おおおお、俺くんは、いい、行かないの?とか言ってwwデュフwww」
俺 「俺、女子とか興味ねーし」
オタ「そそそそうなんだ、ヒヒッwwじじじゃあ、一緒に漫画とか見る?ヒヒヒッwww」
はじめ、俺はこいつのこと気持ち悪ぃなあくらいにしか思ってなかったんだ。
そりゃあ友達できねえわって。
けど、この瞬間から俺の人生は狂い始めた。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:22:31.57 ID:zLYXzb/j0
オタクに見せられたのは最新号のジャンプだった。
その頃はたしか火曜日?が発売日だったんだが、その日は木曜日。
なのに最新号を持ってるオタクを見て、俺は目を輝かせた
俺 「なんで最新のもってんの!?すげえ!」
オタ「ちょっとね、ヒヒッ」
俺 「見せて見せて!」
オタ「おぅっと!先に僕が見てからだよwwヒヒッwww
あなたはその後ですよ、とか言ってwwwヒヒッwwwピキッwww」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:27:09.26 ID:zLYXzb/j0
多少苛立ったが、俺はひょうきん者であってDQNではない。
だからここは耐える。
オタクがジャンプを読んでる間、池面たちを笑わすためのジョークをずっと考えてた
うろ覚えだが、
「バームクーヘンボンバー」とかいう抱腹絶倒の一発ギャグができたような記憶がある。
で、10分くらいしてオタクが「よよ読んでいいよ」ってジャンプを寄越してきた
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:29:44.90 ID:zLYXzb/j0
当時の俺は立ち読みでジャンプを見るくらいで、
真剣に読んでる作品なんかひとつもなかった。
幽々白書も夏休みのアニメ劇場でちらっと見てただけで、
漫画やらアニメやらはあんまし好きじゃなかったんだ
それでも暇つぶしにはなるだろうって、本当になんの期待もなくページを開いた。
そこには、俺の理想があった。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:35:14.13 ID:zLYXzb/j0
一番に目を引いたのは、
真っ黒のコスチュームに身を包んだ謎のヒーロー、カラスマン。
一見悪そうな風貌だが、こいつは人の痛みを知る正義の味方だ。
弱気を助け、強気を裁く。
そんな姿勢に俺は、一瞬にして彼のとりこになった。
オタ「そそ、それ気に入った?ヒヒッww」
俺 「うん!すげえカッコいいじゃん!カラスマン!」
オタ「もっと面白いのもあるよwwジョジョとかwww」
俺 「えー。これはなんか絵が受け付けねえわ」
オタ「な……なんと!!!」
オタ発狂。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:33:47.41 ID:pYtU2JvC0
二十代後半?
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:36:14.06 ID:zLYXzb/j0
ククク、歳は伏せさせてもらおうか。
特定されかねんのだ・・・
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:39:42.05 ID:eifB+Z840
まぁもう特定したけどな
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:40:26.69 ID:zLYXzb/j0
貴様も選ばれし運命の七人であったか・・・恐ろしいや・・・
35 名前:@楽作板から来ました[] 投稿日:2010/07/10(土) 01:41:00.39 ID:pYtU2JvC0 [4/11]
大体の範囲は分かるよなwwwww
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:46:31.05 ID:zLYXzb/j0
オタ「ジョジョは面白いんだってマジで!昔からずっとやっててね!
名言とかもいっぱいあってね!それでねそれでね!」うんぬん
俺はいまだにジョジョを見たことないんでよくわからんが、すげえ力説された。
で、俺がてきとうに相槌打ってたら
「今度うち来なよ!マジで面白いから!見せてあげるよ!」って。
そんときは「ああ、うん、まあ。機会があればな」くらいに返してたと思う。
それから少しして、池面どもが帰還。
女子とウノやってたけど教師がきそうな気配したから帰ってきたとかなんとか言ってた
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:52:56.21 ID:zLYXzb/j0
で、一泊二日の林間学校が終わって、
翌日から振り替え休日を含んでの三連休だった。
休み一日目は他のクラスの友達らと一緒に遊びに行った。
すげえ楽しくて、やっぱ俺のいるべき所はここだって思えたなあ
マンションでエアガンの打ち合いしたり、町全部使ってケイドロやったり。
とにかく充実してた
日も暮れて、そろそろ帰るかってなってさ。解散したんだ。
俺が家に帰ったのは、もう8時ごろだったと思う。
小学生にしては遅い時間だったもんで、健在だったオトンにひどく怒られたのもいい思い出だ。
それから晩飯を食ってると、オカンが思い出したように言ってきた。
「そういえば、昼間にオタク君って子から電話あったわよ」
ああそういえば林間学校で遊ぶ約束したっけなあ、程度に思い出した
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:46:12.27 ID:pYtU2JvC0
おいwww邪気眼使ってみろよwwwwww
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:53:51.33 ID:zLYXzb/j0
莫迦め。
貴様ごときに容易く使えるものではないわ
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:59:23.77 ID:zLYXzb/j0
無視することもないが、かと言って今から家電にかけるのも気が引ける。
っていうかオカンが常識を考えなさいって怒った
だから次の日の昼前に電話したんだよ、オタクんちに。
そしたら
「いいい今から僕の家こないかな?漫画とか、見せるよwwフフヒwww」
予定もない俺は、すぐにチャリを飛ばして向かった
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:03:34.21 ID:zLYXzb/j0
オタクの家はお城みたいな感じで、
幼心だから多少過大評価してるかもしれんが、それでも金持ち臭がぷんぷんした
俺の家は団地だったんで、
家の中にエレベーターとかあるのがもう信じられんかった。
チャイムを押すとオタクは快く出迎えてくれて、部屋に案内してくれた。
部屋もでけえ。
まず机のでかさが違う。
俺は小1から姉ちゃんと共用で使ってる机なのに、オタクのは一人で俺の机の3倍はあった。
それにカセットテープだけしか入ってない本棚とか
ジャンプと単行本だけの物置とか。
とにかくすごかった
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:06:57.08 ID:pYtU2JvC0
オタクのお宅な
死んでくる…
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:08:08.85 ID:zLYXzb/j0
俺 「すげえな、お前んち・・・」
オタ「いやぁ、まあ、僕の力ではありませんのでwwwwホホホホwwww」
それから何個かの会話を交わしたあと、俺は本題に移った。
俺 「なあ、漫画見せてくれるっつったじゃんか。どれ読ませてくれんの?」
オタ「どれもこれもwwwお好きなものをどうぞwwwとか言ってwwww」
俺はオタと一緒に漫画だけの物置に入って、そこでドラゴンボールを手に取った。
名前は聞いたことがあったんだが、
ハメハメ波(だと思ってた)くらいしか知らなかったんだ。
オタクは俺の向かいに座って他の漫画を読む。
それから半日、俺はすっかりドラゴンボールに夢中になっていた
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:11:56.67 ID:zLYXzb/j0
俺 「すげえなこれ!すげえ面白い!ハメカメ波やばい!」
オタ「まあ、それはみんな一度は通る道ですからねwwwフヒヒッwww」
俺 「これ貸してくれねえ?家帰って続き読みたいわ」
オタ「おおっと、それはいけませんなwww読みたければ僕の家に来ればいいwww」
俺 「ケチケチすんなよー・・・じゃあ明日も着ていい?」
オタ「もっちのろんだよwwww」
俺はオタの家が気に入った。
お母さんは美人だし、小1くらいの妹はいい子だし、
お菓子もジュースも見た事ない高そうなやつが出てくるし。
いたれりつくせりとはこの事だと思った。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:12:49.45 ID:zLYXzb/j0
あ、上のミスってた。ハメカメ波って俺の考えた技の名前だった
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:14:06.10 ID:7DDlwwv40
>>52
知らねぇよwwwww
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:17:14.17 ID:zLYXzb/j0
次の日もオタクの家に行き、
それから何日かおいて平日も学校が終わると家に行かせてもらってた
気づけば俺は、オタクと大の親友になってたんだ。
クラスが違う友達も、唯一の話し相手だった姉ちゃんも。
もうどうでもよくなってた。
俺はジャンプのみならず、フラッシュゲームやハゲの歌など、
オタクが教えてくれる新しい遊びの虜になってたんだ
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:20:11.62 ID:zLYXzb/j0
学校でもオタクだけと話した。
一年前までピザ気味で、給食の早食いで名を上げていた俺はもういなかった。
クラスではハブ。
しかし気にすることは何もない。俺にはジャンプとオタクがいる。
友情と努力と勝利で全てがうまくいくと信じきっていた。
そんなある日、俺は自分がいじめられているんじゃねえかと気づいた。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:21:13.47 ID:9tzq/jnb0
>>55
オタクより先にジャンプの名前出てるじゃねーかwww
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:22:58.20 ID:zLYXzb/j0
前々から前兆はあったんだ。
給食のおかわりジャンケンもなぜか入れてもらえず
お道具箱の中のハサミや色鉛筆がなくなっていたりもした。
初めのころは気にしていなかったが、
国語の授業での朗読のときも、なぜか俺の時だけ笑い声が聞こえる。
たまに背中を蹴られたり、
上履きが水浸しになってたりもした。
おかしいなあって思い始めると、次々に嫌がらせが見えてきたんだ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:25:58.83 ID:zLYXzb/j0
そんな毎日が続いて、ある日俺は決意した。
これはイジメだ。絶対にあってはならないことだ。
戦わなくては。悪と。
俺をいじめて微笑む、ゴッドファーザーを倒さねばと。
そうだ、これは聖戦なのだ。
イジメなどという卑劣な行為をする糞どもを根絶やしにしなければ!
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:26:55.85 ID:7DDlwwv40
なんかいじめが悪じゃ無いような気がしてきたぞ••••
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:29:42.57 ID:zLYXzb/j0
手始めに俺は、オタクに相談をもちかけた。
もちろん外では話せない、諜報員がいるかもしれんからな。
放課後、冷静を装ってオタクの席まで行き、耳元でそっと囁く。
俺 「なあ、今日お前んち行ってもいいか?」
オタ「いいけど・・・なんで?とか言ってwwwブフッwww」
俺 「声がでかい!」
オタ「あ、ごめん・・・」
俺 「とにかく、お前んちで全てを話す。いいか?」
オタ「別にいいけど・・・」
そして、俺たちは本拠地であるオタク家へと足早に向かった。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:32:07.78 ID:zLYXzb/j0
オタ「それで、話ってなんだい?」
オタクの母さんが持ってきてくれたお菓子を妹に毒見させながら、
オタクはおずおずと切り出した。
俺はカーテンをしめてから妹の耳を塞ぎ、言ったんだ。
俺 「実は俺、命を狙われてるんだ」
オタ「……えっ」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:39:42.08 ID:zLYXzb/j0
いい反応だオタク・・・
その衝撃を受けた顔、至極もっともだと言えよう。
しかしこれは冗談などではない。
俺はクラスの連中から命を狙われてるんだ。
イジメという最も卑劣な手段によって。
俺 「信じがたいかもしれねえが、本当のことだ」
オタ「だ、誰に・・・?」
俺 「池田(池面グループのボス)だ。他にも何人かいるが、まだ特定できていない」
オタ「まさか、そんなwwウソでしょうそれはwwwwヒヒッwww」
俺 「俺のことが信じられねえのか!」
オタク「」ビクッ
妹 「」ビクッ
このへんでオタクの妹が泣いたかなんかして、
いったん話は打ち切りになった。
俺とオタクは必死で妹にポッキーを食べさせてご機嫌をとる。
ちくしょうめ、忌々しいタイムロスだ・・・
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:44:59.45 ID:zLYXzb/j0
妹の機嫌も治ったんで、俺の膝に座らせた。
ちなみに俺とオタクの妹は仲がいい。
ていうか付き合った。これ伏線ね。
で、オタクが真剣な顔をして話を戻す。
オタ「それで、どう命を狙われてるんだい?」
俺 「どうもこうもねえさ。実はな・・・」
ここで俺は、あることないことをオタクに話す。
始めのほうはお道具箱事件やおかわりジャンケン事変のことだったんだが、
オタクの反応が薄かったからかな。
ちょっとオーバーに言っちゃってた。
正確には、
カッターの歯を折ったやつを教科書に入れられてたとかなんとか言ったっけな。
オタ「それはいけませんね・・・」
俺 「だろう?どうすりゃいいと思う?」
オタ「そうですね・・・先生に相談するとか・・・
俺 「っ!!!」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:42:30.78 ID:pYtU2JvC0
言い忘れたがおまえの隣にオタクの妹いたらシャイニングフォースブリザード食らわす
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:45:52.46 ID:zLYXzb/j0
貴様は人の子ではあるまいな・・・
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:49:54.07 ID:zLYXzb/j0
そうだ、その手があったと、俺は思った。
いくら池田が調子に乗ったって、所詮は子供。
先生に注意されれば大人しくなるに決まってる。
翌日、俺は行動を起こした。
ただ先生にチクるだけでは、やんわりと注意さあれて終わりだろう。
そう考えた俺は、最も効果的な告げ口のタイミングを見計らった。
そして、ついにその時はきた。
授業がすべて終わって、放課後を迎える寸前にある、通称「終わりの会」だ。
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:56:16.20 ID:zLYXzb/j0
担任の先生は簡単な連絡事項をいくつか伝えて、
最後に「なにか報告がある人?」と聞く。
その瞬間、俺はまっすぐに手を挙げた。
クラス全員の視線が俺に突き刺さる。
オタクは「頑張れ」とエールを送っているだろう。
担任「はい、○○(俺)くん」
俺「皆さん、どうかそのままで聞いて頂きたい。実は、とても重大な事柄があるのです」
クラスはざわつかない。
ただ黙って俺を見つめている。
オタクも、池田たちも、女子も。みんなが俺を見ている。
俺「実は僕、あと一ヶ月で死んでしまうのですっ!」
クラスがざわついた。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:59:28.18 ID:6ypq98o30
すげぇ・・・
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:01:34.97 ID:zLYXzb/j0
これは俺とオタクが考えた、ブラフだった。
俺の寿命が残り一ヶ月だと言うことを発表することによって、
自然とクラスメイトは俺を気遣う。
池田率いる池面グループも、
「あと一ヶ月で死んじゃうんならイジメるのは可哀相だよな」ってなる。
そうして俺は持て囃されて、一躍ひょうきん者の座に返り咲く。
というストーリー。
シナリオは完璧だった。
先生は目を丸くして声を失ってたし、
クラスメイトも、内容を知ってるオタクさえも、皆が呆然としている。
この時のことを話題にされると今でも死にたくなるが、
間違いなくこの瞬間、俺はヒーローだったのだ。
翌日、親を呼ばれた。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:09:12.02 ID:zLYXzb/j0
終わりの会での俺の告白を聞いた先生は、
放課後に俺を応接間みたいなところに呼んだ。
そこで教頭と担任、それからなぜか保健の先生たちに囲まれて、
俺はだいぶ怒られた。
「冗談でもそんなこと言ってはいけない」だとか、
「本当に命の危機がある人が聞いたらどう思うか」だとか。
けれど、俺は平気だった。
だっていつ人が死ぬかなんて分かりようがないじゃん。
で、腕を組んで堂々としている俺に対して、教頭が言ったんだ。
「ちょっと○○先生、親御さんに連絡入れていただけますか?」
焦ったね。
俺のオトンは昔から体が悪かったんだ。
で、家族内で死ぬとかそういう冗談は厳禁だったの。
土下座したね。
教頭先生、勘弁してくださいって。ウソなんですって。
でも教頭は無視したね。
迅速に俺の家に電話して、今日のところは家族で話してください、
そして明日、その話し合いの結果を学校側に知らせてくださいって。
大人なんて糞食らえだ。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:14:33.37 ID:zLYXzb/j0
翌日の昼休み、登校した俺はオカンと一緒に応接間にいった。
オカンは泣きながら謝ってた。
俺は泣くものかという態度でポケットに手を突っ込んでた。
その姿勢に教頭は怒り心頭。
「クラスメイトにも不安にさせたのだから、彼らにも事情を話すべき」
だとか言い出しやがった。
俺はすぐに土下座したが、教頭は許してくれない。
んで結局、
終わりの会で俺とオカンはクラスメイトに向かって頭を下げたんだ。
オカンはまだ泣いてた。
俺も泣いた。
悲しいんじゃない、悔しくて泣いた。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:20:55.89 ID:zLYXzb/j0
家に帰る途中、オカンは俺をそごうに連れてってくれた。
「なんでも好きなもの、ひとつだけ買ってやる」そう言ってオカンは笑ってた。
練りケシを買ってもらい、
それから普段は絶対に行かないようなデザート専門店に入った。
そこでケーキを食べながら、オカンは俺の頭を撫でた。
昨日俺の頭を殴った同じ手で、俺を撫でたんだ。
オカン「このこと、父さんには内緒にしておくから。
だから絶対に、もうあんなことしちゃあダメだよ」
俺 「・・・うん」
オカン「○○(俺)は頑張り屋さんだからね。頑張った分だけ、うまくいくんだからね」
俺 「うん」
オカン「辛いこととか、嫌なこととか。
そういうのを我慢することも全部、頑張るってことなんだからね」
俺 「うん」
オカンは優しかった。
帰りは久しぶりに、っていうか未だにあれが最後なんだが、手を繋いで帰った。
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:23:21.81 ID:zLYXzb/j0
家ではオトンと姉ちゃんがテレビ見てて、
どこ行ってたんだとか聞いてくる。
俺は二人を無視して部屋に戻ろうとした。その時。
オカン「実は○○(俺)の学校に呼び出されてね。
なんかクラスメイトの前で寿命がどうこうとか言い出したらしいのよ」
おかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ亜あん!!!!!!!!!!!!!!111111111111111111
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:25:16.24 ID:qdsQ9wKn0
裏切りはええww
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:25:54.10 ID:zLYXzb/j0
その瞬間に家は凍りついた。
オトンが「なに・・・」って感じで俺を見る。
姉ちゃんも「あんた・・・」って俺を見る。
そしてオカンも「まさか本当に言わないと思ったか?」と、したり顔で俺を見る。
俺はそのまま家出した。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:26:50.36 ID:eifB+Z840
だからケーキ食わせたのか
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:31:20.61 ID:zLYXzb/j0
行くあてなんかない。お金もない。
大人は信用できない。
チャリの鍵も持ってない俺は、ダッシュでオタクの家まで走った。
たぶん、人生で一番の全力疾走だったと思う。
オタクの家につき、インターホンを押すと、彼のお母さんが出た。
「はい?」
「あ、○○ですっ!オタク君いますか!?」
「ちょっと待ってねー」
なんかインターホンなのに保留音がみたいなのが流れて、
しばらくするとオタクが出た。
オタ「どうしたんだい?」
俺 「実は命を狙われててっ!かくまってくれ!」
オタ「なんだって!わかった、すぐドアを開けるよ!」
オタクは本当にいいやつだった。
難なく俺は家に転がり込み、
土日を挟んだ四日間ほど世話になることになった。
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:35:38.55 ID:zLYXzb/j0
オタクには多少アレンジした話を伝え、
大人の汚さや社会の冷たさを夜通し語り合った。
その頃オタクはジャンプからVジャンプを経て、
ヤングジャンプへと段階を移行させつつあったんで、俺も読ませてもらっていた。
あまりのエロさに興奮したり、オタクの妹で試してみたり。
本当に楽しい日々だった。
が、大人の魔の手は着実に俺に迫っていたんだ・・・
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:36:39.10 ID:a6fe1PcYP
まて
まて
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:43:42.48 ID:zLYXzb/j0
いやそんなエロい展開ではないぞ。
よく覚えてないが、
なんかワキとヘソを舐めて女の子を泣かせる漫画があったんで試しただけ。
始めは笑ってたけど段々本気で嫌がり始めて、最終的には泣いて終わった。
小学生のころだからすげえ興奮したけど、
改めて考えると何してたんだろう・・・ってなる
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:40:57.98 ID:zLYXzb/j0
そりゃ小学校で無断欠席とかは、すぐに親へ連絡がいくに決まってる。
けどその時の俺は、なにか特別な組織が動いたんだと信じてたんだ。
でなけりゃあオタクの家がバレるはずない。
まさかオタクも組織の一員かと疑った。
そして、そう考えれば考えるほど、どんどん辻褄があっていったんだ。
俺がクラスでハブにされ始めたのも、
実は友達が欲しかったオタクの仕業なんじゃないか
寿命一ヶ月のブラフを提案したのもオタクじゃなかったか
それで居場所がなくなった俺を自分の家に寄越して、
俺を洗脳しようとしたんじゃないのか
すべてはオタクの仕業なんじゃないのか。そう思った
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:43:12.37 ID:IkjiRnwXO
最低すぎわろた
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:49:30.20 ID:zLYXzb/j0
で、俺は家に帰ってオトンにビンタされ、
姉ちゃんには無視され、
学校にはオカンと一緒に謝りにいった。
その翌日からまた登校を再開したが、もう俺には仲間なんていなかった。
いつの間にか疎遠になった、クラスの違う友達たち。
どこか余所余所しい担任。
嘲笑うクラスメイト。
そして真の首謀者、オタク。
俺の人生で、一番の暗黒時代に突入したんだ。
学校に登校すればすぐに寝たフリをし、遠くから聞こえてくる笑い声に怯え、
精一杯目立たないように努力した。
誕生日も運動会も音楽祭もクリスマスもお正月も一人で漫画を読んで過ごし、
気づけば小学5年生が終わろうとしていた。
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:53:40.16 ID:zLYXzb/j0
春休みを間近に控え、各教科の宿題が続々と出され始めた。
みんなは思い思いに休み中の計画を立てていたが、俺には無縁だった。
この頃にはもう、オタクとはすっかり喋らなくなっていた。
やつは他に仲のいい友人を作り、
遊戯王カードを学校に持ってくるほどのリア充へ進化していた。
俺はというと一日中机に突っ伏して、
たまに起きれば練りケシをこね、
そして誰とも時間が被らないように下校するだけの毎日だった。
このまま新年度を迎えればきっと、
クラス替えをして俺にも友人ができると、そんなことを考えてた。
そんな折、ある事件が起こったんだ。
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:00:05.19 ID:zLYXzb/j0
一人の女子の鍵盤ハーモニカの吹く部分がなくなったらしい。
なんか細いチューブみたいなやつの先っぽのあれ。
で、終わりの会でそれをその子が発表したら、
翌日に担任が生活の授業を中止してクラス会議をするってなったんだ
クラス会議では教卓の前に被害者の女子と担任が立って、
事の重大さを話した
俺は「自分で無くしたかもしれねえじゃん」って思ってたけど、
そんなことを言い合える友達もいなかったんでボーっと話を聞いていた
会議が進むにつれ、
なんと他にも同様の被害にあった女子生徒が数人いることが判明した。
正直、
はじめに言い出した被害者の女子はブスだったんでみんな相手にしてなかったんだが、
数人の新たなる被害者たちの中にクラスのマドンナがいたんだ
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:04:06.82 ID:zLYXzb/j0
マドンナは、まあ誰に聞いても可愛いって言う感じの、
学年1、2を争う美少女。
クラスは一気に熱を帯び始めた。
やれ「僕にはアリバイがあります」だの、
「お前マドンナのこと好きって言ってなかった?ww」だの、盛り上がり始める教室
俺はそれを傍観しつつ、冷静に犯人を割り出そうとしていた。
そしてわかったんだ、この一連の事件の首謀者が。
そう、オタクだ。
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:08:37.81 ID:zLYXzb/j0
オタクは前々から、マドンナのことが好きだと言っていた。
いや、正確には好きではないな。
気になる人、程度に言っていた
だが証拠がない。
ちらりとオタクのほうを見ると、なにやら池面連中と話している。
こんな非常時なのに、ヘラヘラと笑いながらだ。
俺は確信した。
間違いない、あいつが犯人だ。
が、無常にも時は過ぎて、クラス会議はお開きとなった。
なんともどかしい事か。
犯人がわかっているのに、首根っこを掴めないのだ。
だが同時に、わくわくもしていた。
俺がやつの化けの皮を暴いてやる。
さあオタクよ、俺と貴様の聖戦の幕開けだ。
そう思った。
その日から俺は徹底的にオタクをマークし、片時も目を離さなかった
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:13:34.24 ID:zLYXzb/j0
そんな日々が数日続いたが、俺は一向にやつの尻尾を掴めない。
なかなかどうして手こずらせる強敵だと、俺は高揚していた。
そして、ある事を思い出す。いつかオタクが言っていた、「ブラフ」というやつだ。
向こうが動かないのならば、こちらから動けばいい。
翌朝、俺は早速、行動にでた。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:11:17.17 ID:qdsQ9wKn0
完全に暗黒面に落ちたな
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:20:12.84 ID:zLYXzb/j0 [56/94]
朝一番に登校した俺は、
周囲に人がいないのを確認してマドンナの席へ向かった。
そして前もって用意しておいた紙を忍ばせ、自分の席へ戻った。
後はクラスメイトが来るのを待つだけ。
寝たふりをして過ごすことにする。
そのはずだったが、いつの間にか本当に眠ってしまっていた。
目を覚ましたのは15分後くらい。
周りを見ると、まだ誰もきていない。
しばらくじっと待っていたが、まだ誰も来ない。ヒマになってきた・・・
そこで俺は、なんとなく、本当に他意はなく、マドンナの机に行ってお道具箱を取り出したんだ。
中には高そうな単色じゃない折り紙と、ハサミや糊。
あと桃の匂いがする消しゴムがあった。
ヒマもヒマだった俺は、何気なくその消しゴムを舐めてみた。
うまい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1111
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:22:32.95 ID:h19ZdCIM0
これは酷いな…
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:25:19.83 ID:zLYXzb/j0
消しゴムってこんなに美味かったっけ?
いや、もしかしたらマドンナの成分が俺の味覚を狂わしてるのかもしれない。
もう頭がおかしくなりそうだった。
俺はその消しゴムで腕を擦ったり、ち〇こに当てがったり、足の指に挟んだりした。
まだ誰も来ない。
おかしいとは思わなかった。
俺は一心不乱に消しゴムを陵辱し続けた。
そうこうしていると、消しゴムのケースの端がちぎれたんだ。
うわやべえwwってテンションあがったなあ。
で、直さなきゃって慌ててると、
ケースがずれてその下になんか字が書いてるのを発見したんだ。
あれ?なんだろう?って、興味本位でケースを取って字を確認してみた。
そこには名前が書いてあった。
俺の名前が。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:29:38.33 ID:zLYXzb/j0
その時、俺の脳裏に過ぎったのは、
いつか後ろの席で話していた女子たちの会話だった。
「好きな人の名前を消しゴムの裏に書くと成就するらしいよ」的な。
マジでか!
マジであのマドンナが俺のこと好きだったんか!
ッしぇえええええええええええええええい!
もう興奮しきった俺は、
無人の教室で「ウソだろ!?ウソだろお!?なあ!?」ってぶつぶつ言ってたな。
ひとしきりはしゃぎ終わった俺は、
何気なく教室の後ろのドアに目をやったんだ。
そこには池面を筆頭にして、ほぼ全員のクラスメイトが立ってた。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:33:29.81 ID:9rJbA7AT0
うわあ…
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:36:22.46 ID:zLYXzb/j0
俺はクラス会議で壇上に立っていた。
マドンナは泣いてた。
なんでかオタクも泣いてた。
担任は怒ってなかった。
俺が朝、マドンナの机に忍ばせておいた手紙のおかげだ。
あの紙には「僕がチューブをとりました。すみませんでした」と書いておいたのだ。
担任いわく、
「彼は罪を認め、謝罪の手紙まで書いていました。遅かれ早かれ、バレることだったんです。
それがたまたま、こんな形になっただけです」とかなんとか。
で、クラスメイト全員の意見っていうか、
この事件に対する感想みたいなのを一言ずつ求められた。
池面どもは当たり障りのないことばっか言うし、
あんま喋ったことない女子からは軽蔑してますとか言われるし。
でも。
それでも俺は信じてた。
マドンナは俺のことが好きだから、きっと庇ってくれるって。
だって実際にチューブをパクッたのは俺じゃないし(これはマジ)、
俺が誰かを庇おうとしているように見てくれるんじゃねえかって。
で、マドンナが意見を求められた。
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:39:58.17 ID:zLYXzb/j0
涙をぬぐいながら立ち上がるマドンナ。
なんか自分のこと好きだって知ると、可愛く思えちゃうから不思議だった。
鼻声で彼女は言った。
「なんかぁ・・・勝手に消しゴム触られるしぃ・・・勝手に名前とか・・・書かれるしぃ」
え?
「気持ち悪いです・・・もう学校やめてほしいです・・・」
え、なにが?ははは、え?
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:43:05.72 ID:zLYXzb/j0
簡単なことだった。
マドンナの消しゴムに俺の名前を書いたのは、
別のやつらだったんだ。
俺イジメの延長だったんだろう。
そんできっと、その誰かはチューブをパクった真犯人だろう。
頃合いを見計らって俺のせいにするはずだったんだろうが、
勝手に自爆してくれたってとこかな。
もうなにもかもがどうでも良かった。マジで死のうと思った。
先生はなんか言ってるけど、早く帰りたいなあとしか考えてなかった。
その日から俺はひきこもりを始めた。
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:01:50.54 ID:zLYXzb/j0
小学校6年生、俺は引きこもりだった。
いや、引きこもっちゃいなかったかもしれん。
家にいたらオカンに殴られるから、てきとうな場所で時間を潰してた。
そんな毎日で一学期が終わる1週間くらい前まですごしてた。
けど、夏休みのしおりとかをどうしても手渡しで渡さなきゃいけないとかで、
俺は学校に半ば無理やり連れて行かれたんだ。
はじめて見る教室に入って、はじめてみる席に座る
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:06:56.94 ID:zLYXzb/j0
昔一緒のクラスで仲良かったやつもいたし、
話しかけてくれたりもした
でも俺はもう人が怖くなってて、
薄い愛想笑い浮かべるので精一杯だった
ちなみに、マドンナもオタクも違うクラスだった。
その一週間は昼までの登校日だったんで、昼休みがなくて安心してた
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:11:12.68 ID:zLYXzb/j0
なんとか俺は魔の一週間を乗り切り、
ついに夏休み前日になった。
終業式を終えて、クラスに帰って色々プリントとかなんとか配られた。
そんで終わりの会。
担任の計らいで、
夏休みに一度クラスみんなでお楽しみ会をやらなきかってなったんだ
俺は行く気なんかなかったが、出れない人の挙手はしなかった。
目立ちたくなかった。
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:15:05.70 ID:zLYXzb/j0
この頃、俺はもうジャンプ系漫画の虜になってた。
こんな糞みたいなクラスメイトと遊ぶより、ジャンプ見てるほうが何倍も楽しかった
で、終わりの会も終わって、下校の時間。
教室から出た俺を、廊下で待ってるやつがいた
オタクだった。
オタ「久しぶりじゃね?クラス別んなってから喋ってねえよな?」
俺 「あ、うん・・・」
オタ「なんだよお前ぇ、去年はけっこう仲良かったじゃん俺ら。どしたん?よそよそしくね?www」
俺 「いや、別に・・・」
俺の知ってるオタクはいなかった。
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:18:04.88 ID:zLYXzb/j0
俺はもう、早く家に帰りたい一心だったと思う。
一生懸命あの、顎を突き出す感じの会釈をしてた
けどリア充に進化したオタクは止まらない
オタ「そうだ、今から俺んち来いよ。ゲーム買ったんだ、007の」
俺 「あ、そうすか・・・」
オタ「な?来るっしょ?な?」
俺 「あ、はあ、わかりました・・・」
そんなこんなで、
俺は1年近くぶりにオタクの家へ行くことになった
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:21:35.64 ID:zLYXzb/j0
オタクの家はなにも変わってなくて、
妹も俺のこと覚えててくれてた
お母さんもやっぱいい人で、いっぱいお菓子もって来てくれた。
俺は久々に人と話し、遊んだ。
64の007で妹を集中狙いして泣かせたり、
ジャンプの話をして盛り上がったりもした
1年間のブランクなんて、あっという間になくなった。
ああ、俺はこんないい友達を持ってたのかって、
なんか嬉しくて泣きそうだった
帰るときもオタクは「また来いよ!電話すっからさww」って。
マジいいやつだった。
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:26:08.51 ID:zLYXzb/j0
それからというもの、俺はほとんど毎日、オタクの家に行った。
2日間泊まって、1日置いてからまた泊まりに行くのもザラだった。
オタクがいない日も遊びに行き、妹と二人でゲームしてた。
この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
ある日、オタクがこんなことを言い出した。
オタ「ラジオ体操さあ、けんじもゆうたも来ねえんだよ。あいつら家遠いから。
お前ぇ来いよ、マジだりぃけどお前ぇがいりゃあ楽しいだろうしさwww」
もう完全に最初のころと立場が逆転してた。
俺はオタクには逆らえず、こいつの言うことならなんでも頷いてた。
だから、ラジオ体操も了承して、
次の日から妹を含めての三人で行くことになったんだ。
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:30:00.47 ID:gHncnTar0
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:30:35.57 ID:zLYXzb/j0
ラジオ体操では小6が一番年上で、
俺たちは下級生をからかったりして楽しんでた
妹はそのせいで学校でちょっと嫌われてたらしいが、
そんなことは知らずにはっちゃけた。
自分が、少しずつ真人間に戻っているという気がしていた。
朝は一緒にラジオ体操にいき、昼間はオタクの家で遊んで、
オタクのお母さんに海へ連れてってもらったりもした。
妹に告白されてキスされたり、それをオタクにからかわれて喧嘩したりもした。
本当に楽しかった。俺はもう普通の小学生だったんだ。
あの日までは。
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:32:36.38 ID:qdsQ9wKn0
お前はこのスレの人間をすべて敵に回した
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:33:53.33 ID:zLYXzb/j0
ある日、いつものようにラジオ体操のスタンプを押してもらっていると、スタンプを待つ列の中に見知った顔があるのに気づいた。
俺が呆けてそれを眺めていると、オタクがへらへらしながら小突いてくる。
オタ「どうした、なに見てんだよwww」
俺 「あ、別になんでもねえよ」
オタ「ウソつけよww誰見てたんだお前ぇ……あ」
オタと俺の視線の先には、マドンナが立っていた。
おっさんと手を繋いで。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:37:37.46 ID:zLYXzb/j0
オタ「あれ、マドンナじゃね?」
俺「そ、そうだよな・・・」
オタ「けど、あのオッサンだれだ?」
俺「どう見ても父親って感じじゃねえよな・・・」
まあ完全に父親だったんだけど、
俺はなんだかそのオッサンが許せなくなってきた。
マドンナはオッサンと手を繋いで、恥ずかしそうに列に並んでいる。
一方のオッサンはへらへら笑いながら、
その小汚い首にかけたスタンプカードをぶらつかせてる
俺は覚醒したね。
あのオッサンは悪だ。
マドンナは悪に囚われていると、信じ込んだね。
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:44:52.37 ID:zLYXzb/j0
気づけば俺は駆け出していた。
スタンプカードを握り締めて、マドンナの下へ駆け出していたんだ。
オタ「ちょ待てよっwww」
妹 「兄ちゃんっ!」
オタクの制止も聞かず、妹の手も振り払い、俺は風になっていたのだ!
俺 「マドンナ!逃げるぞ!」
俺はさっきまで妹の指を握っていた手で、マドンナの腕を掴んだ。
マドンナは「はぁ?」って感じで動かない。
くそう、心までおっさんに汚されちまったってのかよ!
おっさんは「ん?お友達かい?」って聞いてくる。
けれど俺は答えない。答えたらダメだと、そんな気がしたんだ。
マドンナ「痛いってば、離してよ」
俺 「いいから早くっ!まだ間に合う!」
彼女の返事も聞かずに、
俺はそのままマドンナを引っ張ってラジオ体操の群れを抜けていった。
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:48:43.95 ID:kVVFn6I/0
ラジオ体操の群れ wwwwwwwww
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:53:42.35 ID:zLYXzb/j0
人通りの少ない場所まできて、俺はマドンナの腕を離した。
彼女は不機嫌極まりない顔だったが、そんなことはどうでもよかった。
俺は頭にきてたんだ。
そんな自分に酔ってたんだ。
俺 「お前・・・どういうつもりだよ!」
マドンナ「はぁ?なにが?」
俺 「なにがって・・・なにがってお前!」
マドンナの肩を掴んで、強く揺さぶる。
俺 「もっと自分を大事にしろよ!」
パァン!
なんの漫画だったかなあ。ガンツだったっけか、
どっかで聞いたカッコいい台詞を使いたかったんだ。
ただそれだけだったんだ、きっと。
でもボルテージがあがりすぎて、
マドンナのホッペを平手でぶっちゃったんだ。
もうあれだよ、マドンナはもう「・・・え?」ってなってる。
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:59:40.29 ID:zLYXzb/j0
しかもなんか指が目に入っちゃったらしくて、
「痛ぇ・・・マジ痛いんだけど・・・」って。
俺もまさかこんなことしちゃうとは思ってなかったから、
とりあえずあたふたしてた。
けどここで俺が隙を見せれば、
またオッサンがマドンナを連れ戻しにくるような気がして、
俺は必死に冷静を取り戻そうとしていた。
俺 「痛いとか、痛くないとか・・・そんな問題じゃねえんだ!」
マドンナ「・・・」
俺 「お前は今、体が痛いかもしれねえ。けどなあ、俺は心が痛いよ!」
マドンナ「・・・」
あああマジ恥ずかしい。
今思い出しててマジ鳥肌たってきた。
けどあん時の俺はとにかく輝いてた。
俺 「とりあえず、今日はオタクんちに泊まれよ。部屋は用意するように言ってやる」
マドンナ「いや、別にいい・・・」
俺 「バカ野郎!お前がよくても俺の気がすまねえんだよ!」
マドンナ「あの、ちょっと待って。考えさせて」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:05:46.22 ID:zLYXzb/j0
この時、まさか泊まることを了承するなんて思ってなかった。
ただなんとなく、
俺の本気さと顔の広さを示したかっただけだったんだ。
けど意外とマドンナは真剣に考えてるっぽい。
俺焦る。
俺 「ま、まあお前が嫌だっつうんなら、俺はこれ以上なにも言わねえさ」
マドンナ「・・・」
俺 「正直、俺も今日のところは引き下がろうとも考えてる」
マドンナ「・・・」
俺 「でもお前にはもっと自分を大切にしてほしいんだ。
それだけわかってくれれば俺は満足だから」
マドンナ「うっせえな。考えてるっつってんだろ」
俺 「あ、すんません・・・」
で、しばらく悩んでいらっしゃったマドンナが、不意に答えた。
マドンナ「一回家に帰ってから、パパとママに泊まりに行っていいか聞いてみる」
俺 「あ、そう?うんオッケー」
で、俺はオタクたちの下へ帰った。
マドンナはいったん家に帰った。
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:17:39.12 ID:fhuLeVBW0
止まったな、長いの書いてるのか
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:32:06.76 ID:zLYXzb/j0
付き合ってくれた者どもよ、すまぬ・・・
睡魔と言う黄泉への階段が我をいざなっている。
すまぬが暫し奴と戦うため夢幻の空間に精神を転送することとする。すまぬ・・・
我が睡魔に勝利した暁には必ずや続きを書こう。すまぬ・・・
あと俺今は普通に幸せな毎日を送ってます。
これは黒歴史なんです。
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:33:33.98 ID:X3tgL9V+0
15歳の女ですら自分を俺と言い、自分の家に放火する時代にそんな小さい邪気眼語りで恥しくないの
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:38:53.00 ID:zLYXzb/j0
俺にしてみれば人生で一番の山場だったんだ
本当にやばい事とかには発動しない邪気眼の所有者だったんだよ・・・
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:40:56.94 ID:9tzq/jnb0
イイカラカクンダ
ユメニデルゾ
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:44:07.57 ID:132ZSbFH0
オレモユメにデル
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:45:52.71 ID:luWUrwRe0
オレモユメにデル
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 12:58:23.36 ID:zLYXzb/j0
皆の者、保守ご苦労であった。
我は睡魔に打ち勝ったのだ。さて、続きを話そうか・・・
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:07:26.47 ID:zLYXzb/j0
俺が戻ってくるなり、オタクは慌てた様子でまくし立ててきた。
オタ「お前なにしてたんだよ!あのおっさん、
やっぱりマドンナの親父だったんだけど、すげえ困ってたぞ!」
俺 「あ、そう・・・」
オタ「一応お前の名前は教えといたけど・・・マジなにやってんだよ」
俺 「いや、あの、そのことなんだけどさ」
俺はできる限りカッコよく、マドンナとの会話をオタクに話した。
オタクは驚きながらも半笑いで聞いてくれていたが、
やがて「マドンナをお前んちに泊めてやってほしい」の件で声を失った。
オタ「・・・え、マジ?」
俺 「マジだ」
オタ「はぁ?お前ホント勝手なことすんなよなー・・・」
俺 「やっぱり駄目か?・・・そうだよな」
オタ「い、いや別に俺はいいけどさ!あのー、マドンナの親がなんて言うかだろ」
俺 「今さっきマドンナは家に帰って、泊まっていいか親に聞きにいった」
オタ「そ、そうか。なら親が認めてくれたら泊まりにくるんだな!」
そういえばこいつはマドンナのことが好きだったんだ。
オタクにとっては棚ボタな展開だったろう。
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:11:52.68 ID:zLYXzb/j0
俺たちはその足でオタク家へ向かい、
マドンナが来てもいいようにと部屋の片付けをすることに。
オタクはなんか、
プラモデルの雑誌とか英語の絵本とかをわざと見える場所に配置してた。
うわぁこいつ・・・って俺は思ってた。
で、昼過ぎになって、飯食ってたら電話が鳴ったんだ。
俺もオタクもすげえどきどきして、聞き耳をたてる。
するとオタクのお母さんが電話台から「マドンナさんって方から電話よー」って。
きた!って顔して、受話器を取りに行くオタク。
俺は気にしてないふりして飯を食う。
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:17:14.46 ID:zLYXzb/j0
5分を過ぎても、10分を過ぎても。オタクは電話を切らなかった。
そんなに話すことがあるのかってくらい、
なにやら声を潜めて受話器を握り締めている。
俺は何度かトイレへ行くふりをして横を通り抜けるが
その度にオタクは俺に背を向けるんだ。
これは怪しいなって感じ取った。
そうこうして、やっと電話が終わった。
30分近くは話してたと思う。とても長かった。
俺 「どうだった?」
リビングに戻ってきたオタクは、それには答えずに俺の腕を引く。
オタ「ちょっと部屋で話そう」
俺 「あ、うん・・・」
不吉な予感がしてたんだ。
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:22:48.05 ID:zLYXzb/j0
部屋の扉を閉めるなり、オタクは小さく呟いた。
オタ「マドンナ、これないって」
俺 「なに・・・?」
オタ「親が許さなかったらしい」
俺 「そんな・・・」
オタから聞いた話をまとめると、
なんでもマドンナはあの後、家に帰って父親に俺のことを話したんだそうだ。
父親は怒りはしていなかったがとても心配していたみたいで、
マドンナは安心させようとウソをついたらしい。
俺のことを頭のおかしい同級生ではなく、彼氏として紹介したんだと。
で、今日泊まりにいきたいんだけどって話すと、両親ともに大反対されたと言う。
オタクはその他にもできるだけ忠実に今聞いた話を教えてくれたが、
そんなことはなにも頭に入らなかった。
ただ、マドンナが俺のことを彼氏だって言ったのが嬉しすぎたんだ。
それと同時に、マドンナの両親が許せなくなった。
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:25:57.88 ID:zLYXzb/j0
俺 「なんだよそれ・・・そんなの大人のエゴじゃないか!」
オタ「違ぇねえ。マドンナ、悲しそうな声だったよ」
俺 「ちくしょうちくしょうちくしょう!あいつをなんとか助けてやらねえと!」
オタ「だな!俺らでなんとかしてやろう!」
俺 「おうよ!」
ちょうどこの頃、俺はブルーハーツにもはまり始めていた。
大人なんて糞食らえだという想いが爆発してたんだ。
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:27:49.56 ID:zLYXzb/j0
俺たちは夕方までずっと、マドンナを助け出す作戦を考えた。
レインボー作戦とか言ってた。
もし作戦の途中に大人に捕まっても、
互いに口を割らないための契約書と親友テレカも作った。
俺たちはやる気だった。
そして、その夜。作戦を決行したんだ。
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:27:51.79 ID:aOSuiXhc0
読んでてむず痒い・・・・
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:29:52.52 ID:D9YXOEYK0
なんだろう
この感覚?
なんだろう
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:33:40.14 ID:zLYXzb/j0
第一段階、まずは情報収集だ。
俺たちは二手に分かれて近所のコンビニなどへ聞き込みをし、
マドンナのマンションでポストを漁るなどして情報を集めた。
マドンナのマンションはオートロックの自動ドアだったんだが、
この扉を開ける方法も考えた。
自動ドアの下の隙間にできるだけ厚いチラシを滑り込ませて、
中側にあるセンサーに感知させて開けるという方法。
これは今考えてもすごい発想だったと思う。
ドアはいとも簡単に開き、
俺たちはマンションの中で入ることさえ可能になった。
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:35:33.18 ID:uqIA/3WA0
そろそろイヤリング型携帯電話の登場か・・・
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:38:19.98 ID:zLYXzb/j0
それから数日間は、
ほとんどずっとマドンナのマンションの前に張り込んでいた。
マドンナの両親の生活リズムを調べ、
マドンナを救出するためのタイミングを見計らっていた。
そうして情報を集められるだけ集めた俺たちは、
作戦を第二段階へと移行させる。
たまにどこかへ遊びに行くマドンナの後をつけ、
彼女の安全を見守ったのだ。
オタクが夏期講習へ行き始めてからは、
俺と妹の二人でマドンナの後を追った日も少なくなかった。
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:40:18.01 ID:ZaFsCCfX0
妹を巻き込むなwwww
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:44:07.54 ID:zLYXzb/j0
そんな生活がずっと続いたある日、
俺は衝撃的な事実を知ることとなる。
マドンナに彼氏がいたのだ。
相手は他のクラスの池面で、
俺たちが影から見守っていることも知らずに手をつないで肩を寄せ合ったりしている。
オタ「・・・」
俺 「・・・」
妹 「・・・」
意味がわからなくなった。
俺たちがこんなにも見守って、頑張って、
夏休みを無駄にしてまで助けてやろうとしているってのに。
マドンナはなにも知らない池面と仲良くしている・・・
頭がおかしくなりそうだった。
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:47:17.70 ID:aOSuiXhc0
すでにおかしいだろ
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:49:53.49 ID:zLYXzb/j0
その日から俺たちは、もうマドンナを守ることはやめた。
まるで抜け殻のような夏を過ごした。
妹は日に日に太っていくし、オタクは廃人のようになっていた。
俺もそうだった。
そして夏休みも終わろうとしているある日、
このままじゃいけないと俺は決心したんだ。
俺 「マドンナに、俺たちが頑張った努力の分を清算してもらおう」
オタ「・・・なんだと」
俺 「俺たちはこの夏をフイにしてまで、やつに尽くしたんだ。
それなのにあいつは裏切った。だから!」
オタ「・・・・・・なるほど」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:55:59.04 ID:zLYXzb/j0
俺たちは定規で筆跡を変えて、
毎日マドンナのポストに手紙を入れはじめた。
前世からの繋がりがどうとか、血の誕生日の盟約がどうとか。
真剣に書いた。
だがマドンナからの反応はない。
それはそうだ、犯人の目星がつかないんだろう。
なんか虚しくなってきたが、
こうでもしなければ俺たちの努力に気づかないままだったろうと信じていた。
しかし、そんなことを4日ほど続けていると、
オタクが突然言い出したんだ。
オタ「俺なんか飽きたわ。もうやめるから」
俺 「やめるって、なにを?」
オタ「手紙入れるの。どうせ向こうも気づいてないし、やめるなら今のうちだろ?」
俺 「貴様・・・裏切るのかよ!」
オタ「だって夏休みもったいねーんだもん」
俺 「親友テレカは・・・あの誓いはどうすんだよ!」
オタ「ああアレ?そういやどこやったっけなー。なくしちゃったよwww」
俺 「!!!」
俺はオタクを殴った。
生まれて初めて、タイマンを張ったんだ。
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:59:40.49 ID:zLYXzb/j0
次の日、俺が病院から家に帰ると、一通の手紙が机に置かれていた。
オカンに尋ねると、俺宛でポストに入っていたと言う。
可愛らしいキャラクターの便箋を開けて中を見ると、
これまたキャラクターがプリントされたメモ用紙が出てきた。
そこにはこう書かれていたんだ。
「きさまはあの女にこだわりすぎた。血のせいさいをうけるがいい」
なん・・・だと・・・
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 14:00:56.97 ID:ZaFsCCfX0 [5/7]
ククク・・・
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 14:01:25.26 ID:zLYXzb/j0
ちょ魔って
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 14:36:39.58 ID:ecYNjoXJi
>>1さん
いまごろひょうきんブラッドが疼いている頃でしょうねホホホ…
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:08:35.67 ID:M5XeafYl0 [1/4]
早くしろ
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:15:54.22 ID:jEGJOaMt0 [1/3]
ちのせいさいの後引っ張るなんて策士だな
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:21:19.67 ID:Fq8Apvbn0
ちのせいさい・・・
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 22:12:15.49 ID:jEGJOaMt0
>>1はちのせいさいのことを書こうとしたから消されたのか…
ちのせいさいwwwwwwwwwwww
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:24:04.56 ID:M5XeafYl0
. |___
. / (^p^ ) チノセィサィwwwww
/ / \
| | | |
___/ /__.| |___
// //
(Ξ´ ‘ミ)
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 21:06:07.44 ID:9rJbA7AT0
>>1はど一体こいったんだよ
398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/11(日) 21:07:43.47 ID:4w2SM1dK0 [3/3]
「いいいい、1くんは、まだ、書かないの?とか言ってwwデュフwww」
462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:36:57.71 ID:Ubg45Nm90
長く待たせてしまったようだな。すまぬ
ククク、朝陽が目に染みおるわ・・・
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:42:24.38 ID:Ubg45Nm90
続き
手紙を見た俺は焦った。
まさか、こんな形で報復を受けることになるとは・・・
心当たりがないわけじゃなかった。
マドンナの両親や、マドンナの彼氏という線も濃い。
だが証拠がない以上、こちらから下手に動くこともできなかった。
そこまで考えた上で、俺は筆跡を鑑定することにした。
一文字一文字を念入りに調べ、その特徴から犯人を割り出そうと試みたのだ。
そして気づいた。
これはオタクの字なんじゃないかと。
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:47:29.73 ID:Ubg45Nm90
そう思えば思うほど、
どんどんオタクが怪しくなってきた。
急にマドンナへの復讐をやめたことも全て辻褄が合う。
あいつはハナっから、俺をはめるために動いてきたんじゃないのか。
てきとうに仲のいいフリをして、俺を煽って、マドンナを尾行させ、
彼氏を見せ付けて精神的に追い詰め、
とどめにこんな手紙を寄越して俺を怯えさせる・・・
なんと汚いやりかただろうか。
本当の友達だって、俺は信じていたのに。
なんて裏切りだろうか。
俺は泣いた。人目もはばからずに泣いた。
姉ちゃんにうるさいって言われても泣き続けた。
無力な俺には、涙を零すことでしか自分の心を守れなかったんだ・・・
467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:49:15.93 ID:BIEMcjvJ0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:50:14.83 ID:Ubg45Nm90
泣きながら飯を食い、泣きながら風呂に入り、
泣きながら笑う犬の冒険を見た。
やがて眠くなって寝た。
目を覚ました頃には、もう涙も枯れていた。
その代わりに、胸の奥から沸々と怒りがこみ上げてきた。
そして、俺は決意した。
オタクに復讐してやる。
469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:56:05.64 ID:Ubg45Nm90
そうと決まれば行動は速い。
俺はすぐに家を飛び出し、チャリに跨って駆け出した。
信号も危なくない所は無視をして、カーブはできる限り体を傾けて、
風そのものとなってオタクの家へ向かったんだ。
少し息を整えてからインターホンを押すと、妹が出た。
オタクはいるかと尋ねると、不在だと返ってくる。
仕方なく、やつの帰宅まで待たせてもらうことにした。
俺はオタクの部屋で妹と64をしながら時間を潰した。
たまに妹がベタベタしてきたが、俺は汚らわしいと言って距離を置いた。
当たり前だ、敵の家族に気を許せるものか。
ていうか小2で太ってきてんじゃないぞクソが。
俺たちはただ黙々と、007をし続けた。
470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:58:28.17 ID:bJF/VTJ9i
小2と付き合ったとか言ってたのかお前…
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:03:41.26 ID:BIEMcjvJ0
人ん家でゲームやらせてもらってる割には態度デカいなww
471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:00:48.73 ID:Ubg45Nm90
日も傾き始めた頃、ようやくオタクが帰ってきたんだ。
俺は深呼吸をしてから、できる限り微笑んで迎え入れてやる。
俺 「よう、おかえり」
オタ「お、おう・・・なんで来てんだよお前」
俺 「なんでって。ハハハ面白いことを言うなぁオタクは」
オタ「な、なんだよ・・・」
俺 「これだよ!!!!」
バシンッと俺はポケットから例の手紙を取り出す。
オタクはひどく狼狽していた。
473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:06:43.24 ID:Ubg45Nm90
俺 「これに見覚えがないとは言わせねえぞ。
俺が言いたいこと、わかるよな?」
オタ「い、いやわからん・・・」
俺 「ここまで来てしらばっくれるとはいい度胸だ。
その姿勢だけは褒めてやろう」
オタ「だからなんだってんだよ」
俺 「この手紙を俺に送りつけただろっ、もうバレてんだよお!!!」
俺の威勢のいい声に、オタクのお母さんが様子を見に来た。
しかしそんなことは気にならない。
部屋には沈黙が流れ、
妹もお母さんも息を殺して俺とオタクの顛末を見届けようとしている。
あまりにも長い無言に終止符を打ったのは、オタクだった。
オタ「ちょっと手紙見せてくれ」
俺 「勝手にしろ」
オタクは手紙を手にとって、文面を口に出して読み上げた。
白々しい、まるで初めて見たかのように読みやがる。
だが、俺は敢えてなにも言わなかった。
オタクがどう反論してくるか、それにどう返してやろうか、
妄想して高揚していたのだ。
475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:12:43.53 ID:Ubg45Nm90
手紙を読み終えると、オタクが口を開いた。
オタ「これ、俺の字じゃねえし」
俺 「はぁ?」
オタ「こんな汚ねえ字じゃねえっつってんの」
俺 「・・・は?」
これは予想外の反応だ。
もっと突っかかってくるかと思えば、なんとも冷静ではないか。
オタクはおもむろに立ち上がると、
机から夏休みの宿題を取り出してきた。
オタ「ほれ、見てみろよ。全然字が違うだろ?」
俺 「そ、そうだな・・・」
オタ「これでわかった?俺じゃないって」
俺 「で、でも!筆跡なんていくらでも変えれるだろ!
実際に俺たちはマドンナに対してそうしていたじゃないか!」
オタ「あれは定規使ってたじゃん。こんな丸っこい字書けねえよ」
俺 「そ、そんな・・・」
俺は愕然とした。
膝から崩れ落ちた。
まさか、オタクの犯行じゃなかったなんて・・・
じゃあ俺は一体、誰に命を狙われてるってんだ。
血の制裁とはなんなんだ・・・
またしても部屋は無言に包まれる。
話を聞いていたオタクのお母さんが、ちょっと怒ってる。なぜ。
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:17:28.14 ID:Ubg45Nm90
その後、俺たちはオタクのお母さんに怒られた。
マドンナへの復讐も洗いざらい話した。
あれだよね、普段怒らない人が怒ったらすげえ怖いよね。
俺らは泣いた。
それから仲直りさせられて、夕食をご馳走になってから帰った。
お母さんの手前、握手をして互いにごめんなさいしたが、
俺はオタクを許す気にはなれなかった。
数日前のタイマンのこともあるし、
なによりオタクのふてぶてしい態度が許せなかったのだ。
俺はずっと、オタクをボコボコにする妄想をして家に帰った。
478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:22:16.24 ID:Ubg45Nm90
それ以来、夏休みは誰とも会わなかった。
夏祭りも姉ちゃんとその友達らと行き、
遠くに同級生が見えるとお面をかぶってやり過ごした。
そうやって、小学校最後の夏は終わったんだ。
9月になり、学校が始まっても俺は家にいた。
一度ひきこもりを経験してしまったら、抜け出すことは簡単じゃないのだ。
マドンナへの怒りも、オタクへの怒りも、すべてはどうでもよくなっていた。
ただ早く卒業式がくるのを待つだけの日々。
たまに先生が家にきて、クラスメイトからの手紙を渡してくれたりもしたが、
それさえ燃やそうと思っていた。
燃やさなかったけど。
そして季節は巡り、春が来たんだ。
卒業式へは行ったが、誰とも話さずに帰ってきた。
479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:28:42.16 ID:Ubg45Nm90
春休み中に家族とじいちゃん、ばあちゃんを交えて話し合いをした。
じいちゃんとばあちゃんは俺が引きこもっていることを初めて知ったので、
悲しそうに笑っていたっけ。
結局、中学はちゃんと通うということに決まった。
俺は週1なら学校へ行ってもいいと言ったが、オカンに殴られて却下となった。
あとブルーハーツのCDはどっかに隠された。
大人たちは何も話を聞いちゃくれない。
で、中学の入学式。
先生は怖そうな人ばかりだし、知らない小学校から来たやつらも多いし、
もう地獄そのものだった。
オタクはどこかの男子校へ行ってしまっており、
マドンナは東へ引っ越したらしい。
憎らしいと思っていたやつらだったが、
いざいなくなると寂しいものだ。
480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:29:40.02 ID:BIEMcjvJ0
中学の新学期は悲惨だよなぁ
482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:31:53.65 ID:Ubg45Nm90
中学1年の1学期は苦痛でしかなかったが、
それでも毎日ちゃんと通った。
授業もちゃんと聞いていたし、
遊びに行くほどじゃないが喋れる友達も数人できた。
夏休みを挟んで2学期にもなると、もう俺は真人間に戻っていた。
学校は辛かったが、頭の中で歌を歌ってなんとか乗り切った。
そして、ついに俺の人生を左右するイベントが近づく。
そう、体育祭だ。
485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:35:17.36 ID:j6CStPywO
中二病ってどうすれば治るのか、いまだにわからん
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:37:57.46 ID:Ubg45Nm90
うちの中学の体育祭は、
競技よりも応援合戦という出し物が一番盛り上がる。
それぞれクラスごとに10分の持ち時間で、
ソーラン節やらダンスやらを披露するのだ。
それは採点されて、合計12クラスで3位までが表彰されるというもの。
俺たちのクラスも例に漏れず、この応援合戦に向けて練習が始まった。
なんでも、音楽に合わせて人文字を作るらしい。
なんの音楽にしようか決める話し合いで、
俺は勇気を振り絞って「アナーキー・イン・ザ・US」を提案されたが一瞬で却下された。
なんだかんだで下らないJpopに決まったことに、
俺は怒りとともにやるせなさを感じていた。
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:43:41.72 ID:Ubg45Nm90
体育の授業で競技の練習をし、
昼休みと放課後を使って応援合戦の練習をする毎日。
体育祭が近づくにつれ練習に熱が入り、朝錬もするようになった。
クラス40名が一丸となって、汗を流した。
この頃の俺は邪気眼も弱まっており、精一杯練習に参加した。
その努力が認められたのか、俺は重要な役割を担うことになった。
人文字のほうではなく、
音楽を流す人にCDを渡す役目に抜擢されたのだ!
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:47:20.78 ID:qE9dgtnwO
重要な役…割…?
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:49:46.80 ID:7lK50yTx0
それ・・・邪魔者扱いだったんじゃね・・・
492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:52:56.72 ID:Ubg45Nm90
否ッ!倍率2倍の競争を勝ち抜いたのだ。
491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:52:04.66 ID:Ubg45Nm90
そしてついに、体育祭当日がやってきた。
順調に競技を進めていき、やがて昼休みに入る。
友達同士で飯を食ってるやつらを傍目に、俺は木陰で弁当をつついた。
楽しそうな声で笑い合うガキどもを眺めていると、
隣に同じクラスの女子グループが座ってきた。
俺は慌てて去ろうとしたが、女子グループの一人が俺を呼び止めたんだ。
女子1「どこ行くのよwwせっかく一緒に食べてあげようと思ったのにー」
女子2「そうだよ、座りなよ。あ、○○(俺)くん一人?」
俺 「は、はい」
女子3「そっかー。次の応援合戦頑張ろうね!」
俺 「は、はい」
女子1「○○くんがちゃんとCD開けてくれないと始まらないんだからねww」
女子2「そうだよ。頼むよー!」
俺 「は、はい」
幸せだった。
そしてこの3人のことが好きになった。
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:53:40.69 ID:uIXU4aFuP
すぐ好きになりすぎwwwwwwww
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:59:10.27 ID:Ubg45Nm90
昼休み中はずっと、女子グループと話していた。
始めのほうは「俺なんかが女子と話してたらいじめられるんじゃ・・・」って思ってたが、
そんな危惧もどこかへいった。
本当に楽しかった。この3人を笑わせたい、幸せにしてやりたいと思った。
バームクーヘンボンバーをやった。
すべった。
だが、楽しい時間はすぐに終わる。
1時間もあったはずの昼休みは忌々しいチャイムの音で終わりを告げ、
次の競技である応援合戦本番がやってきた。
人文字をやるやつらは運動場の端に整列して、
音楽係のやつと音楽係補佐の俺はPTA席の前に待機する。
「次は1年1組の応援合戦です」というアナウンスとともに、
掛け声をあげて人文字のやつらが運動場中央へと躍り出る。
俺は音楽係にCDを渡した。すべては順調だった。
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:04:13.13 ID:C5tylyE10
CDで嫌な予感が
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:05:12.18 ID:Ubg45Nm90
音楽係がCDをコンポに入れる。
運動場の隅では10分を計る電光掲示板が時を刻み始めた。
あとはコンポの蓋を閉めて、再生ボタンを押すだけ。
それで俺たち音楽係の任務は完了する。
そのはずだった。
しかし、なぜか音楽係が手こずっている。
「ふ、蓋がしまらないっ!」などと呟きながら慌てている。
やばい、ここで時間を食うわけにはいかない。
みんな、あんなに練習したんだ。
それをこんなミスでフイにしてしまうわけにはいかない!
俺は音楽係を押しのけて、力の限り蓋を閉めた。
「パキッ」という音と共に、蓋が閉じる。
すぐに再生ボタンを押すが、音楽は流れない。
薄々、俺は気づいていた。
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:06:20.58 ID:BIEMcjvJ0
あーあー
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:07:02.84 ID:0JqOV+pu0
うわぁ…
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:07:48.33 ID:Ubg45Nm90
「ちょっとお前どけ、もっかい蓋開けてみろよ」
音楽係が慌てた様子で言ってくる。
やめてほしかった。
わかってる。
蓋の中がどうなっているか、俺には手に取るようにわかっているんだ。
もうやめてくれ。
開けないでくれ。
どうか蓋を、蓋を開けないでくれと。
俺は神と音楽係に祈った。
しかし神は非情だ。
蓋は簡単に開き、その中でひび割れたCDが虚しく輝いていた。
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:09:06.32 ID:BIEMcjvJ0
(((´・ω・`)))
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:10:07.17 ID:QVB9KkCe0
: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∧_∧ . . . .: : : ::: : :: ::::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、:/⌒ヽ. . .: / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i(^ω^ )< 一緒にブーンしようお?
/ :::/;;: ヽ ヽ ::と つ. :.\_____________
 ̄ ̄ ̄ (_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄
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/:彡ミ゛ヽ;)ー、:/⌒ヽ. . .: / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i(^ω^ )< ねぇねぇブーンしようお!?
/ :::/;;: ヽ ヽ ::と つ. :.\_____________
 ̄ ̄ ̄ (_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄
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/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄ (_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ
∧_∧
/ 彡ミ゛ヽ )ー、
/ /⌒ヽ、ヽ、 i
/ /^ω^*ヽ ヽ l おっ?
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:14:45.73 ID:Ubg45Nm90
異変に気づいた担任が近寄ってくる。
音楽係は早口にこの惨状を告げている。
俺は空を眺めている。風を感じている。
すぐに予備のCDを担任が持ってきて、音楽係がそれを入れて再生ボタンを押した。
俺は雲の流れを目で追っていた。
しばらくして大音響で流れ出すJpop。
ワンテンポ遅れて人文字を作るクラスメイトたち。太陽に手をかざす俺。
大幅なタイムロスと中1の脆弱なメンタルのせいで、人文字はgdgdだった。
運動場を囲む他のクラスのやつらは嘲笑を零し、俺は風になびく木々を見つめていた。
結局7分弱しかない時間の中で、クラスメイトたちはできる限りの人文字をやっていた。
そして応援合戦が終わったとき、俺の短い栄光も終わっていた。
510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:23:41.14 ID:Ubg45Nm90
クラス席に戻ると、全員から冷たい視線を浴びる。
だが俺は反論などしない。
俺がすべて悪いんだ、この罪を背負うのは一人で十分だ。
クラスメイトたちに事情を説明する音楽係。
実は蓋が閉まらなくて、無理やり閉めたらCDが割れたということ。
自分が割ったのか○○(俺)が割ったのかわからないということ。
それを聞いて、さっきの女子グループの一人が俺たちを擁護し始めたんだ。
「誰が悪いってわけじゃないよ。それに、まだ体育祭は終わってないじゃん!」と。
ああ、この世界に天使はいたんだ。
こんなに可愛い天使が、こんなに近くにいたんだ。
世の中まだまだ捨てたもんじゃないんだ。そう思った。
が、クラスのDQNグループのボスは治まらない。
「誰が悪いって、完全に音楽係のこいつら二人が悪いじゃねえか!」といきりたってやがる。
それにビビった音楽係が、
「そ、そういえば○○(俺)が蓋を閉じたときにバキッって音がしたかな」
なんて、手のひらを返して言い逃れを始めた。
だが俺は臆さない。なぜならば、俺には天使がいるんだ。
さっきの言葉を信じるならば、彼女は無駄な争いを好まないのだろう。
それに、ちょっと俺のことが気になってるに違いないだろう。
俺は何も言わず、天使に目を向けた。
天使は醜悪な目つきで、俺を睨んでいた。
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:27:53.65 ID:7lK50yTx0
天使こええええええええええwwww
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:28:29.61 ID:4MuHrOezO
うわぁぁぁ・・・
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:29:28.68 ID:Ubg45Nm90
天使「・・・○○(俺)くん、わかってんの?」
え、なにが?なにを?きみの気持ちをかいベイベー?
天使「あんたのせいで、みんなの努力が無駄になったんだよ?返してよっ!」
泣きはじめる
俺 「か、返してよ?え?」
天使「みんなの努力を返してよ!バカ!」
俺 「あ、え、あぅ・・・」
天使「一番簡単な作業なのに・・・なんで失敗するのよ!あーもう最悪っ!」
女子グループもDQNグループも、
そうだそうだ!ってボルテージが上がり始めた。
しばらくして駆け寄ってきた教師が来るまで、俺はずっと非難され続けた。
死にたかった。
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:35:20.31 ID:pBna6dw50
/ . : : : : : : : : . 丶
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/ / : : : : : : : : : |.: :/| : : : : : : : . \
/ . : :/ :/: : : : : :l : トV:::| : : : : j : : : : : ヽ \
/:/│ . :/ :/:_/ : :,'| : l⌒^| : | : : | : : : : : ': ̄ `
i |/|: :| : : /| : /|: `メ:| : | | : | i : | : : : l : : iハ
i :|: :i : : | ィ半弌ミ/: :| : | | : |⌒ ト : : : : : : : : |: |
i :|: :ii: :小{ ト-介ト∨|/リ |_/l_|_/|: :∨: : : : : : |: |
i (V八ハ│弋:....ソ jィ尓芥トミ/ : : : / : :八|
i i\| i: : :| ` 弋:....ソ彳 : /:/│/
i |八:.小 " ' ` 厶イ|/| l/
j . :i │ :N、 __ / : : j/: | >>1のせいで体育祭が死んでいる
/ . :.i . : | : :|:`ト イ : :/: i│
/ : : : : : :| : :「`| 丶、 . . :´ : |/|.: : :i│
. : /: :/ :| : :|`ヽ `爪|: : :i : : :|: : |.: : :i│
/ . : /: :/乂| | \ ト_「\L _ :|: : |.: : :i│
. _厶イ : :/| | 丶、 〉 ∨ |: : |、: :乂 (⌒)
/, <ヽ、 __彡 | | \/ ∨ |: : | \| ノ ~.レ-r┐、
〃⌒ヽ : : : / | |\ /《\ ?: : | ,ハ ノ__ | .| | |
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:35:38.34 ID:HWKjLIna0
たかが体育祭でwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:36:26.34 ID:Ubg45Nm90
結局、俺たちのクラスの応援合戦が表彰されることはなかった。
ていうか全部3年生のクラスが表彰されてた。
出来レースだったんだ。
それから教室に帰り、先生が買ってくれたジュースを飲みながらの反省会。
もちろん議題は俺。
先生は一人を責めるのは間違ってると言って聞かせてくれたが、
誰もそんな言葉を受け入れていないのは俺が一番よく知っていた。
また引きこもるかーなんて考えてたけれど、
親に心配かけたくないのでやめた。
中学では楽しくやってると家で話してたからな。
それからの日々は、毎日セックスピストルズを聞いて過ごした。
文化祭は休んだ。
そして中1が終わり、中2も過ぎていき。
いつの間にか俺は中3になっていた。
この頃、俺の人生で最大級の邪気眼が疼きはじめたんだ。
520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:38:12.84 ID:BIEMcjvJ0
ゴクリ・・・
521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:41:32.64 ID:Ubg45Nm90
俺は名前を変え、
シドと名乗るようにしていた。
仮に俺の苗字が佐藤だとすると、
プリントや教科書にはすべて「佐藤シド」と書いていた。
あの体育祭以来、ろくに喋りもしない俺。
休み時間は寝たふりをして過ごし、授業が始まればおもむろに起きる。
班ごとでの作業のときも一言も発さず、昼飯も机をくっつけないで食べた。
たまに喋りかけられても頭を上下左右に振るだけでやり過ごした。
きっと、俺の声を聞いたことがないクラスメイトも多かったろう。
「あいつマジ喋らなくね?声聞いたことなくね?ww」なんて盛り上がってたろう。
そう考えるとなんだか、自分がカッコよく思えてきた。
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:46:57.88 ID:Ubg45Nm90
俺は俺自身をさらに神聖化させるため、
自分だけの文字を考えた。
周りのやつらが気づくか気づかないかくらいの大きさで意味不明な独り言を呟き、
万年筆とカッターを常にポケットに入れて過ごした。
朝は自販で無糖の缶コーヒーを買い、それを飲みながら登校するのを日課にした。
先生に怒られて1日でやめたが。
休み時間は黒板に自分で考えた数式を書き、それを解こうと悩んでいるふりをしていた。
毎日がスペクタクルだった。
524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:51:03.07 ID:0JqOV+pu0
ワロスwwwwwwwwww
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:53:36.31 ID:Ubg45Nm90
しかし社会の風当たりは冷たい。
俺のことを理解できない低脳どもが陰口を始め、
やがて変なあだ名をつけられて苛められた。
だが、みんなもう中3。
内申を気にするカスどもは暴力を振るわない。
女子のように陰湿なイジメを繰り返すだけで、どれもこれも取るに足らないものばかりだ。
水筒をボコボコにしたり、ロッカーの中に蝉の抜け殻を大量に入れられたり、
教科書に張っていた付箋をとられたり、代わりになぜかバランを入れられたり。
その程度。
俺は気にも留めなかった。
下らないことでしか俺を受け入れられない連中など、もとより眼中にないのだ。
せいぜい足掻くがいいわと考えていた。
そんなある日、
下駄箱の中に一通の手紙が入っているのを見つけたんだ。
530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:55:11.03 ID:6xply7rz0
これはないわ…
532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:55:22.03 ID:y/X8zeQ90
見てるだけで心が痛い
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:56:31.15 ID:Ubg45Nm90
典型的なラブレターのような便箋。
俺は慌ててそれをポケットへ押し込み、そわそわしながら授業を受けた。
やがて昼休みになると、便所にダッシュして個室に入った。
そこでやっと、便箋を開いてみる。
そこには一言、「あなたのことが好き」と。ただそれだけが書いていた。
新聞の切り抜きを張って。
534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:57:32.85 ID:MyIud2vX0
くっ…うぅっ…
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:00:41.57 ID:+z6P7ZuTO
新聞の切り抜きwww

536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:05:24.16 ID:Ubg45Nm90
普通のやつらなら気づかなかっただろうが、俺は悟ったね。
これはラブレターなんかじゃないって。
だってよく考えてみろよ。
もしラブレターなら、わざわざ新聞の切り抜きを貼らないだろ?
それに、呼び出したりとかもしていない。
ただ気持ちをぶつけているだけだ。
これはおかしいと、俺は持ち前の頭脳で察したんだ。
同時に、なにかが頭に引っかかった。
いつだったか、俺は以前にも脅迫状まがいの手紙に怯えていなかったか・・・?
そうだ。あれは小学校のころだ。
俺は脅迫状を送りつけられたんだ。
あの時はオタクを疑っていたが、今回あいつに犯行は無理だ。
中学が違うんだもの。
じゃあやっぱり、犯人は別にいたってことか!?
小学生のころから俺を付け狙うやつが、この中学にいるのか!?
誰だ!?誰がやったんだ!?
誰が俺の命を狙ってるっていうんだ!?
混乱する俺。
しかし頭の芯は冷静そのものだった。
ククク面白い、この俺が立ち向かうに値する敵は、こうでなければいけないのだ。
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:09:43.97 ID:Ubg45Nm90
いつか俺とオタクが使った手がある。
あれは今でも使えるだろう。
そう、ブラフだ。
俺が怯えていると相手に誤解させ、
調子付いた敵が次の手を繰り出そうとしたところを押さえてやる。
計画は完璧だった。
その日から俺はすべての日課をやめ、
オーバーなくらいに周囲を気にするフリをし続けた。
少しの物音にも身を震わせ、休み時間中はしきりにキョロキョロする。
弁当を食べる時もチビチビと毒見っぽく食べ、放課後は早歩きで帰った。
そんな日々が一週間も続くと、
なんだか本気で怯えているような気になってきた。
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:13:14.89 ID:Ubg45Nm90
はじめは演技でやっていたことも、
二週間目くらいから真剣になっていく。
真面目にビビり、真面目に怖くなり始めた。
犯人は同じクラスにいるとも限らない。
合同体育のときも念のため先生とペアを組んでやり過ごした。
誰かが教室のドアを開けただけでも漏らしそうになり、
DQN連中の笑い声に怯えた。
そんな生活が一ヶ月も続くと、もう俺の精神は限界になっていた。
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:19:57.91 ID:5BmIo0RL0
念のため…だと?
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:13:39.02 ID:IqwgQgL60
相手の思惑通りじゃねぇか
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:17:56.86 ID:Ubg45Nm90ある日、廊下を歩いていた俺の肩に誰かがぶつかった。
相手はDQN連中のいじられキャラで、
本気で殴りあったらいい勝負くらいには持ち込めるような貧弱な相手。
それなのに爆発しそうなメンタルは、俺の脳を狂わせてしまった。
DQNはすぐに「あ、悪い」と謝ってくる。
だが、それすらも俺を怯えさせるには十分だった。
俺 「あ、あああ・・・ああああ・・・」
DQN「?」
俺 「ああ、あがががが、ああががあああ・・・」
DQN「え、なに?」
俺 「あばばばばがあああばががが・・・」
DQN「なに、なんなの?」
俺 「きえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!111」
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:20:53.92 ID:6xply7rz0
きえええええええええええええええwwwwwwwwwwwwwwwww
548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:23:39.00 ID:Ubg45Nm90
俺は走った。
走ろうと思ったわけじゃない。
走らずにはいられなかったんだ。
廊下を歩く生徒たちの間を縫い、一目散に階段の踊り場まで抜けていった。
そして、
そこに設置されている非常ベルに手を伸ばし、力の限りボタンを押した。
鳴り響くベル。
騒ぎ出す生徒たち。
そして駆けつける教師陣と副校長。
「今押したの誰だ!?なにがあった!?」と教師が周りにいた生徒に詰め寄る。
きっと、誰が押したかなんて分かってたんだ。
俺を怒る確証を得るために聞いたに違いない。
問い詰められた生徒は俺を指差し、
間髪いれずに先生がずかずかと俺のもとへ来る。
生まれて初めて、親以外の大人に殴られた瞬間だった。
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:24:53.84 ID:H9uOd4xM0
きえええええええええええって言いながらボタン押したのかぱねえな
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:26:26.15 ID:LWMiE4q3P
さすがに笑ったwww
非常ベルはダメだろwwwww
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:26:41.63 ID:KTrD4WCh0
きええええwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:26:54.40 ID:gTq2A3va0
ハッスルしすぎだwww
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:28:47.61 ID:Ubg45Nm90
当時ちょうど、
大阪で小学校に刃物を持ったやつが侵入した事件があったんだ。
他にも毎月のように不審者が学校に現れるって事件が起こってて、
学校のセキュリティがどうのと問題になっていた。
俺は先生に首根っこを掴まれたまま廊下を引きずられ、
職員室にぶち込まれた。
副校長が消防署に連絡を入れて、担任が俺の家に電話していた。
俺は泣いていた。
オカンはすぐに学校にきて、先生がたに土下座していた。
そんな様子を俺は呆然と眺めていた。
次の日から、俺は引きこもった。
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:30:44.99 ID:gTq2A3va0
またひきこもったかw
557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:31:06.32 ID:LWMiE4q3P
なんという自爆wwwwwwwwwwwww
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:31:52.16 ID:agVt6jFA0
ひきこもりって学校で何かやらかしたやつがなるもんなのかね
560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:32:36.77 ID:Ubg45Nm90
冬になった。
俺は完全な引きこもり生活を一ヶ月、
その後は週1で登校するようになっていた。
もうなにもかもがおしまいだった。
死ぬことばかり考えていた。
結局あの手紙の犯人はわからないし、目的もわからない。
いつか殺されるくらいならば自分で命を絶とうと思っていた。
でも痛いのは嫌だから、
夜寝たまんま永遠に目覚めなければなあってずっと考えてた。
でもね、人生って絶対になにかの転機があるんだ。
たとえ自分から動かなくても、
転機は向こうから当たり前な顔してやってくるもんなんだ。
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:33:23.42 ID:gTq2A3va0
ほう
どうなった?
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:38:49.25 ID:Ubg45Nm90
冬休みも部屋に篭りきりだった俺。
オカンは自然と、飯を部屋の前に置くようになっていた。
このまま一歩も部屋から出ずに年が明けると思っていたが、
俺の人生にも転機がやってきた。
ある日の昼過ぎに、珍しくオカンが部屋にやってきたんだ。
俺は漫画を読みながら、「なんだよ」ってぶっきらぼうに尋ねる。オカンは言った。
「オタクさんって人が来てるけど入れていい?」
あまりにも懐かしい名前。
だが、今の俺をあいつに見せたくない。
あいつは頭のいい中学でうまくやっているんだろう。
それなのに俺ときたら、
頭のおかしい行動のせいで学校すら満足に行っていない、
うんこみたいな引きこもり野郎。
もうどっちがオタクだかわかったもんじゃない。
俺は忙しいから帰ってもらってと答えた。
が、オカンは「もうリビングで待ってもらってるから呼んでくる」って。
大人は信用できない。
しばらくして俺の前に現れたのは、オタクの妹だった。
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:46:45.02 ID:gTq2A3va0
まさか・・
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:47:00.62 ID:Ubg45Nm90
愕然とした。
確かに妹には間違いないだろうが、雰囲気が変わりすぎている。
ラジオ体操に行っていたころのぽっちゃり体系は影もなくなっていて、
子供っぽかった洋服も今じゃ雑誌で見るような可愛らしいプリントのものを着ていた。
どこか、マドンナのことを思い出させるようなその姿に、
俺は声も出なかった。
妹「久しぶり、兄ちゃん」
俺「あ、あああ、ああああががが・・・」
妹「痩せたね」
俺「あ、あああ、あああああなたも・・・」
妹「へへっ」
妹は俺のベッドに腰掛けて、手に持った荷物を置く。
妹「これお土産。修学旅行で京都いってきたんだ」
か、かわいい・・・
邪気眼の変わりにロリコンが開花した瞬間だった。
それから俺たちは、妹が持ってきたお土産のお菓子を食べながら、
たくさんの話をした。
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:47:02.58 ID:BIEMcjvJ0
まさか
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:48:18.64 ID:LWMiE4q3P
これは
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:54:03.63 ID:Ubg45Nm90
本当に楽しかった。
俺は久しぶりに、人間としての相手をしてもらった。
普通の中学生として、会話をしてもらったんだ。
美しい時間だった。
俺の中の邪気眼はどんどん浄化されていく。
ロリコンが発動していく。
お互いに緊張がとけ、話も盛り上がり始めたころ、妹が突然謝ってきた。
妹「さきに謝っとく、ごめんね」
俺「え?」
妹「絶対に怒らない?」
俺「なにが?」
妹「怒らないなら教えてあげる。怒らない?」
俺「あ、うん」
妹「絶対?」
俺「うん・・・」
妹「信じるよ?えっと、あのね・・・」
妹「昔、お兄(オタク)と兄ちゃん(俺)喧嘩したでしょ?手紙のことで」
俺「あ・・・う、うん・・・」
妹「実はさ・・・
あれ書いたの私なんだ。へへっ」
きええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:55:12.99 ID:pBna6dw50
家にスイッチ無くてよかったな
580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:56:14.35 ID:qj9Rpoeo0
嫉妬だろ
お前まじでいろんな人間に嫉妬されてる、俺とかに
587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:02:06.22 ID:MyIud2vX0
きえええええええええwwwwwwwwwwww
588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:02:12.81 ID:Ubg45Nm90
俺「あああああああああああ・・・あああ・・・ああああああ・・・」
妹「ちゃんと聞いて、あの手紙ね・・・」
俺「あがががばばばばばあああわわなが・・・・」
妹「あの手紙の字、お兄のじゃなかったじゃんか。私が」
俺「あばばばぷぷぷぷぺぷしまままままま」
妹「聞いてって!」
俺「あ、はい・・・」
妹「あの手紙ね、お兄に言われて私が書いたの。お兄が言うことを私が代筆したの」
俺「っ!!!」
どういうことだ・・・?
オタクに言われて妹が書いた・・・?代筆・・・?
つまりなんだ、あの字は妹の字で・・・でもあの言葉はオタクので・・・
結局、オタクがやったことなんじゃないか・・・!!!
589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:03:10.04 ID:30SPyWz40
オタク黒幕かよwwwwwwwwwww
591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:04:55.28 ID:7434eE680
オタクめ
595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:08:05.33 ID:Ubg45Nm90
俺「それは本当なのか・・・?」
妹「うん、ぜんぶ本当」
俺「・・・そうか」
不思議と、俺に怒りなどはなかった。
そりゃあの時しらばっくれたオタクのことはムカついたが、
もうどうでも良かった。
それよりも、俺は誰からも命なんて狙われちゃいなかったのかー、
っていう喪失感と脱力感が大きかったんだ。
あんなにオドオドしてたってのに、
全部が取り越し苦労だったんだ。なんてこったい・・・
妹はそれを今日、俺に伝えに来てくれたという。
オタクが風の噂で俺の非常ベル事件を知って、心配になったんだと。
でも自分で様子を見に行くのはバツが悪くて、妹を寄越したんだそうだ。
オタクは直接あの手紙のせいで俺がこんなことになってるとは知らなかっただろうが、
どこかであの頃の罪悪感があったんだろう。
俺はすべての真相を知って、なぜか涙がこみ上げてきた。
599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:12:47.27 ID:Ubg45Nm90
妹は俺の背中を摩ってなぐさめてくれる。
「ごめんね、ごめんね」ってなんか鼻声になってる。
俺は「いや、怒ってるんじゃないんだ」って言うけど、妹はずっと謝ってた。
それから俺たちは、気が済むまで泣いた。
途中オカンが笑い堪えながらジュースもって来てくれたけど。
気にせず泣いた。
互いにようやく落ち着いてきた頃、妹は静かに口を開いた。
妹「この世界って私たちに厳しいよね」
俺「・・・え?」
妹「政治家とか、全然私たちのこと考えてない」
俺「政治家?え?」
妹「ね、私と兄ちゃんでこの世界を変えない?」
俺「はえ?なに?うん?」
妹「それがいいよ、うん。二人でこの世界を変えよう。ね!」
お、お前もか・・・
600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:13:24.97 ID:KTrD4WCh0
なんだと
601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:13:25.21 ID:BIEMcjvJ0
まさかの急展開
602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:14:11.65 ID:WZQPms9IP
邪鬼眼持ち多いなwww
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:14:35.48 ID:A0Bty9R80
新世界の神になるのか
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:15:23.23 ID:y3B7ThDy0
ひええええええ
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:17:48.23 ID:Ubg45Nm90
その日から俺たちは毎日のように会った。
クリスマスも大晦日も二人だけで遊んだ。
いや、遊んだんじゃないな。
この世界を変えるための計画を話し合ったんだ。
そうして年が明け、3学期も間近に迫ったころ、ようやく世界の変え方が決まった。
俺が総理大臣になる。
名案だった。
総理大臣になればこの国を変えられる。
それからなんかアメリカのとかの大統領に
「俺、世界変えたいんですけど」みたいに持ちかけて協力を仰げばいい。
簡単なことだ。
だが、総理大臣になるにはまず政治家にならなくちゃいけない。
政治家になるには勉強して、いい大学に入らなくちゃいけない。
俺は猛勉強した。
今からでは頭のいい高校には行けないが、大学受験には3年もある。
なんとでもなった。
611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:19:58.52 ID:o8txVRH80
総理大臣wwwwww
612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:21:51.39 ID:Ubg45Nm90
中学を卒業して、クソみたいな高校に進学した。
喜んでくれたのはじいちゃんばあちゃんと、妹だけだった。
高校に入学してすぐ、俺は必死に勉強した。
授業で教えてくれない範囲は、恥も外聞も捨てて姉ちゃんに聞いたりした。
休みの日には妹と図書館に行き、小声で話しながら勉強しあった。
互いに支えあい、もう俺たちは付き合っていた。
そうこうしているうちにあっという間に高校3年間は終わり、
大学受験の発表の日、俺は妹と部屋にいた。
613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:25:42.26 ID:1jK+mUzl0
もしかして妹は>>1に真人間になってほしくて、敢えて>>1が乗りやすそうに邪気眼が発動したフリをしてたんじゃ・・・
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:26:07.04 ID:Ubg45Nm90
俺の高校に推薦枠なんかない。
国立大学に行くには、自分の力だけがすべてだったんだ。
合否の通知は家に送られてくる。
俺たちはただその時を待った。
そして、ついに郵便が届いたんだ。
薄い封筒だったんで、落ちてるんじゃないかとかなりドキドキしたな。
俺と妹は、
俺が大学に受かればエッチする。
もし落ちていたら別れるという約束を交わしていた。
俺は妹が大好きだ、妹もきっと俺のことが好きだ。
だから別れたくなんてない。
どうしても受からなくちゃいけないんだ。
そして俺は、ゆっくりとその封筒を開けた。
615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:28:04.20 ID:RYeuXygP0
きええええええええええええええ
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:30:00.65 ID:Ubg45Nm90
俺は怖くて見れなかった。
妹に先に見てもらおうと、目をつぶって合否通知を取り出す。
俺「どう、だ・・・?」
妹「・・・・・・」
妹はなにも言わない。
俺は恐る恐る目を開けて、紙を見ないようにして妹の顔を見た。
妹は唇を真一文字に結んで、ただ黙っている。
俺「ど、どうだった?受かってた?」
妹「・・・・・・」
妹はその紙をベッドに置き、俺の体を抱きしめた。
固まる俺。なんだ、どっちだったんだ!?
そして妹は俺の耳元で、小さく囁いた。
妹「ホントに好きだったんだよ。残念だよ。ばいばい」
え?
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:30:56.92 ID:y3B7ThDy0
うああああああ
625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:32:24.02 ID:7zqF4pr60
これが血の制裁か…
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:33:33.33 ID:Ubg45Nm90
部屋から出て行く妹。
俺は呼び止めることも忘れて、ベッドに置かれた合否の通知を手に取った
そこには短い言葉で、俺の不合格の旨が書いてあった。
泣いた。
慌てて妹に電話を掛けながら、俺も家を出る。
彼女を追う。
妹は電話に出ない。姿も見えない。
メールを送るが、なぜかエラーになる。
意味がわからなかった。
629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:34:18.26 ID:hlcLGEEAO
なん……だと?
633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:36:13.30 ID:y3B7ThDy0
エラーって・・そんな短時間で
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:36:41.03 ID:Ubg45Nm90
別れようとか、あれは冗談じゃなかったのか?
そんな簡単にさよならできるほど、
俺たちの3年間は薄っぺらいものだったのか?
俺はどこかで、
妹なら不合格になっても「もう1年頑張ろうよ」って言うもんだと思ってたんだ。
それなのに。
なのに、あまりにもひどい仕打ちじゃないか。
俺は本当に頑張ったんだぜ?
必死こいて勉強したんだぜ?
もう一度電話してみるが、話し中になっている。
何度かけても話し中。
これはあれか、着信拒否か。なるほどな
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:37:41.34 ID:gTq2A3va0
本物の邪気眼だったのか
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:39:09.40 ID:Ubg45Nm90
すべてを失った俺は、もう浪人する気にもなれなかった。
ただ1年間バイトをして金をため、あくる年に単身上京した。
花の東京には仕事が溢れていると思ってたんだ。
でもなにもかも上手くいかず、始めたバイトも長続きしない。
次第に金は底をつきはじめ、求人雑誌を読みふける毎日を送った。
そこで俺は、今の仕事を見つけることになる。
642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:43:31.32 ID:Ubg45Nm90
手取り40万以上。寮完備。夕食つき。学歴不問。資格不問。
ある営業の仕事だった。
俺はすがる思いでそれに応募した。
面接を受けると社長さんはとても優しいお爺さんで、
翌日から来るようにと言われた。
仕事は大変だったが頑張った。
少しずつ契約をあげれるようになり、
40万には遠く及ばないものの貯金できるくらいには稼げるようになった。
寮近くのコンビニで知り合った女性にも勇気を出して告白し、
今の彼女になった。
そうして1年も過ぎたころ、俺と彼女は二人で小さなアパートを借りた。
幸せな日々の始まりだった。
645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:45:24.52 ID:msSFyghl0
黒「歴史」を聞いてくれじゃなかったの?ねえ?
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:48:45.95 ID:Ubg45Nm90
一週間前、実家から俺の家に手紙がきたんだ。
成人式後の中学の同窓会に来れなかった人のために、
もう一度同窓会をやるという手紙。
差出人は中学の先生で、俺を殴ったやつだ。
行く気なんかはなかったが、その手紙を見ると懐かしい思い出が蘇ってきた。
彼女にそのことを伝えると、行ったほうがいいよって。
一生の思い出なんだから行かなきゃ後悔するよって。
でも彼女は俺の黒歴史を知らない。
言うことなんかできない。
考えた俺は、vipにスレをたてた。
こいつらは邪気眼が大好きだからな。
俺の話を聞いて、同窓会に行くべきか否かを助言してくれるんじゃないかと思ったんだ。
ここまで書いたことは全部真実です。
多少盛ってるとこもあるかもしれんが、ほとんど本当のこと。
で、俺は聞きたい。
こんな俺でも、同窓会に出たほうがいいのでしょうか
657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:50:47.93 ID:LWMiE4q3P
662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:51:26.18 ID:aGvtpQhE0
いってこい
668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:52:52.67 ID:7KYgzgry0
行って来い
そして邪鬼眼を発動させろ
674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:56:00.68 ID:MyIud2vX0
同窓会の会場できええええええええええええって叫んでこい
677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:56:47.03 ID:Ubg45Nm90
同窓会あるのが海の日だから、実況は無理だと思う
やっぱ行ったほうがいいのかな?
正直俺もちょっと行ってみたいんだが、
引きこもり邪気眼だった俺が行ってもいいもんなのかな
あとオタクは学校違うから来ない。
妹にも会えないと思う
682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:59:25.93 ID:m4MCo+2z0
行け
そして報告たのむ
683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:59:33.47 ID:C5tylyE10
邪気を入念に封印してから行けよ
710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 17:49:12.38 ID:aBu5OHHe0
同窓会の案内が来るだけ
い い ん じ ゃ ね?
クソッ
712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 17:56:15.10 ID:Ubg45Nm90
ありがとうみんな
いくわ
713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 17:58:16.03 ID:oKhFGkfg0
報告してね
721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 18:11:28.15 ID:Ubg45Nm90
御意に
726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 19:02:04.44 ID:Ubg45Nm90
同窓会いってきたらまたスレたてます
長いあいだ付き合ってくれてありがとう皆の者!
737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 20:37:18.65 ID:twtDs3CT0
同窓会行ってバームクーヘンボンバーやってくればいいだろ
今なら笑いがとれるかもしれない
753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:00:21.22 ID:OgfKvE7b0
>>1「止めろよ?お前ら絶対に止めろよ!?」
754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:02:12.00 ID:S9Tow3umO
バームクーヘンボンバー!
873 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:42:10.62 ID:aghByYhH0
バ
874 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:46:14.59 ID:djpagqFL0
|
875 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:46:29.00 ID:zTYLkMxH0
ム
876 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:50:48.89 ID:lbXVlMoL0
ク
877 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:51:07.91 ID:eNqW10fh0
|
878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:53:36.59 ID:jSqIYSLv0
へ
879 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:01:06.49 ID:2rh4BqG60
ン
880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:02:42.20 ID:+AEA+t6/0
ボ
881 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:19:25.64 ID:PretdvFW0
ン
882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:37:05.25 ID:xME+A5lE0
バ
883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:38:15.57 ID:utqpV9li0
|
884 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:46:43.06 ID:zTYLkMxH0
!
885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:49:18.68 ID:+G9/hJLY0
おめ!!
919 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:40:55.58 ID:C/PjZojW0
. |___
. / (^p^ ) バームクーヘンwwwww
/ / \
| | | |
___/ /__.| |___
// //
(Ξ´ ‘ミ)
. |^ω^ )
. と ノ
. | /___
. / (^ )彡 !?
/ / \
/ | , / ))
____/ /| _/ /___
 ̄(⌒__/
 ̄
. |
. |彡サッ
. |__
/ ( ) ボンバー!!!!!
/ γ⌒\
7``) / / \
.`ヽヽ / X ミ ヽ
ヽ___ノミ\ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
964 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 01:19:14.81 ID:KMBv6tNR0
. |___
. / (^p^ ) キエエエエエェwwwww
/ / \
| | | |
___/ /__.| |___
// //
(Ξ´ ‘ミ)
. |^ω^ )
. と ノ
. | /___
. / (^ )彡 !?
/ / \
/ | , / ))
____/ /| _/ /___
 ̄(⌒__/
 ̄
. |
. |彡サッ
. |__
/ ( ) キエエエエエエェ!!!!!
/ γ⌒\
7``) / / \
.`ヽヽ / X ミ ヽ
ヽ___ノミ\ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:18:10.32 ID:hURDIyVC0
バームクーヘンボンバー!
984 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 02:21:08.65 ID:54ZryKXN0
_| ̄|○ <バームクーヘンwwwww
\ へ
/○ |_
_|
○
く
\/
○
○|_| ̄
○/
\ へ
○
| ̄
 ̄|
○
/\
>
_| ̄|○
|_ ・;∵..
_|・;∵..・;∵<.ボンバー!!!!!
______________________○___
762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:35:26.48 ID:Ubg45Nm90
バームクーヘンボンバー!
ひょうきんって言葉を久しぶりに聞いた
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:51:22.82 ID:zLYXzb/j0
新学期の最初のころは他のクラスに行った仲いい友達とかが、
休み時間になると来てくれたのよ
けど一ヶ月過ぎたあたりで、みんなそれぞれ他にグループ作っちゃってさ
俺はじめてのぼっち。
「え、この俺がまさかwwww」って思ってたの覚えてる
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:51:47.37 ID:mLtf1ssi0
いやどぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:54:22.24 ID:zLYXzb/j0
んで、俺の小学校って小4から林間学校があるんだよ。
まあ小4のときは人気者だったからな、それなりに楽しかった
今年もそんな感じで楽しめるだろうなあって考えてたんだけど、
世界はぼっちに対して優しくはなかったのさ
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:57:04.95 ID:izp9MzPs0
まさか、周りの奴らは
急に出だしたお前のオーラを感じとってやがるってのか!?
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 00:57:08.33 ID:zLYXzb/j0
小5にもなると、
去年まであった「男vs女」の構図が少しずつ崩れていくんだ
なんか、みんなして「今日の夜さ、女子の部屋いく!?」とか笑いながら話してる。
すんげえ楽しそうに。
俺はこの頃、自分がハブられてるのに気づいてなかったんだな。
「俺も行くぜ!」とか行って果敢に輪に入っていったっけ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:00:23.24 ID:zLYXzb/j0
そしたらなんだ、
「いや、お前は部屋にいたら?」とか遠慮がちに言ってくんだよ
はぁ!?って思ったね。
この俺が参加しなけりゃ女子もつまらんだろうって真剣に思ったね
まあそんな感じのことをひょうきん者らしく面白い感じで伝えたら、
クラスでも評判の池面が俺の胸倉つかんできたんだ
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:02:05.73 ID:LGgZooUw0
おいやめろ
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:03:19.92 ID:zLYXzb/j0
「お前は部屋にいろって。うぜぇから」
これを耳元で、ひっくい声で言われちゃあそらお前、
誰でもビビるっちゅうねん!
俺は「あ、そう?・・・あはは、まいったなあこりゃ」
みたいに笑って誤魔化してたと思う
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:05:49.56 ID:zLYXzb/j0
言い忘れてたけど、これ林間学校に向かうバスの中な。
そっから俺ずっと無言。
もう去年の面影はまるでなかった
たまにトイレ休憩とかで隣に他のクラスのバスが止まってさ、
窓越しに仲よかった友達が手ぇ振ってくるんだよ
それにも全力で愛想笑いしてた。
こっちはそれどころじゃねんだってば。
池面にビビッて漏らしそうなんだってば
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:07:47.12 ID:zLYXzb/j0
で、なんだかんだで鉱山見学を終えて、
でっけえ体育館みたいなとこでドッヂボール大会した
俺は「ヘイ!ヘイこっちパス!ああああ!あー…」とかやってた
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:07:47.90 ID:jXN2EM+Q0
今のところ邪気眼要素無し
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:09:47.93 ID:zLYXzb/j0
それから飯食って、一回部屋に入ってから風呂いって、
それから就寝まで2時間くらいの自由時間があったんだ
なんだかんだ言っても俺は池面たちのグループに入ってると思ってた。
だからきっと、女子の部屋に行くときには
「一緒に行こうぜ!」って言ってくれるもんだと信じてたんだ・・・
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:13:35.04 ID:zLYXzb/j0
でも現実は非情でした。
池面グループは俺を傍目に部屋を出てって、
残されたのは俺と根暗なオタク一人。
ちくしょうが。
ちょっと背が高くてスポーツできるってだけで池面を気取りやがって
部屋に残された俺は、仕方なくオタクに話しかけたんだ
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:18:55.44 ID:zLYXzb/j0
俺「お前、女子の部屋いかねえの?」
オタ「ぼぼぼ、僕が行っても嫌がられるだけだし、ブフッww」
俺 「あ、そう・・・」
オタ「おおおお、俺くんは、いい、行かないの?とか言ってwwデュフwww」
俺 「俺、女子とか興味ねーし」
オタ「そそそそうなんだ、ヒヒッwwじじじゃあ、一緒に漫画とか見る?ヒヒヒッwww」
はじめ、俺はこいつのこと気持ち悪ぃなあくらいにしか思ってなかったんだ。
そりゃあ友達できねえわって。
けど、この瞬間から俺の人生は狂い始めた。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:22:31.57 ID:zLYXzb/j0
オタクに見せられたのは最新号のジャンプだった。
その頃はたしか火曜日?が発売日だったんだが、その日は木曜日。
なのに最新号を持ってるオタクを見て、俺は目を輝かせた
俺 「なんで最新のもってんの!?すげえ!」
オタ「ちょっとね、ヒヒッ」
俺 「見せて見せて!」
オタ「おぅっと!先に僕が見てからだよwwヒヒッwww
あなたはその後ですよ、とか言ってwwwヒヒッwwwピキッwww」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:27:09.26 ID:zLYXzb/j0
多少苛立ったが、俺はひょうきん者であってDQNではない。
だからここは耐える。
オタクがジャンプを読んでる間、池面たちを笑わすためのジョークをずっと考えてた
うろ覚えだが、
「バームクーヘンボンバー」とかいう抱腹絶倒の一発ギャグができたような記憶がある。
で、10分くらいしてオタクが「よよ読んでいいよ」ってジャンプを寄越してきた
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:29:44.90 ID:zLYXzb/j0
当時の俺は立ち読みでジャンプを見るくらいで、
真剣に読んでる作品なんかひとつもなかった。
幽々白書も夏休みのアニメ劇場でちらっと見てただけで、
漫画やらアニメやらはあんまし好きじゃなかったんだ
それでも暇つぶしにはなるだろうって、本当になんの期待もなくページを開いた。
そこには、俺の理想があった。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:35:14.13 ID:zLYXzb/j0
一番に目を引いたのは、
真っ黒のコスチュームに身を包んだ謎のヒーロー、カラスマン。
一見悪そうな風貌だが、こいつは人の痛みを知る正義の味方だ。
弱気を助け、強気を裁く。
そんな姿勢に俺は、一瞬にして彼のとりこになった。
オタ「そそ、それ気に入った?ヒヒッww」
俺 「うん!すげえカッコいいじゃん!カラスマン!」
オタ「もっと面白いのもあるよwwジョジョとかwww」
俺 「えー。これはなんか絵が受け付けねえわ」
オタ「な……なんと!!!」
オタ発狂。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:33:47.41 ID:pYtU2JvC0
二十代後半?
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:36:14.06 ID:zLYXzb/j0
ククク、歳は伏せさせてもらおうか。
特定されかねんのだ・・・
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:39:42.05 ID:eifB+Z840
まぁもう特定したけどな
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:40:26.69 ID:zLYXzb/j0
貴様も選ばれし運命の七人であったか・・・恐ろしいや・・・
35 名前:@楽作板から来ました[] 投稿日:2010/07/10(土) 01:41:00.39 ID:pYtU2JvC0 [4/11]
大体の範囲は分かるよなwwwww
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:46:31.05 ID:zLYXzb/j0
オタ「ジョジョは面白いんだってマジで!昔からずっとやっててね!
名言とかもいっぱいあってね!それでねそれでね!」うんぬん
俺はいまだにジョジョを見たことないんでよくわからんが、すげえ力説された。
で、俺がてきとうに相槌打ってたら
「今度うち来なよ!マジで面白いから!見せてあげるよ!」って。
そんときは「ああ、うん、まあ。機会があればな」くらいに返してたと思う。
それから少しして、池面どもが帰還。
女子とウノやってたけど教師がきそうな気配したから帰ってきたとかなんとか言ってた
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:52:56.21 ID:zLYXzb/j0
で、一泊二日の林間学校が終わって、
翌日から振り替え休日を含んでの三連休だった。
休み一日目は他のクラスの友達らと一緒に遊びに行った。
すげえ楽しくて、やっぱ俺のいるべき所はここだって思えたなあ
マンションでエアガンの打ち合いしたり、町全部使ってケイドロやったり。
とにかく充実してた
日も暮れて、そろそろ帰るかってなってさ。解散したんだ。
俺が家に帰ったのは、もう8時ごろだったと思う。
小学生にしては遅い時間だったもんで、健在だったオトンにひどく怒られたのもいい思い出だ。
それから晩飯を食ってると、オカンが思い出したように言ってきた。
「そういえば、昼間にオタク君って子から電話あったわよ」
ああそういえば林間学校で遊ぶ約束したっけなあ、程度に思い出した
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:46:12.27 ID:pYtU2JvC0
おいwww邪気眼使ってみろよwwwwww
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:53:51.33 ID:zLYXzb/j0
莫迦め。
貴様ごときに容易く使えるものではないわ
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 01:59:23.77 ID:zLYXzb/j0
無視することもないが、かと言って今から家電にかけるのも気が引ける。
っていうかオカンが常識を考えなさいって怒った
だから次の日の昼前に電話したんだよ、オタクんちに。
そしたら
「いいい今から僕の家こないかな?漫画とか、見せるよwwフフヒwww」
予定もない俺は、すぐにチャリを飛ばして向かった
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:03:34.21 ID:zLYXzb/j0
オタクの家はお城みたいな感じで、
幼心だから多少過大評価してるかもしれんが、それでも金持ち臭がぷんぷんした
俺の家は団地だったんで、
家の中にエレベーターとかあるのがもう信じられんかった。
チャイムを押すとオタクは快く出迎えてくれて、部屋に案内してくれた。
部屋もでけえ。
まず机のでかさが違う。
俺は小1から姉ちゃんと共用で使ってる机なのに、オタクのは一人で俺の机の3倍はあった。
それにカセットテープだけしか入ってない本棚とか
ジャンプと単行本だけの物置とか。
とにかくすごかった
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:06:57.08 ID:pYtU2JvC0
オタクのお宅な
死んでくる…
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:08:08.85 ID:zLYXzb/j0
俺 「すげえな、お前んち・・・」
オタ「いやぁ、まあ、僕の力ではありませんのでwwwwホホホホwwww」
それから何個かの会話を交わしたあと、俺は本題に移った。
俺 「なあ、漫画見せてくれるっつったじゃんか。どれ読ませてくれんの?」
オタ「どれもこれもwwwお好きなものをどうぞwwwとか言ってwwww」
俺はオタと一緒に漫画だけの物置に入って、そこでドラゴンボールを手に取った。
名前は聞いたことがあったんだが、
ハメハメ波(だと思ってた)くらいしか知らなかったんだ。
オタクは俺の向かいに座って他の漫画を読む。
それから半日、俺はすっかりドラゴンボールに夢中になっていた
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:11:56.67 ID:zLYXzb/j0
俺 「すげえなこれ!すげえ面白い!ハメカメ波やばい!」
オタ「まあ、それはみんな一度は通る道ですからねwwwフヒヒッwww」
俺 「これ貸してくれねえ?家帰って続き読みたいわ」
オタ「おおっと、それはいけませんなwww読みたければ僕の家に来ればいいwww」
俺 「ケチケチすんなよー・・・じゃあ明日も着ていい?」
オタ「もっちのろんだよwwww」
俺はオタの家が気に入った。
お母さんは美人だし、小1くらいの妹はいい子だし、
お菓子もジュースも見た事ない高そうなやつが出てくるし。
いたれりつくせりとはこの事だと思った。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:12:49.45 ID:zLYXzb/j0
あ、上のミスってた。ハメカメ波って俺の考えた技の名前だった
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:14:06.10 ID:7DDlwwv40
>>52
知らねぇよwwwww
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:17:14.17 ID:zLYXzb/j0
次の日もオタクの家に行き、
それから何日かおいて平日も学校が終わると家に行かせてもらってた
気づけば俺は、オタクと大の親友になってたんだ。
クラスが違う友達も、唯一の話し相手だった姉ちゃんも。
もうどうでもよくなってた。
俺はジャンプのみならず、フラッシュゲームやハゲの歌など、
オタクが教えてくれる新しい遊びの虜になってたんだ
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:20:11.62 ID:zLYXzb/j0
学校でもオタクだけと話した。
一年前までピザ気味で、給食の早食いで名を上げていた俺はもういなかった。
クラスではハブ。
しかし気にすることは何もない。俺にはジャンプとオタクがいる。
友情と努力と勝利で全てがうまくいくと信じきっていた。
そんなある日、俺は自分がいじめられているんじゃねえかと気づいた。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:21:13.47 ID:9tzq/jnb0
>>55
オタクより先にジャンプの名前出てるじゃねーかwww
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:22:58.20 ID:zLYXzb/j0
前々から前兆はあったんだ。
給食のおかわりジャンケンもなぜか入れてもらえず
お道具箱の中のハサミや色鉛筆がなくなっていたりもした。
初めのころは気にしていなかったが、
国語の授業での朗読のときも、なぜか俺の時だけ笑い声が聞こえる。
たまに背中を蹴られたり、
上履きが水浸しになってたりもした。
おかしいなあって思い始めると、次々に嫌がらせが見えてきたんだ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:25:58.83 ID:zLYXzb/j0
そんな毎日が続いて、ある日俺は決意した。
これはイジメだ。絶対にあってはならないことだ。
戦わなくては。悪と。
俺をいじめて微笑む、ゴッドファーザーを倒さねばと。
そうだ、これは聖戦なのだ。
イジメなどという卑劣な行為をする糞どもを根絶やしにしなければ!
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:26:55.85 ID:7DDlwwv40
なんかいじめが悪じゃ無いような気がしてきたぞ••••
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:29:42.57 ID:zLYXzb/j0
手始めに俺は、オタクに相談をもちかけた。
もちろん外では話せない、諜報員がいるかもしれんからな。
放課後、冷静を装ってオタクの席まで行き、耳元でそっと囁く。
俺 「なあ、今日お前んち行ってもいいか?」
オタ「いいけど・・・なんで?とか言ってwwwブフッwww」
俺 「声がでかい!」
オタ「あ、ごめん・・・」
俺 「とにかく、お前んちで全てを話す。いいか?」
オタ「別にいいけど・・・」
そして、俺たちは本拠地であるオタク家へと足早に向かった。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:32:07.78 ID:zLYXzb/j0
オタ「それで、話ってなんだい?」
オタクの母さんが持ってきてくれたお菓子を妹に毒見させながら、
オタクはおずおずと切り出した。
俺はカーテンをしめてから妹の耳を塞ぎ、言ったんだ。
俺 「実は俺、命を狙われてるんだ」
オタ「……えっ」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:39:42.08 ID:zLYXzb/j0
いい反応だオタク・・・
その衝撃を受けた顔、至極もっともだと言えよう。
しかしこれは冗談などではない。
俺はクラスの連中から命を狙われてるんだ。
イジメという最も卑劣な手段によって。
俺 「信じがたいかもしれねえが、本当のことだ」
オタ「だ、誰に・・・?」
俺 「池田(池面グループのボス)だ。他にも何人かいるが、まだ特定できていない」
オタ「まさか、そんなwwウソでしょうそれはwwwwヒヒッwww」
俺 「俺のことが信じられねえのか!」
オタク「」ビクッ
妹 「」ビクッ
このへんでオタクの妹が泣いたかなんかして、
いったん話は打ち切りになった。
俺とオタクは必死で妹にポッキーを食べさせてご機嫌をとる。
ちくしょうめ、忌々しいタイムロスだ・・・
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:44:59.45 ID:zLYXzb/j0
妹の機嫌も治ったんで、俺の膝に座らせた。
ちなみに俺とオタクの妹は仲がいい。
ていうか付き合った。これ伏線ね。
で、オタクが真剣な顔をして話を戻す。
オタ「それで、どう命を狙われてるんだい?」
俺 「どうもこうもねえさ。実はな・・・」
ここで俺は、あることないことをオタクに話す。
始めのほうはお道具箱事件やおかわりジャンケン事変のことだったんだが、
オタクの反応が薄かったからかな。
ちょっとオーバーに言っちゃってた。
正確には、
カッターの歯を折ったやつを教科書に入れられてたとかなんとか言ったっけな。
オタ「それはいけませんね・・・」
俺 「だろう?どうすりゃいいと思う?」
オタ「そうですね・・・先生に相談するとか・・・
俺 「っ!!!」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:42:30.78 ID:pYtU2JvC0
言い忘れたがおまえの隣にオタクの妹いたらシャイニングフォースブリザード食らわす
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:45:52.46 ID:zLYXzb/j0
貴様は人の子ではあるまいな・・・
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:49:54.07 ID:zLYXzb/j0
そうだ、その手があったと、俺は思った。
いくら池田が調子に乗ったって、所詮は子供。
先生に注意されれば大人しくなるに決まってる。
翌日、俺は行動を起こした。
ただ先生にチクるだけでは、やんわりと注意さあれて終わりだろう。
そう考えた俺は、最も効果的な告げ口のタイミングを見計らった。
そして、ついにその時はきた。
授業がすべて終わって、放課後を迎える寸前にある、通称「終わりの会」だ。
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:56:16.20 ID:zLYXzb/j0
担任の先生は簡単な連絡事項をいくつか伝えて、
最後に「なにか報告がある人?」と聞く。
その瞬間、俺はまっすぐに手を挙げた。
クラス全員の視線が俺に突き刺さる。
オタクは「頑張れ」とエールを送っているだろう。
担任「はい、○○(俺)くん」
俺「皆さん、どうかそのままで聞いて頂きたい。実は、とても重大な事柄があるのです」
クラスはざわつかない。
ただ黙って俺を見つめている。
オタクも、池田たちも、女子も。みんなが俺を見ている。
俺「実は僕、あと一ヶ月で死んでしまうのですっ!」
クラスがざわついた。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 02:59:28.18 ID:6ypq98o30
すげぇ・・・
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:01:34.97 ID:zLYXzb/j0
これは俺とオタクが考えた、ブラフだった。
俺の寿命が残り一ヶ月だと言うことを発表することによって、
自然とクラスメイトは俺を気遣う。
池田率いる池面グループも、
「あと一ヶ月で死んじゃうんならイジメるのは可哀相だよな」ってなる。
そうして俺は持て囃されて、一躍ひょうきん者の座に返り咲く。
というストーリー。
シナリオは完璧だった。
先生は目を丸くして声を失ってたし、
クラスメイトも、内容を知ってるオタクさえも、皆が呆然としている。
この時のことを話題にされると今でも死にたくなるが、
間違いなくこの瞬間、俺はヒーローだったのだ。
翌日、親を呼ばれた。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:09:12.02 ID:zLYXzb/j0
終わりの会での俺の告白を聞いた先生は、
放課後に俺を応接間みたいなところに呼んだ。
そこで教頭と担任、それからなぜか保健の先生たちに囲まれて、
俺はだいぶ怒られた。
「冗談でもそんなこと言ってはいけない」だとか、
「本当に命の危機がある人が聞いたらどう思うか」だとか。
けれど、俺は平気だった。
だっていつ人が死ぬかなんて分かりようがないじゃん。
で、腕を組んで堂々としている俺に対して、教頭が言ったんだ。
「ちょっと○○先生、親御さんに連絡入れていただけますか?」
焦ったね。
俺のオトンは昔から体が悪かったんだ。
で、家族内で死ぬとかそういう冗談は厳禁だったの。
土下座したね。
教頭先生、勘弁してくださいって。ウソなんですって。
でも教頭は無視したね。
迅速に俺の家に電話して、今日のところは家族で話してください、
そして明日、その話し合いの結果を学校側に知らせてくださいって。
大人なんて糞食らえだ。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:14:33.37 ID:zLYXzb/j0
翌日の昼休み、登校した俺はオカンと一緒に応接間にいった。
オカンは泣きながら謝ってた。
俺は泣くものかという態度でポケットに手を突っ込んでた。
その姿勢に教頭は怒り心頭。
「クラスメイトにも不安にさせたのだから、彼らにも事情を話すべき」
だとか言い出しやがった。
俺はすぐに土下座したが、教頭は許してくれない。
んで結局、
終わりの会で俺とオカンはクラスメイトに向かって頭を下げたんだ。
オカンはまだ泣いてた。
俺も泣いた。
悲しいんじゃない、悔しくて泣いた。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:20:55.89 ID:zLYXzb/j0
家に帰る途中、オカンは俺をそごうに連れてってくれた。
「なんでも好きなもの、ひとつだけ買ってやる」そう言ってオカンは笑ってた。
練りケシを買ってもらい、
それから普段は絶対に行かないようなデザート専門店に入った。
そこでケーキを食べながら、オカンは俺の頭を撫でた。
昨日俺の頭を殴った同じ手で、俺を撫でたんだ。
オカン「このこと、父さんには内緒にしておくから。
だから絶対に、もうあんなことしちゃあダメだよ」
俺 「・・・うん」
オカン「○○(俺)は頑張り屋さんだからね。頑張った分だけ、うまくいくんだからね」
俺 「うん」
オカン「辛いこととか、嫌なこととか。
そういうのを我慢することも全部、頑張るってことなんだからね」
俺 「うん」
オカンは優しかった。
帰りは久しぶりに、っていうか未だにあれが最後なんだが、手を繋いで帰った。
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:23:21.81 ID:zLYXzb/j0
家ではオトンと姉ちゃんがテレビ見てて、
どこ行ってたんだとか聞いてくる。
俺は二人を無視して部屋に戻ろうとした。その時。
オカン「実は○○(俺)の学校に呼び出されてね。
なんかクラスメイトの前で寿命がどうこうとか言い出したらしいのよ」
おかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ亜あん!!!!!!!!!!!!!!111111111111111111
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:25:16.24 ID:qdsQ9wKn0
裏切りはええww
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:25:54.10 ID:zLYXzb/j0
その瞬間に家は凍りついた。
オトンが「なに・・・」って感じで俺を見る。
姉ちゃんも「あんた・・・」って俺を見る。
そしてオカンも「まさか本当に言わないと思ったか?」と、したり顔で俺を見る。
俺はそのまま家出した。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:26:50.36 ID:eifB+Z840
だからケーキ食わせたのか
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:31:20.61 ID:zLYXzb/j0
行くあてなんかない。お金もない。
大人は信用できない。
チャリの鍵も持ってない俺は、ダッシュでオタクの家まで走った。
たぶん、人生で一番の全力疾走だったと思う。
オタクの家につき、インターホンを押すと、彼のお母さんが出た。
「はい?」
「あ、○○ですっ!オタク君いますか!?」
「ちょっと待ってねー」
なんかインターホンなのに保留音がみたいなのが流れて、
しばらくするとオタクが出た。
オタ「どうしたんだい?」
俺 「実は命を狙われててっ!かくまってくれ!」
オタ「なんだって!わかった、すぐドアを開けるよ!」
オタクは本当にいいやつだった。
難なく俺は家に転がり込み、
土日を挟んだ四日間ほど世話になることになった。
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:35:38.55 ID:zLYXzb/j0
オタクには多少アレンジした話を伝え、
大人の汚さや社会の冷たさを夜通し語り合った。
その頃オタクはジャンプからVジャンプを経て、
ヤングジャンプへと段階を移行させつつあったんで、俺も読ませてもらっていた。
あまりのエロさに興奮したり、オタクの妹で試してみたり。
本当に楽しい日々だった。
が、大人の魔の手は着実に俺に迫っていたんだ・・・
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:36:39.10 ID:a6fe1PcYP
まて
まて
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:43:42.48 ID:zLYXzb/j0
いやそんなエロい展開ではないぞ。
よく覚えてないが、
なんかワキとヘソを舐めて女の子を泣かせる漫画があったんで試しただけ。
始めは笑ってたけど段々本気で嫌がり始めて、最終的には泣いて終わった。
小学生のころだからすげえ興奮したけど、
改めて考えると何してたんだろう・・・ってなる
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:40:57.98 ID:zLYXzb/j0
そりゃ小学校で無断欠席とかは、すぐに親へ連絡がいくに決まってる。
けどその時の俺は、なにか特別な組織が動いたんだと信じてたんだ。
でなけりゃあオタクの家がバレるはずない。
まさかオタクも組織の一員かと疑った。
そして、そう考えれば考えるほど、どんどん辻褄があっていったんだ。
俺がクラスでハブにされ始めたのも、
実は友達が欲しかったオタクの仕業なんじゃないか
寿命一ヶ月のブラフを提案したのもオタクじゃなかったか
それで居場所がなくなった俺を自分の家に寄越して、
俺を洗脳しようとしたんじゃないのか
すべてはオタクの仕業なんじゃないのか。そう思った
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:43:12.37 ID:IkjiRnwXO
最低すぎわろた
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:49:30.20 ID:zLYXzb/j0
で、俺は家に帰ってオトンにビンタされ、
姉ちゃんには無視され、
学校にはオカンと一緒に謝りにいった。
その翌日からまた登校を再開したが、もう俺には仲間なんていなかった。
いつの間にか疎遠になった、クラスの違う友達たち。
どこか余所余所しい担任。
嘲笑うクラスメイト。
そして真の首謀者、オタク。
俺の人生で、一番の暗黒時代に突入したんだ。
学校に登校すればすぐに寝たフリをし、遠くから聞こえてくる笑い声に怯え、
精一杯目立たないように努力した。
誕生日も運動会も音楽祭もクリスマスもお正月も一人で漫画を読んで過ごし、
気づけば小学5年生が終わろうとしていた。
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 03:53:40.16 ID:zLYXzb/j0
春休みを間近に控え、各教科の宿題が続々と出され始めた。
みんなは思い思いに休み中の計画を立てていたが、俺には無縁だった。
この頃にはもう、オタクとはすっかり喋らなくなっていた。
やつは他に仲のいい友人を作り、
遊戯王カードを学校に持ってくるほどのリア充へ進化していた。
俺はというと一日中机に突っ伏して、
たまに起きれば練りケシをこね、
そして誰とも時間が被らないように下校するだけの毎日だった。
このまま新年度を迎えればきっと、
クラス替えをして俺にも友人ができると、そんなことを考えてた。
そんな折、ある事件が起こったんだ。
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:00:05.19 ID:zLYXzb/j0
一人の女子の鍵盤ハーモニカの吹く部分がなくなったらしい。
なんか細いチューブみたいなやつの先っぽのあれ。
で、終わりの会でそれをその子が発表したら、
翌日に担任が生活の授業を中止してクラス会議をするってなったんだ
クラス会議では教卓の前に被害者の女子と担任が立って、
事の重大さを話した
俺は「自分で無くしたかもしれねえじゃん」って思ってたけど、
そんなことを言い合える友達もいなかったんでボーっと話を聞いていた
会議が進むにつれ、
なんと他にも同様の被害にあった女子生徒が数人いることが判明した。
正直、
はじめに言い出した被害者の女子はブスだったんでみんな相手にしてなかったんだが、
数人の新たなる被害者たちの中にクラスのマドンナがいたんだ
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:04:06.82 ID:zLYXzb/j0
マドンナは、まあ誰に聞いても可愛いって言う感じの、
学年1、2を争う美少女。
クラスは一気に熱を帯び始めた。
やれ「僕にはアリバイがあります」だの、
「お前マドンナのこと好きって言ってなかった?ww」だの、盛り上がり始める教室
俺はそれを傍観しつつ、冷静に犯人を割り出そうとしていた。
そしてわかったんだ、この一連の事件の首謀者が。
そう、オタクだ。
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:08:37.81 ID:zLYXzb/j0
オタクは前々から、マドンナのことが好きだと言っていた。
いや、正確には好きではないな。
気になる人、程度に言っていた
だが証拠がない。
ちらりとオタクのほうを見ると、なにやら池面連中と話している。
こんな非常時なのに、ヘラヘラと笑いながらだ。
俺は確信した。
間違いない、あいつが犯人だ。
が、無常にも時は過ぎて、クラス会議はお開きとなった。
なんともどかしい事か。
犯人がわかっているのに、首根っこを掴めないのだ。
だが同時に、わくわくもしていた。
俺がやつの化けの皮を暴いてやる。
さあオタクよ、俺と貴様の聖戦の幕開けだ。
そう思った。
その日から俺は徹底的にオタクをマークし、片時も目を離さなかった
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:13:34.24 ID:zLYXzb/j0
そんな日々が数日続いたが、俺は一向にやつの尻尾を掴めない。
なかなかどうして手こずらせる強敵だと、俺は高揚していた。
そして、ある事を思い出す。いつかオタクが言っていた、「ブラフ」というやつだ。
向こうが動かないのならば、こちらから動けばいい。
翌朝、俺は早速、行動にでた。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:11:17.17 ID:qdsQ9wKn0
完全に暗黒面に落ちたな
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:20:12.84 ID:zLYXzb/j0 [56/94]
朝一番に登校した俺は、
周囲に人がいないのを確認してマドンナの席へ向かった。
そして前もって用意しておいた紙を忍ばせ、自分の席へ戻った。
後はクラスメイトが来るのを待つだけ。
寝たふりをして過ごすことにする。
そのはずだったが、いつの間にか本当に眠ってしまっていた。
目を覚ましたのは15分後くらい。
周りを見ると、まだ誰もきていない。
しばらくじっと待っていたが、まだ誰も来ない。ヒマになってきた・・・
そこで俺は、なんとなく、本当に他意はなく、マドンナの机に行ってお道具箱を取り出したんだ。
中には高そうな単色じゃない折り紙と、ハサミや糊。
あと桃の匂いがする消しゴムがあった。
ヒマもヒマだった俺は、何気なくその消しゴムを舐めてみた。
うまい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1111
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:22:32.95 ID:h19ZdCIM0
これは酷いな…
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:25:19.83 ID:zLYXzb/j0
消しゴムってこんなに美味かったっけ?
いや、もしかしたらマドンナの成分が俺の味覚を狂わしてるのかもしれない。
もう頭がおかしくなりそうだった。
俺はその消しゴムで腕を擦ったり、ち〇こに当てがったり、足の指に挟んだりした。
まだ誰も来ない。
おかしいとは思わなかった。
俺は一心不乱に消しゴムを陵辱し続けた。
そうこうしていると、消しゴムのケースの端がちぎれたんだ。
うわやべえwwってテンションあがったなあ。
で、直さなきゃって慌ててると、
ケースがずれてその下になんか字が書いてるのを発見したんだ。
あれ?なんだろう?って、興味本位でケースを取って字を確認してみた。
そこには名前が書いてあった。
俺の名前が。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:29:38.33 ID:zLYXzb/j0
その時、俺の脳裏に過ぎったのは、
いつか後ろの席で話していた女子たちの会話だった。
「好きな人の名前を消しゴムの裏に書くと成就するらしいよ」的な。
マジでか!
マジであのマドンナが俺のこと好きだったんか!
ッしぇえええええええええええええええい!
もう興奮しきった俺は、
無人の教室で「ウソだろ!?ウソだろお!?なあ!?」ってぶつぶつ言ってたな。
ひとしきりはしゃぎ終わった俺は、
何気なく教室の後ろのドアに目をやったんだ。
そこには池面を筆頭にして、ほぼ全員のクラスメイトが立ってた。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:33:29.81 ID:9rJbA7AT0
うわあ…
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:36:22.46 ID:zLYXzb/j0
俺はクラス会議で壇上に立っていた。
マドンナは泣いてた。
なんでかオタクも泣いてた。
担任は怒ってなかった。
俺が朝、マドンナの机に忍ばせておいた手紙のおかげだ。
あの紙には「僕がチューブをとりました。すみませんでした」と書いておいたのだ。
担任いわく、
「彼は罪を認め、謝罪の手紙まで書いていました。遅かれ早かれ、バレることだったんです。
それがたまたま、こんな形になっただけです」とかなんとか。
で、クラスメイト全員の意見っていうか、
この事件に対する感想みたいなのを一言ずつ求められた。
池面どもは当たり障りのないことばっか言うし、
あんま喋ったことない女子からは軽蔑してますとか言われるし。
でも。
それでも俺は信じてた。
マドンナは俺のことが好きだから、きっと庇ってくれるって。
だって実際にチューブをパクッたのは俺じゃないし(これはマジ)、
俺が誰かを庇おうとしているように見てくれるんじゃねえかって。
で、マドンナが意見を求められた。
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:39:58.17 ID:zLYXzb/j0
涙をぬぐいながら立ち上がるマドンナ。
なんか自分のこと好きだって知ると、可愛く思えちゃうから不思議だった。
鼻声で彼女は言った。
「なんかぁ・・・勝手に消しゴム触られるしぃ・・・勝手に名前とか・・・書かれるしぃ」
え?
「気持ち悪いです・・・もう学校やめてほしいです・・・」
え、なにが?ははは、え?
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 04:43:05.72 ID:zLYXzb/j0
簡単なことだった。
マドンナの消しゴムに俺の名前を書いたのは、
別のやつらだったんだ。
俺イジメの延長だったんだろう。
そんできっと、その誰かはチューブをパクった真犯人だろう。
頃合いを見計らって俺のせいにするはずだったんだろうが、
勝手に自爆してくれたってとこかな。
もうなにもかもがどうでも良かった。マジで死のうと思った。
先生はなんか言ってるけど、早く帰りたいなあとしか考えてなかった。
その日から俺はひきこもりを始めた。
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:01:50.54 ID:zLYXzb/j0
小学校6年生、俺は引きこもりだった。
いや、引きこもっちゃいなかったかもしれん。
家にいたらオカンに殴られるから、てきとうな場所で時間を潰してた。
そんな毎日で一学期が終わる1週間くらい前まですごしてた。
けど、夏休みのしおりとかをどうしても手渡しで渡さなきゃいけないとかで、
俺は学校に半ば無理やり連れて行かれたんだ。
はじめて見る教室に入って、はじめてみる席に座る
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:06:56.94 ID:zLYXzb/j0
昔一緒のクラスで仲良かったやつもいたし、
話しかけてくれたりもした
でも俺はもう人が怖くなってて、
薄い愛想笑い浮かべるので精一杯だった
ちなみに、マドンナもオタクも違うクラスだった。
その一週間は昼までの登校日だったんで、昼休みがなくて安心してた
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:11:12.68 ID:zLYXzb/j0
なんとか俺は魔の一週間を乗り切り、
ついに夏休み前日になった。
終業式を終えて、クラスに帰って色々プリントとかなんとか配られた。
そんで終わりの会。
担任の計らいで、
夏休みに一度クラスみんなでお楽しみ会をやらなきかってなったんだ
俺は行く気なんかなかったが、出れない人の挙手はしなかった。
目立ちたくなかった。
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:15:05.70 ID:zLYXzb/j0
この頃、俺はもうジャンプ系漫画の虜になってた。
こんな糞みたいなクラスメイトと遊ぶより、ジャンプ見てるほうが何倍も楽しかった
で、終わりの会も終わって、下校の時間。
教室から出た俺を、廊下で待ってるやつがいた
オタクだった。
オタ「久しぶりじゃね?クラス別んなってから喋ってねえよな?」
俺 「あ、うん・・・」
オタ「なんだよお前ぇ、去年はけっこう仲良かったじゃん俺ら。どしたん?よそよそしくね?www」
俺 「いや、別に・・・」
俺の知ってるオタクはいなかった。
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:18:04.88 ID:zLYXzb/j0
俺はもう、早く家に帰りたい一心だったと思う。
一生懸命あの、顎を突き出す感じの会釈をしてた
けどリア充に進化したオタクは止まらない
オタ「そうだ、今から俺んち来いよ。ゲーム買ったんだ、007の」
俺 「あ、そうすか・・・」
オタ「な?来るっしょ?な?」
俺 「あ、はあ、わかりました・・・」
そんなこんなで、
俺は1年近くぶりにオタクの家へ行くことになった
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:21:35.64 ID:zLYXzb/j0
オタクの家はなにも変わってなくて、
妹も俺のこと覚えててくれてた
お母さんもやっぱいい人で、いっぱいお菓子もって来てくれた。
俺は久々に人と話し、遊んだ。
64の007で妹を集中狙いして泣かせたり、
ジャンプの話をして盛り上がったりもした
1年間のブランクなんて、あっという間になくなった。
ああ、俺はこんないい友達を持ってたのかって、
なんか嬉しくて泣きそうだった
帰るときもオタクは「また来いよ!電話すっからさww」って。
マジいいやつだった。
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:26:08.51 ID:zLYXzb/j0
それからというもの、俺はほとんど毎日、オタクの家に行った。
2日間泊まって、1日置いてからまた泊まりに行くのもザラだった。
オタクがいない日も遊びに行き、妹と二人でゲームしてた。
この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
ある日、オタクがこんなことを言い出した。
オタ「ラジオ体操さあ、けんじもゆうたも来ねえんだよ。あいつら家遠いから。
お前ぇ来いよ、マジだりぃけどお前ぇがいりゃあ楽しいだろうしさwww」
もう完全に最初のころと立場が逆転してた。
俺はオタクには逆らえず、こいつの言うことならなんでも頷いてた。
だから、ラジオ体操も了承して、
次の日から妹を含めての三人で行くことになったんだ。
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:30:00.47 ID:gHncnTar0
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
> この頃から彼女とは一緒にお風呂に入ったりして、徐々に親睦を深めていったんだ
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:30:35.57 ID:zLYXzb/j0
ラジオ体操では小6が一番年上で、
俺たちは下級生をからかったりして楽しんでた
妹はそのせいで学校でちょっと嫌われてたらしいが、
そんなことは知らずにはっちゃけた。
自分が、少しずつ真人間に戻っているという気がしていた。
朝は一緒にラジオ体操にいき、昼間はオタクの家で遊んで、
オタクのお母さんに海へ連れてってもらったりもした。
妹に告白されてキスされたり、それをオタクにからかわれて喧嘩したりもした。
本当に楽しかった。俺はもう普通の小学生だったんだ。
あの日までは。
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:32:36.38 ID:qdsQ9wKn0
お前はこのスレの人間をすべて敵に回した
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:33:53.33 ID:zLYXzb/j0
ある日、いつものようにラジオ体操のスタンプを押してもらっていると、スタンプを待つ列の中に見知った顔があるのに気づいた。
俺が呆けてそれを眺めていると、オタクがへらへらしながら小突いてくる。
オタ「どうした、なに見てんだよwww」
俺 「あ、別になんでもねえよ」
オタ「ウソつけよww誰見てたんだお前ぇ……あ」
オタと俺の視線の先には、マドンナが立っていた。
おっさんと手を繋いで。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:37:37.46 ID:zLYXzb/j0
オタ「あれ、マドンナじゃね?」
俺「そ、そうだよな・・・」
オタ「けど、あのオッサンだれだ?」
俺「どう見ても父親って感じじゃねえよな・・・」
まあ完全に父親だったんだけど、
俺はなんだかそのオッサンが許せなくなってきた。
マドンナはオッサンと手を繋いで、恥ずかしそうに列に並んでいる。
一方のオッサンはへらへら笑いながら、
その小汚い首にかけたスタンプカードをぶらつかせてる
俺は覚醒したね。
あのオッサンは悪だ。
マドンナは悪に囚われていると、信じ込んだね。
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:44:52.37 ID:zLYXzb/j0
気づけば俺は駆け出していた。
スタンプカードを握り締めて、マドンナの下へ駆け出していたんだ。
オタ「ちょ待てよっwww」
妹 「兄ちゃんっ!」
オタクの制止も聞かず、妹の手も振り払い、俺は風になっていたのだ!
俺 「マドンナ!逃げるぞ!」
俺はさっきまで妹の指を握っていた手で、マドンナの腕を掴んだ。
マドンナは「はぁ?」って感じで動かない。
くそう、心までおっさんに汚されちまったってのかよ!
おっさんは「ん?お友達かい?」って聞いてくる。
けれど俺は答えない。答えたらダメだと、そんな気がしたんだ。
マドンナ「痛いってば、離してよ」
俺 「いいから早くっ!まだ間に合う!」
彼女の返事も聞かずに、
俺はそのままマドンナを引っ張ってラジオ体操の群れを抜けていった。
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:48:43.95 ID:kVVFn6I/0
ラジオ体操の群れ wwwwwwwww
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:53:42.35 ID:zLYXzb/j0
人通りの少ない場所まできて、俺はマドンナの腕を離した。
彼女は不機嫌極まりない顔だったが、そんなことはどうでもよかった。
俺は頭にきてたんだ。
そんな自分に酔ってたんだ。
俺 「お前・・・どういうつもりだよ!」
マドンナ「はぁ?なにが?」
俺 「なにがって・・・なにがってお前!」
マドンナの肩を掴んで、強く揺さぶる。
俺 「もっと自分を大事にしろよ!」
パァン!
なんの漫画だったかなあ。ガンツだったっけか、
どっかで聞いたカッコいい台詞を使いたかったんだ。
ただそれだけだったんだ、きっと。
でもボルテージがあがりすぎて、
マドンナのホッペを平手でぶっちゃったんだ。
もうあれだよ、マドンナはもう「・・・え?」ってなってる。
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 05:59:40.29 ID:zLYXzb/j0
しかもなんか指が目に入っちゃったらしくて、
「痛ぇ・・・マジ痛いんだけど・・・」って。
俺もまさかこんなことしちゃうとは思ってなかったから、
とりあえずあたふたしてた。
けどここで俺が隙を見せれば、
またオッサンがマドンナを連れ戻しにくるような気がして、
俺は必死に冷静を取り戻そうとしていた。
俺 「痛いとか、痛くないとか・・・そんな問題じゃねえんだ!」
マドンナ「・・・」
俺 「お前は今、体が痛いかもしれねえ。けどなあ、俺は心が痛いよ!」
マドンナ「・・・」
あああマジ恥ずかしい。
今思い出しててマジ鳥肌たってきた。
けどあん時の俺はとにかく輝いてた。
俺 「とりあえず、今日はオタクんちに泊まれよ。部屋は用意するように言ってやる」
マドンナ「いや、別にいい・・・」
俺 「バカ野郎!お前がよくても俺の気がすまねえんだよ!」
マドンナ「あの、ちょっと待って。考えさせて」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:05:46.22 ID:zLYXzb/j0
この時、まさか泊まることを了承するなんて思ってなかった。
ただなんとなく、
俺の本気さと顔の広さを示したかっただけだったんだ。
けど意外とマドンナは真剣に考えてるっぽい。
俺焦る。
俺 「ま、まあお前が嫌だっつうんなら、俺はこれ以上なにも言わねえさ」
マドンナ「・・・」
俺 「正直、俺も今日のところは引き下がろうとも考えてる」
マドンナ「・・・」
俺 「でもお前にはもっと自分を大切にしてほしいんだ。
それだけわかってくれれば俺は満足だから」
マドンナ「うっせえな。考えてるっつってんだろ」
俺 「あ、すんません・・・」
で、しばらく悩んでいらっしゃったマドンナが、不意に答えた。
マドンナ「一回家に帰ってから、パパとママに泊まりに行っていいか聞いてみる」
俺 「あ、そう?うんオッケー」
で、俺はオタクたちの下へ帰った。
マドンナはいったん家に帰った。
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:17:39.12 ID:fhuLeVBW0
止まったな、長いの書いてるのか
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:32:06.76 ID:zLYXzb/j0
付き合ってくれた者どもよ、すまぬ・・・
睡魔と言う黄泉への階段が我をいざなっている。
すまぬが暫し奴と戦うため夢幻の空間に精神を転送することとする。すまぬ・・・
我が睡魔に勝利した暁には必ずや続きを書こう。すまぬ・・・
あと俺今は普通に幸せな毎日を送ってます。
これは黒歴史なんです。
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:33:33.98 ID:X3tgL9V+0
15歳の女ですら自分を俺と言い、自分の家に放火する時代にそんな小さい邪気眼語りで恥しくないの
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:38:53.00 ID:zLYXzb/j0
俺にしてみれば人生で一番の山場だったんだ
本当にやばい事とかには発動しない邪気眼の所有者だったんだよ・・・
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:40:56.94 ID:9tzq/jnb0
イイカラカクンダ
ユメニデルゾ
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:44:07.57 ID:132ZSbFH0
オレモユメにデル
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 06:45:52.71 ID:luWUrwRe0
オレモユメにデル
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 12:58:23.36 ID:zLYXzb/j0
皆の者、保守ご苦労であった。
我は睡魔に打ち勝ったのだ。さて、続きを話そうか・・・
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:07:26.47 ID:zLYXzb/j0
俺が戻ってくるなり、オタクは慌てた様子でまくし立ててきた。
オタ「お前なにしてたんだよ!あのおっさん、
やっぱりマドンナの親父だったんだけど、すげえ困ってたぞ!」
俺 「あ、そう・・・」
オタ「一応お前の名前は教えといたけど・・・マジなにやってんだよ」
俺 「いや、あの、そのことなんだけどさ」
俺はできる限りカッコよく、マドンナとの会話をオタクに話した。
オタクは驚きながらも半笑いで聞いてくれていたが、
やがて「マドンナをお前んちに泊めてやってほしい」の件で声を失った。
オタ「・・・え、マジ?」
俺 「マジだ」
オタ「はぁ?お前ホント勝手なことすんなよなー・・・」
俺 「やっぱり駄目か?・・・そうだよな」
オタ「い、いや別に俺はいいけどさ!あのー、マドンナの親がなんて言うかだろ」
俺 「今さっきマドンナは家に帰って、泊まっていいか親に聞きにいった」
オタ「そ、そうか。なら親が認めてくれたら泊まりにくるんだな!」
そういえばこいつはマドンナのことが好きだったんだ。
オタクにとっては棚ボタな展開だったろう。
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:11:52.68 ID:zLYXzb/j0
俺たちはその足でオタク家へ向かい、
マドンナが来てもいいようにと部屋の片付けをすることに。
オタクはなんか、
プラモデルの雑誌とか英語の絵本とかをわざと見える場所に配置してた。
うわぁこいつ・・・って俺は思ってた。
で、昼過ぎになって、飯食ってたら電話が鳴ったんだ。
俺もオタクもすげえどきどきして、聞き耳をたてる。
するとオタクのお母さんが電話台から「マドンナさんって方から電話よー」って。
きた!って顔して、受話器を取りに行くオタク。
俺は気にしてないふりして飯を食う。
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:17:14.46 ID:zLYXzb/j0
5分を過ぎても、10分を過ぎても。オタクは電話を切らなかった。
そんなに話すことがあるのかってくらい、
なにやら声を潜めて受話器を握り締めている。
俺は何度かトイレへ行くふりをして横を通り抜けるが
その度にオタクは俺に背を向けるんだ。
これは怪しいなって感じ取った。
そうこうして、やっと電話が終わった。
30分近くは話してたと思う。とても長かった。
俺 「どうだった?」
リビングに戻ってきたオタクは、それには答えずに俺の腕を引く。
オタ「ちょっと部屋で話そう」
俺 「あ、うん・・・」
不吉な予感がしてたんだ。
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:22:48.05 ID:zLYXzb/j0
部屋の扉を閉めるなり、オタクは小さく呟いた。
オタ「マドンナ、これないって」
俺 「なに・・・?」
オタ「親が許さなかったらしい」
俺 「そんな・・・」
オタから聞いた話をまとめると、
なんでもマドンナはあの後、家に帰って父親に俺のことを話したんだそうだ。
父親は怒りはしていなかったがとても心配していたみたいで、
マドンナは安心させようとウソをついたらしい。
俺のことを頭のおかしい同級生ではなく、彼氏として紹介したんだと。
で、今日泊まりにいきたいんだけどって話すと、両親ともに大反対されたと言う。
オタクはその他にもできるだけ忠実に今聞いた話を教えてくれたが、
そんなことはなにも頭に入らなかった。
ただ、マドンナが俺のことを彼氏だって言ったのが嬉しすぎたんだ。
それと同時に、マドンナの両親が許せなくなった。
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:25:57.88 ID:zLYXzb/j0
俺 「なんだよそれ・・・そんなの大人のエゴじゃないか!」
オタ「違ぇねえ。マドンナ、悲しそうな声だったよ」
俺 「ちくしょうちくしょうちくしょう!あいつをなんとか助けてやらねえと!」
オタ「だな!俺らでなんとかしてやろう!」
俺 「おうよ!」
ちょうどこの頃、俺はブルーハーツにもはまり始めていた。
大人なんて糞食らえだという想いが爆発してたんだ。
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:27:49.56 ID:zLYXzb/j0
俺たちは夕方までずっと、マドンナを助け出す作戦を考えた。
レインボー作戦とか言ってた。
もし作戦の途中に大人に捕まっても、
互いに口を割らないための契約書と親友テレカも作った。
俺たちはやる気だった。
そして、その夜。作戦を決行したんだ。
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:27:51.79 ID:aOSuiXhc0
読んでてむず痒い・・・・
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:29:52.52 ID:D9YXOEYK0
なんだろう
この感覚?
なんだろう
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:33:40.14 ID:zLYXzb/j0
第一段階、まずは情報収集だ。
俺たちは二手に分かれて近所のコンビニなどへ聞き込みをし、
マドンナのマンションでポストを漁るなどして情報を集めた。
マドンナのマンションはオートロックの自動ドアだったんだが、
この扉を開ける方法も考えた。
自動ドアの下の隙間にできるだけ厚いチラシを滑り込ませて、
中側にあるセンサーに感知させて開けるという方法。
これは今考えてもすごい発想だったと思う。
ドアはいとも簡単に開き、
俺たちはマンションの中で入ることさえ可能になった。
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:35:33.18 ID:uqIA/3WA0
そろそろイヤリング型携帯電話の登場か・・・
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:38:19.98 ID:zLYXzb/j0
それから数日間は、
ほとんどずっとマドンナのマンションの前に張り込んでいた。
マドンナの両親の生活リズムを調べ、
マドンナを救出するためのタイミングを見計らっていた。
そうして情報を集められるだけ集めた俺たちは、
作戦を第二段階へと移行させる。
たまにどこかへ遊びに行くマドンナの後をつけ、
彼女の安全を見守ったのだ。
オタクが夏期講習へ行き始めてからは、
俺と妹の二人でマドンナの後を追った日も少なくなかった。
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:40:18.01 ID:ZaFsCCfX0
妹を巻き込むなwwww
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:44:07.54 ID:zLYXzb/j0
そんな生活がずっと続いたある日、
俺は衝撃的な事実を知ることとなる。
マドンナに彼氏がいたのだ。
相手は他のクラスの池面で、
俺たちが影から見守っていることも知らずに手をつないで肩を寄せ合ったりしている。
オタ「・・・」
俺 「・・・」
妹 「・・・」
意味がわからなくなった。
俺たちがこんなにも見守って、頑張って、
夏休みを無駄にしてまで助けてやろうとしているってのに。
マドンナはなにも知らない池面と仲良くしている・・・
頭がおかしくなりそうだった。
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:47:17.70 ID:aOSuiXhc0
すでにおかしいだろ
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:49:53.49 ID:zLYXzb/j0
その日から俺たちは、もうマドンナを守ることはやめた。
まるで抜け殻のような夏を過ごした。
妹は日に日に太っていくし、オタクは廃人のようになっていた。
俺もそうだった。
そして夏休みも終わろうとしているある日、
このままじゃいけないと俺は決心したんだ。
俺 「マドンナに、俺たちが頑張った努力の分を清算してもらおう」
オタ「・・・なんだと」
俺 「俺たちはこの夏をフイにしてまで、やつに尽くしたんだ。
それなのにあいつは裏切った。だから!」
オタ「・・・・・・なるほど」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:55:59.04 ID:zLYXzb/j0
俺たちは定規で筆跡を変えて、
毎日マドンナのポストに手紙を入れはじめた。
前世からの繋がりがどうとか、血の誕生日の盟約がどうとか。
真剣に書いた。
だがマドンナからの反応はない。
それはそうだ、犯人の目星がつかないんだろう。
なんか虚しくなってきたが、
こうでもしなければ俺たちの努力に気づかないままだったろうと信じていた。
しかし、そんなことを4日ほど続けていると、
オタクが突然言い出したんだ。
オタ「俺なんか飽きたわ。もうやめるから」
俺 「やめるって、なにを?」
オタ「手紙入れるの。どうせ向こうも気づいてないし、やめるなら今のうちだろ?」
俺 「貴様・・・裏切るのかよ!」
オタ「だって夏休みもったいねーんだもん」
俺 「親友テレカは・・・あの誓いはどうすんだよ!」
オタ「ああアレ?そういやどこやったっけなー。なくしちゃったよwww」
俺 「!!!」
俺はオタクを殴った。
生まれて初めて、タイマンを張ったんだ。
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 13:59:40.49 ID:zLYXzb/j0
次の日、俺が病院から家に帰ると、一通の手紙が机に置かれていた。
オカンに尋ねると、俺宛でポストに入っていたと言う。
可愛らしいキャラクターの便箋を開けて中を見ると、
これまたキャラクターがプリントされたメモ用紙が出てきた。
そこにはこう書かれていたんだ。
「きさまはあの女にこだわりすぎた。血のせいさいをうけるがいい」
なん・・・だと・・・
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 14:00:56.97 ID:ZaFsCCfX0 [5/7]
ククク・・・
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 14:01:25.26 ID:zLYXzb/j0
ちょ魔って
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 14:36:39.58 ID:ecYNjoXJi
>>1さん
いまごろひょうきんブラッドが疼いている頃でしょうねホホホ…
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:08:35.67 ID:M5XeafYl0 [1/4]
早くしろ
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:15:54.22 ID:jEGJOaMt0 [1/3]
ちのせいさいの後引っ張るなんて策士だな
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:21:19.67 ID:Fq8Apvbn0
ちのせいさい・・・
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 22:12:15.49 ID:jEGJOaMt0
>>1はちのせいさいのことを書こうとしたから消されたのか…
ちのせいさいwwwwwwwwwwww
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 16:24:04.56 ID:M5XeafYl0
. |___
. / (^p^ ) チノセィサィwwwww
/ / \
| | | |
___/ /__.| |___
// //
(Ξ´ ‘ミ)
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/10(土) 21:06:07.44 ID:9rJbA7AT0
>>1はど一体こいったんだよ
398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/11(日) 21:07:43.47 ID:4w2SM1dK0 [3/3]
「いいいい、1くんは、まだ、書かないの?とか言ってwwデュフwww」
462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:36:57.71 ID:Ubg45Nm90
長く待たせてしまったようだな。すまぬ
ククク、朝陽が目に染みおるわ・・・
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:42:24.38 ID:Ubg45Nm90
続き
手紙を見た俺は焦った。
まさか、こんな形で報復を受けることになるとは・・・
心当たりがないわけじゃなかった。
マドンナの両親や、マドンナの彼氏という線も濃い。
だが証拠がない以上、こちらから下手に動くこともできなかった。
そこまで考えた上で、俺は筆跡を鑑定することにした。
一文字一文字を念入りに調べ、その特徴から犯人を割り出そうと試みたのだ。
そして気づいた。
これはオタクの字なんじゃないかと。
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:47:29.73 ID:Ubg45Nm90
そう思えば思うほど、
どんどんオタクが怪しくなってきた。
急にマドンナへの復讐をやめたことも全て辻褄が合う。
あいつはハナっから、俺をはめるために動いてきたんじゃないのか。
てきとうに仲のいいフリをして、俺を煽って、マドンナを尾行させ、
彼氏を見せ付けて精神的に追い詰め、
とどめにこんな手紙を寄越して俺を怯えさせる・・・
なんと汚いやりかただろうか。
本当の友達だって、俺は信じていたのに。
なんて裏切りだろうか。
俺は泣いた。人目もはばからずに泣いた。
姉ちゃんにうるさいって言われても泣き続けた。
無力な俺には、涙を零すことでしか自分の心を守れなかったんだ・・・
467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:49:15.93 ID:BIEMcjvJ0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:50:14.83 ID:Ubg45Nm90
泣きながら飯を食い、泣きながら風呂に入り、
泣きながら笑う犬の冒険を見た。
やがて眠くなって寝た。
目を覚ました頃には、もう涙も枯れていた。
その代わりに、胸の奥から沸々と怒りがこみ上げてきた。
そして、俺は決意した。
オタクに復讐してやる。
469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:56:05.64 ID:Ubg45Nm90
そうと決まれば行動は速い。
俺はすぐに家を飛び出し、チャリに跨って駆け出した。
信号も危なくない所は無視をして、カーブはできる限り体を傾けて、
風そのものとなってオタクの家へ向かったんだ。
少し息を整えてからインターホンを押すと、妹が出た。
オタクはいるかと尋ねると、不在だと返ってくる。
仕方なく、やつの帰宅まで待たせてもらうことにした。
俺はオタクの部屋で妹と64をしながら時間を潰した。
たまに妹がベタベタしてきたが、俺は汚らわしいと言って距離を置いた。
当たり前だ、敵の家族に気を許せるものか。
ていうか小2で太ってきてんじゃないぞクソが。
俺たちはただ黙々と、007をし続けた。
470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 12:58:28.17 ID:bJF/VTJ9i
小2と付き合ったとか言ってたのかお前…
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:03:41.26 ID:BIEMcjvJ0
人ん家でゲームやらせてもらってる割には態度デカいなww
471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:00:48.73 ID:Ubg45Nm90
日も傾き始めた頃、ようやくオタクが帰ってきたんだ。
俺は深呼吸をしてから、できる限り微笑んで迎え入れてやる。
俺 「よう、おかえり」
オタ「お、おう・・・なんで来てんだよお前」
俺 「なんでって。ハハハ面白いことを言うなぁオタクは」
オタ「な、なんだよ・・・」
俺 「これだよ!!!!」
バシンッと俺はポケットから例の手紙を取り出す。
オタクはひどく狼狽していた。
473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:06:43.24 ID:Ubg45Nm90
俺 「これに見覚えがないとは言わせねえぞ。
俺が言いたいこと、わかるよな?」
オタ「い、いやわからん・・・」
俺 「ここまで来てしらばっくれるとはいい度胸だ。
その姿勢だけは褒めてやろう」
オタ「だからなんだってんだよ」
俺 「この手紙を俺に送りつけただろっ、もうバレてんだよお!!!」
俺の威勢のいい声に、オタクのお母さんが様子を見に来た。
しかしそんなことは気にならない。
部屋には沈黙が流れ、
妹もお母さんも息を殺して俺とオタクの顛末を見届けようとしている。
あまりにも長い無言に終止符を打ったのは、オタクだった。
オタ「ちょっと手紙見せてくれ」
俺 「勝手にしろ」
オタクは手紙を手にとって、文面を口に出して読み上げた。
白々しい、まるで初めて見たかのように読みやがる。
だが、俺は敢えてなにも言わなかった。
オタクがどう反論してくるか、それにどう返してやろうか、
妄想して高揚していたのだ。
475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:12:43.53 ID:Ubg45Nm90
手紙を読み終えると、オタクが口を開いた。
オタ「これ、俺の字じゃねえし」
俺 「はぁ?」
オタ「こんな汚ねえ字じゃねえっつってんの」
俺 「・・・は?」
これは予想外の反応だ。
もっと突っかかってくるかと思えば、なんとも冷静ではないか。
オタクはおもむろに立ち上がると、
机から夏休みの宿題を取り出してきた。
オタ「ほれ、見てみろよ。全然字が違うだろ?」
俺 「そ、そうだな・・・」
オタ「これでわかった?俺じゃないって」
俺 「で、でも!筆跡なんていくらでも変えれるだろ!
実際に俺たちはマドンナに対してそうしていたじゃないか!」
オタ「あれは定規使ってたじゃん。こんな丸っこい字書けねえよ」
俺 「そ、そんな・・・」
俺は愕然とした。
膝から崩れ落ちた。
まさか、オタクの犯行じゃなかったなんて・・・
じゃあ俺は一体、誰に命を狙われてるってんだ。
血の制裁とはなんなんだ・・・
またしても部屋は無言に包まれる。
話を聞いていたオタクのお母さんが、ちょっと怒ってる。なぜ。
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:17:28.14 ID:Ubg45Nm90
その後、俺たちはオタクのお母さんに怒られた。
マドンナへの復讐も洗いざらい話した。
あれだよね、普段怒らない人が怒ったらすげえ怖いよね。
俺らは泣いた。
それから仲直りさせられて、夕食をご馳走になってから帰った。
お母さんの手前、握手をして互いにごめんなさいしたが、
俺はオタクを許す気にはなれなかった。
数日前のタイマンのこともあるし、
なによりオタクのふてぶてしい態度が許せなかったのだ。
俺はずっと、オタクをボコボコにする妄想をして家に帰った。
478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:22:16.24 ID:Ubg45Nm90
それ以来、夏休みは誰とも会わなかった。
夏祭りも姉ちゃんとその友達らと行き、
遠くに同級生が見えるとお面をかぶってやり過ごした。
そうやって、小学校最後の夏は終わったんだ。
9月になり、学校が始まっても俺は家にいた。
一度ひきこもりを経験してしまったら、抜け出すことは簡単じゃないのだ。
マドンナへの怒りも、オタクへの怒りも、すべてはどうでもよくなっていた。
ただ早く卒業式がくるのを待つだけの日々。
たまに先生が家にきて、クラスメイトからの手紙を渡してくれたりもしたが、
それさえ燃やそうと思っていた。
燃やさなかったけど。
そして季節は巡り、春が来たんだ。
卒業式へは行ったが、誰とも話さずに帰ってきた。
479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:28:42.16 ID:Ubg45Nm90
春休み中に家族とじいちゃん、ばあちゃんを交えて話し合いをした。
じいちゃんとばあちゃんは俺が引きこもっていることを初めて知ったので、
悲しそうに笑っていたっけ。
結局、中学はちゃんと通うということに決まった。
俺は週1なら学校へ行ってもいいと言ったが、オカンに殴られて却下となった。
あとブルーハーツのCDはどっかに隠された。
大人たちは何も話を聞いちゃくれない。
で、中学の入学式。
先生は怖そうな人ばかりだし、知らない小学校から来たやつらも多いし、
もう地獄そのものだった。
オタクはどこかの男子校へ行ってしまっており、
マドンナは東へ引っ越したらしい。
憎らしいと思っていたやつらだったが、
いざいなくなると寂しいものだ。
480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:29:40.02 ID:BIEMcjvJ0
中学の新学期は悲惨だよなぁ
482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:31:53.65 ID:Ubg45Nm90
中学1年の1学期は苦痛でしかなかったが、
それでも毎日ちゃんと通った。
授業もちゃんと聞いていたし、
遊びに行くほどじゃないが喋れる友達も数人できた。
夏休みを挟んで2学期にもなると、もう俺は真人間に戻っていた。
学校は辛かったが、頭の中で歌を歌ってなんとか乗り切った。
そして、ついに俺の人生を左右するイベントが近づく。
そう、体育祭だ。
485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:35:17.36 ID:j6CStPywO
中二病ってどうすれば治るのか、いまだにわからん
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:37:57.46 ID:Ubg45Nm90
うちの中学の体育祭は、
競技よりも応援合戦という出し物が一番盛り上がる。
それぞれクラスごとに10分の持ち時間で、
ソーラン節やらダンスやらを披露するのだ。
それは採点されて、合計12クラスで3位までが表彰されるというもの。
俺たちのクラスも例に漏れず、この応援合戦に向けて練習が始まった。
なんでも、音楽に合わせて人文字を作るらしい。
なんの音楽にしようか決める話し合いで、
俺は勇気を振り絞って「アナーキー・イン・ザ・US」を提案されたが一瞬で却下された。
なんだかんだで下らないJpopに決まったことに、
俺は怒りとともにやるせなさを感じていた。
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:43:41.72 ID:Ubg45Nm90
体育の授業で競技の練習をし、
昼休みと放課後を使って応援合戦の練習をする毎日。
体育祭が近づくにつれ練習に熱が入り、朝錬もするようになった。
クラス40名が一丸となって、汗を流した。
この頃の俺は邪気眼も弱まっており、精一杯練習に参加した。
その努力が認められたのか、俺は重要な役割を担うことになった。
人文字のほうではなく、
音楽を流す人にCDを渡す役目に抜擢されたのだ!
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:47:20.78 ID:qE9dgtnwO
重要な役…割…?
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:49:46.80 ID:7lK50yTx0
それ・・・邪魔者扱いだったんじゃね・・・
492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:52:56.72 ID:Ubg45Nm90
否ッ!倍率2倍の競争を勝ち抜いたのだ。
491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:52:04.66 ID:Ubg45Nm90
そしてついに、体育祭当日がやってきた。
順調に競技を進めていき、やがて昼休みに入る。
友達同士で飯を食ってるやつらを傍目に、俺は木陰で弁当をつついた。
楽しそうな声で笑い合うガキどもを眺めていると、
隣に同じクラスの女子グループが座ってきた。
俺は慌てて去ろうとしたが、女子グループの一人が俺を呼び止めたんだ。
女子1「どこ行くのよwwせっかく一緒に食べてあげようと思ったのにー」
女子2「そうだよ、座りなよ。あ、○○(俺)くん一人?」
俺 「は、はい」
女子3「そっかー。次の応援合戦頑張ろうね!」
俺 「は、はい」
女子1「○○くんがちゃんとCD開けてくれないと始まらないんだからねww」
女子2「そうだよ。頼むよー!」
俺 「は、はい」
幸せだった。
そしてこの3人のことが好きになった。
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:53:40.69 ID:uIXU4aFuP
すぐ好きになりすぎwwwwwwww
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 13:59:10.27 ID:Ubg45Nm90
昼休み中はずっと、女子グループと話していた。
始めのほうは「俺なんかが女子と話してたらいじめられるんじゃ・・・」って思ってたが、
そんな危惧もどこかへいった。
本当に楽しかった。この3人を笑わせたい、幸せにしてやりたいと思った。
バームクーヘンボンバーをやった。
すべった。
だが、楽しい時間はすぐに終わる。
1時間もあったはずの昼休みは忌々しいチャイムの音で終わりを告げ、
次の競技である応援合戦本番がやってきた。
人文字をやるやつらは運動場の端に整列して、
音楽係のやつと音楽係補佐の俺はPTA席の前に待機する。
「次は1年1組の応援合戦です」というアナウンスとともに、
掛け声をあげて人文字のやつらが運動場中央へと躍り出る。
俺は音楽係にCDを渡した。すべては順調だった。
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:04:13.13 ID:C5tylyE10
CDで嫌な予感が
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:05:12.18 ID:Ubg45Nm90
音楽係がCDをコンポに入れる。
運動場の隅では10分を計る電光掲示板が時を刻み始めた。
あとはコンポの蓋を閉めて、再生ボタンを押すだけ。
それで俺たち音楽係の任務は完了する。
そのはずだった。
しかし、なぜか音楽係が手こずっている。
「ふ、蓋がしまらないっ!」などと呟きながら慌てている。
やばい、ここで時間を食うわけにはいかない。
みんな、あんなに練習したんだ。
それをこんなミスでフイにしてしまうわけにはいかない!
俺は音楽係を押しのけて、力の限り蓋を閉めた。
「パキッ」という音と共に、蓋が閉じる。
すぐに再生ボタンを押すが、音楽は流れない。
薄々、俺は気づいていた。
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:06:20.58 ID:BIEMcjvJ0
あーあー
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:07:02.84 ID:0JqOV+pu0
うわぁ…
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:07:48.33 ID:Ubg45Nm90
「ちょっとお前どけ、もっかい蓋開けてみろよ」
音楽係が慌てた様子で言ってくる。
やめてほしかった。
わかってる。
蓋の中がどうなっているか、俺には手に取るようにわかっているんだ。
もうやめてくれ。
開けないでくれ。
どうか蓋を、蓋を開けないでくれと。
俺は神と音楽係に祈った。
しかし神は非情だ。
蓋は簡単に開き、その中でひび割れたCDが虚しく輝いていた。
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:09:06.32 ID:BIEMcjvJ0
(((´・ω・`)))
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:10:07.17 ID:QVB9KkCe0
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/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i(^ω^ )< 一緒にブーンしようお?
/ :::/;;: ヽ ヽ ::と つ. :.\_____________
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/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i(^ω^ )< ねぇねぇブーンしようお!?
/ :::/;;: ヽ ヽ ::と つ. :.\_____________
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/ /^ω^*ヽ ヽ l おっ?
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:14:45.73 ID:Ubg45Nm90
異変に気づいた担任が近寄ってくる。
音楽係は早口にこの惨状を告げている。
俺は空を眺めている。風を感じている。
すぐに予備のCDを担任が持ってきて、音楽係がそれを入れて再生ボタンを押した。
俺は雲の流れを目で追っていた。
しばらくして大音響で流れ出すJpop。
ワンテンポ遅れて人文字を作るクラスメイトたち。太陽に手をかざす俺。
大幅なタイムロスと中1の脆弱なメンタルのせいで、人文字はgdgdだった。
運動場を囲む他のクラスのやつらは嘲笑を零し、俺は風になびく木々を見つめていた。
結局7分弱しかない時間の中で、クラスメイトたちはできる限りの人文字をやっていた。
そして応援合戦が終わったとき、俺の短い栄光も終わっていた。
510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:23:41.14 ID:Ubg45Nm90
クラス席に戻ると、全員から冷たい視線を浴びる。
だが俺は反論などしない。
俺がすべて悪いんだ、この罪を背負うのは一人で十分だ。
クラスメイトたちに事情を説明する音楽係。
実は蓋が閉まらなくて、無理やり閉めたらCDが割れたということ。
自分が割ったのか○○(俺)が割ったのかわからないということ。
それを聞いて、さっきの女子グループの一人が俺たちを擁護し始めたんだ。
「誰が悪いってわけじゃないよ。それに、まだ体育祭は終わってないじゃん!」と。
ああ、この世界に天使はいたんだ。
こんなに可愛い天使が、こんなに近くにいたんだ。
世の中まだまだ捨てたもんじゃないんだ。そう思った。
が、クラスのDQNグループのボスは治まらない。
「誰が悪いって、完全に音楽係のこいつら二人が悪いじゃねえか!」といきりたってやがる。
それにビビった音楽係が、
「そ、そういえば○○(俺)が蓋を閉じたときにバキッって音がしたかな」
なんて、手のひらを返して言い逃れを始めた。
だが俺は臆さない。なぜならば、俺には天使がいるんだ。
さっきの言葉を信じるならば、彼女は無駄な争いを好まないのだろう。
それに、ちょっと俺のことが気になってるに違いないだろう。
俺は何も言わず、天使に目を向けた。
天使は醜悪な目つきで、俺を睨んでいた。
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:27:53.65 ID:7lK50yTx0
天使こええええええええええwwww
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:28:29.61 ID:4MuHrOezO
うわぁぁぁ・・・
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:29:28.68 ID:Ubg45Nm90
天使「・・・○○(俺)くん、わかってんの?」
え、なにが?なにを?きみの気持ちをかいベイベー?
天使「あんたのせいで、みんなの努力が無駄になったんだよ?返してよっ!」
泣きはじめる
俺 「か、返してよ?え?」
天使「みんなの努力を返してよ!バカ!」
俺 「あ、え、あぅ・・・」
天使「一番簡単な作業なのに・・・なんで失敗するのよ!あーもう最悪っ!」
女子グループもDQNグループも、
そうだそうだ!ってボルテージが上がり始めた。
しばらくして駆け寄ってきた教師が来るまで、俺はずっと非難され続けた。
死にたかった。
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:35:20.31 ID:pBna6dw50
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i (V八ハ│弋:....ソ jィ尓芥トミ/ : : : / : :八|
i i\| i: : :| ` 弋:....ソ彳 : /:/│/
i |八:.小 " ' ` 厶イ|/| l/
j . :i │ :N、 __ / : : j/: | >>1のせいで体育祭が死んでいる
/ . :.i . : | : :|:`ト イ : :/: i│
/ : : : : : :| : :「`| 丶、 . . :´ : |/|.: : :i│
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〃⌒ヽ : : : / | |\ /《\ ?: : | ,ハ ノ__ | .| | |
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:35:38.34 ID:HWKjLIna0
たかが体育祭でwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:36:26.34 ID:Ubg45Nm90
結局、俺たちのクラスの応援合戦が表彰されることはなかった。
ていうか全部3年生のクラスが表彰されてた。
出来レースだったんだ。
それから教室に帰り、先生が買ってくれたジュースを飲みながらの反省会。
もちろん議題は俺。
先生は一人を責めるのは間違ってると言って聞かせてくれたが、
誰もそんな言葉を受け入れていないのは俺が一番よく知っていた。
また引きこもるかーなんて考えてたけれど、
親に心配かけたくないのでやめた。
中学では楽しくやってると家で話してたからな。
それからの日々は、毎日セックスピストルズを聞いて過ごした。
文化祭は休んだ。
そして中1が終わり、中2も過ぎていき。
いつの間にか俺は中3になっていた。
この頃、俺の人生で最大級の邪気眼が疼きはじめたんだ。
520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:38:12.84 ID:BIEMcjvJ0
ゴクリ・・・
521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:41:32.64 ID:Ubg45Nm90
俺は名前を変え、
シドと名乗るようにしていた。
仮に俺の苗字が佐藤だとすると、
プリントや教科書にはすべて「佐藤シド」と書いていた。
あの体育祭以来、ろくに喋りもしない俺。
休み時間は寝たふりをして過ごし、授業が始まればおもむろに起きる。
班ごとでの作業のときも一言も発さず、昼飯も机をくっつけないで食べた。
たまに喋りかけられても頭を上下左右に振るだけでやり過ごした。
きっと、俺の声を聞いたことがないクラスメイトも多かったろう。
「あいつマジ喋らなくね?声聞いたことなくね?ww」なんて盛り上がってたろう。
そう考えるとなんだか、自分がカッコよく思えてきた。
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:46:57.88 ID:Ubg45Nm90
俺は俺自身をさらに神聖化させるため、
自分だけの文字を考えた。
周りのやつらが気づくか気づかないかくらいの大きさで意味不明な独り言を呟き、
万年筆とカッターを常にポケットに入れて過ごした。
朝は自販で無糖の缶コーヒーを買い、それを飲みながら登校するのを日課にした。
先生に怒られて1日でやめたが。
休み時間は黒板に自分で考えた数式を書き、それを解こうと悩んでいるふりをしていた。
毎日がスペクタクルだった。
524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:51:03.07 ID:0JqOV+pu0
ワロスwwwwwwwwww
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:53:36.31 ID:Ubg45Nm90
しかし社会の風当たりは冷たい。
俺のことを理解できない低脳どもが陰口を始め、
やがて変なあだ名をつけられて苛められた。
だが、みんなもう中3。
内申を気にするカスどもは暴力を振るわない。
女子のように陰湿なイジメを繰り返すだけで、どれもこれも取るに足らないものばかりだ。
水筒をボコボコにしたり、ロッカーの中に蝉の抜け殻を大量に入れられたり、
教科書に張っていた付箋をとられたり、代わりになぜかバランを入れられたり。
その程度。
俺は気にも留めなかった。
下らないことでしか俺を受け入れられない連中など、もとより眼中にないのだ。
せいぜい足掻くがいいわと考えていた。
そんなある日、
下駄箱の中に一通の手紙が入っているのを見つけたんだ。
530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:55:11.03 ID:6xply7rz0
これはないわ…
532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:55:22.03 ID:y/X8zeQ90
見てるだけで心が痛い
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:56:31.15 ID:Ubg45Nm90
典型的なラブレターのような便箋。
俺は慌ててそれをポケットへ押し込み、そわそわしながら授業を受けた。
やがて昼休みになると、便所にダッシュして個室に入った。
そこでやっと、便箋を開いてみる。
そこには一言、「あなたのことが好き」と。ただそれだけが書いていた。
新聞の切り抜きを張って。
534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 14:57:32.85 ID:MyIud2vX0
くっ…うぅっ…
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:00:41.57 ID:+z6P7ZuTO
新聞の切り抜きwww
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:05:24.16 ID:Ubg45Nm90
普通のやつらなら気づかなかっただろうが、俺は悟ったね。
これはラブレターなんかじゃないって。
だってよく考えてみろよ。
もしラブレターなら、わざわざ新聞の切り抜きを貼らないだろ?
それに、呼び出したりとかもしていない。
ただ気持ちをぶつけているだけだ。
これはおかしいと、俺は持ち前の頭脳で察したんだ。
同時に、なにかが頭に引っかかった。
いつだったか、俺は以前にも脅迫状まがいの手紙に怯えていなかったか・・・?
そうだ。あれは小学校のころだ。
俺は脅迫状を送りつけられたんだ。
あの時はオタクを疑っていたが、今回あいつに犯行は無理だ。
中学が違うんだもの。
じゃあやっぱり、犯人は別にいたってことか!?
小学生のころから俺を付け狙うやつが、この中学にいるのか!?
誰だ!?誰がやったんだ!?
誰が俺の命を狙ってるっていうんだ!?
混乱する俺。
しかし頭の芯は冷静そのものだった。
ククク面白い、この俺が立ち向かうに値する敵は、こうでなければいけないのだ。
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:09:43.97 ID:Ubg45Nm90
いつか俺とオタクが使った手がある。
あれは今でも使えるだろう。
そう、ブラフだ。
俺が怯えていると相手に誤解させ、
調子付いた敵が次の手を繰り出そうとしたところを押さえてやる。
計画は完璧だった。
その日から俺はすべての日課をやめ、
オーバーなくらいに周囲を気にするフリをし続けた。
少しの物音にも身を震わせ、休み時間中はしきりにキョロキョロする。
弁当を食べる時もチビチビと毒見っぽく食べ、放課後は早歩きで帰った。
そんな日々が一週間も続くと、
なんだか本気で怯えているような気になってきた。
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:13:14.89 ID:Ubg45Nm90
はじめは演技でやっていたことも、
二週間目くらいから真剣になっていく。
真面目にビビり、真面目に怖くなり始めた。
犯人は同じクラスにいるとも限らない。
合同体育のときも念のため先生とペアを組んでやり過ごした。
誰かが教室のドアを開けただけでも漏らしそうになり、
DQN連中の笑い声に怯えた。
そんな生活が一ヶ月も続くと、もう俺の精神は限界になっていた。
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:19:57.91 ID:5BmIo0RL0
念のため…だと?
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:13:39.02 ID:IqwgQgL60
相手の思惑通りじゃねぇか
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:17:56.86 ID:Ubg45Nm90ある日、廊下を歩いていた俺の肩に誰かがぶつかった。
相手はDQN連中のいじられキャラで、
本気で殴りあったらいい勝負くらいには持ち込めるような貧弱な相手。
それなのに爆発しそうなメンタルは、俺の脳を狂わせてしまった。
DQNはすぐに「あ、悪い」と謝ってくる。
だが、それすらも俺を怯えさせるには十分だった。
俺 「あ、あああ・・・ああああ・・・」
DQN「?」
俺 「ああ、あがががが、ああががあああ・・・」
DQN「え、なに?」
俺 「あばばばばがあああばががが・・・」
DQN「なに、なんなの?」
俺 「きえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!111」
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:20:53.92 ID:6xply7rz0
きえええええええええええええええwwwwwwwwwwwwwwwww
548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:23:39.00 ID:Ubg45Nm90
俺は走った。
走ろうと思ったわけじゃない。
走らずにはいられなかったんだ。
廊下を歩く生徒たちの間を縫い、一目散に階段の踊り場まで抜けていった。
そして、
そこに設置されている非常ベルに手を伸ばし、力の限りボタンを押した。
鳴り響くベル。
騒ぎ出す生徒たち。
そして駆けつける教師陣と副校長。
「今押したの誰だ!?なにがあった!?」と教師が周りにいた生徒に詰め寄る。
きっと、誰が押したかなんて分かってたんだ。
俺を怒る確証を得るために聞いたに違いない。
問い詰められた生徒は俺を指差し、
間髪いれずに先生がずかずかと俺のもとへ来る。
生まれて初めて、親以外の大人に殴られた瞬間だった。
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:24:53.84 ID:H9uOd4xM0
きえええええええええええって言いながらボタン押したのかぱねえな
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:26:26.15 ID:LWMiE4q3P
さすがに笑ったwww
非常ベルはダメだろwwwww
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:26:41.63 ID:KTrD4WCh0
きええええwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:26:54.40 ID:gTq2A3va0
ハッスルしすぎだwww
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:28:47.61 ID:Ubg45Nm90
当時ちょうど、
大阪で小学校に刃物を持ったやつが侵入した事件があったんだ。
他にも毎月のように不審者が学校に現れるって事件が起こってて、
学校のセキュリティがどうのと問題になっていた。
俺は先生に首根っこを掴まれたまま廊下を引きずられ、
職員室にぶち込まれた。
副校長が消防署に連絡を入れて、担任が俺の家に電話していた。
俺は泣いていた。
オカンはすぐに学校にきて、先生がたに土下座していた。
そんな様子を俺は呆然と眺めていた。
次の日から、俺は引きこもった。
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:30:44.99 ID:gTq2A3va0
またひきこもったかw
557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:31:06.32 ID:LWMiE4q3P
なんという自爆wwwwwwwwwwwww
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:31:52.16 ID:agVt6jFA0
ひきこもりって学校で何かやらかしたやつがなるもんなのかね
560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:32:36.77 ID:Ubg45Nm90
冬になった。
俺は完全な引きこもり生活を一ヶ月、
その後は週1で登校するようになっていた。
もうなにもかもがおしまいだった。
死ぬことばかり考えていた。
結局あの手紙の犯人はわからないし、目的もわからない。
いつか殺されるくらいならば自分で命を絶とうと思っていた。
でも痛いのは嫌だから、
夜寝たまんま永遠に目覚めなければなあってずっと考えてた。
でもね、人生って絶対になにかの転機があるんだ。
たとえ自分から動かなくても、
転機は向こうから当たり前な顔してやってくるもんなんだ。
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:33:23.42 ID:gTq2A3va0
ほう
どうなった?
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:38:49.25 ID:Ubg45Nm90
冬休みも部屋に篭りきりだった俺。
オカンは自然と、飯を部屋の前に置くようになっていた。
このまま一歩も部屋から出ずに年が明けると思っていたが、
俺の人生にも転機がやってきた。
ある日の昼過ぎに、珍しくオカンが部屋にやってきたんだ。
俺は漫画を読みながら、「なんだよ」ってぶっきらぼうに尋ねる。オカンは言った。
「オタクさんって人が来てるけど入れていい?」
あまりにも懐かしい名前。
だが、今の俺をあいつに見せたくない。
あいつは頭のいい中学でうまくやっているんだろう。
それなのに俺ときたら、
頭のおかしい行動のせいで学校すら満足に行っていない、
うんこみたいな引きこもり野郎。
もうどっちがオタクだかわかったもんじゃない。
俺は忙しいから帰ってもらってと答えた。
が、オカンは「もうリビングで待ってもらってるから呼んでくる」って。
大人は信用できない。
しばらくして俺の前に現れたのは、オタクの妹だった。
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:46:45.02 ID:gTq2A3va0
まさか・・
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:47:00.62 ID:Ubg45Nm90
愕然とした。
確かに妹には間違いないだろうが、雰囲気が変わりすぎている。
ラジオ体操に行っていたころのぽっちゃり体系は影もなくなっていて、
子供っぽかった洋服も今じゃ雑誌で見るような可愛らしいプリントのものを着ていた。
どこか、マドンナのことを思い出させるようなその姿に、
俺は声も出なかった。
妹「久しぶり、兄ちゃん」
俺「あ、あああ、ああああががが・・・」
妹「痩せたね」
俺「あ、あああ、あああああなたも・・・」
妹「へへっ」
妹は俺のベッドに腰掛けて、手に持った荷物を置く。
妹「これお土産。修学旅行で京都いってきたんだ」
か、かわいい・・・
邪気眼の変わりにロリコンが開花した瞬間だった。
それから俺たちは、妹が持ってきたお土産のお菓子を食べながら、
たくさんの話をした。
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:47:02.58 ID:BIEMcjvJ0
まさか
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:48:18.64 ID:LWMiE4q3P
これは
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:54:03.63 ID:Ubg45Nm90
本当に楽しかった。
俺は久しぶりに、人間としての相手をしてもらった。
普通の中学生として、会話をしてもらったんだ。
美しい時間だった。
俺の中の邪気眼はどんどん浄化されていく。
ロリコンが発動していく。
お互いに緊張がとけ、話も盛り上がり始めたころ、妹が突然謝ってきた。
妹「さきに謝っとく、ごめんね」
俺「え?」
妹「絶対に怒らない?」
俺「なにが?」
妹「怒らないなら教えてあげる。怒らない?」
俺「あ、うん」
妹「絶対?」
俺「うん・・・」
妹「信じるよ?えっと、あのね・・・」
妹「昔、お兄(オタク)と兄ちゃん(俺)喧嘩したでしょ?手紙のことで」
俺「あ・・・う、うん・・・」
妹「実はさ・・・
あれ書いたの私なんだ。へへっ」
きええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:55:12.99 ID:pBna6dw50
家にスイッチ無くてよかったな
580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 15:56:14.35 ID:qj9Rpoeo0
嫉妬だろ
お前まじでいろんな人間に嫉妬されてる、俺とかに
587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:02:06.22 ID:MyIud2vX0
きえええええええええwwwwwwwwwwww
588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:02:12.81 ID:Ubg45Nm90
俺「あああああああああああ・・・あああ・・・ああああああ・・・」
妹「ちゃんと聞いて、あの手紙ね・・・」
俺「あがががばばばばばあああわわなが・・・・」
妹「あの手紙の字、お兄のじゃなかったじゃんか。私が」
俺「あばばばぷぷぷぷぺぷしまままままま」
妹「聞いてって!」
俺「あ、はい・・・」
妹「あの手紙ね、お兄に言われて私が書いたの。お兄が言うことを私が代筆したの」
俺「っ!!!」
どういうことだ・・・?
オタクに言われて妹が書いた・・・?代筆・・・?
つまりなんだ、あの字は妹の字で・・・でもあの言葉はオタクので・・・
結局、オタクがやったことなんじゃないか・・・!!!
589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:03:10.04 ID:30SPyWz40
オタク黒幕かよwwwwwwwwwww
591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:04:55.28 ID:7434eE680
オタクめ
595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:08:05.33 ID:Ubg45Nm90
俺「それは本当なのか・・・?」
妹「うん、ぜんぶ本当」
俺「・・・そうか」
不思議と、俺に怒りなどはなかった。
そりゃあの時しらばっくれたオタクのことはムカついたが、
もうどうでも良かった。
それよりも、俺は誰からも命なんて狙われちゃいなかったのかー、
っていう喪失感と脱力感が大きかったんだ。
あんなにオドオドしてたってのに、
全部が取り越し苦労だったんだ。なんてこったい・・・
妹はそれを今日、俺に伝えに来てくれたという。
オタクが風の噂で俺の非常ベル事件を知って、心配になったんだと。
でも自分で様子を見に行くのはバツが悪くて、妹を寄越したんだそうだ。
オタクは直接あの手紙のせいで俺がこんなことになってるとは知らなかっただろうが、
どこかであの頃の罪悪感があったんだろう。
俺はすべての真相を知って、なぜか涙がこみ上げてきた。
599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:12:47.27 ID:Ubg45Nm90
妹は俺の背中を摩ってなぐさめてくれる。
「ごめんね、ごめんね」ってなんか鼻声になってる。
俺は「いや、怒ってるんじゃないんだ」って言うけど、妹はずっと謝ってた。
それから俺たちは、気が済むまで泣いた。
途中オカンが笑い堪えながらジュースもって来てくれたけど。
気にせず泣いた。
互いにようやく落ち着いてきた頃、妹は静かに口を開いた。
妹「この世界って私たちに厳しいよね」
俺「・・・え?」
妹「政治家とか、全然私たちのこと考えてない」
俺「政治家?え?」
妹「ね、私と兄ちゃんでこの世界を変えない?」
俺「はえ?なに?うん?」
妹「それがいいよ、うん。二人でこの世界を変えよう。ね!」
お、お前もか・・・
600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:13:24.97 ID:KTrD4WCh0
なんだと
601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:13:25.21 ID:BIEMcjvJ0
まさかの急展開
602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:14:11.65 ID:WZQPms9IP
邪鬼眼持ち多いなwww
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:14:35.48 ID:A0Bty9R80
新世界の神になるのか
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:15:23.23 ID:y3B7ThDy0
ひええええええ
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:17:48.23 ID:Ubg45Nm90
その日から俺たちは毎日のように会った。
クリスマスも大晦日も二人だけで遊んだ。
いや、遊んだんじゃないな。
この世界を変えるための計画を話し合ったんだ。
そうして年が明け、3学期も間近に迫ったころ、ようやく世界の変え方が決まった。
俺が総理大臣になる。
名案だった。
総理大臣になればこの国を変えられる。
それからなんかアメリカのとかの大統領に
「俺、世界変えたいんですけど」みたいに持ちかけて協力を仰げばいい。
簡単なことだ。
だが、総理大臣になるにはまず政治家にならなくちゃいけない。
政治家になるには勉強して、いい大学に入らなくちゃいけない。
俺は猛勉強した。
今からでは頭のいい高校には行けないが、大学受験には3年もある。
なんとでもなった。
611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:19:58.52 ID:o8txVRH80
総理大臣wwwwww
612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:21:51.39 ID:Ubg45Nm90
中学を卒業して、クソみたいな高校に進学した。
喜んでくれたのはじいちゃんばあちゃんと、妹だけだった。
高校に入学してすぐ、俺は必死に勉強した。
授業で教えてくれない範囲は、恥も外聞も捨てて姉ちゃんに聞いたりした。
休みの日には妹と図書館に行き、小声で話しながら勉強しあった。
互いに支えあい、もう俺たちは付き合っていた。
そうこうしているうちにあっという間に高校3年間は終わり、
大学受験の発表の日、俺は妹と部屋にいた。
613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:25:42.26 ID:1jK+mUzl0
もしかして妹は>>1に真人間になってほしくて、敢えて>>1が乗りやすそうに邪気眼が発動したフリをしてたんじゃ・・・
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:26:07.04 ID:Ubg45Nm90
俺の高校に推薦枠なんかない。
国立大学に行くには、自分の力だけがすべてだったんだ。
合否の通知は家に送られてくる。
俺たちはただその時を待った。
そして、ついに郵便が届いたんだ。
薄い封筒だったんで、落ちてるんじゃないかとかなりドキドキしたな。
俺と妹は、
俺が大学に受かればエッチする。
もし落ちていたら別れるという約束を交わしていた。
俺は妹が大好きだ、妹もきっと俺のことが好きだ。
だから別れたくなんてない。
どうしても受からなくちゃいけないんだ。
そして俺は、ゆっくりとその封筒を開けた。
615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:28:04.20 ID:RYeuXygP0
きええええええええええええええ
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:30:00.65 ID:Ubg45Nm90
俺は怖くて見れなかった。
妹に先に見てもらおうと、目をつぶって合否通知を取り出す。
俺「どう、だ・・・?」
妹「・・・・・・」
妹はなにも言わない。
俺は恐る恐る目を開けて、紙を見ないようにして妹の顔を見た。
妹は唇を真一文字に結んで、ただ黙っている。
俺「ど、どうだった?受かってた?」
妹「・・・・・・」
妹はその紙をベッドに置き、俺の体を抱きしめた。
固まる俺。なんだ、どっちだったんだ!?
そして妹は俺の耳元で、小さく囁いた。
妹「ホントに好きだったんだよ。残念だよ。ばいばい」
え?
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:30:56.92 ID:y3B7ThDy0
うああああああ
625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:32:24.02 ID:7zqF4pr60
これが血の制裁か…
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:33:33.33 ID:Ubg45Nm90
部屋から出て行く妹。
俺は呼び止めることも忘れて、ベッドに置かれた合否の通知を手に取った
そこには短い言葉で、俺の不合格の旨が書いてあった。
泣いた。
慌てて妹に電話を掛けながら、俺も家を出る。
彼女を追う。
妹は電話に出ない。姿も見えない。
メールを送るが、なぜかエラーになる。
意味がわからなかった。
629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:34:18.26 ID:hlcLGEEAO
なん……だと?
633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:36:13.30 ID:y3B7ThDy0
エラーって・・そんな短時間で
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:36:41.03 ID:Ubg45Nm90
別れようとか、あれは冗談じゃなかったのか?
そんな簡単にさよならできるほど、
俺たちの3年間は薄っぺらいものだったのか?
俺はどこかで、
妹なら不合格になっても「もう1年頑張ろうよ」って言うもんだと思ってたんだ。
それなのに。
なのに、あまりにもひどい仕打ちじゃないか。
俺は本当に頑張ったんだぜ?
必死こいて勉強したんだぜ?
もう一度電話してみるが、話し中になっている。
何度かけても話し中。
これはあれか、着信拒否か。なるほどな
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:37:41.34 ID:gTq2A3va0
本物の邪気眼だったのか
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:39:09.40 ID:Ubg45Nm90
すべてを失った俺は、もう浪人する気にもなれなかった。
ただ1年間バイトをして金をため、あくる年に単身上京した。
花の東京には仕事が溢れていると思ってたんだ。
でもなにもかも上手くいかず、始めたバイトも長続きしない。
次第に金は底をつきはじめ、求人雑誌を読みふける毎日を送った。
そこで俺は、今の仕事を見つけることになる。
642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:43:31.32 ID:Ubg45Nm90
手取り40万以上。寮完備。夕食つき。学歴不問。資格不問。
ある営業の仕事だった。
俺はすがる思いでそれに応募した。
面接を受けると社長さんはとても優しいお爺さんで、
翌日から来るようにと言われた。
仕事は大変だったが頑張った。
少しずつ契約をあげれるようになり、
40万には遠く及ばないものの貯金できるくらいには稼げるようになった。
寮近くのコンビニで知り合った女性にも勇気を出して告白し、
今の彼女になった。
そうして1年も過ぎたころ、俺と彼女は二人で小さなアパートを借りた。
幸せな日々の始まりだった。
645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:45:24.52 ID:msSFyghl0
黒「歴史」を聞いてくれじゃなかったの?ねえ?
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:48:45.95 ID:Ubg45Nm90
一週間前、実家から俺の家に手紙がきたんだ。
成人式後の中学の同窓会に来れなかった人のために、
もう一度同窓会をやるという手紙。
差出人は中学の先生で、俺を殴ったやつだ。
行く気なんかはなかったが、その手紙を見ると懐かしい思い出が蘇ってきた。
彼女にそのことを伝えると、行ったほうがいいよって。
一生の思い出なんだから行かなきゃ後悔するよって。
でも彼女は俺の黒歴史を知らない。
言うことなんかできない。
考えた俺は、vipにスレをたてた。
こいつらは邪気眼が大好きだからな。
俺の話を聞いて、同窓会に行くべきか否かを助言してくれるんじゃないかと思ったんだ。
ここまで書いたことは全部真実です。
多少盛ってるとこもあるかもしれんが、ほとんど本当のこと。
で、俺は聞きたい。
こんな俺でも、同窓会に出たほうがいいのでしょうか
657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:50:47.93 ID:LWMiE4q3P
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662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:51:26.18 ID:aGvtpQhE0
いってこい
668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:52:52.67 ID:7KYgzgry0
行って来い
そして邪鬼眼を発動させろ
674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:56:00.68 ID:MyIud2vX0
同窓会の会場できええええええええええええって叫んでこい
677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:56:47.03 ID:Ubg45Nm90
同窓会あるのが海の日だから、実況は無理だと思う
やっぱ行ったほうがいいのかな?
正直俺もちょっと行ってみたいんだが、
引きこもり邪気眼だった俺が行ってもいいもんなのかな
あとオタクは学校違うから来ない。
妹にも会えないと思う
682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:59:25.93 ID:m4MCo+2z0
行け
そして報告たのむ
683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 16:59:33.47 ID:C5tylyE10
邪気を入念に封印してから行けよ
710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 17:49:12.38 ID:aBu5OHHe0
同窓会の案内が来るだけ
い い ん じ ゃ ね?
クソッ
712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 17:56:15.10 ID:Ubg45Nm90
ありがとうみんな
いくわ
713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 17:58:16.03 ID:oKhFGkfg0
報告してね
721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 18:11:28.15 ID:Ubg45Nm90
御意に
726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 19:02:04.44 ID:Ubg45Nm90
同窓会いってきたらまたスレたてます
長いあいだ付き合ってくれてありがとう皆の者!
737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 20:37:18.65 ID:twtDs3CT0
同窓会行ってバームクーヘンボンバーやってくればいいだろ
今なら笑いがとれるかもしれない
753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:00:21.22 ID:OgfKvE7b0
>>1「止めろよ?お前ら絶対に止めろよ!?」
754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:02:12.00 ID:S9Tow3umO
バームクーヘンボンバー!
873 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:42:10.62 ID:aghByYhH0
バ
874 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:46:14.59 ID:djpagqFL0
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875 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:46:29.00 ID:zTYLkMxH0
ム
876 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:50:48.89 ID:lbXVlMoL0
ク
877 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:51:07.91 ID:eNqW10fh0
|
878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 15:53:36.59 ID:jSqIYSLv0
へ
879 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:01:06.49 ID:2rh4BqG60
ン
880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:02:42.20 ID:+AEA+t6/0
ボ
881 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:19:25.64 ID:PretdvFW0
ン
882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:37:05.25 ID:xME+A5lE0
バ
883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:38:15.57 ID:utqpV9li0
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884 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:46:43.06 ID:zTYLkMxH0
!
885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 16:49:18.68 ID:+G9/hJLY0
おめ!!
919 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:40:55.58 ID:C/PjZojW0
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. / (^p^ ) バームクーヘンwwwww
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(Ξ´ ‘ミ)
. |^ω^ )
. と ノ
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. |彡サッ
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/ ( ) ボンバー!!!!!
/ γ⌒\
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.`ヽヽ / X ミ ヽ
ヽ___ノミ\ \
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964 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 01:19:14.81 ID:KMBv6tNR0
. |___
. / (^p^ ) キエエエエエェwwwww
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___/ /__.| |___
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(Ξ´ ‘ミ)
. |^ω^ )
. と ノ
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. / (^ )彡 !?
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/ | , / ))
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 ̄(⌒__/
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. |彡サッ
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/ ( ) キエエエエエエェ!!!!!
/ γ⌒\
7``) / / \
.`ヽヽ / X ミ ヽ
ヽ___ノミ\ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:18:10.32 ID:hURDIyVC0
バームクーヘンボンバー!
984 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 02:21:08.65 ID:54ZryKXN0
_| ̄|○ <バームクーヘンwwwww
\ へ
/○ |_
_|
○
く
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○
○|_| ̄
○/
\ へ
○
| ̄
 ̄|
○
/\
>
_| ̄|○
|_ ・;∵..
_|・;∵..・;∵<.ボンバー!!!!!
______________________○___
762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/12(月) 23:35:26.48 ID:Ubg45Nm90
バームクーヘンボンバー!
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この記事へのコメント
1. Posted by 2010年07月14日 03:29
もうやだ
20辺りで既にもう見たくない
20辺りで既にもう見たくない
2. Posted by 2010年07月14日 04:02
邪気眼系のスレ面白いけど読むのが辛い
3. Posted by 2010年07月14日 04:32
きえええええええええええ!
バームクーヘンボンバー!
バームクーヘンボンバー!
4. Posted by 2010年07月14日 04:48
>俺は心が痛いよ!
俺の心も痛いよ。うわあああ。良くある「○○って調子に乗ってんじゃね?」系いじめの典型みたいだけどさ・・・。やっぱいじめられていいやつはいないと思うよ。理不尽。この系統のいじめの特徴は可愛い子とかクラスの人気者とかリーダー格とかお調子者がターゲットにされることだな。なんかなぁ。気の毒。
俺の心も痛いよ。うわあああ。良くある「○○って調子に乗ってんじゃね?」系いじめの典型みたいだけどさ・・・。やっぱいじめられていいやつはいないと思うよ。理不尽。この系統のいじめの特徴は可愛い子とかクラスの人気者とかリーダー格とかお調子者がターゲットにされることだな。なんかなぁ。気の毒。
5. Posted by 774 2010年07月14日 04:58
小中高大とそれなりに友達いたし体育祭の応援団までやったのに彼女できたことないオレよりマシ
6. Posted by 名無しなう 2010年07月14日 05:09
長いからひょうきん者だったってとこまでしか読めなかった
7. Posted by 2010年07月14日 05:14
おいやめろ
8. Posted by 2010年07月14日 05:14
邪気眼はオタ資質のある奴なら誰しも一度は発症する恐ろしい病気だからな・・・
あぁ、胃が痛い――――――
あぁ、胃が痛い――――――
9. Posted by 2010年07月14日 05:17
今が幸せなら行ってもいいと思うよ、ホント。
さすがに同窓会でいじめとかないからなw
いやあるとこもあんのかもしれないけど。
邪気眼は封印しとけ。がんば!
さすがに同窓会でいじめとかないからなw
いやあるとこもあんのかもしれないけど。
邪気眼は封印しとけ。がんば!
10. Posted by 2010年07月14日 05:31
こういうの読むと苦しくなってくる
ワラノートなのにワラエナイ
ワラノートなのにワラエナイ
11. Posted by 2010年07月14日 05:37
こういうスレを見ると、黒歴史が蘇ってきて一生引きこもりたい気分になる
12. Posted by 2010年07月14日 07:47
俺だって引き篭もらなかったら今頃良い大学に…
中学の時はある意味ハーレムだったのにフラグ折り…
ああ………
中学の時はある意味ハーレムだったのにフラグ折り…
ああ………
13. Posted by 2010年07月14日 08:09
おいやめろ
おいやめろ
おいやめろ
14. Posted by あ 2010年07月14日 08:15
上嗚呼嗚呼嗚呼亜
15. Posted by 2010年07月14日 08:51
でもこの>>1ってどんなにハブられてても常にまわりに女いるし、見た目はそこそこなんだろうなぁ
16. Posted by あ 2010年07月14日 09:00
同窓会より精神科に行け
17. Posted by 、 2010年07月14日 09:47
恐すぎて最後までみれねぇ
18. Posted by 2010年07月14日 10:39
普段は自分語りのスレなんてクソ食らえと思ってたけど最後まで読んだ
書いてある女のことは別に考えて読んだら自分と重なった タイムスリップした
しかし、古谷実の漫画みたいな展開の語りだな
俺もイケメンでリア充に生まれたかった
書いてある女のことは別に考えて読んだら自分と重なった タイムスリップした
しかし、古谷実の漫画みたいな展開の語りだな
俺もイケメンでリア充に生まれたかった
19. Posted by ななし 2010年07月14日 10:49
妹のとこであああってなったわ
邪気眼でも女のためでも腐らず真面目に勉強したり仕事したり頑張ってるから好感持てるな
今の1なら同窓会も邪気眼抑えてれば普通に楽しめそう
邪気眼でも女のためでも腐らず真面目に勉強したり仕事したり頑張ってるから好感持てるな
今の1なら同窓会も邪気眼抑えてれば普通に楽しめそう
20. Posted by ジョロキア 2010年07月14日 11:21
面白かった!
1応援するぜwww
1応援するぜwww
21. Posted by 2010年07月14日 12:22
ハッピーエンドでよかった
これから自殺しますとかだったらどうしようかと思った
しかし顔は平均以上なんだろうな
これから自殺しますとかだったらどうしようかと思った
しかし顔は平均以上なんだろうな
22. Posted by 2010年07月14日 13:00
いたすぎて最後まで読めんwこれでも彼女いるとかすごくね?
俺より恵まれているのは明らか
俺より恵まれているのは明らか
23. Posted by 2010年07月14日 13:00
は…速すぎるぜ!ちきしょう…俺には…見えねえほどにな…
24. Posted by 2010年07月14日 13:44
小学校
中学校
高校
大学
社会人
全てにおいて沢山友達がいて親友もいて人気者で家も裕福で結構な年収の仕事して完璧な人生を送ってきた俺だが
彼女いない歴=年齢
28歳童貞のブサメンの俺のほうが負け組
結局※
中学校
高校
大学
社会人
全てにおいて沢山友達がいて親友もいて人気者で家も裕福で結構な年収の仕事して完璧な人生を送ってきた俺だが
彼女いない歴=年齢
28歳童貞のブサメンの俺のほうが負け組
結局※
25. Posted by 2010年07月14日 14:56
邪気眼でも幸せになれるんだな
※
※
26. Posted by 名無し 2010年07月14日 15:20
なんだろう、途中まで余りにも邪気眼過ぎて痛々しくなるんだけど、最後まで読んだらちょっと感動に近い感情を覚えた。
同窓会、行ってこい。
行って損はない筈だ。
邪気眼ではなかったが、元いじめられっこの俺が保証する。
…但し邪気眼は封印しとけよw
同窓会、行ってこい。
行って損はない筈だ。
邪気眼ではなかったが、元いじめられっこの俺が保証する。
…但し邪気眼は封印しとけよw
27. Posted by 名は有る 2010年07月14日 15:50
ジャンプとはなんだったのか
28. Posted by 2010年07月14日 15:53
なんか時代考証おかしくね?
29. Posted by 2010年07月14日 17:45
体育祭のCDの辺りとかめちゃくちゃリアルだな…自分がそうなってもおかしくない事態というか…本当についてないやつだけどバームクーヘンボンバー!
30. Posted by 2010年07月14日 21:26
誇張入ってるとしても創作くさいなあ
イベントを起こし、付き合ってたら少なり関わりがあるオタクを普通はちょっとは描写するだろー
イベントを起こし、付き合ってたら少なり関わりがあるオタクを普通はちょっとは描写するだろー
31. Posted by 名無し 2010年07月15日 11:25
同窓会がどうなるか気になるねぇ
32. Posted by 斬牙 2010年07月15日 23:50
諸君
そもそも池面とはなんぞや
33. Posted by 2010年07月16日 08:11
こんな思い込み激しくて誇張癖がある奴の文章なんかどこまで本当かわからんなw
34. Posted by カラスマン 2010年07月16日 09:12
やべ~!!!俺も同窓会だgj
35. Posted by ああ 2010年07月16日 14:33
途中からリアリティなさすぎて気持ち悪くなったけど最後まで読んじまったorz
36. Posted by 同窓会で 2010年07月16日 22:23
バームクーヘンボンバーかましてこい
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