県立宮古病院(宮古市)で1996年2月、出産時の医療ミスで男児が低酸素脳症の状態で生まれ、後遺症で知的障害を負ったとして、岩泉町在住の男児(14)とその両親が、県を相手取り約2億円の損害賠償を求めていた訴訟で、盛岡地裁(田中寿生裁判長)は16日、原告の訴えを棄却する判決を言い渡した。
原告側は、胎児の首にへその緒が巻き付き、血流障害に陥っていたにもかかわらず、担当医が帝王切開ではなく自然分娩(ぶんべん)を選択したため、低酸素脳症を引き起こしたと主張していた。
判決では、男児の血流に異常はなかったと認定したうえで、「出産後の血液検査でも、男児に低酸素脳症の症状は見つからなかった」と原告側の主張を退けた。【宮崎隆】
毎日新聞 2010年7月17日 地方版