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2010年7月16日(金) 19:25 |
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クロマグロ陸上養殖、本格スタート
クロマグロの陸上養殖が岡山で本格的にスタートです。 岡山理科大学が研究している海水魚と淡水魚が共存できる魔法の水・好適環境水を満たした巨大水槽に、15日、クロマグロの稚魚が放たれました。 海水を使わないマグロ養殖夢への大きな一歩です。
高知との県境にも近い愛媛県愛南町の漁港です。 陸上での海水魚の養殖実験を続ける岡山理科大学の山本准教授が到着を待つのは、クロマグロの稚魚です。 海水魚であるカクレクマノミと淡水魚の金魚が同じ水槽で泳ぎます。 この水が岡山理科大学が開発した好適環境水です。 山本准教授はこれまでに、この好適環境水を使いヒラメやクエなどの様々な海水魚の養殖実験に成功しています。 しかし最大の夢であるクロマグロの養殖には、高いハードルが立ちはだかります。 2007年にもクロマグロの稚魚の養殖実験を行いましたが、わずか1週間で水槽に激突死しています。 今年3月、岡山理科大学に新しい実験施設が完成しました。 施設にはクロマグロの実験用の直径8メートルの大型水槽を備えています。 クロマグロに先駆け、トラフグやマグロと同じ回遊魚であるシマアジの養殖実験も始まり、どちらも順調に育っています。 そして15日、クロマグロの養殖実験への再挑戦が始まりました。 愛媛県愛南町の漁港に届いたのは15匹のクロマグロの稚魚。 急いで水槽を積んだ車に運び込んでいきます。 しかしそのうち針が目にかかった1匹は、あっという間に死んでしまいました。 15日午後9時前、約5時間ほどかけてクロマグロの稚魚を乗せたトラックが岡山理科大学に戻ってきました。 残ったのは13匹のクロマグロの稚魚。 トラックから大型水槽への運搬は手作業です。 傷つけないよう、慎重かつ迅速に網ですくった稚魚を大型水槽に入れていきます。 これまで海水のみで育ってきたクロマグロの稚魚ですが、好適環境水に驚く様子も無く水槽の中を泳ぎます。 一夜明けた16日朝、大型水槽の中のクロマグロの稚魚は群れをつくり、水槽の中を泳いでいました。 今後は、大型水槽に入れる稚魚を100匹まで増やす予定です。 森のマグロを作りたい。 途方も無く大きな夢は、実現へ向け大きなスタートを切りました。
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