オバマ大統領「LG工場は米国のグリーン政策の象徴」
米国、2億8000万ドルを支援
■LG工場は失業率13%のホランド市に活路
LG化学は総額3億300万ドル(約263億円)を投資し、2013年までに電気自動車6万台に供給できるバッテリー工場を建設する。この投資額のうち1億5100万ドル(131億円)は連邦政府の補助金、1億2500万ドル(108億円)はミシガン州政府の税金減免特恵でまかなう。資金の80%を、米国連邦政府と州政府が援助したことになる。
起工式で会ったある住民は、「以前は5%にすぎなかったホランド市の失業率が、現在13%まで高まった。雇用をもたらす工場が建つのはとてもうれしい」と話した。食品加工、家具製作と共に、同地域の主要な雇用を提供した自動車部品工場が閉鎖されたため、失業者があふれている。
ホランド市と米ミシガン州は、雇用を創出するLG化学を誘致するために必死だった。ホランド市のボブ・エリス商工会議所理事は、「LG化学が突然、当初の計画より敷地が2倍必要になったと言うので、すぐに会議を招集し、たった1日で追加の敷地を確保する決定を下した」と話した。地域市民団体「レイクショア・アドバンテージ」のジェニファー・ラインアート氏は、「この工場は若い世代に未来の職場の姿を見せてくれる」と話した。
LG化学がバッテリー工場の運営を通じて創出する直接的な雇用は約500件。ミシガン州のジェニファー・グランホルム州知事は、「これを皮切りに、バッテリーや電気自動車産業で6万2000件の雇用ができる見込みだ」と話した。
■LG工場はオバマ大統領のグリーン産業育成の象徴
オバマ大統領はLG化学のバッテリー工場を、自身が注力するエコエネルギー政策とグリーン産業育成が具体的に実を結び始めた象徴と見なしている。オバマ大統領は就任直後から燃費改善義務化などエコ規制を一層強化し、電気自動車の生産者や購入者に対して補助金を支給するなど、強力なエコエネルギー政策を推進してきた。
特に、LG化学のバッテリー工場は、ゼネラルモーターズ(GM)が野心的に準備を進めている電気自動車「ボルト」にバッテリーを供給するほか、フォードの電気自動車「フォーカス」にもLG化学のバッテリーが使用される点に注目している。没落した自動車王国「ビッグスリー」が未来の車を前面に打ち出して復活する姿を見せようとしているわけだ。この日、オバマ大統領は演説前に、イベント会場に展示されたGMのボルトとフォードのフォーカスに乗り、直接ハンドルを握るなど上機嫌だった。オバマ大統領は、「ここで生産されるバッテリーは、今後皆さんが乗る自動車と同じく、“メード・イン・アメリカ”のマークが付けられる」と語った。オバマ大統領はLG化学のバッテリー工場について、「ここはミシガン州と米国が進む方向を示す象徴だ」と主張しているわけだ。
ホランド(米ミシガン州)=朴宗世(パク・チョンセ)特派員