格闘技の「K-1」を運営する興行会社FEG(谷川貞治代表取締役)は16日、東京都内で会見し、中国・上海で投資銀行などを経営する金融グループ「Puji Holdings」と提携して、資金供給を受けると発表した。年内に中国でK-1の大会を開催する予定。会見で、谷川氏は「2000年代前半のように、日本の格闘技として再び世界に打って出たい」と意欲を語った。
FEGは打撃系格闘技のK-1と総合格闘技の「DREAM」を運営してきた。今後は日本での大会実施や、海外での大会に向けてノウハウの提供に専念する。一方、Pujiは海外で事業パートナーを募り資金を事業体に出資、現地運営会社を設立して中国を皮切りにアジアやヨーロッパでもK-1など格闘技の大会を開催していくという。中国では年内にK-1の大会を開催するほか、中国人選手の発掘や育成にも力を入れる。会見に同席したPujiのマイケル・チェン氏は「中国は格闘技でも人材の金鉱だ。『K-1のヤオ・ミン』を発掘したい」と、中国出身の米バスケット界のスター選手を引き合いに出して抱負を語った。
K-1には中量級「ワールドMAX」と、重量級の「ワールドGP」がある。昨年までは、MAXが10月、GPが12月に年間の王者決定戦を開いてきた。今年は、両カテゴリーともに8月以降の日程が白紙となっていたが、GPについては10月2日に韓国で開幕戦、12月11日に日本で決勝戦を開く見通し。
K-1は空手団体「正道会館」の館長だった石井和義氏が1993年に創設したプロ格闘技の大会で、03年からFEGが運営を引き継いだ。大みそかの格闘技大会「Dynamite!!」では、03年の元横綱・曙の参戦や、06年の秋山成勲反則騒動、09年の五輪金メダリスト石井慧の参戦や人気スター魔裟斗の引退などで、話題を集めてきた。【毎日jp編集部】
2010年7月16日