トップ頁 > この一年の注目記事 > かくも“社会党的”害毒に満ちた菅政権

注目記事

 菅首相は平成4年、仙谷氏らとともに社会党、社民連、連合議員を集めた政策研究会「シリウス」を立ち上げている。第一回勉強会の講師に招いたのが、松下氏だった。

 社会党からシリウスに加わっていた小林正元参院議員は、当時の仙谷氏とこんな議論をしたという。

「仙谷氏の考えは、国家は国際的には国際連合などに統合され、国内的には地域に主権が移っていくというもので、国家の解体思想だった。国家という責任の主体はなくなっていくが、しかしそこにもリーダーは必要だ。私たちは、それは結局、独裁になるのではないかと反論した」

 菅首相の昔からの持論が、「民主主義とは、政権交代可能な独裁だ」というものであることと併せ考えると興味深い。

 松下氏も菅首相も仙谷氏もマルクスには言及していないが、これはやはり一種の社会主義思想なのではないか。プロレタリアート(労働者大衆)は、まずその指導者によるプロレタリアート独裁によって政治権力を掌握し、国家は解体されていき、人の人に対する支配は終わる――。

 菅首相はことあるごとにサラリーマン家庭に育ったことを強調し、仙谷氏も菅内閣に世襲議員が一人しかいないことをことさら誇ってみせる。菅首相は過渡期のプロレタリアート独裁の実践を考えているのではないか。

 彼らの言動を追っていくと、そんな疑念もわき起こる。だが、「社会党的なるもの」にはもう懲り懲りだ。

 平成6年に発足した自民、社会、新党さきがけによる村山富市政権のことを振り返りたい。自民党が政権与党の座に返り咲くため社会党と組んだ結果どうなったか。

 わずか1年半のあいだに、日教組が提唱してきた「ゆとり教育」が強化され、児童・生徒の学習量が3割減らされ、「ゆとり世代」の弊害を生んだ。

 村山首相の個人的思想・信条を国民に押し付け、日本による植民地支配と侵略を謝罪した「村山談話」は、いまも日本外交の手足を縛りつづけている。自由であるべき国民の歴史認識を、一政治家が規定しようとした傲慢きわまりない行ないだ。

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