小惑星から岩石を持ち帰るという世界初のチャレンジをした小惑星探査機「はやぶさ」の後継機について宇宙航空研究開発機構は、生命の起源につながるとされる有機物を含んだ別の小惑星を目指すため、はやぶさよりも機体の開発に費用がかかるとして164億円の開発費が必要だとする試算をまとめました。
「はやぶさ」の後継機は、はやぶさが着陸した「イトカワ」とは異なるタイプの有機物や水を多く含む小惑星を目指す探査機で、宇宙航空研究開発機構は、2014年の打ち上げを目指しています。打ち上げから4年後に小惑星に到達し、岩石の採取を試みたあと、2020年に地球に帰還する計画で、有機物を含む岩石を詳しく調べ、生命の起源に迫る研究につなげたいとしています。この後継機について宇宙航空研究開発機構は、トラブルへの対処や信頼性などを上げるため、はやぶさよりも機体の開発に21億円多くかかるとして164億円の開発費が必要だとする試算をまとめました。はやぶさの後継機の開発をめぐっては、去年の事業仕分けなどによって今年度の研究費が大幅に削減され、開発が遅れているなどとして、宇宙航空研究開発機構は「1日も早く開発を始めないと2014年の打ち上げに間に合わなくなる。ことしじゅうに開発段階に進みたい」と話しています。