菅直人首相(63)が、国家戦略室から府省間の政策調整の機能を外し、首相の「助言機能」に縮小させる方針を固めた。目玉機関の格下げは、民主党政権の金看板「政治主導」の後退につながりかねない。一方、荒井聡担当相(64)は、政治資金でキャミソールを買ったという実績だけを残し“失職”の憂き目となりそうだ。
政権交代に伴い設置された国家戦略室。官邸主導の政策実現を期待されたが、限界が浮き彫りに。戦略室を「局」に位置づける政治主導確立法案も通常国会で成立せず、与党が参院過半数割れしたため、成立は絶望視されている。
このため、首相は2011年度予算編成の調整は仙谷由人官房長官(64)と野田佳彦財務相(53)、玄葉光一郎政調会長(46)の3人に任せ、荒井氏はメンバーから外れた。
民主党内では「荒井氏の仕事は、酒を飲みながら首相のグチを聞くだけになった」(党関係者)との声もある。