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英BP、原油流出封じ込め作業大詰め 成否は中間選挙に影響 (1/2ページ)
【ワシントン=渡辺浩生】米南部メキシコ湾の原油流出事故で、英メジャー(国際石油資本)BPによる封じ込め作戦が大詰めの段階を迎えた。原油流出が続く油井にセメントで栓をするため掘り進められている「救援井戸」が月末にもつながる見通しとなったためだ。失敗は、流出のさらなる長期化と汚染の拡大を招くだけでなく、オバマ政権への大きな打撃となるため、政権はBPに計画の最終チェックを求めるなど一層の圧力をかけている。
BPの封じ込め作戦は2段構えで行われている。まず、油井の頭部にドーム状のふたをかぶせ、チューブで油を海上のタンカーに回収。その作業と平行して、「救援井戸」が海底から2カ所で掘り進めている。油井とつながれば、泥水を流し込んで流出の勢いを弱め、セメントを注入して栓をするというものだ。
現場を統括する米沿岸警備隊のアレン司令官によると、9日時点で、一カ所の井戸は深さ17830フィート(5434メートル)と、残り200フィート(61メートル)以下に達した。磁気探知機を使って、油井の位置を確認しながら少しずつ掘り進め、最終段階では直径20センチ以下の鋼製のパイプにドリルで穴を開ける。「最も細心の注意が必要な作業」(アレン司令官)となる。
BPのウェルズ上級副社長は11日、報道陣に対して、救援井戸は今月末にも油井とつながるとの見通しを明らかにした。ただ、作業はハリケーンの襲来など天候にも左右され、不確定要素が多い。実際に栓をして流出を食い止める時期は、「8月中旬」としている。