【動画】北九州市の大雨被害
【動画】福岡県直方市の大雨被害
法面(のりめん)が崩壊し、土砂で軽自動車が傾いた=14日午前11時1分、山口県下関市長府川端1丁目、白井伸洋撮影
浸水した旦過市場=14日午前8時、北九州市小倉北区魚町4丁目、河原一郎撮影
活発な梅雨前線の影響で、九州北部・山口は14日も大雨となり、福岡県内では6万1038世帯11万3128人に避難勧告・指示が出た。山口県内でも1万5246世帯3万5091人に避難が勧告された。気象庁によると、九州北部の15日正午までの24時間雨量は180ミリと予想されており、同庁は厳重な警戒を呼びかけている。
気象台によると、各地の1時間雨量は、北九州市小倉南区で14日午前5時10分までに70ミリ、福岡市中央区で午前6時40分までに55ミリ、山口県岩国市で午前9時10分までに50ミリなどを観測した。
北九州市は14日午前11時15分現在、1万5201世帯の3万1571人に避難指示・勧告を出した。避難指示が出たのは、市内を流れる紫川(むらさきがわ)上流の小倉南区高津尾、徳吉東の両地区と、下流の小倉北区木町2丁目の計558世帯(1211人)。高津尾地区では紫川がはんらんして橋の通行が危険な状態になり、市は住民の避難誘導などのため自衛隊の派遣を要請した。
同市内では午前10時現在、33カ所でがけ崩れが発生。住宅の半壊1棟、一部損壊9棟、床上浸水6棟、床下浸水31棟が確認された。
福岡市は、市内を流れる樋井(ひい)川などが氾濫(はんらん)するおそれがあるとして、正午現在、3万355世帯5万201人に避難を勧告した。
福岡県によると、県内では14日午前9時現在、2人が軽いけがをしたほか、全壊1棟を含む家屋60棟に被害が出た。冠水などの道路被害は166カ所、がけ崩れなどの土砂災害は89カ所にのぼる。
同県桂川町瀬戸では午前8時10分ごろ、佐藤秀美さん(64)方の裏の竹林が崩れ、押し寄せた土砂で佐藤さん宅が半壊。佐藤さんの妻和江さん(63)が軽いけがをした。福岡県直方市の下境地区では広範囲で冠水した。
山口県内では午前10時半までに、下関、宇部、萩、防府、周南、山口の各市で避難勧告が出され、計128世帯230人が避難した。
交通機関も乱れた。高速道路は各地で通行止めに。午前6時15分ごろには福岡県新宮町の九州道で法面(のりめん)が崩れた。山陽新幹線は小倉―広島間で一時運転を見合わせた。