大気が不安定となった16日、西日本を中心に局地的な大雨となり、広島県庄原市では午後5時43分までの1時間に64ミリの観測史上最高の時間雨量を記録した。県などによると、住宅5棟が土砂に流されるなどして全半壊し、計4人が行方不明になった。家屋の倒壊や浸水、土砂崩れなどが相次ぎ、午後11時10分現在、山間部の集落など市内で186人が孤立している。湯崎英彦知事は自衛隊に災害派遣を要請、午後7時10分に災害対策本部を設置した。
県によると、庄原市川北町では道上侑(すすむ)さん(81)方が土砂崩れで倒壊、道上さんと妻の初美さん(78)、息子の妻の薫さん(56)が行方不明になった。同町内では天野ミチヨさん(87)も行方がわからなくなっている。また、同市川西町の大戸川上流で土石流が発生、同川にある庄原ダム建設工事現場では、作業員ら13人が孤立している。
庄原市西城町大屋地区に住む男性(20)によると、この日午後3時ごろ、急に激しい雨が降り始め、ひょうも降ったという。避難勧告が出たので近くの小学校に避難も考えたが、家のそばの川は土石流が流れ、「とてもじゃないが逃げられる状況ではない」と話した。
県警によると、庄原市内の住民から、「家が川に流されている」「土石流で家がない」などの110番通報が相次いでいる。1階に水が入り込み住人が2階に避難している民家もあるという。
現場に向かう県道は大規模な土石流にふさがれて車両が通れないため、県警などが徒歩で救助に向かっている。