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uemadaの日記

2008-03-17 児ポ規制反対派の誇張する「単純所持」問題は起こりえないことである このエントリーを含むブックマーク

 ここ近日、児童ポルノ規制に対する反発が各ブログで伝えられている。今回の騒動は、日本ユニセフ協会大企業等が共同で、反児童ポルノキャンペーンを始めたことに端を発する。そのなかでも、とりわけ、アニメ・漫画へ規制の対象を広げる「準児童ポルノ」という枠組みや、児童ポルノの「単純所持」を罰することに対する批判が、ブログ界の主流となっている。曰く、準児童ポルノについては、アニメ・漫画等で描かれる児童虐待には被害者がいないのであるという。また、そもそも児童ポルノの概念自体が曖昧であり、それをもとに規制がなされれば、表現の自由を侵害するのだともいう。そして、単純所持の処罰については、処罰範囲が広がりすぎると批判している。さらに、批判の矛先は、児童ポルノ規制を推進する日本ユニセフ協会自体にも向けられている。

本稿では、このなかで、児童ポルノの概念が曖昧であり、そのうえ単純所持の違法化は処罰範囲を不明確にするとの批判について検討し、規制反対派の批判の問題点を明らかにしたい。特に、反対派の挙げる事例が幻影に過ぎないことを示したい。


 規制反対派からは、単純所持が処罰されるようになると、一般人にも累が及ぶようになる根拠として次のようなことが言われる。曰く、「数十年前に子供が川で裸で遊んでいた写真を大事に取って置いても立派な児童ポルノになってしまう。親以外の人間なら欲情する可能性があるから。単純所持を規制すれば、こんな事で逮捕されてしまいかねない。煩悩帝國 - 【BLOG】帝國日誌」また、ネットサーフィン中に、意図せずしてハードディスク児童ポルノが保存されても、処罰されると指摘している(http://picnic.to/~ami/repo/youbousyo2.htm)。以下はこれらの意見と同旨のものを含むエントリーである。

http://scientificclub-run.net/index.php?UID=1205242812

「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンに関する疑問点まとめ

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080313_child_anime_manga/

児童ポルノの単純所持禁止にアニメ・マンガ・ゲームは含めるべきか否か?

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「児童買春児童ポルノ禁止法」改正への要望書


しかし、日本の現行法体系下においては、そうしたことが起きる可能性は無きに等しいといわなければならない。まず、児童ポルノの定義が曖昧だという点についてである。その具体的な内容は、児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第二条三項において、一号から三号まで限定列挙されている。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html

この中で特に問題とされているのが、三号の「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」という文言である。これを念頭に、子どもの写真を保管しておくだけでも罰せられるかのごとく言説が流布しているようである。

ここで、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という限定がなされていることに注意しなければならない。このような文言は、規範的構成要件要素とされ、裁判官がその当時の社会常識によって規範的・評価的な価値判断を行い、該当するか否かを判断する要素である。つまり、社会通念・常識にのっとりある程度客観的に解釈されなければならないのである。すると、社会常識に照らして、家族が撮った普通の裸の子どもの写真が「児童ポルノ」に該当するなどというのは実際には起こりえないことであろう。ただし、確かに、裁判官の主観に左右される面が少なからずあるという点では、曖昧であるというそしりは免れないだろう。だが、これは規範的構成要件一般に対して言えることであり、刑罰法規の多くが直面している問題でもある。

例えば、同じく規範的構成要件要素であるわいせつ頒布罪(刑法175条)における「わいせつ」について見てみよう。条文には、わいせつの定義などは示されていない。しかし、判例の積み重ねにより、わいせつとは「徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」とされている。またその判断基準についても、「部分的に露骨な性描写があっても作品全体から判断してわいせつ性を否定すべき場合があるとする全体的考察方法」(大谷實 刑法講義各論pp.498 成分堂)が採られ、精緻化してきている。これは、「性欲を興奮させ又は刺激」という同様の文言が児童ポルノ禁止法第二条においても用いられていることからも、注目に値する。


 次に、単純所持によって処罰範囲が不明確になるという批判である。もちろん、単純所持が罰せられることになる分、処罰範囲が広がるのは間違いない。しかしそれは、自分の子どもの写真を所持することや、ネットサーフィン中についうっかりと児童ポルノがパソコンに保存されてしまうというような事例をも視野に収めたものなのだろうか。規制反対派は、これら事例を提示し、一般人にも児童ポルノ禁止法の累が及ぶのだという。これはまず、単純所持の規定がどのように条文に表現されるかによる。しかしながら、犯罪が成立するためには、原則「故意」が必要なのはいうまでもない。過失の単純所持を処罰するという話は聞いたことがない。この故意があったといいうるためには、犯罪事実の認識・認容がなければならないのである。この点、家族が撮った裸の子どもの写真についていえば、それが児童ポルノに当たるという認識を持っていなければならないのだ。しかし、そもそも、そんなものは児童ポルノにはあたらないということは上記のとおりである。


また、ネットサーフィンHDDの中に児童ポルノが偶然入り込んだという例も検討してみよう。つまり、Webキャッシュとしてハードディスクに保存されていれば故意に「所持」したといえるのかということである。この点、たまたまリンクをクリックしたら出てきた、あるいは、過って保存されたというのでは当然故意に欠けることになろう。そもそも、故意を云々する以前に、キャッシュとして保存されることが「所持する」ことだとはいえないということが言えるだろう。インターネットにおいてキャッシュは必然に生じるものである。キャッシュであれば、設定にもよるが、一定期間内で必ず消滅してしまう一時的なものに過ぎないのだ。そうであれば、単純所持がどう規定されその保護法益は何であるかにもよるが、キャッシュが保存されていることが、所持するという実行行為性を持つものかどうか疑わしいのである。


 ところで、一般人にも児童ポルノ規制反対の賛同を求める論拠として、ニーメラー牧師の言葉が引用される。以下はその例である。

児童ポルノの単純所持禁止にアニメ・マンガ・ゲームは含めるべきか否か? - GIGAZINE

http://d.hatena.ne.jp/umikaji/20080315/1205591913

http://pub.ne.jp/para_shift/?entry_id=1264861 人としてあたりまえの話

ナチスの他集団に対する弾圧を自分には関係がないからと放っておいたら、いざ自分達が弾圧される番になって抵抗しても手遅れだったというもので、だからこそ他集団への弾圧に対して抗議することは、自分のためでもあるという警句である。規制反対派は、これをドミノ理論の一種として用いて賛同を脅迫的に求めているようである。ただし、規制賛成派についても同様の傾向が見られる。

ドミノ倒しのように、「Aが起きればBが起きる。Bが起きればCが起きる。Cが起きればDが起きる……最後にはZが起きてしまうので、Aを阻止しなくてはならない」と主張する手法。ベトナム戦争当時、アメリカがベトナムへの介入を正当化するのに用いた論法だ。現代でもよくドミノ理論を見かける。「新しい歴史教科書を採用したら日本は軍国主義国家に逆戻りする」とか「夫婦別姓を認めたら日本人のモラルが乱れる」とか。その連鎖反応が本当に起きるものなのか、起きるとしてもその可能性はどれぐらいなのか、よく検討せずに「阻止しろ!」と叫ぶのは、下手するとただの被害妄想である。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%DF%A5%CE%CD%FD%CF%C0

 また、規制の内容について議論するのではなく、規制を推進する団体や個人について批判や中傷を行うというのが主流であるようだ。

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080313_child_anime_manga/

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20080312#1205276765

http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080315/1205585793

http://scientificclub-run.net/index.php?UID=1205242812

http://toriyamazine.blog100.fc2.com/blog-entry-130.html

児童ポルノを撲滅しようと画策している団体は、内部で児童にポルノを鑑賞させている。

煩悩帝國 - 【BLOG】帝國日誌

相手の属性や人格に着目して非難するのは、規制賛成派が小児性愛者そのものを非難するのに優るとも劣らないことである。結局、こうした行為は自らの言説の信用を傷つけるだけに終わるのではないか。


 以上の事をまとめると、規制反対派がありうる危険としてあげているような極端な事例は、日本の法体系からするとありそうにもない虚像だということがいえるだろう。つまり、三権分立として、司法が独立して法解釈を担っているということ、また、故意など刑法上の諸概念を検討することによって、規制反対派の主張する極端な例は幻影に過ぎないのだということを示すことができた。また、相手の属性を非難し、根拠のない憶測で賛同を迫る点も問題である。たしかに、児童ポルノの定義は曖昧であり、もっと具体的に記述すべきだという意見は傾聴に値する。もっと範囲を具体的に明確にすれば、誤解を避けることはできるだろうし、個々の事例で解釈がぶれることも少なくなるだろう。単純所持禁止や準児童ポルノ規制に対して警鐘を鳴らしていること自体は正当である。しかし、ありもしない虚像を作り上げることによって、不安を煽り、人を騙して自らの目的に利用しようとする行為が正当化されることはないのである。

どうどう 2008/03/19 00:32 性癖は差別されるものでは無い。それは性癖=内心だからだ。例え殺人や強盗、あるいは強姦
そして小児性愛的な事に親和する性格であっても、それはそれ。決して国家が「その性格は
反社会的なので国家として拉致監禁(要は逮捕)すべきである」というのは基本的人権の
重大な侵害だろう。

基本的に児童ポルノは現在、製造ダメ、譲渡ダメ、特定少人数での公開もダメ、最後に残った
単純所持のみOK。それは単純所持とはその個人に止まる状態=内心、嗜好の自由
だからだ。これの例外として麻薬と偽造通貨有るが、麻薬は歴史的にも人生をダメにし国家を
ダメにしたという歴史的経緯がある、そして通貨は目的が不正行為以外に使い様が無い。

児童ポルノは麻薬では無い。犯罪を誘発する証明がなされていない。


た だ し …「被写体児童の人権保護」という問題はスルーしていいのか難しいところだ。
意に添わず撮られてばら撒かれた物が存在する以上、どうにかしないといけない点ではある。
例えば、私がしっかり実名で書いたこの法案に対する反対意見を議員に送ったとしよう、ところが
議員が悪い奴で、私の実名とアクセスログその他を元に身元を割り出し、手下を使って近所に
「こんなロリコン嗜好の奴がいます」と張り紙しまくったとする。当然俺は困惑するだろうし、内容
を見れば流出元が分かるからその議員を訴えて、しかるべき罰を与えて…そこまでは現行法で
できる。問題は地元での名誉は二度と回復しない事だろう。できればその張り紙を興味本位で
持っていった人、カメラで写した人に廃棄を願いたいところだが、どこまで其れが可能かは
保証などあるわけない。

勿論、それを持っている奴は逮捕だ、なんてのは理不尽というか強権すぎるだろう。
国家がやるべき事でもないと個人的には思う。たからせめてもの生活保障に
ばら撒いた奴に天文学的な慰謝料を要求するぐらいか?

いずれにせよ、この情報流出のケアというか補償は、児童ポルノ法という扇情的なもので
拙速にやるべきではない

uemadauemada 2008/03/19 15:07  まずご理解いただきたいのは、このエントリーの趣旨は、児童ポルノ規制反対派ブロガーの採っている手法を問題視するという所にあるということです。批判の矛先は、ありもしない虚像を作り上げて不安を煽るようなやり方に向けられているわけです。必ずしも、くだんの児童ポルノの単純所持規制に賛意を示しているというわけではありません。

 しかしながらこのエントリーを越えて考えを申しますと、おっしゃるとおり被写体児童の人権保護という観点から、ある程度の規制は、方法によっては是認される余地があろうかと思ってはおります。この点について、どうさんは、ばら撒かれた児童ポルノとばら撒かれた中傷張り紙を同値し、後者の回収が逮捕を伴うのは暴論であるので前者についても同じ事が言えるという論を立てておられます。しかし、この両者を同値するのは無理があろうかと思います。まず、どうさんが「ロリコン嗜好の奴」であることはただの中傷・いいがかりに過ぎないのであって、裁判で名誉を回復することは十分に可能であるということです。その後であれば、中傷ビラはただの書き切れに過ぎないわけです。むしろ、その存在によって、ばら撒いた側が後々まで不名誉を被ることになるでしょう。
そもそも、中傷ビラの目的は、そこに書かれている情報を広く人に伝える所にあるわけです。一度人の目に触れてしまえば、その目にした人の記憶に残りその役目を終えてしまうものです。また、そんなものを、保存したり収集しようとする人はほとんどいないので、回収などは、はなから問題にはならないでしょう。個人の中傷ビラというのは、局地的で、限られた人・期間にとってしか意味を成さないのです。個人に対する中傷ビラは、多くの人が真に受けないだろうし、信じる・信じないという認識に大きく左右されるものでもあります。

それに対して児童ポルノはどうでしょうか。児童ポルノというのはその存在そのものに大きな意味があるのです。それが存在し続ける限り、被写体となった児童の人権を侵害し続けるものです。しかも、そうした嗜好を持つ方々によって広く収集されているものであるわけです。その過程で複製され、時間的・場所的制限なく「同好の士」に広がってゆくのです。まさに、中傷ビラなどとは同値できないものであり、被害児童のために回収する必要が生じてくるわけです。

もちろん、この回収の方法が、単純所持は即違法であるという評価を伴い、「それを持っている奴は逮捕だ」などということになれば大いに問題でしょう。しかし、もし何らかの形で持っていることが発覚したら、あるいは自主的に、回収もしくは破棄をお願いするという形ならば是認される余地が出てくるものと考えます。さらに進んで、その要請を正当な理由なく、なお拒むというのなら、「行政罰」を科すというのも選択肢の一つとして検討はされても良いだろうと思います。

ユウユウ 2008/04/06 15:11 既に”単純所持”規制されているアメリカにおいて、
”キャッシュとして保存された”画像に対しても、
有罪判決が出ている実例があります。
確かに、反対派で誇張表現の部分もありますし、
アメリカと日本では法律も違います。
しかし、可能性の観点から言えば、
”起こり得ないと言い切れない”のではと思います。
(”主観”に左右される部分が大きい訳ですし…)

uemadauemada 2008/04/06 18:31 ”起こり得ないと言い切れない”という事態が何を指しておられるのでしょうか。もし、小児性愛者でない一般人にも累が及ぶようになる、ということでしたら杞憂でしょう。たとえ、キャッシュが「所持」とみなされる場合があったとしても、たまたまクリックしたというのなら、故意がないということになるでしょう。確かに、可能性という点で考えれば、冤罪の可能性は当然考えられます。しかし、それはおよそ犯罪捜査全般に言えることです。だから、その中で単純所持が特に冤罪を惹起しやすいというような事情というものがなければ、それだけをもって反対の根拠とするのは難しいものがあろうかと思います。

また、故意があるかどうかは、確かに本人の主観によるところが大きなものです。しかし、本人が否認すれば、故意を立証するためには、自白によらない限り、それなりの証拠というものが必要とされるでしょう。例えば、本人が小児性愛者なら、日ごろから収集していた児童ポルノが出てくるはずです。そうなれば、その時点でアウトでしょう。

そもそも、なんの見込みもなく、警察があてずっぽうに家宅捜索に来るということは考えにくい事態でしょう。強制捜査を行うということであれば、裁判所に令状というものを請求しなければならないのです。すると、ご指摘の、アメリカで「”キャッシュとして保存された”画像に対しても、有罪判決が出ている実例」が考えられるのは、捜査機関がおとり捜査を行った場合だということになります。そうであれば、あらかじめ、捜査対象者は常習的な小児性愛者に限られていることになるでしょう。その事例の具体的な内容は存じ上げませんが、ひょっとすると、おとり捜査として使われたであろう『キャッシュとして保存された画像』が、逮捕・起訴の決めてとなったのではなく、その捜査対象者が隠し持っていた児童ポルノであったのかもしれません。そもそも、おとり捜査として、その画像へアクセスしたIPアドレスを集めるという目的なら、そのおとり画像は本物の児童ポルノである必要はないのです。

どうどう 2008/04/29 01:56 ここの管理人さんは「行政罰」とおっしゃったけど、自公は、やはりというか
懲役を考えているらしいですね。やはりとても容認できる事ではありません。

そして最近思ったのですが、やはりあらゆる情報において「単純所持の違法化」は
ダメだと思います。というのはプライベートに持っているのを捜査するのですから
結局ところ、被疑者のパソコンを押収して調べる必要が出てくるでしょう。
となると、警察はその被疑者のハードディスクの中身を全部握れる事になります。
ミスシィのパスワードから顧客名簿、交友関係や仕事上の機密全部を握れます。
児童ポルノの嫌疑だけで其れが出来てしまうのですから、これはダメでしょう。

シロでもそいつのPCの中身を狙っている警察としては構わない事です。
公権力にとって狙いたい人物を都合よく狙えるとてつもない法律じゃない
でしょうか?

uemadauemada 2008/04/29 07:07 一つ前のユウさんに対するコメント中にも言及いたしましたが、警察は自分勝手な嫌疑だけで、押収・差押を伴う「強制捜査」を行うことはできないのです。裁判所に令状を請求する必要があります。それには、嫌疑の正当な理由を付さなければなりませんし、押収物の特定もなさなければなりません。裁判所が納得できるほどのものをです。であるならば、相手がたまたま小児性愛者であり、しかも児童ポルノを収集しており、その嫌疑は裁判所に令状が請求できるほどでなければならないということです。つまり、いわゆる「別件捜査」として弾力的に捜査機関が活用するには極めて使いにくい法律だといえるでしょう。


私は、単純所持規制についてはご懸念のような事態は生じにくいと考えています。大抵の場合は、事後的に量刑を加算するという形で、単純所持罰は使われることになるでしょう。

どうどう 2008/04/29 12:30 正当な嫌疑無しに令状がでないから大丈夫とか、こと公権力がそう言い出したら
基本的にただの「リップサービス」だと思っています。仮に一人一人の警察官は信用に足るにしても
組織に対してこの手の権力を「構造的に与える」のは市民側としては絶対にしてはなりません。
例えば奈良県では多分今のところ混乱が起きていないでしょう。当たり前です。
こんな便利な道具を濫用によって批判され失うほど、奈良県警もアフォじゃないと思います。
いつでも便利に使える法律を密かに持っておくこと、警察にとって手放しがたい魔法の道具でしょう。

有罪なんて取らなくてもいいのです。無罪の証明にも有罪の確立にも捜査にはPCの中身を見ることが
絶対に必要ですから…あとで謝って自らの懐が痛まない税金で賠償でもしておけばいい。
警察なんて絶対に性善で見てはいけないと思いますよ。

uemadauemada 2008/04/29 19:22 そこまで穿った見方をされるのならば、何を申し上げても無駄だろうと思います。世に陰謀論の類が絶えないという事実も、理解しているつもりです。
しかし、この法律が『いつでも便利に使える法律』ではないことは、前記した通りでありまして、再掲するならば以下の通りです。

>相手がたまたま小児性愛者であり、しかも児童ポルノを収集しており、その嫌疑は裁判所に令状が請求できるほどでなければならないということです。つまり、いわゆる「別件捜査」として弾力的に捜査機関が活用するには極めて使いにくい法律だといえるでしょう。

まるまる 2008/05/28 15:50 >私は、単純所持規制についてはご懸念のような事態は生じにくいと考えています。大抵の場合は、事後的に量刑を加算するという形で、単純所持罰は使われることになるでしょう。

それだけのための法律を作る意味がわからないです
意味を考えると「いつでも便利に使う」ために法律を作るように見えます
ありえない虚像と言い切るには根拠が薄いように思えます
曖昧な運用ができる危なそうな法律には実際不安を感じるのもごく普通の考えではないでしょうか?

uemadauemada 2008/05/28 19:42  この次のエントリーでも詳しく論じておりますが、個人の性的嗜好にかかわる児童ポルノ規制法は、そもそも『いつでも便利につかえる』法律ではないと思っています。
 単純所持規制に実効性があるのか、というのは、一つの有力な批判になりうると思います。ただし、制定されることによる威嚇・抑止効果というのは見込まれるでしょうし、その後、この規定を有名無実にしてしまうかどうかは今後の警察の対応にかかっていると思います。警察が少数精鋭で専門チームを組み、特に違法性の高い者を適度に検挙するということはありうるとおもいます。