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鹿児島の特養施設 不正投票事件 外部監視の導入急務 不在者投票、チェック困難

2009年09月06日 14:54
施設長など職員4人が公職選挙法違反の疑いで逮捕された特別養護老人ホーム「おおすみ苑」
施設長など職員4人が公職選挙法違反の疑いで逮捕された特別養護老人ホーム「おおすみ苑」
 衆院選の不在者投票で、入所者の投票用紙に勝手に記入したとして職員4人が逮捕された鹿児島県曽於市の特別養護老人ホーム不正投票事件。投票業務に携わったのはこの4人だけで、外部のチェックの不備が事件の背景にあることが明らかになった。同様の事件は全国で繰り返されており、再発防止には十分な監視の仕組みの導入が急務といえる。

 県警によると、公選法違反(投票偽造)容疑で逮捕された「おおすみ苑」の施設長大迫鈴子容疑者(65)らは、施設内に不在者投票所を設置した先月27日、男性入所者(82)の投票を勝手に行った疑いが持たれている。この日、男性は施設から外出しており、投票は不可能だったという。

 県選管によると、不在者投票は入院などで投票所に行けない人のための制度。患者や入所者が多い病院や施設は、県選管に申請すれば不在者投票所を設置できる。投票に責任を持つ「投票管理者」や、投票を監視する「立会人」を置く必要があるが、投票管理者は施設の長が務めることになっているほか、立会人は誰に依頼してもいいため職員が引き受けるケースがほとんどで、第三者の十分なチェックは不可能なのが現状という。

 同施設の投票管理者は大迫容疑者で、立会人は副施設長高野亨容疑者(67)だった。大迫容疑者は、地元の鹿児島5区で当選した自民党の森山裕氏の後援会地域支部役員。入所者41人が投票しており、県警はほかに不正がないか捜査している。

 「首長選などで、運動員から不在者投票の不正を頼まれたことがある」。県内の複数の施設職員は証言する。今回の衆院選では、兵庫県でも介護老人施設での投票偽造が発覚した。

 不在者投票の投票用紙すり替え事件が摘発された1991年の鹿児島県伊仙町長選後、効果的な監視制度導入を県選管に申し入れた同町面縄の宮原政秋さん(87)は「不正が相次ぐのは明らかに制度の欠陥。市職員などが投票に立ち会う岡山県新見市のような仕組みが不可欠」と訴えている。


=2009/09/06付 西日本新聞朝刊=

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