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輿石・参院議員会長(民主)薄氷の勝利「党へのお叱り」

2010年7月11日22時44分

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写真自民党新顔との接戦を制し、支援者にあいさつをする輿石東氏。笑顔はなかった=11日午後11時11分、甲府市、細川卓撮影

 山梨選挙区(改選数1)では、民主党参院議員会長の輿石東氏(74)が3選を果たした。自民新顔の宮川典子氏(31)に追い上げられ、薄氷の勝利。「もう少し民主党しっかりしないかというお叱(しか)りだと思う」と語った。

 元小学校教諭で、山梨県教職員組合(山教組)の執行委員長を務めた輿石氏。昨年の衆院選をめぐって起きた北海道教職員組合の違法献金事件や、6年前の参院選で山教組元幹部が政治資金規正法違反の罪に問われた事件を受け、マイナスイメージを受けるなかでの選挙となった。

 しかも、対立候補の宮川氏は元私立中・高教諭。宮川氏からは「山教組の政治介入」や「政治とカネ問題」について、「ゆがめられた山梨の教育を立て直す」と繰り返し批判を受けてきた。自民が多い県議会でも、教組批判が続出していた。

 厳しい状況のなか、輿石氏自ら県建設業協会の会長に支援を要請するなど、業界団体の支援固めに努めた。同県では、選挙区選出の国会議員は衆参ともに民主が占めており、首長や地方議員を通じて支援集めも要請した。

 終盤に入り、山教組の引き締めも図った。9日、元公立学校教諭の選対関係者に、陣営から電話が入った。「すごく厳しい。もっと声かけをして欲しい」。この元教諭は早速、地域の山教組OBら関係者に「一人10票を目標に電話を」と連絡を回したという。

 43歳の年齢差も輿石氏には逆風となった。選挙戦終盤、宮川氏陣営は「相手の肩に手が届いた。最終盤はネガティブキャンペーンはせず、無党派層を取り込む」と街の練り歩きなどに戦術を転換し、「世代交代」を訴えた。

 選対幹部の一人は振り返った。「選挙前から無党派層の人から『消費税が問題だね』という声があった。選挙戦に入っても続いた自民党の山教組攻撃や、輿石さんへの高齢批判がこの層に浸透したのかもしれない」

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