2010年 7月14日 水曜日放送 - 話題先取り!情報誌早読みチェック異色のお坊さんが提案「考えない練習」

1冊目『考えない練習』(小学館)

今週1冊目は、今年2月に発売された『考えない練習』。現在まで20万部を売り上げている話題の本だ。

著者は東大卒の僧侶・小池龍之介さん。仏教の教えを現代社会で重要なあることに応用し注目されている。それは一体何なのかを取材してきた。

東京・世田谷区の閑静な住宅地にあるこの建物。入り口には不思議な看板。中を覗くと…

行なわれていたのは《坐禅会》

ここ『月読寺(つきよみじ)』はお堂もお墓もない新しいタイプのお寺。住職は東大卒の小池龍之介さん(31)。しかし彼は…

小池さん「私は無神論者ですし、仏教徒を増やしたいみたいな感覚は全然なくて、心のエクササイズをするための技術を広めたいと言う事なんです」
そもそも、ストレスとは仏教における3大煩悩『怒り』『欲』『迷い』によって引き起こされるもの。


例えば、人から悪口を言われたとき、「あんなこと言うなんてヒドイ」「私も言い返してやる」「でも私って嫌われているのかな」とどんどん思考をめぐらせてしまいがち。
小池さん「その嫌な思考を止めればいいんですけど、脳がそういう嫌な思考を刺激的、どんどんもっと考えたいと言う感じで暴走していってしまうからやめられないんです」

考えれば考えるほど、ストレスは増大してしまうことに。そこで小池さんが勧めるのはこのように暴走する思考をストップさせ、発端になった事実だけを見つめると言うもの。例えば、それが『怒り』だった場合、「自分は怒っている」「自分は怒っている」と繰り返し心の中で念じる。すると感情が客観化され、『怒り』が徐々に和らいでいくのだとか。

小池さん「一旦目を閉じて、完全にリセットして思考を鎮めるんですね」

つまり、「脳」で考えるのではなく、「身体」で感じる事こそが最高のストレス解消法。そのためには、仏教における瞑想を学び、五感を研ぎ澄ます事が最も効果的だという。
小池さん「仏教は自分たちの心をコントロールしたり、性格を変えることのトレーニング法だと思っています。エクササイズだと言ってもいいですし、お稽古と言ってもいいですし、考えない練習だともいえると思います」

その瞑想する姿はストレスとはおよそ無縁に見えますが、20代前半まで今と全く逆の生活を送っていたと言う。
山口県のお寺の1人息子として育ったものの、大学時代は西洋哲学を研究。イライラしやすく、生活も荒れたいた当時、離婚まで経験。

小池さん「相手が愛情表現してきても、それを否定するような事を言ってみるとか。挙句の果てには暴力的な言動で相手を否定したり、手を出して叩いたり…」

そんな小池さんを救ったもの、それこそが父親の教えてくれた仏教の瞑想だった。
そして今では、一般向けに行なっている坐禅会も、すぐに予約が埋まってしまうほどの人気ぶり。しかも参加者のほとんどが20代、30代の女性。

坐禅会で実践するのは、古来の仏教より伝わる《呼吸瞑想》。目を閉じゆっくりと鼻で呼吸することだけに集中する。

小池さん「全ての過去を忘れ、名前を忘れ、知識を忘れ、ただ、いまこの瞬間に発生している現実感覚の中に着地しようと粘り強く、あきらめずに、そのことへと立ち返り続けます」
およそ6時間、雑念と戦いながら、何も考えず、ただひたすらに意識を身体の感覚に集中させる。
参加者は…
32歳女性(坐禅歴8か月)「絶対出来ないと思ってたけど、意外とできるんだなあと思った」
23歳女性(坐禅歴1年半)「忍耐強いねって会社の先輩に言われました」
32歳女性(坐禅歴2年)「イライラしても、イライラしてるのに気づきやすくなって、そうすると収まってくる」

参加者も納得の効果。ちなみに受講料は個人にお任せなんだとか。
そんな小池さんの生活ぶりはどうなのか?ストレス解消の秘訣はその生活スタイルの中にもあった。
まだ辺りが薄暗い午前4時。小池さんの一日は瞑想からスタートする。おきてすぐ動き回るのではなく、まずは心をリラックスした状態にさせる。

続いて食事はというと、食べ物を口に入れたら、お茶碗とお箸をお膳に戻し、目を閉じて、食べる事だけに集中。こうする事で食べている実感が増し、食べ過ぎの予防にもなる。
さらにパソコンの使い方もユニーク。ノートパソコンを離して使う。

小池さん「コンピュータの近くにいると肩が凝ったり、目が痛くなったりしますでしょ」
そして小池さんの一番のお気に入りの場所が自宅の屋上。

世田谷の町を見渡しながら、小池さんは何を考えているのか?
小池さん「今考えているのは、先ほど何を考えていたかなという風に、思い出そうとすることに思考を向けているんですけど、そのとき、何も考えてなかったと思いますね」

2冊目「クロワッサン 7月25日号」(マガジンハウス)

続いては発売中の「クロワッサン」からこちらの記事。『草刈民代さんが考える身体の芯から安定させ、美しく立つメソッド』。元バレリーナで昨年、女優に転身した草刈民代さんが、バレエの動きを応用したエクササイズを考案した。
草刈さんと言えば今年4月、写真集「BALLERINA」(幻冬舎刊・3,990円)で45歳とは思えないパーフェクトなヌードを披露した。

一体、この芸術的ボディの秘訣は…?

※右写真:瀬戸秀美
草刈さん「『正しく立つ』と言う事を目標にしてエクササイズを組み立てたんです
美しい身体になるためには「正しく立つ」事が大事だと言う草刈さん。バレエダンサーのような背筋が伸びた綺麗なたち方をすることで、体幹や普段使わないインナーマッスルが自然に鍛えられ、美しいプロポーションが作られるという。
そんな草刈さんの経験と理論を元に作り上げられたエクササイズがDVD「草刈メソッド」(マガジンハウス・2,940円)にまとめられた。

草刈さん「エクササイズ自体は非常にシンプルなものの積み重ねなんですけど、初級、中級、上級と言う風にレベル分けしているので、すごく簡単なところから始めて、ちょっとチャレンジするようなエクササイズまで含めて作りました」

まず、初級編、中級編ではストレッチと筋トレを組み合わせたピラティスを応用したエクササイズで日常生活であまり使うことのない体幹を鍛える。これにより、背筋が伸びた正しい立ち方に近づけるという。

草刈さん「立つときに人にとって一番大事な腹筋とか背筋とか大きい筋肉からほぐすことから始まってエクササイズする事によって、強化していくと言う風な組み立てになっているので、背筋が伸びる感じというのが実感してもらえると思います」
体感を鍛えた後は、バレエを応用したエクササイズ。優雅な音楽に合わせてゆったりと身体を動かす事で、全身の筋肉がくまなく鍛えられるのだそうだ。
以下はバレエの『ルルベ』を応用したエクササイズ。

このような屈伸運動でふくらはぎ、ふとももが鍛えられ、さらに背伸びをしたときバランスをとろうとすることで腹筋や背筋が鍛えられると言う。
草刈さん「一つ一つ身体をいつもと違うような事で、細かく動かしていくと、立ったとき自分の身体にいろんなパーツがあるって言う事が実感していただけると思うんですよね」