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【新民主党解剖】第7部〜ねじれ再び(中) 誰も責任を取らない民主党 うわべの低姿勢 でも「党内優先」隠せず (4/4ページ)
■矮小な政治
「責任の所在なんてものはないでしょ」「消費税…どうってことないでしょ」
山梨選挙区で3700余票差で辛勝した参院議員会長の輿石(こしいし)東は12日、菅ら執行部の責任を記者団に問われ、人ごとのようにこう語った。輿石は執行部の一員だが、菅よりも前幹事長の小沢一郎に近い。自分さえ当選すれば後はどうでもよいようだ。
それでも難航が予想される国会運営を見据え、党執行部は水面下の動きを加速させた。枝野は国民新党幹事長の下地幹郎にさっそく電話し、「これからもよろしくお願いします」とへりくだった。
9月の党代表選を見据えた合従連衡も始まった。
環境相の小沢鋭仁、衆院災害対策特別委員長の五十嵐文彦ら前首相、鳩山由紀夫に近いメンバー約10人は12日夜、都内の中華料理店で会談し、新たな党内グループ結成に向け、若手に参加を呼びかけることを決めた。外相の岡田克也、財務相の野田佳彦、党選対委員長の安住淳らも都内で会談し、菅を支えていく方針を確認した。
一方、松木は「小沢ガールズ」の衆院議員、田中美絵子らと都内の居酒屋で名古屋市長の河村たかしを囲んだ。「減税派」首長の河村と親交を結び、増税に傾く菅らを牽制(けんせい)する思惑があるようだ。ただ、小沢はこの日も姿を見せなかった。
幕末の志士、坂本龍馬の師の1人である勝海舟は明治維新の30年後、厳しい国際環境に目を向けず、政争に明け暮れる国会のありようを嘆いている。
《今ごろ世間で国家問題といつて居(い)るのはみな嘘(うそ)だ。あれはみな、自分の頭の上の計算(かんじょう)ばかりだ。今日の場合、議員の頭の揃(そろ)ふ揃わんのと気を揉(も)むのも、あまり賞(ほ)めたことではあるまいよ》(「氷川清話」)
国民は、無責任で姑息(こそく)な政治にうんざりした目を向けている。(敬称略)