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水俣病認定訴訟、大阪地裁で16日判決 認定基準の是非が争点に (2/2ページ)
しかし国が19年3月、従来の認定基準に基づき熊本県の判断を追認し、女性の不服申し立てを棄却したため、女性は同年5月に提訴した。
主な争点は、国の認定基準は違法か▽原告を水俣病と認定できるか−の2点。
原告側は「国の基準は医学的根拠がないうえ認定幅を不当に狭めている」と基準見直しを求め、「女性は手足の感覚障害があり、親族にも認定患者がいる。司法基準の水俣病であることは明らか」と主張。一方、被告の国側は「最高裁判決の基準は医学的にあり得ない」とし、女性の認定については「複数の症状の組み合わせが必要な国の認定基準に達しない」と反論している。
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【国の認定基準】 水俣病の認定には、手足の感覚障害のほか、運動失調や視野狭さくなど複数の症状の組み合わせを必要とする。申請者の増加に伴い厳格化され、昭和52年に旧環境庁が通知したため「52年判断条件」と呼ばれる。認定患者にはチッソから1600万〜1800万円の一時金や医療費が支給される。平成16年の関西水俣病訴訟最高裁判決が「一定の条件があれば感覚障害だけでも認められる」とする司法基準を新たに示したため申請者が急増したが、国は基準を見直さず、認定患者数は5月末現在で2969人にとどまっている。