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【社会】

海自ネットがウイルス感染

2010年7月15日 朝刊

 今年4月下旬、海上自衛隊厚木基地(神奈川県綾瀬市)の三等海佐が防衛省訓令に違反し、業務パソコンに私物の可搬記憶媒体(USBメモリー)を差し込んだため、海自のコンピューターネットワークがウイルスに感染したことが分かった。館山基地(千葉県館山市)でも業務パソコンの不正使用が発覚。いずれも秘密文書の外部流出は確認されていないが、海自は全隊員約4万3000人の私有パソコンに不正使用がないか調査している。

 海自では2007年にイージス護衛艦の情報を流出させたとして三等海佐が逮捕されるなど、情報流出が相次いだ。防衛省で私有パソコンの業務での使用禁止など抜本的対策を打ち出したが、教訓は生きていなかったことになる。

 厚木基地の三佐は航空機整備の30代の幹部で、業務パソコンからUSBメモリーにコピーした業務データを自宅のパソコンに保管していた。4月下旬、海自のコンピューターネットワークのウイルス感染が発覚。感染源は三佐の業務パソコンと判明した。

 海自で三佐の私有パソコンを調べたところ、「秘密」指定の内容が含まれるファイルがみつかった。別の幹部が作成したファイルと判明したため、海自で関係する複数幹部から事情を聴き、情報が持ち出されたルートの解明を進めている。

 三佐の私有パソコンにウィニーのようなファイル交換ソフトはみつからず、「秘密」文書の外部への流出は確認されていない。三佐は「自宅で仕事をするため」とデータ持ち出しの理由を説明しているという。

 

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