裁判員裁判の取材で、重要な事は舞台裏で決まると感じる。最近は公判前整理手続きではなく、裁判官、検察官、弁護人による非公開の「打ち合わせ」で方針をまとめることがよくある。
近鉄桜井駅の同級生殺害事件でも、当事者らによる打ち合わせで、少年の精神鑑定書を採用せず、精神科医を公開の法廷で尋問する方向で話がまとまった。口頭主義を重視する裁判員裁判の趣旨に沿うと思うが、激しい攻防があったであろうプロセスがよく分からない。
憲法では裁判の公開と適正手続きがうたわれている。非公開では市民は適正さを検証できない。もし間違ったら、どうするのだろうか。(高瀬)
毎日新聞 2010年7月15日 地方版