\documentclass[10pt]{jsarticle} %\pagestyle{empty} \usepackage{graphicx} \usepackage{comment} \begin{document} \subsection*{●明細書の補足説明} \begin{flushleft} ・「ピントが合っているかどうかの計算」は、例えば、まず撮影画像の内の或る画素と、そのすぐ上・左・下・右隣の4画素(もしくは斜め隣の4画素)から成る「十字状画素」についてピントが合う位置を求め(中央の画素と周囲の画素それぞれとの輝度差の合計値から、ピーク位置を予測して求め)、次に1画素隣にずらして(計算範囲を1/3だけ隣にずらして)新たな十字状画素を取り、再びピントが合う位置を求めるという手順を繰り返して行います。理論上、「撮影画像の画素数」分の回数の「少しずつずらしながら十字状画素を取り、ピントが合う位置を求める」という作業を繰り返すことにより、「撮影画像の画素数」分の解像度(頂点数)の3Dモデルを生成できます。\\ \vspace{10pt} ・例えば遠距離型においては、レンズを1秒で焦点距離が10メートル移動するように(数ミリメートル〜数センチメートル)定速で動かし、640×480画素のCMOSイメージセンサが取り付けられた1万コマ/秒の撮影を行えるハイスピードカメラを使用した場合、撮影速度は30万7200点/秒になります。また、1920×1080画素のCMOSイメージセンサなら、撮影速度は207万3600点/秒になります(従来品は数千点〜1万点/秒)。\\ \vspace{10pt} ・1回ごとの撮影での撮影範囲は、レンズの形状(広角寄りか望遠寄りか)で決まります。撮影範囲を狭くして(レンズを望遠寄りにして)、カメラを回しながら・傾けながら撮影を繰り返すことで、広い範囲を高解像度でスキャンすることができます。\\ \vspace{10pt} ・「ピントが合っているかどうかの計算」は、奥行き座標が多いと計算量が大きくなりますが、まず、撮影画像全てについて離散的に(数枚ずつ飛びながら)「ピントが合っているかどうかの計算」を行い、その後、それによって求まった「ピントが合っている地点に近い地点」の前後の撮影画像について再び「ピントが合っているかどうかの計算」を精密に行って正確な奥行き座標を求めるようにすれば、検出性能を落とさずに計算量を大幅に削減することができます。\\ \vspace{10pt} ・「ピントが合っているかどうかの計算」は、各画素ごとに完全に独立しており、分散率が非常に高いので、マルチコアCPUによって大幅に処理を高速化できます。\\ \vspace{10pt} %・画像撮影の時間間隔に対してレンズの奥行き方向への移動が速すぎた場合(あるいはレンズの奥行き方向への移動速度に対して画像撮影の時間間隔が長すぎた場合)は、錯乱円の大きさが1画素の大きさに収まる所を飛び越して画像が撮影されてしまうことが考えられますが、FD 3Dスキャナでは、レンズの移動速度と撮影間隔の調節により、いくらでも撮影ごとのレンズ奥行き間隔を短くできるため(例えば、1万コマ/秒のハイスピードカメラを使用し、数センチメートルを1秒間で定速移動するようにレンズを移動させるだけで、数マイクロメートルのレンズ奥行き間隔ごとに画像を撮影できる)、実際に問題が生じることはありません。\\%また、錯乱円の大きさが1画素の大きさに収まるレンズの位置にはある程度の幅があり、例え大雑把なレンズの制御でも錯乱円を十分に小さくできるため、 %\vspace{10pt} %・明細書にも記載した通り、FD 3Dスキャナは、遠近法の影響で、奥行きが遠くになるほど解像度が下がりますが、これはレーザー3Dスキャナでも同じであり、FD 3Dスキャナの従来の3Dスキャナへの優位性には変わりがありません。\\ %\vspace{10pt} ・一般に、ハイスピードカメラは撮影画像が暗くなりますが、部分的に不規則に暗くなるのではなく全体的に正確に均一に暗くなるだけであり(シャッター時間が1万分の1秒の場合、全ての画素それぞれが、10分の1秒の場合に比べて正確に1000分の1の明るさになる)、また、FD 3Dスキャナでは、撮影画像を「ピントが合っているかどうかの計算」に使用するだけで、人に見せて美しさを感じさせる必要はありませんので、暗くても映ってさえいれば(人の目にとっては暗くても、プログラムでコントラストを判断できれば)問題ありません。また、最近のハイスピードカメラには、高感度カメラヘッドを使用しており、大型照明無しでも場所を選ばずに撮影を行えるものがありますので、これを使用すれば、撮影画像を明るくすることもできます。なお、特に近距離型においては、通常のハイスピードカメラと同様に、通常のカメラヘッドでも、強い照明を当てて明るく撮影することが可能です。\\ \newpage ・上と同様の理由で、FD 3Dスキャナでは、使用するCMOSイメージセンサを小さくできるため、生産コストを大幅に抑えることができます(CMOSイメージセンサが小さいと1画素当りの光量が減ってさらに画像が暗くなってしまうため、元より画像が暗くなるハイスピードカメラでは、通常、高価な大きいサイズのCMOSイメージセンサを使用せざるをえませんが、FD 3Dスキャナでは、画像が暗くても良いため、安価な小さいサイズのCMOSイメージセンサを使用できます)。よって、例えば、小さなCMOSイメージセンサを取り付け、さらに、R・G・Bの内の一色(単色)で撮影を行うようにした(これによってCMOSイメージセンサ1画素当りのコストが1/3になる)ハイスピードカメラを用いた場合、従来のレーザー3Dスキャナよりも低い価格でFD 3Dスキャナを販売することが可能だと考えられます。なお、自然界においては通常起こりませんが、単色撮影にした場合は、その色成分を一切含まない色(例えばR単色撮影の場合、G成分ないしB成分しか含まない色)は写らなくなってしまうため、高級機では、R・G・Bの三色でそれぞれ撮影を行い、それらの結果を照合するようにした方が良いと思われます。\\ \vspace{10pt} ・特に高感度カメラヘッドを使用した場合や近距離型において照明を使用した場合、それぞれの画素におけるピントが合った時の色(単色処理の場合も、元撮影画像のR・G・B3値とする)を保存しておき、それらを並べれば、3Dスキャンと同時に実写テクスチャも生成できます(この場合、FD 3Dスキャナは、タイム・オブ・フライト方式レーザー3Dスキャナのようにテクスチャ撮影用カメラを追加することなく、デフォルトでテクスチャ撮影機能を持ちます)。\\%なお、このテクスチャは、通常のカメラで撮影したものよりも色が正確になるため(通常のカメラにおいては、たとえ広角レンズを使用しても、人の目には分かりにくい微小なピントぶれによる色のずれが生じますが、このテクスチャはそのような色ずれが非常に少ない、クリアなテクスチャとなります)、FD 3Dスキャナは「世界で最も画質の良いテクスチャ撮影用カメラ」として使用することもできます。\\ \vspace{10pt} ・FD 3Dスキャナではレンズを移動しながら撮影を行うため撮影画像にブレが生じますが(ハイスピードカメラなので人の目にはブレが無いように見えるが、コンピュータで解析した場合はブレによる数値のずれが生じる)、レンズを定速で動かし、シャッターを等間隔で切れば、撮影画像全てに均一なブレしか生じないため、ピント度合いのピーク位置検出に影響を与えることはありません。\\ \vspace{10pt} ・使用するハイスピードカメラがインターレース方式の場合、縦横解像度は変わりませんが(片方のフィールドでの計算結果ともう片方のフィールドでの計算結果を合わせるだけ)、奥行き解像度は半分になりますので(それぞれのフィールドにおいて撮影間隔が倍になってしまうため)、元の2倍の撮影速度のハイスピードカメラを使用する必要があります。一方、プログレッシブ方式の場合は、縦横解像度・奥行き解像度共に同じままです。\\ \vspace{10pt} ・通常のカメラのコントラスト検出方式オートフォーカスにおいては、撮影対象にコントラストが無い場合はピント合わせに失敗することがありますが、これは、カメラ内臓の性能の低い半導体チップで、また、ユーザーを待たせられないため短時間で計算を行うからであり、FD 3Dスキャナでは、高性能なパソコンなどを使用して、撮影から戻ってから長い時間をかけて精密に(24ビットカラーなどで)計算を行うため、光源からの距離の違いによる微小な輝度変化も検出でき、また、人間の目の感覚ではなく計算機によって厳密に見た場合、レンズにおいてピントが合うのはただ1点(1画素)であり、また、通常はFD 3Dスキャナでは被写界深度が浅いレンズを使用するため、たとえ撮影対象が単色であったとしても(撮影対象表面において、24ビットカラーで見て全く同じ色の地点が隣り合って並んでいたとしても)正確にコントラストを割り出せます。\\ \newpage ・現場撮影作業の高速化は、単に撮影ロケ費用の抑制(数分の一〜数十分の一)になるだけではなく、天候などの変化の影響を受けにくくなり(時間がかかると雨が降ってきたり強風が吹いてきたりして撮影が中止になってしまう可能性が高くなる)、安定して予定期日内に撮影を済ませることができるようになるという効果もあります。\\ \vspace{10pt} ・FD 3Dスキャナでは、通常、撮影はすぐに終わりますが、その撮影画像から3Dモデルを求めるのに多量の計算が必要となります。しかし、3Dスキャナの主な用途は、コンピュータゲームや映画で使用する3DCGの製作、土木工事計画立案のための工事現場地形の事前計測、電子美術館のための文化財建築物の取り込みなどであり、リアルタイムに処理する必要性が無いものがほとんどであるため、問題となりません。なお、レーザー3DスキャナのようにノートPCを撮影現場に持ち込んで接続すれば、ノートPCの計算能力は非常に高いため、実用的な時間内に撮影現場で3Dモデルを求めることも可能だと思われます。\\ \vspace{10pt} ・撮影画像の各画素に奥行き座標を与えて3Dモデル化する時(明細書E〜G)、画素を四角形で表し、それに奥行き座標を与えるのではなく、画素それぞれの中心などの一点のみを3Dモデルの頂点に対応させるようにすると、3Dモデルにおいて奥行きが変わる位置が角張ってしまうこともなく、曲面をきれいに表現できます。この手法は、特に撮影画像の解像度が低い場合に有効です。\\ \vspace{10pt} ・複数の撮影画像において錯乱円が1画素より小さくなる(ピントが上限まで合ってしまう)場合においても、ピントが合っている度合いはグラフにすると左右対称形となるように変化しますので、その複数枚の内の真ん中の1枚でピント度合いが最も高まることが分かります。\\ %\vspace{10pt} %・FD 3Dスキャナでは、「タイム・オブ・フライト方式レーザー3Dスキャナ以下のコストで作れる、撮影速度が数百倍の遠距離型3Dスキャナ」だけではなく、「位相差方式レーザー3Dスキャナよりも安い、最も廉価な近距離型3Dスキャナ」を作ることもできます。現在、位相差方式レーザー3Dスキャナは、最も安価なもので30万円前後しますが、FD 3Dスキャナでは、例えば、30コマ/秒の通常の500×500画素程度のビデオカメラにズームレンズ同様の電子可動レンズを取り付け、パソコン用ソフトを添付するだけで、奥行き検出精度100マイクロメートル、撮影レンジ30センチメートル、撮影時間100秒の3Dスキャナを作ることが可能であり、これを数万円程度で売り出せば、初心者用の入門機として、従来に無かった顧客層の開拓と大きな売上向上を望めます。\\ %\vspace{10pt} %・遠距離型のFD 3Dスキャナも、レンズの移動速度や移動レンジを調節することで、近距離の高精度撮影(0.1ミリメートル以下の精度での撮影)を行うことができるため、FD 3Dスキャナは、遠近両用型の「フレキシブル3Dスキャナ」として売り出すこともできます。これにより、ユーザーは、1台分の価格で遠距離型・近距離型2台分の機能を手に入れることができるようになります。なお、遠距離専用型や近距離専用型にしてもコストはほとんど下がらないため、FD 3Dスキャナは、遠近両用型を基本に商品展開していく方が良いと思われます。\\%なお、近距離スキャン用途においても、FD 3Dスキャナは、位相差式レーザー3Dスキャナに対して「同色のサーフェイサースプレーを全面に吹き付けなくても、きれいにスキャン可能である」という進歩性を持ちます。位相差式レーザー3Dスキャナは、サーフェイサースプレー無しではうまくスキャンできないものがほとんどであるため、これは大きなアピールポイントとなるでしょう。\\ \begin{comment} \vspace{10pt} ・FD 3Dスキャナをゲーム製作に使用する場合は、例えば、FD 3Dスキャナを使用して作成した3Dモデルに、それと一緒に作成した天然の陰影付きの実写テクスチャをそのまま貼り付け、かつ、3D描画ルーチンによる人工陰影(シェーディング)をOFFにすると(均一の明るさでライティングすると)、実写の精細な陰影を生かすことができます。\\ \vspace{10pt} これに加え、キャラクターだけに、背景撮影時の太陽の位置と想定される座標に設定した光源で人工陰影を付ければ、キャラクターも実写背景に無理なくなじませることが可能です。\\ \vspace{10pt} なお、背景の陰影を太陽の位置に応じて変えたい場合は、時間をずらして何度も撮影したテクスチャーを張り替えるようにすれば、無理やり人工陰影を付ける必要はありません。この場合、1つの3Dモデルに対して複数のテクスチャを記録することになるため、HDDやインストールメディア(Blu-rayディスクなど)の容量を食いますが、現状、それらの容量は余り気味なので、問題となることはありません(余剰リソースを有効活用できます)。\\ \vspace{10pt} また、実写系のグラフィックは、そのままだと無機質な印象を与えてしまいますが、従来から使用されてきたような「それぞれがランダムな形状・大きさのまばらな白い雲のような模様を複数描いた画像」を半透明にして重ね、その画像を一方向に動かし続ける手法を使えば、生き生きとしたグラフィックにすることができます。\\ \vspace{10pt} 以上の手法でゲームグラフィックを製作した場合、以下のイメージに近いクオリティになります。\\ \vspace{10pt} Arashi linkshell様によるFinalFantasyXI(スクウェア・エニックス社)を題材にした実写背景・CGキャラクターの合成画像 「Transworld Project」(http://www.kachosen.com/ffxi/transworld.htm)\\ http://www.kachosen.com/ffxi/gfx/Selece/RLproject/valkurm01.jpg\\ http://www.kachosen.com/ffxi/gfx/Selece/RLproject/rolanberry01.jpg\\ http://www.kachosen.com/FFXI/gfx/Selece/RLProject/tuchulchawall.jpg\\ http://www.kachosen.com/ffxi/gfx/Selece/RLProject/zitah02.jpg\\ http://www.kachosen.com/ffxi/gfx/Selece/RLProject/zitah01.jpg\\ http://www.kachosen.com/ffxi/gfx/Selece/RLProject/jugner02.jpg\\ ※当方はスクウェア・エニックス社、Arashi linkshell様と一切関わりはありません。\\ \vspace{10pt} Transworld Projectは、2D実写の背景写真に、3DCGキャラクターの描画結果をハメ込み合成したものだと思われますが、FD 3Dスキャナで製作したゲームは、ちょうど、これが背景含めて全てフル3Dでリアルタイムにぐりぐり動く(プレイヤーの視点がどの角度であってもTransworld Projectのイメージ同然に見える)感じになります。\\ \vspace{10pt} ※実写背景の陰影は非常に緻密で、プログラムで人工的に付けようとした場合は非常に高い計算能力が必要となりますが、上記の場合は、本物の太陽に照らされてできた天然の陰影が付いたテクスチャをカメラで撮影してそのまま貼り付けただけなので、計算能力をほとんど必要としません。\\ \vspace{10pt} 以上ように、FD 3Dスキャナをゲーム製作に用いれば、旧来のハードウェアで新次元のグラフィックを実現できます。\\ つまり、FD 3Dスキャナは、今まで約三十年間続いてきた「ゲーム機のハードウェア性能の向上によるグラフィックの革新」とは異なる、ゲーム史上初めての「ソフトウェア製作技術のブレークスルーによるグラフィックの革新」を実現します。\\ \vspace{10pt} 現在のゲーム市場においては、ユーザーは実写系のグラフィック(日本においては、スクウェア・エニックス社のファイナルファンタジーシリーズのような、背景は忠実な実写系、キャラクターは実写系・手描き系ハイブリッドのグラフィック)を最も好みますので、実写系グラフィックのクオリティの大幅な向上は、ユーザーにとって、初めて3Dゲームが登場した時以来のカルチャーショックとなり、ゲーム自体に飽きてあまりプレイしなくなってしまったユーザーを再び市場に引き戻すことも可能になるでしょう。\\ %\vspace{10pt} % よって、以上の点をゲームソフトメーカーに売り込めば(FD 3Dスキャナの広告で強調すれば)、従来の3Dスキャナには無かった新たな巨大市場が拓け、FD 3Dスキャナの売上の更なる向上が望めます。\\ \vspace{10pt} ※家庭用ゲーム機はメインRAMの容量が少ないものが多いですが(256MBなど)、予めテクスチャに「圧縮率が高くても画質(解像感)の劣化が少ない、展開に高い計算能力を必要とする高度な圧縮」を施してメインRAMに格納しておき、そのうち使用する圧縮テクスチャのみを、余ったCPUコアを利用して展開し、それを3Dモデルに貼り付けるようにすれば、少ないメインRAM容量でも解像感の高い(拡大ボケの少ない)実写系テクスチャを大量に扱うことができます。\\ ※キャラクターの製作時、部分的に(イラストレーションの下絵に、ちぎり絵する要領で)「FD 3Dスキャナで作った3Dモデル・テクスチャを切り貼りしたもの(表示する時に人工陰影を付けるため、室内で全方向から照明を当てて撮影して作った、天然陰影が無いものがベスト)」を使用すれば、キャラクターがより実写背景に馴染むようになります。\\ \end{comment} \end{flushleft} \end{document}
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