2010年度の地域別最低賃金を労使代表が議論する「中央最低賃金審議会」の小委員会が14日開かれ、席上、厚生労働省が、最低賃金で働くより生活保護を受けた方が高収入となる「逆転現象」が起きている地域が12都道府県に上ったとする調査結果を公表した。
厚労省によると、各都道府県が決めている最低時給が、その地域で1か月に支給される生活保護費を一定の方法で換算した時給より低かった自治体は、北海道、青森、宮城、秋田、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島の12都道府県。このうち、差額が最も大きかったのは神奈川県の47円だった。
最低賃金法は、逆転現象の解消を目標にしており、昨年度は45都道府県で最低賃金が引き上げられ、生活保護の時給換算額を下回ったのは10都道府県に縮小していた。現行の最低賃金は全国平均が時給713円だが、この日の小委員会で経営側は「景気が先行き不透明。大幅引き上げは困難」との見方を示した。