概算要求基準、月末以降に＝参院選大敗で公約検証―政府・民主

　仙谷由人官房長官と野田佳彦財務相、民主党の玄葉光一郎政調会長は14日午後、首相官邸で2011年度予算の概算要求基準（シーリング）について協議し、23日を目指していた閣議了解を今月末以降に延期することで合意した。参院選での与党大敗を受け、玄葉政調会長が基準策定前に参院選マニフェスト（政権公約）で示した施策を検証し、有権者の評価を党内で総括する必要があるとして要請した。
　一方、政府は16日に全閣僚による懇談会を開き、基準策定に向けた基本原則を決定する方針。しかし、菅直人首相の求心力が低下する中、厳しい歳出削減を求められる閣僚が抵抗する可能性もある。党幹部は14日、今月末の閣議了解についても「本当の期限はいつになるのか。どうなるか（分からない）」と述べた。
　政府が例年7月末〜8月初めの概算要求基準の策定時期を23日に前倒ししようとしたのは、8月末の要求締め切りまでに各省庁に既存予算の組み替えや削減に取り組む十分な時間を与えるのが狙いだった。財務省は各省庁に対し、社会保障費などを除く政策経費について一律で最大1割程度の削減を求める方針。しかし、基準策定が遅れれば削減が不十分に終わり、医療・介護など成長分野に重点配分する特別枠1兆円の財源が捻出（ねんしゅつ）できなくなる可能性がある。　

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