宮崎県の家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で、東国原英夫知事は14日、新たな発生がない場合、被害が集中する県東部の家畜の移動・搬出制限区域の解除を予定通り16日に実施する意向を示した。
前日に東京で山田正彦農相と会談したことを受けて、宮崎県庁で記者会見した。知事は、高鍋町の畜産農家薦田(こもだ)長久さん(72)の所有する種牛6頭について、国が地方自治法に基づく「是正指示」を出して県に殺処分を求める方針を決めたことには「従うかどうか分からない」と述べた。
山田農相が、薦田さんの種牛が殺処分されない限り16日に制限解除はできないとの見解を示している点について、知事は「目視検査では感染が確認されていない。知事の権限で解除はできる」と不満を漏らした。
一方、薦田さんは14日、西日本新聞の取材に対し「扱いは知事に一任している」とした上で、国が代執行によって殺処分を断行する場合は「訴えるしかない」と話し、処分取り消しなどを求めて訴訟を起こす考えをあらためて示した。
=2010/07/15付 西日本新聞朝刊=