宮崎県の口蹄疫問題で、山田正彦農相は13日、東国原英夫知事と農林水産省で会談し、殺処分対象の民間種牛を宮崎県が処分しない場合、国による殺処分の代執行を検討する考えを伝えた。
農水省によると、国が都道府県の行政行為の代執行をしたことは過去にないという。種牛の殺処分をめぐる国と県の対立は深刻な事態を迎えた。
会談では、山田農相が県の当初の勧告通り、種牛を殺処分するよう強く要求。地方自治法に基づき、14日にも殺処分を県に指示する方針を示した。一方、東国原知事は殺処分要求に応じない考えを示し、協議は平行線のまま終わった。
会談後、記者会見した山田農相は「これまで殺処分に応じた農家は多大な犠牲を払ってきた。かわいそうという理由で特別な例外を認めるわけにはいかない」と強調。「新しいウイルスが出てくる可能性がある中で、県の危機管理意識は甘い」と述べた。
東国原知事も会見し、「種牛の所有者は殺処分されたら死ぬと言っている。彼は本気だ。命に手をかけるような行政判断はできない」と話した。