ギャンブル依存症に苦しむ人たちが、経験や苦しみを語り、共感し合いながら回復を目指す自助グループ「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)松本」(松本市)を設立した。県内では長野市の「GA長野」に続き二つ目だが、中南信地方の依存症の人たちが参加しやすくなる。GA松本は「誰にも打ち明けられない悩みを話せて、気持ちが楽になる」と参加を呼び掛けている。
自助グループに救われた経験を生かしたいという北信地方の40代男性が中心になった。県精神保健福祉センター(長野市)の協力を得て、中南信地方に住む依存症者から出ていた要望を受ける形で6月上旬、GA松本を結成。松本市のあがたの森文化会館で、毎週土曜日の午後7時から2時間ほどの集会を開いている。
「アノニマス」は「無名性」を意味し、社会的な立場や経歴を離れ、平等に話し合う趣旨を表す。集会では互いを愛称で呼び、プライバシーを守る。回復の道のりなどを書いたハンドブックを読み合わせたり、近況や体験を語る「分かち合い」をしたり。10日は6人が参加。初めて訪れた男性は「宗教みたいなイメージがあって不安だったが、気楽に話ができた」。別の男性も「自分が依存症という病気かもしれないと認識できた」と話した。
結成の中心となった男性は、20代でパチンコにはまった。借金を抱え債務整理に追い込まれたが「大勝ちして、いつか返せる」とヤミ金融からも借金した。相談した弁護士から「依存症と自助グループ」の存在を聞き、「GA長野」に約2年通って依存症を脱した。男性は「途中で参加をやめたりギャンブルをまた始める人もいるが、人生をやり直すきっかけになる人も多い」と話していた。
参加無料。東北信地方の人も参加できる。詳細はGA日本インフォメーションセンターのホームページ(http://www001.upp.so−net.ne.jp/ga−japan/)から。ギャンブル依存症に関する相談は県精神保健福祉センター(電話026・227・1810)へ。