【ワシントン斉藤信宏】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は13日、トヨタ自動車の急加速問題で、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)がトヨタ自動車の車を調査した結果、急加速による事故の原因は大半がドライバーの運転ミスだった可能性が高いことが分かった、と報じた。
NHTSA関係者の話として報じたもので、事故を起こしたトヨタ車から数十台を選び、車載の事故データ記録機(EDR)を解析した結果、大半の事例でアクセルが全開の状態だったほか、ブレーキも使用されていなかった。NHTSA関係者は「ドライバーがブレーキを踏もうとして誤ってアクセルを踏み込んだことを示している」と調査結果を分析したという。
今回の調査事例は、NHTSAに寄せられた3000件超の苦情の中から選んだもので、分析された事故データはNHTSAによって抽出された。
米科学アカデミーへのNHTSAからの報告によると、トヨタ車の欠陥が原因で死亡事故につながったと立証できたケースは、これまでのところ昨年8月にカリフォルニア州で高級車レクサスが暴走し、乗っていた一家4人が死亡した事故の1件だけだという。
ただし、アクセルペダルが戻りにくくなっていた欠陥とフロアマットに引っ掛かるケースは、いずれも急加速の原因につながっていた可能性があり、NHTSAは今後も調査を続ける。
トヨタ車の急加速問題をめぐっては、米議会から「速度を調節するための電子制御スロットルシステム(ETCS)の欠陥が原因ではないか」との指摘が出ていた。
毎日新聞 2010年7月14日 10時51分(最終更新 7月14日 11時44分)