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つかこうへいさん:「大分に勇気くれた」劇団事務局長

 10日、62歳で亡くなった演出家で作家、つかこうへいさんは、地方発の演劇文化発信にも力を入れ、95年、大分市と協力して「大分市つかこうへい劇団」を旗揚げした。劇団事務局長だった衛藤延洋さん(52)=同市=は「バブル崩壊後の閉塞(へいそく)感の中、地方でも頑張ればメジャーになれると勇気、誇りを与えてくれた」と、死を悼んだ。

 大分市は94年から文化振興のため演劇公演を積極的に実施、それを知ったつかさんが大分で公演ができないかと市に持ちかけた。当時、衛藤さんは、市文化振興課にいて、つかさんとの窓口役だった。「いっそ大分に劇団を作ったらどうです」と提案し、市に勤務しながら劇団の事務局長としてつかさんを支えた。劇団は00年まで、国内34カ所で「売春捜査官」「東京から来た刑事」などを公演。約4万8000人の観客を動員した。

 衛藤さんは「つかさんとの5年間は、地方でも磨けば光る原石があることを教えてくれた」と振り返る。

 劇団が解散となっても付き合いは続き、がんが分かっても連絡は続いた。4月下旬に来た「メールも電話もしてくるな」というメールが最後となった。「きつかったんだろうな」と衛藤さん。「奇跡が起こらないかと思っていた。残念で悔しくてしょうがない」と肩を落とした。【佐野優】

毎日新聞 2010年7月13日 10時26分

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