新体操:「第2のキム・ヨナ」目指す二人のホープ(下)

「第2のキム・ヨナを生み出せ」

 体操協会のキム・デウォン専務は、「キム・ヨナ選手のおかげで韓国スケート界の重心がショートトラックからフィギュアに移ったように、体操界でも新体操の注目度が徐々に上がってきている」と語る。新体操に割り当てられた今年の予算は、08年に比べ2倍以上に増加し、ロシア合宿も協会の支援で実施できたという。同協会のチャ・サンウン強化委員長も、「韓国の新体操が『第2のキム・ヨナ』を生み出すためには、国際大会での経験を積むことが必要」と強調する。

 だが、新体操を取り巻く環境は依然として劣悪だ。シン・スジはこの日、右のほおを腫らして登場。試合前、体育館内の狭いスペースで練習していたところ、隣の選手が投げたリボンの持ち手がぶつかったのだ。この日の競技で使用されたマットも、衝撃吸収力に優れた新体操専用のマットではなかった。専用マットがあるのは、韓国では泰陵選手村と世宗高の2カ所だけだ。

 年間5000万ウォン(約370万円)から1億ウォン(約730万円)近く掛かるトレーニング費用についても、両親がかなりの額を負担している。それでも、マネージメント会社と契約を結んでいるシン・スジ(セマ・スポーツ・マーケティング)とソン・ヨンジェ(IBスポーツ)は、まだ恵まれている方だ。このため、「協会が積極的に投資すべき」との声が上がっている。IBスポーツのキム・ヨンジン取締役は、「現在の新体操の状況は、キム・ヨナのマネージメントを引き受けた07年当時のフィギュアスケートの状況とよく似ている。世界的なスターが生まれれば、新体操も人気スポーツになるだろう」と語った。

金浦=チャン・ミンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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