判事がまたも「侮辱発言」(下)

 男性は、「判事は『誰が電話で話したんだ?』など、裁判の間はほとんどぞんざいな言葉づかいをしていた」と話した。そして、「判事は63歳で死んだ父親の名前についても、『さん』も付けず呼び捨てにして、まるで小さな子供に向かって話しているようだった」と屈辱感をにじませた。さらに、「わたしに対してはともかく、間もなく還暦を迎える母親に対しては敬語を使うべきでは。納得できないことがあっても、判事が怖くて裁判もできない」と語った。

 男性は、「裁判官という地位が天と同じくらい高いということは分かっているが、これほどまで人格を冒涜(ぼうとく)してもいいのか。精神的にも非常に苦痛だ。うちの親に対し、判事があまりにも言いたい放題だったような気がして、憤慨している」とも。このため、男性は9日、国家人権委員会を訪れ、この悔しさを訴えた。人権委担当者は「判事が法廷指揮権の行使範囲を逸脱した発言をするのは人格侵害であり、不適切」と話す。人権委はこの家族が希望すれば、詳細な経緯の調査に乗り出す方針だ。

 これについて、当の判事は「調停件数が多いため、裁判中にそうした言葉を発する可能性はあるが、それほどひどい言葉を使ったかどうかはよく覚えていない。離婚発言についてはわたしの誤りだったと思う」と語った。だが、「男性は苦しい状況に追い込まれている様子で、調停に際しては男性の立場をよく考慮して判決を出した。家主は法廷に姿を見せなかったが、待ってやった。むしろ、裁判を早く終わらせ、うまく解決したことに対し感謝の言葉があってもいいと思っていただけに、少し残念だ」と話している。

イ・ヘウン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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