判事がまたも「侮辱発言」(上)

「離婚したんだから黙っていろ」「こんなことで裁判起こすのか」

40代判事、相次ぐ侮辱発言で被害者の息子が人権委に訴え

 6日午前、ソウル市内のある裁判所で裁判を受けていた男性(34)は、悔しさのあまり震えが止まらなくなった。40代の担当判事が男性の母親(57)に対し、「あんたは離婚したのに、何を言うのか。黙っていろ」などと無礼な言葉を使ったからだ。

 男性は今年4月、家主を相手取り、伝貰金(賃貸住宅保証金の一種、入居時に家主に一定額を預け、退去時に預けた全額が返却される賃貸システム)9500万ウォン(約700万円)を返してほしいという訴訟を起こした。昨年死去した父親の入院費などで銀行から借金をしていたこの男性の家族には、一刻の猶予もなかった。23年前に宗教上の問題で父親と離婚した母親には法的な資格がないが、これまで家のことを一手に引き受けてきたため、娘や息子と一緒に法廷に立った。この日の裁判では、家主が「家の修理代が必要なので、(預かった保証金から差し引くため)全額は返せない」と主張、判事が調停することになっていた。

 男性は「判事は最初からイライラしていた」と話す。この判事は男性の家族に「こんなことで訴訟を起こすのか」と言い、さらに「それで、いくら(保証金から)差し引くって?」と、ぞんざいな言葉づかいをしたという。この質問に母親が手を挙げ答えようとすると、判事は「そこの人、やたらに話さないで。あんたは離婚したのに、何を言うのか。離婚した人は黙っていなさい。離婚したんじゃないか。話す権利はない」と言い放ったというのだ。

 また、担当判事は「早く金をもらいたいんじゃないのか。いくら必要だって?」と言ったとのことで、男性は家族が屈辱感を味わったと話す。男性によると、判事は家族が何か言おうとすると、「もういい」と遮り、調停が終わると、「早く行って」と面倒くさそうに言ったという。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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