健康やスポーツに関心のある学生たちが、勉強会やさまざまな活動を通して学んでいる「健康科学研究部」があります。3年前に同好会「健康科学研究会」としてスタートし、2008年春に、クラブに昇格。学生たちは、勉強会やイベントなどに積極的に取り組んでいます。
このコーナーでは私に代わって、健康科学研究部の学生たちが、それぞれ企画・運営したイベントなどを紹介していきます。
2010年5月18日更新
洲本で開催された「キッズドリームスポーツチャレンジ」というイベントで、子どもの体組成測定のサポートとして参加しました。測定に参加した普段からよく運動を行っている小学生の体組成の特徴は、BMI・体脂肪の両方が低値を示す子どもが大多数でした。このことを踏まえ、子ども・保護者を対象に本学教授の相澤先生が、「子どもの為のコンディショニング」というテーマに基づいてクリニックを開きました。子どもにとって運動、栄養、休養といった生活習慣をきちんと身につけておくことは、とても大切であると改めて実感しました。
この他、元全日本女子バレー監督の柳本晶一さん、北京五輪陸上銅メダリストの朝原宣治さん、シドニー五輪陸上出場の小島茂之さん、元シンクロ銀メダリストの奥野史子さんが来られ、バレーボール・陸上の指導や、トークショーをしていただきました。オリンピック選手のお話しを聞くことができ、として貴重な時間となりました。(健康科学研究部:溝端美咲、奥田沙慧、小貫佐知子)
毎年行われている、全日本実業団アマチュアボクシング選手権大会の大会補助として参加しました。3日間毎日行われる、試合前の選手の検診および計量の測定や記録を行うとともに、健康科学研究部の活動の一環として、ボクサーの身体組成やコンディショニングについての調査を行いました。
今大会から男子競技に加え、記念すべき第1回の女子競技・女子演技が行われ、男子とは一味違った試合も観ることができました。私たちは試合進行のサポートとして、試合に必要なタイムキーパー、開始と終了の合図であるゴング、アナウンスという普段ではできないような貴重な体験をさせていただきました。
3日間を通して、大会運営をされている本部の方、指導者、選手といった多くの方々とお話しさせていただくことができ、学ぶことが多くありました。また、テレビ等で観るボクシングとはまた違い、試合会場ならではの迫力や緊張感といった雰囲気を肌で感じることができ、とても良い経験になりました。
(健康科学研究部:寺田晶子、伊藤真理子、溝端美咲、富永祥子)
2009年7月14日更新
4月新しいメンバーを迎えて、健康科学研究部の学生たちは、今年度の活動をスタートさせました。今回は、春の活動の様子を報告してくれました。
芦屋ライオンズクラブのご依頼を受けて、5月10日、芦屋市立体育館・青少年センターで、芦屋市軟式少年野球連盟に所属する選手(小学1年生〜6年生)の180人を対象に、スポーツ傷害を早期発見し、早期治療につなげるためのメディカルチェックを行いました。
受付後、健康科学研究部の学生によるスクリーニング検査を行いました。私たちは実際に、子ども達の関節の動きを確認し、押えてみて痛い部分の有無をチェックしました。続いて、全員に整形外科専門医(部長 相澤 徹 健康・スポーツ科学科教授)の診察を受けていただきました。医師の診察後、必要に応じて医療機関への診療情報提供書(紹介状)を作成したり、選手達に学生がストレッチングの指導を行ったり、事前に学生が作成したコンディショニングの整え方や水分補給、食事の摂り方に関する資料を配布したりしました。子どもたちが健康で、大好きなスポーツを長く続けるためには、日々の身体の手入れ(アイシング・ストレッチ・食事・半身浴など)が重要と、活動を通して呼び掛けました。
このイベントは、健康科学研究会で日頃勉強している事を基に事前の準備、関係者の方々との打ち合わせ、当日の実施等を学生が主体となって企画運営しました。また、学生がスクリーニングをした後、選手全員が医師による診断を受けることにより、学生と医師の診断が一致しているかどうかを学生自身も確認できました。傷害チェック能力をより向上させることができ、私たちにとって、有意義な一日となりました。
(健康科学研究部 川口紗苗、小林由季、吉田陽菜、長谷緑、寺崎真侑、富永祥子、小貫佐知子)
2009年5月15日更新
5月3日〜5日に姫路市・みなとドームで開催された「第31回全日本実業団アマチュアボクシング選手権大会」に、健康科学研究部の部員5人、相澤ゼミの4回生2人と研究部のOGの竹内さんが運営スタッフとして、顧問の相澤徹先生が大会ドクターとして招かれました。また、整形外科医の徳島大学医学部 鈴江直人先生も参加されました。
部員たちは大会期間中、試合前に行われる視力検査や血圧・体温測定、医師の診断結果の記録のほか、研究部の研究活動の一貫として選手の身長や体脂肪率そして大会当日のコンディショニングの状態を調査しました。大会には100人以上のアマチュアボクシング選手が、体重別の階級に分かれて出場。私たちは試合中の放送やタイムキーパー、試合開始のゴング、水・グローブの交換など試合進行のサポートを行いました。
選手のトレーナーやレフェリー、運営役員の方などからたくさんの貴重な意見をいただくことができた同時に、大会運営の難しさを実感することができました。ボクシングの試合もテレビで見るのとは違い、大変迫力がありました。今回参加した部員の中には新入部員もいましたが、とても貴重な体験ができたと感想を話していました。(健康科学研究部 橋本彩、伊藤真理子、北条菜摘、溝端美咲、長谷緑)
2009年3月11日更新
本学校祖・公江喜市郎先生の出身地である丹波市で行われた「丹波市学校保健会研修会」に3月6日、健康科学研究部の学生が招かれ、講師として参加しました。同会には現地の教育委員会関係者や学校の保健体育の先生方など約50人が参加されました。まず、顧問の相澤徹先生が「今 子ども達が危ない! 成長期のスポーツ傷害のお話」と題して講演。全日本女子バレーボールチームのチームドクターである相澤先生は、大人の競技スポーツの現場と子どものスポーツ現場の根本的な違い、子どもを運動嫌いにさせない、スポーツ好きにさせるためにはどうすればよいか、また、少年野球を例に子どもの成長過程に合った指導方法の大切さなどを講演されました。
続いて、健康科学研究部の部員3人が、ストレッチングやRICE処置の意義についてスライドを用いながら講演しました。スライドによる講演に加え、ストレッチングとRICE処置の実技講習も行いました。来場者の方々と一緒に、アイシングのための氷のうを作ったり、全身の部位ごとストレッチングをしたりしながら、いろいろなお話をさせていただききました。講演後に参加者の方から「説明がすごくわかりやすかった」といったうれしい言葉をいただき、部員一人ひとりの自信となる経験になりました。
私たちは今回の講演会を健康科学研究部の武庫川学院創立70周年記念事業と位置付け、数カ月前から準備を重ねてきました。その成果を発揮する事ができ、本当に良かったと思います。今後 さらに研修を積み、活動の場を広げていきたいと思います。(健康科学研究部 橋本彩、寺田晶子、松本樹)
2008年12月26日更新
11月には、イベントだけでなく、スポーツの現場やボランティアで活躍されておられる方々のお話を聞く機会がありました。彼女たちは、どんなことを学んだのでしょう。
初企画として6月に開催した「ジャズびば」が、参加者にとても好評でしたので、再度「親子で楽しむ!」をテーマとして11月10日に行いました。今回も、神戸のジャズシーンでプロとして活躍されておられる中大路恵美子さん、田中券吉さん、山下康子さん、池田安友子さん、源悦子さんをお招きし、ジャズの生演奏に合わせて子どもたちが運動するプログラムです。本学の附属幼稚園児44人が参加。曲名当てクイズの曲「星に願いを」「崖の上のポニョ」などにあわせ、子どもたちは歌ったり踊ったりとおおはしゃぎでした。またジャズの名曲「枯葉」の演奏時には、メンバーの方々が手作りされた葉っぱで遊び、子どもたちは、投げたり拾ったりしていました。
今回は、保護者の方々も一緒に楽しんでいただこうと、音楽に合わせたじゃんけんゲームを企画、みんなで盛り上がりました。最後は、園児たち、保護者の方々、健康科学研究部の学生も全員で音楽のリズムに合わせて踊りました。
秋の「ジャズびば」は、子どもたちだけでなく、大人も楽しいイベントになりました。次の企画をさらに充実できるよう、この経験を生かしていきたいと思います。(健康科学研究部 小林由季、重山茜、川口紗苗、廣瀬明菜、寺田晶子、吉田陽菜、西川千晴、福永涼子、松岡和沙)
スポーツの現場で活躍される方々から学ぶ講演会「健康とスポーツの夕べ」が11月14日に行われました。今回は、ヴィッセル神戸の安達貞至氏(株式会社クリムゾンフットボールクラブ 代表取締役社長兼ゼネラルマネージャー)をお招きしました。学生たちの関心も高く、幅広い学科から72人が参加しました。
安達氏は、神戸でのサッカーの歴史やクラブの現状についてスライドを使いながら紹介し、ヴィッセル神戸の歴史、経営システム、スポーツ組織の仕組み等について話されました。特に、より良い組織にするための「明確な目標」「役割分担の明確化」「人材育成は人間の幅を広げさせること」「“トラブルチャンス”タイミングをのがさない」「羊も群れをなせば狼も倒す」など7つのキーワードのお話は、これから社会人になろうという私たちにとって、とても勉強になり、心に残りました。
参加者のアンケートからも『サッカーのことだけではなく、人間育成のことや今のスポーツ社会のことについてもお話を聞くことができとても勉強になった』などの声をいただき有意義な講演会となりました。
今後も、部員それぞれが健康科学に関する知識を更に深め、スポーツに関わっていきたいと考えています。
(健康科学研究部 廣瀬明菜、大森優、小林由季、奈良裕子、寺田晶子、西川千晴、松岡和沙、福永涼子、山本彩佳、渡辺知華)
財団法人学生サポートセンター取材の「学生ボランティア大会」に参加しました。基調講演では、財団法人日本総合研究所会長の寺島実郎氏が、戦後日本の物の見方や考え方の問題点から、現代の日本への影響を説かれ、私生活主義(不干渉主義)ではなく、“公”の精神が社会の安定に必要不可欠であると説明されました。それを踏まえて、“公”の精神を持って行われる学生のボランティア活動が時代認識を喚起し、学生の成長に大きく影響すると話されました。そして大人が大人であるための基本要素として、カセギ(経済的自立)とツトメ(社会への貢献)を挙げ、学生時代にこの2つのバランス感覚を養ってほしいこと、自分の関心や領域に合致したボランティア活動やNPO活動に努めて大人への準備を積み重ねてほしいと締めくくられました。
続いて学生ボランティア団体の活動紹介がありました。環境、地域連携、国際、福祉それぞれの活動を行っている大学が発表しました。一橋大学 国際交流支援サークル「すなふきん」は、楽しい人間関係作りのコーディネートを目標とし、一橋大学で学ぶ留学生とともに地域の小中学校での交流活動を紹介されました。名城大学の「名城ボランティア協議会」は、大学周辺地域で行っている、環境ボランティア、地域安全ボランティア、災害復興ボランティア、盲導犬ボランティアの4つの活動について紹介。奈良女子大学NPO「きゃんす家」は、里山林休耕田畑機能回復事業として、協力団体とともに活動する間伐作業について、環境教育事業の子どもたちとその家族を対象とした環境への関心を高めるプログラムの企画・運営について紹介されました。鶴見大学の「児童文化部みつる会」は、保育園や子育てサークルに出向き、近隣だけでなく夏期には地方巡回を行って、人形劇や手遊びで子どもたちと触れ合っている活動を紹介されました。
また、パネルディスカッションは、「ボランティア活動の限りない可能性の世界−私が変わる、学びは変わる−」がテーマでした。興梠寛 氏(日本ボランティア学習協会代表理事)のコーディネートで、島田京子 氏(日本女子大学事務局長)、鈴木盈宏 氏(トヨタ自動車株式会社社会貢献推進部社会貢献推進室 ボランティア支援グループプロフェッショナルパートナー)、出口寿久 氏(文部科学省生涯学習政策局社会教育課地域・学校支援推進室室長補佐)、外川隆 氏(早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター事務長)が学生の主体的な活動を学校、地域、行政、企業が連携し、いかに育成するかを教育的見地から議論されました。
大会には全国から約400人の学生が参加していました。私たちが表立って活動を紹介することはありませんでしたが、大会での講演や発表を通して、ボランティアが私たちや社会に与える影響は大きく、これからの社会においてはさらに活動を発展させていかなければならないことを学びました。また代表団体の活動発表では、私たちと同じ学生が、主体的に生き生きと活動に取り組んだり、独自の工夫を凝らしたりと、参加者一人ひとりが自分の活動にしっかりと意味を見出していることに触れ、刺激を受けました。ここで学んだことを私たちの活動にどう生かしていくかを考えたいと思います。(健康科学研究部 : 重山茜、藤原弥寿保)
2008年9月30日更新
夏休みの間に、健康科学研究部の学生たちは、テニスとバレーボールの試合に招かれて活動しました。彼女たちは、どんなことを経験したのでしょうか。それぞれの様子を紹介します。
靭テニスセンターで8月6日と14日に行われた、「ダンロップ 全日本ジュニアテニス選手権2008」に参加しました。この大会には、小学生から高校生までの選手約300人が出場。健康科学研究部の部員は、会場に設置されたトレーナールームで、相澤先生の診察や大阪社会体育専門学校のトレーナーと学生が行うトレーナー活動をサポート。補助スタッフとして選手たちへのストレッチやマッサージ、アイシング、テーピングを行いました。
また、熱中症指標計であるWBGT(Wet-Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)の測定を体験しました。これは、スポーツ環境における熱中症事故の予防のため、熱ストレスを測定する指標で、専門の機器を使って調べることができます。基準値を超えると熱中症の発生リスクが高まると考えられていて、測定値により、水分補給や休養、激しい運動の警戒、運動の中止といった判断に役立ちます。暑い時期の試合で、熱中症にかかる選手が出ないように、運営には細心の注意を払っていることが分かりました。
このイベントには、新入部員である1年生3人が参加し、スタッフの一員として大会運営側の活動を経験することができました。またスポーツをサポートする、さまざまな仕事の一部に触れることができ、それぞれの役割の大切さを感じました。(健康科学研究部 : 松岡和沙、松本樹、松本奈緒美)
徳島県バレーボール小学生選手権大会に招かれて、講演会とメディカルチェックを行いました。8月17日は大会出場107チームの代表者を対象とした講演会でした。相澤先生の「ちゃんと分かれば恐くないスポーツ障害のお話」では、大人と子どもの身体の違いや成長の仕組みについて説明され、選手のコンディショニング方法と時期に合わせた練習方法が紹介されました。そして、相澤先生はケガをした時に早く直すためには、適切なRICE処置、栄養のある食事、シャワーではなく湯船につかる入浴、しっかりした睡眠が大切と強調されました。
続いて、健康科学研究部の部員5人が「もっとスポーツをたのしむために」のお話をしました。RICE処置やストレッチング、メディカルチェックについて紹介。ストレッチは実演を交えながら紹介し、ケガをしたときに役に立つ氷嚢は、実際に作って参加者に見ていただきました。処置は早ければ早いほど傷害や疲労からの回復が早くなるので、痛いと感じた時や練習で身体を使いすぎた時に行ってくださいと伝えました。(健康科学研究部 : 川口紗苗、廣瀬明菜、北条菜摘、山本彩佳、渡辺知華)
22日から25日は、徳島県内4カ所の会場でバレーボールの試合が行われました。健康科学研究部の部員8人とOG3人は、試合会場に設けられたメディカルチェックコーナーで、出場選手約800人(小学1年生〜6年生)へのメディカルチェックを担当。選手一人ずつにスクリーニングを実施、肘などを簡単にチェックした後、相澤先生や担当医師の診察を受けてもらいました。診察の結果、必要があれば医療機関への紹介状を発行しました。スポーツ障害の早期発見、治療につなげられたのではと思います。また、効果的なストレッチを紹介したり、コンディショニングの整え方や食事と取り方を紹介した資料を配布したりするなどして、大好きなスポーツを、選手たちが長く続けられるよう、日ごろから適切な身体の手入れを行ってほしいと呼びかけました。(健康科学研究部 : 糸原綾香、寺西恵、大森優、川口紗苗、廣瀬明菜、西川千香、福永涼子、松岡和沙)
テニスの試合へのサポートは、今年入学した1年生の部員が頑張ってくれました。彼女たちにとって、初めて自分たちで取り組んだ活動です。最初は不安がっていましたが、いざ会場にでかけると、訪れる選手にアイシングやテーピングをするなど、積極的に動いてくれました。トレーナーの方々が子どもたちに指導する様子や、大会を運営している方々の活躍を間近に見て、選手を支える人々がどんな仕事をしているのか、またその重要性を学んだようです。これからさまざまな活動を通して、彼女たちが大きく成長してくれると期待しています。(相澤)
2008年8月20日更新
夏のスポーツシーズンに、学生たちは積極的に活動しています。今回は、6月に行われた2つの活動を学生たちが報告してくれます。1つは、本学の附属幼稚園児を対象とした恒例の「キッズスポーツアカデミー」、もう1つは、西宮市教育委員会主催の「西宮市スポーツリーダー研修会」での講習です。
「キッズスポーアカデミー」は、本学の附属幼稚園児(年中・年長)を対象としたスポーツ教室です。6月16日のアカデミーは、初めての企画として、「ジャズびば」を行いました。
神戸のジャズシーンでプロとして活動しておられる、中大路恵美子さん、田中券吉さん、山下康子さん、富士正太郎さん、源悦子さんによるジャズの生演奏で身体を動かします。「Sing Sing Sing」♪「Over The Rainbow」♪「Ja-Da」♪「Take The A Train」♪「When the Saints’ Go Marchin’in」♪などの曲に合わせ、園児52人は、手拍子をしたり、言葉の掛け合いをしたりしました。特に「Take The A Train」では、電車になりきって体育館を思い切り走り回るなど楽しんでいました。
また、園児にも身近な曲を演奏し、曲名を当てるクイズでは、みんな真剣に聞き、分かった園児は、「ミッキーマウス!」「チューリップ!」などと大きな声で答えていました。イベントの最後には、見学の保護者の方々にも入っていただき、参加者全員でリズムに合わせて踊りました。
このイベントは、子どもたちにも保護者の方にもとても好評でした。この経験を生かして、今後のアカデミーの企画をさらに充実させていきたいと思います。
(健康科学研究部 : 竹内絵里奈)
西宮市教育委員会 スポーツ振興課からのお招きにより、6月24日に「西宮市スポーツリーダー研修会」に参加しました。「野球肘とその他スポーツ傷害の予防」をテーマとした講習会で、市内で野球の指導をされておられる方々40人が来場されていました。
最初は、相澤先生の「スポーツ障害のお話」の講演でした。スポーツを行うためには欠かすことのできないRICE(Rest/Ice/Compression/Elevation)処置(*)や、選手のコンディショニングを整える方法についての説明でした。また、大人と子どもの身体の仕組みの違いを詳しく説明した上で、ケガの要因や、子どもの成長段階に合わせた練習方法を紹介しました。そして、ケガを早く直すために大切なことは、「適切なRICE処置」「栄養のある食事」「湯船につかる入浴」「しっかりとした睡眠」の4つを挙げて締めくくりました。
続いて、健康科学研究部の部員4人が、スポーツ傷害の予防法について説明しました。事前に用意しておいた資料に基づき、RICE処置の具体例や有効なストレッチ、メディカルチェックの方法、スポーツ後のクーリングダウン方法について紹介。簡単に行える肩と肘のメディカルチェック方法を実演し、RICE処置についてはスライドを用いて説明しました。そして、RICE処置は、受傷後20分以内に行うことで回復が早くなるので、痛いと感じた時に行うこと、また身体の使いすぎなどで、だるさを感じた時には冷却を行うことが効果的であることを伝えました。
(健康科学研究部 : 藤原弥寿保、大森優、廣瀬明菜、北條菜摘)
(*)RICE処置
Rest…ケガをしたら、活動を中止して安静にすること
Ice…ケガをしたところを良く冷やすこと
Compression…ケガをしたところを、包帯などを使って圧迫すること
Elevation…ケガの部分を心臓より高い位置に挙げること
イベントなどに招いていただいた時のメディカルチェックでは、学生たちが、まずスクリーニングを行ってくれます。スクリーニングでは、その人のスポーツ歴や、これまでケガをしたことがあるか、などについてヒアリングしたり、肘など関節の動きをチェックしたりします。その結果、より詳しいメディカルチェックが必要と思われる人や希望者について、私が診察するという流れです。学生たちはいつも的確に行ってくれます。またRICE処置の紹介も、分かりやすいと参加者から喜ばれています。
この夏休み、8月にもイベントに招かれています。次回、学生たちはその様子を報告してくれるはずです。(相澤)
2008年7月4日更新
健康科学研究部OGの出身地であり、相澤先生のご実家の近くでもある、長野県北安曇郡小谷村の小谷小学校で6月14日に開かれたイベントに、健康科学研究部の部員6人が相澤先生、武岡先生(健康・スポーツ科学科 講師)と参加しました。小谷村教育委員会主催の「小谷村総合型地域スポーツクラブ啓発フォーラム」という行事で、一般の方々を対象とした講演会と、小学校の体育の授業を兼ねた講義や実技指導というプログラムです。当日は小学生とその保護者、地域の方々など76人が来られました。
講演会では、健康・スポーツ科学科講師の武岡健次先生が、「誰でもわかる転倒予防のお話」をテーマに、特に高齢者の方々に多い転倒について、起きやすい年齢や時間帯、場所などをその要因を踏まえて説明しました。また、予防方法として、部屋を整理して活動スペースを広くすることや照明を明るくすることなどを挙げ、転倒の要因は一人一人異なるので、自分自身の体力や、どんなところに危険があるのかを知ることが、転倒予防に役立つと話されました。また、健康科学研究部のメンバーが、簡単な転倒予防トレーニングを紹介しました。
続いて長野県出身で本学OGの足立麻由佳さん(2006年3月 大学 健康・スポーツ科学科 卒)が「誰でもできる筋力アップ運動」を指導。指の運動で脳を刺激するトレーニングや、全身の力を抜く脱力運動、有酸素運動などを紹介し、年齢や体力に合わせて強さを変えながら参加者は身体をほぐし、運動を楽しみました。
小谷小学校4年生の体育の授業を兼ねた講習は、健康科学研究部の学生6人が児童36人にスポーツ中に怪我をしたときの応急処置方法を氷嚢や包帯を使って実演しながら説明しました。また、怪我やスポーツ傷害を防ぐストレッチ方法や、運動をした後のクーリングダウン方法を指導し、一緒に身体を動かしました。
プログラム最後の講演は、相澤先生の「ちゃんとわかれば怖くないスポーツ傷害のお話」でした。スポーツで生じる障害について、野球の“投げる”という動作を例に、人間の投動作の完成は中学生の時であること、そのため小学生の時に投動作をやりすぎると、肘の障害が起こりやすいことを説明。子どもがスポーツ傷害を起こさないようにするためには、指導者の知識と理解が必要であることを話されました。(健康科学研究部 キャプテン 重山 茜)
少年野球などスポーツの指導者を対象とした行事や、スポーツに取り組む子どもたちのイベントに、最近は私だけでなく、健康科学研究部の学生たちの参加依頼もいただくようになりました。学生たちにはこうした場で、さまざまな経験を積んでほしいと思っています。学生たちの活動を、これからも随時ご紹介していきます。(相澤)