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「立ち枯れ」と揶揄されてもひとり秘策を練る園田幹事長

週刊文春7月 8日(木) 12時12分配信 / 国内 - 政治
 参院選投票日が迫る中、政界再編を目指して旗揚げしたはずが、存在感なく「立ち枯れ」と揶揄される「たちあがれ日本」。そこでひとり気をはくのが、策士で名の通る園田博之幹事長だ。

 菅直人首相は一日、園田氏の地元・熊本での街頭演説でこう明かした。

「菅くんが言っていることは重要だ、話し合おうよ、と最初に言ってくれたのは、園田さん。私は個人的にも親しい」

 消費税引き上げで呼びかけた超党派協議に、最初に応じたのが園田氏だった。かつて二人は武村正義元官房長官が党首だった「新党さきがけ」にいた仲だからだ。

 だが、旧さきがけ関係者は「菅さんと園田さんが親しいなんて、聞いたことがない」とクビをひねる。たちあがれ日本では与謝野馨元財務相の方が消費税増税には熱心だ。

 それなのに園田氏が「我々は協議に参加する。自民党も参加すべきだ」と菅首相に同調するのは、消費税問題で二つに割れている民主党事情をにらんだものとの見方がもっぱらだ。

「民主党では小沢一郎前幹事長が消費税引き上げに真っ向から異を唱え、首相や枝野幸男幹事長らと対立している。さきがけ時代から“反小沢”で一貫している園田氏がこの亀裂を見逃すはずはない。園田氏は『自民も民主も割って政界再編する』と言って離党したが、当時はタイミングが悪かった。今度こそは、という思いでしょう」(自民党中堅議員)

 参院選で与党が過半数割れすれば、小沢グループが菅首相の責任論を声高に主張するのは確実。国会での首相指名選挙の際に、たちあがれ日本がブリッジ役となって民主党の反小沢勢力と自民党の一部を結び付ける――。これが園田氏の遠大な構想だという。

 鳩山由紀夫前首相や武村氏らと自民党を最初に飛び出してから十七年。「再編仕掛け人」と言われながら、実は園田氏が政変で主役になった例はない。二度目の離党で結成したたちあがれ日本も、議員はわずか六人。なかなか主導権はとれない。

「現政権の中枢にいる枝野幹事長、玄葉光一郎政調会長、前原誠司国土交通相らも元さきがけで反小沢派です。園田さんは六十八歳。これが最後の勝負どころとみているのでしょう」(民主党関係者)

 もっとも、枝野氏や前原氏は世代も環境も違う園田氏への親近感はそれほどないという。「最後の策士」の仕掛けは、成就するのか――。

(週刊文春2010年7月15日号「THIS WEEK 政治」より)

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  • 最終更新:7月 8日(木) 12時12分
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