【ロングインタビュー】存在感で光る若手女優・安藤サクラ「俳優って地味な仕事だと思います」
2010年07月01日11時00分 / 提供:日刊サイゾー
若手女優の中で、今もっとも注目の存在なのが、安藤サクラ。『風の外側』(07)で主演デビューとまだキャリアは浅いが、『愛のむきだし』(09)ではカルト教団の幹部・コイケを怪演し、話題を呼んだ。『俺たちに明日はないッス』(08)ではヌードシーンも厭わない女優魂を見せるなど、観客の視線を常に釘付けにしている。そんな逸材を若手監督たちも放っておくはずがなく、6月には『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』が立て続けに公開。さらに『愛のむきだし』で共演した渡辺真起子と姉妹役を演じた『トルソ』が7月10日(土)より公開される。姉の元カレと交際しておきながら、姉の部屋に転がり込むという図々しくも憎めない妹ミナを演じている。これまでの出演作だけでなく、父親である奥田瑛二をはじめとする安藤家のこともぶしつけながら尋ねると、独特の言語感覚でホワホワ〜ンと答えてくれたのだ。
──最新作『トルソ』、姉妹間の心の葛藤がまざまざと描かれていて、思わず作品世界に引き込まれました!
安藤サクラ(以下、安藤) カメラマンでもある山崎裕監督が本当にすごいんです。私が気がついてないような"女"の部分を、カメラに映し出してしまうんです。山崎さんじゃないと撮れない作品だと思います。私、ふだんの山崎さんも大好きなんですけど、カメラを持って被写体を追いかける山崎さんは、人間とは違う別の生き物になるんです。本人が気がついてない部分まで映し出してしまう怪物みたいな存在なんです。
──日本民俗学に出てくる妖怪サトリみたいじゃないですか。
安藤 あはは、山崎さんは妖怪なのかなぁ(笑)。渡辺真起子さんは山崎さんのことを猛獣と呼んでいましたけどね。私が何もしなくても、山崎さんが勝手に撮ってしまうんです。だから『トルソ』に出てくるヒロコとミナの姉妹は、山崎さんの目から見た女性像なんですかね。
──山崎監督は『俺たち明日はないッス』のカメラマンでしたね。セーラー服姿の安藤さんの妖しさが強烈でした。でも『トルソ』は台詞が少なく、表情や佇まいで内面を表現するのは難しかったでしょ?
安藤 現場では、山崎さんと真起子さんに頼り切っていました。撮影前は台本読みながらいろいろ考えるんですけど、結局、撮影現場に入ると関係なくなっちゃうんです。なので、今回はミナという役を考えたというよりも、現場で姉役の真起子さんとの関係性がどうなっていくのかということに慎重になりながら作っていきました。
──サクラさん自身もお姉さん(映画『カケラ』の安藤モモ子監督)がいますね。
安藤 はい。妹って、姉に甘えたり、自分の言いたいことを言っちゃったりする、うざったさってありますよね。私が演じたミナも相当うざいです(笑)。『トルソ』の場合は異父姉妹という設定なので、一緒に生まれ育った姉妹とは違う、別々の女の子と女の子が姉妹になったという独特の関係だと思いますけど。えっ、姉と同じ人を好きになったことがあるか? ない!(きっぱり) ないですよ、ありえない。まず、どっちかに好きな人がいたら、それを知った時点で、その人は好きになれません。うちの姉妹はすっごい仲良しなんです。誰よりも大切な関係。お姉ちゃんさえいれば、彼氏は必要ないやと思ったこともあるぐらいです。だいたい、姉妹と付き合おうなんて人は、気持ち悪い......。姉妹で同じ人と付き合うことはありえません!
──完全否定されたので、話題を変えたいと思います。公開中の『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』でも母性を感じさせる女性・カヨちゃんを好演しています。「自分でブスと言うのはいいけど、好きな人からブスと言われるのはイヤ」というカヨちゃんの台詞、すっごく印象に残るんですけど。
安藤 うれしいです。ありがとうございます。大森立嗣監督が母性的なキャラクターを考えていたので、体重を7〜8kg増やしました。「デブになれ」とまでは言われてないんですけど、見た目で安心感を与えられるようにということで太ったんです。昨年の6〜7月に撮影した作品ですけど、その前後に出演した作品は、フツーにデブになってます(笑)。でも、自分から進んで太る機会なんて、あまりないことなんで、面白がって太りました。
──すべてを受け入れる24歳! スクリーンに映し出されるサクラさんは、男の考えることなんか全部お見通しだよと言わんばかりの、経験豊富な女性に見えますよ。
安藤 え! 経験なんて、人並み以下だと思いますよ! でもお芝居を通して自分自身が学べることや経験できることは沢山あります。だからいろんな役を演じられるのは、すごく幸せなことですよ。あれ、今、気づいたんですが、私、下のチャックが開いてました。うわ〜、さっきの撮影中も開けたままだったかも。どーしよう!?
──スクリーンだけでなく、ふだんのサクラさんの言動からも目が離せません(笑)。出演のオファーが殺到してるんじゃないですか?
安藤 (落ち着き直して)そんなことないです。オーディションも一時期はけっこう受けていたんですが、全然ダメでした。オーディション会場に入った瞬間に、「君はないから」と鼻で笑われたこともあります。あんまりオーディション落ちるんで、思いっきりぶりっ子して「こんにちは。安藤サクラです♪」(にっこり笑う)とかもやってみたけど、やっぱりダメでした(苦笑)。オーディションに受かった数少ない作品が『俺たちに明日はないッス』なんです。初めてオーディションに受かって、すっごくうれしかった。
──決して順風満帆な女優道ではないんですね。デビュー作『風の外側』は実の父親である奥田瑛二監督作、しかもクランクイン4日前に主演女優が降板して急遽バトンタッチ、さらにヌードシーンもあるという大変なハードルでした。
安藤 うちの父と一緒に仕事をするというのが、何よりも試練でしたね。その後、何本か映画に出させていただきましたが、あの現場はかなりしんどかった。最初は台詞のない指揮者の予定だった私が急遽主演することになり、父は理不尽なくらい厳しく当たりました。でも、デビュー作で厳しい目に遭ってよかったと今は思いますね。
──まさに我が子を千尋の谷に突き落とす獅子のようですね。
安藤 どうでしょう(笑)。私が小さい頃は、父は忙しくてほとんど家にいない状況だったんです。『風の外側』の撮影が終わってから、ようやく父と打ち解けた感じですね。小さい頃は、たまに父が家にいても、地味な格好でぼ〜としてるだけだから、「俳優って地味な仕事だな」と思ってすごく憧れてました。他の人が「俳優は華やかな仕事」とか言ってるのを聞いて、急に恥ずかしくなっちゃたんですが。今は地味だけど華やかに見られる仕事だなっていう認識になりました。
──子どもの頃は「1+1=3」と奥田瑛二さんから教えられていたそうですね?
安藤 そうですね。よく分からないんですけど、たまに家にいると私に向かって「1+1はなんだ?」って聞いてくるんです。それで「2」と答えると怒るんです(苦笑)。その代わり、小学校で先生に言われた色と違う色に絵を塗ったりすると誉められたりしましたね。それでよく、母(エッセイストの安藤和津)は学校に呼び出されてました。そのときは母から「絵を違う色に塗るのは構わないけど、先生の言っていることも理解するようにしようね」って言われたのを覚えてます。
──学生時代はアルバイトに励んでいたとか。
安藤 はい、小学3年生以降はしょっちゅう先生から呼び出しをくらうダメな子になり、現在まで来てしまいました。授業中、みんなと同じようにじっと黒板を観てられないです(苦笑)。でも、アルバイトしてるときの私はけっこー輝いてたと思います(笑)。高校に入学してすぐにジョナサンで働き始めました。その後もいろいろやりましたね。最近もインド料理店で小遣いを稼いでたんですが、楽しかったです。
──俳優にとってオフの過ごし方は大事。
安藤 すべてが大事ですね。なんだろう、いつも素直に生きたいなと思いますね。朝が来て、昼が来て、夜が来て、その間に何が起きても、すべてのことを素直に感じて生きていきたい。でも、それって難しいです。
──いろいろ考えて女優業に取り組んでいるんですね〜。
安藤 さっき話したような育てられ方をしたせいか分からないんですけど、私ってすごく感覚で動いてしまうんです。でも目に見えないフワフワしたところばかり見ていたら、結局は自分は現実の人間なんで、すごく辛くなるんです。だから、目に見えないことも大事だけど、同じように目に見える現実も大事なんだって考えるようにしています。これって小さい頃に母が言ったことと同じことだなって。目に見えるものも、見えないものも素直に感じながら生きていくことが今の私のテーマですね。誰かが書いた脚本があって、監督が演出する。でも、それを表現するのは自分という肉体。なので自分の体に正直に、仕事も日常生活も素直にきちんと過ごしたいなと思ってます。
──七光りであぐらをかいている二世タレントとは、ひと味もふた味も違うなぁ。
安藤 う〜ん、父と私は正反対のタイプですね。父がひとつの役から違う役に変わるのに苦労してる姿を見てきましたが、父は決して器用な俳優ではないなと思います。父は完全な反面教師。逆に私がこれから子どもを産んで、子育てするようになったら母の気持ちが理解できるようになるでしょうね。まぁ、なんだかんだいっても俳優は外へ出ていく仕事なんで、七光りでも注目されるのはいいんじゃないかと思います。でも父は父、私は私なんで、それ以上にガンバらなくちゃいけないこともあると覚悟してます。まだ、私ほどのキャリアで、「女優です」とは言えません。だから、まずは生きることに正直でいたいなって思ってます。
こちらの質問に対して、間を置きながらじっくり考えてから話す姿は、好感が持てるのだ。また独特の存在感は、若い頃の桃井かおりを彷彿させるではないか。安藤さんちのサクラさん、これからがとっても楽しみな逸材ですぞ。
(取材・文=長野辰次)
『トルソ』
監督・撮影・脚本/山崎裕 脚本/佐藤有記 出演/渡辺真起子、安藤サクラ、ARATA、蒼井そら、石橋蓮司、山口美也子 配給/トランスフォーマー 7月10日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー(初日舞台挨拶あり)ほか全国順次公開。<http://www.torso-movie.com/>
●あんどう・さくら
1986年東京都生まれ。奥田瑛二監督作『風の外側』(07)のヒロイン役で映画デビュー。『俺たちに明日はないッス』(08)、『罪とか罰とか』(09)、『愛のむきだし』(09)などの話題作に出演。現在公開中の『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』ではアジアン・フィルム・アワードにノミネート。『SRサイタマノラッパー2女子ラッパー☆傷だらけのライム』では得意のダンスを披露している。
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安藤 あはは、山崎さんは妖怪なのかなぁ(笑)。渡辺真起子さんは山崎さんのことを猛獣と呼んでいましたけどね。私が何もしなくても、山崎さんが勝手に撮ってしまうんです。だから『トルソ』に出てくるヒロコとミナの姉妹は、山崎さんの目から見た女性像なんですかね。
──山崎監督は『俺たち明日はないッス』のカメラマンでしたね。セーラー服姿の安藤さんの妖しさが強烈でした。でも『トルソ』は台詞が少なく、表情や佇まいで内面を表現するのは難しかったでしょ?
安藤 現場では、山崎さんと真起子さんに頼り切っていました。撮影前は台本読みながらいろいろ考えるんですけど、結局、撮影現場に入ると関係なくなっちゃうんです。なので、今回はミナという役を考えたというよりも、現場で姉役の真起子さんとの関係性がどうなっていくのかということに慎重になりながら作っていきました。
──サクラさん自身もお姉さん(映画『カケラ』の安藤モモ子監督)がいますね。
安藤 はい。妹って、姉に甘えたり、自分の言いたいことを言っちゃったりする、うざったさってありますよね。私が演じたミナも相当うざいです(笑)。『トルソ』の場合は異父姉妹という設定なので、一緒に生まれ育った姉妹とは違う、別々の女の子と女の子が姉妹になったという独特の関係だと思いますけど。えっ、姉と同じ人を好きになったことがあるか? ない!(きっぱり) ないですよ、ありえない。まず、どっちかに好きな人がいたら、それを知った時点で、その人は好きになれません。うちの姉妹はすっごい仲良しなんです。誰よりも大切な関係。お姉ちゃんさえいれば、彼氏は必要ないやと思ったこともあるぐらいです。だいたい、姉妹と付き合おうなんて人は、気持ち悪い......。姉妹で同じ人と付き合うことはありえません!
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安藤 うれしいです。ありがとうございます。大森立嗣監督が母性的なキャラクターを考えていたので、体重を7〜8kg増やしました。「デブになれ」とまでは言われてないんですけど、見た目で安心感を与えられるようにということで太ったんです。昨年の6〜7月に撮影した作品ですけど、その前後に出演した作品は、フツーにデブになってます(笑)。でも、自分から進んで太る機会なんて、あまりないことなんで、面白がって太りました。
──すべてを受け入れる24歳! スクリーンに映し出されるサクラさんは、男の考えることなんか全部お見通しだよと言わんばかりの、経験豊富な女性に見えますよ。
安藤 え! 経験なんて、人並み以下だと思いますよ! でもお芝居を通して自分自身が学べることや経験できることは沢山あります。だからいろんな役を演じられるのは、すごく幸せなことですよ。あれ、今、気づいたんですが、私、下のチャックが開いてました。うわ〜、さっきの撮影中も開けたままだったかも。どーしよう!?
──スクリーンだけでなく、ふだんのサクラさんの言動からも目が離せません(笑)。出演のオファーが殺到してるんじゃないですか?
安藤 (落ち着き直して)そんなことないです。オーディションも一時期はけっこう受けていたんですが、全然ダメでした。オーディション会場に入った瞬間に、「君はないから」と鼻で笑われたこともあります。あんまりオーディション落ちるんで、思いっきりぶりっ子して「こんにちは。安藤サクラです♪」(にっこり笑う)とかもやってみたけど、やっぱりダメでした(苦笑)。オーディションに受かった数少ない作品が『俺たちに明日はないッス』なんです。初めてオーディションに受かって、すっごくうれしかった。
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──子どもの頃は「1+1=3」と奥田瑛二さんから教えられていたそうですね?
安藤 そうですね。よく分からないんですけど、たまに家にいると私に向かって「1+1はなんだ?」って聞いてくるんです。それで「2」と答えると怒るんです(苦笑)。その代わり、小学校で先生に言われた色と違う色に絵を塗ったりすると誉められたりしましたね。それでよく、母(エッセイストの安藤和津)は学校に呼び出されてました。そのときは母から「絵を違う色に塗るのは構わないけど、先生の言っていることも理解するようにしようね」って言われたのを覚えてます。
──学生時代はアルバイトに励んでいたとか。
安藤 はい、小学3年生以降はしょっちゅう先生から呼び出しをくらうダメな子になり、現在まで来てしまいました。授業中、みんなと同じようにじっと黒板を観てられないです(苦笑)。でも、アルバイトしてるときの私はけっこー輝いてたと思います(笑)。高校に入学してすぐにジョナサンで働き始めました。その後もいろいろやりましたね。最近もインド料理店で小遣いを稼いでたんですが、楽しかったです。
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安藤 すべてが大事ですね。なんだろう、いつも素直に生きたいなと思いますね。朝が来て、昼が来て、夜が来て、その間に何が起きても、すべてのことを素直に感じて生きていきたい。でも、それって難しいです。
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──七光りであぐらをかいている二世タレントとは、ひと味もふた味も違うなぁ。
安藤 う〜ん、父と私は正反対のタイプですね。父がひとつの役から違う役に変わるのに苦労してる姿を見てきましたが、父は決して器用な俳優ではないなと思います。父は完全な反面教師。逆に私がこれから子どもを産んで、子育てするようになったら母の気持ちが理解できるようになるでしょうね。まぁ、なんだかんだいっても俳優は外へ出ていく仕事なんで、七光りでも注目されるのはいいんじゃないかと思います。でも父は父、私は私なんで、それ以上にガンバらなくちゃいけないこともあると覚悟してます。まだ、私ほどのキャリアで、「女優です」とは言えません。だから、まずは生きることに正直でいたいなって思ってます。
こちらの質問に対して、間を置きながらじっくり考えてから話す姿は、好感が持てるのだ。また独特の存在感は、若い頃の桃井かおりを彷彿させるではないか。安藤さんちのサクラさん、これからがとっても楽しみな逸材ですぞ。
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監督・撮影・脚本/山崎裕 脚本/佐藤有記 出演/渡辺真起子、安藤サクラ、ARATA、蒼井そら、石橋蓮司、山口美也子 配給/トランスフォーマー 7月10日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー(初日舞台挨拶あり)ほか全国順次公開。<http://www.torso-movie.com/>
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