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ソーラー飛行機:世界初の本格的な夜間有人飛行に成功

世界初の本格的な夜間有人飛行に成功した太陽光だけで飛ぶ航空機「HB-SIA」=ロイター
世界初の本格的な夜間有人飛行に成功した太陽光だけで飛ぶ航空機「HB-SIA」=ロイター

 スイスの団体が開発した燃料を使わずに太陽光だけで飛ぶ航空機が8日、世界初の本格的な夜間有人飛行に成功し、約26時間の連続飛行の末、パイエルヌ空軍基地に着陸した。

 開発したのは、気球による初の世界一周飛行を実現したベルトラン・ピカール氏創設の「ソーラー・インパルス」。同国の大学や複数の企業の協力を得て、大西洋横断や世界一周の有人飛行実現を目指している。

 成功した飛行機は7年かけて開発された「HB-SIA」。炭素繊維で造られ、両翼が63メートルと中型旅客機並みに長い半面、重さは1600キロと中型乗用車程度の超軽量が特徴。翼に張り巡らされた約1万2000枚のソーラーパネルで発電し、夜は電池に充電された電力で飛行するプロペラ機だ。

 飛行終了後に記者会見したピカール氏は「目的は航空技術の革新ではなく、再生可能エネルギーに対する人々の理解を得ることだ」と述べ、人間が化石燃料なしに昼夜飛べることを証明した重要性を強調した。

 飛行機は7日午前7時(日本時間同午後2時)前に基地を離陸し、日没近くまで時間をかけて高度約8500メートルまで上昇。その後約1500メートルまで降下して水平飛行を続けた上で着陸した。基地に詰め掛けたスタッフや多数の見学者から大きな歓声と拍手を浴びた。

 飛行は極めて順調で、電池の充電状態からはさらに48時間の飛行も可能だったという。

 団体によると、太陽光機による夜間飛行は2001年、米航空宇宙局(NASA)の委託を受けた米団体が無人機で成功した。(共同)

毎日新聞 2010年7月8日 20時52分(最終更新 7月8日 21時21分)

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