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2010.07.14
海賊対策 ジプチに海自が拠点 政府、スーダン派遣は見送り
カテゴリ自衛隊国際貢献出典 産経新聞 7月14日 朝刊
記事の概要
アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、政府は13日、海自のP3C哨戒機が使用するジプチ空港に隊舎など活動拠点を整備する方針を固めた。
7月中旬に着工し、平成23年春の完成を目指す。
新たに整備するのは自衛隊が使用する隊舎や事務所など約12ヘクタールの活動拠点。P3C駐機場に近くに建設する。現在は駐機場から離れた米軍施設を間借りしているが、自前の活動拠点を確保することで長期駐留を可能にする。
これは同地域の海賊対策に本腰を入れ、アフリカで外交攻勢を仕掛ける中国に対抗していく狙いがある。
一方、スーダンへの陸上自衛隊ヘリ部隊の派遣について、準備不足などから見送ることを決め、仙谷官房長官が13日午後の記者会見で発表した。
アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、政府は13日、海自のP3C哨戒機が使用するジプチ空港に隊舎など活動拠点を整備する方針を固めた。
7月中旬に着工し、平成23年春の完成を目指す。
新たに整備するのは自衛隊が使用する隊舎や事務所など約12ヘクタールの活動拠点。P3C駐機場に近くに建設する。現在は駐機場から離れた米軍施設を間借りしているが、自前の活動拠点を確保することで長期駐留を可能にする。
これは同地域の海賊対策に本腰を入れ、アフリカで外交攻勢を仕掛ける中国に対抗していく狙いがある。
一方、スーダンへの陸上自衛隊ヘリ部隊の派遣について、準備不足などから見送ることを決め、仙谷官房長官が13日午後の記者会見で発表した。
コメント
海自は海賊対処法に基づき、09年からアデン湾を中心とした海賊対策に2隻の護衛艦と、空からP3Cで警戒監視活動を行っている。その活動拠点になっているのがジプチである。
自衛隊は日本から遠く離れたアフリカで、そのジプチに自衛隊の橋頭堡を築きたいという狙いがある。隣国スーダン南部への国連PKO派遣はその次である。
しかし橋頭堡と軍事的な考えがない外務省は、一刻も早くスーダンに陸自ヘリ部隊を派遣するように強く求めていた。(What New 6月19日 スーダンPKO「困難」を参照)
実は自衛隊はアフリカPKOでは痛い目にあっている。ルワンダ難民救援活動(1996年)である。難民を救出に行った陸自部隊は正体不明の武装集団に襲撃を受ける危機に見舞われた。いつ、自衛隊の機関銃が襲撃してきた集団に向かって火を噴いても不思議ではない危機である。
そこで自衛隊は、万一、陸自のヘリが不時着をした場合や、ヘリが駐機している施設が襲撃された場合、直ちにジプチに築いた橋頭堡から、応援や救助の部隊が派遣できるようにしたいのである。
アフリカにおける橋頭堡のない陸自部隊の派遣は、十分に本隊の支援を受けられない空挺部隊のようなもので、敵の中で孤立し全滅する運命しかない。
だからジプチに建設する自衛隊の拠点は、まず東アフリカ地域の活動拠点(橋頭堡)として整備される。イラクのサマワ宿営地のように、目的に応じた使い捨ての基地ではない。
海自は海賊対処法に基づき、09年からアデン湾を中心とした海賊対策に2隻の護衛艦と、空からP3Cで警戒監視活動を行っている。その活動拠点になっているのがジプチである。
自衛隊は日本から遠く離れたアフリカで、そのジプチに自衛隊の橋頭堡を築きたいという狙いがある。隣国スーダン南部への国連PKO派遣はその次である。
しかし橋頭堡と軍事的な考えがない外務省は、一刻も早くスーダンに陸自ヘリ部隊を派遣するように強く求めていた。(What New 6月19日 スーダンPKO「困難」を参照)
実は自衛隊はアフリカPKOでは痛い目にあっている。ルワンダ難民救援活動(1996年)である。難民を救出に行った陸自部隊は正体不明の武装集団に襲撃を受ける危機に見舞われた。いつ、自衛隊の機関銃が襲撃してきた集団に向かって火を噴いても不思議ではない危機である。
そこで自衛隊は、万一、陸自のヘリが不時着をした場合や、ヘリが駐機している施設が襲撃された場合、直ちにジプチに築いた橋頭堡から、応援や救助の部隊が派遣できるようにしたいのである。
アフリカにおける橋頭堡のない陸自部隊の派遣は、十分に本隊の支援を受けられない空挺部隊のようなもので、敵の中で孤立し全滅する運命しかない。
だからジプチに建設する自衛隊の拠点は、まず東アフリカ地域の活動拠点(橋頭堡)として整備される。イラクのサマワ宿営地のように、目的に応じた使い捨ての基地ではない。