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「違法取り調べ」訴え提訴、無罪判決の横浜市の男性/横浜地裁

2010年7月13日

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 盗撮目的で女性に携帯電話を近づけたとして、在宅起訴され、その後、東京高裁で逆転無罪判決が確定した横浜市内の20代男性が13日、警視庁の違法な取り調べと東京地検の捜査不足によって精神的苦痛を受けたとして、東京都と国を相手に1100万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を横浜地裁に起こした。

 訴状や高裁判決によると、男性は東京都内の駅構内で女性の盗撮をしようとしたとして、都迷惑防止条例違反容疑で警視庁高輪署が書類送検し、東京地検が在宅起訴。その後、男性は発達障害の一つの型とされる「アスペルガー障害」があることが分かり、2審の東京高裁は障害を認定して「(障害がある)男性が混乱し、驚いたり謝罪した可能性はある」と指摘、1審の有罪判決を破棄し、無罪とした。

 男性を取り調べた署員2人について、男性の弁護側は「どう喝による任意性を欠く取り調べや供述調書の作文など、違法捜査があった」と指摘。検察側については「司法修習生も取り調べたが、その監督を怠り、事件以降の供述の変遷も無視し、補充捜査しなかった」としている。

 被告は事件当時、専門学校生で卒業を控えていたが、事件後に鉄道関係への就職活動を断念。現在はアルバイトで、好きだった地下鉄にも乗車できなくなったという。

 原告側代理人は「自白偏重の捜査姿勢が今回のような冤罪(えんざい)事件を生み、男性は事件から無罪判決までの約1年8カ月の間、精神的な苦しみを味わった。警察、検察は違法捜査を認めてほしい」と説明。警視庁と東京地検は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

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