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【芸能・社会】

植村花菜 上海万博で海外初公演

2010年7月14日 紙面から

上海万博の日本産業館のステージで熱唱する植村花菜=中国・上海で(江川悠撮影)

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 【上海=江川悠】シンガー・ソングライター植村花菜(27)が13日、上海万博会場内の日本産業館でライブを開催した。亡き祖母との思い出を歌った楽曲「トイレの神様」を耳にした総合プロデューサーの堺屋太一氏が同館の「きれイ かわいイ きもちいイ」というテーマに世界観がぴったりと熱烈ラブコール。自身初となる海外でのパフォーマンスが実現した。3回のステージには合わせて約2000人のギャラリーが集結。涙を流す人の姿もあり、植村は「(天国の)おばあちゃんも笑って見てくれてると思います」と満足の様子だった。

 「二十何年前に亡くなったおばあちゃんを思い出して…。植村さんのことは全然知らなかったけど、すごく感動しました」。湖北省から来たという中国人の魏冬玲さん(42)は、歌詞の中国語訳が付いたスクリーンを見つめながら、植村のパワフルで切ない歌声を聞き、温かい涙を流していた。

 「日本の音楽の素晴らしさが国境を超えて伝わることを証明したい」と決意を語っていた植村の目にも、その姿が鮮明に焼きついたに違いない。

 「トイレにはきれいな女神さまがいるから、毎日掃除をすると女神さまみたいにべっぴんさんになれるんやで」。植村は他界した祖母に小学生のころから聞かされていたこの言葉への思いと感謝の気持ちを9分52秒におよぶ歌として完成させた。

 「身近な人を大切してほしい」というメッセージが込められたこの曲は、今年3月発売のミニアルバム「わたしのかけらたち」に収録されたが、大阪のFM局などで紹介されると、“泣ける歌”として大注目されるようになった。

 開場前には、堺屋氏が発案した「世界一トイレ」を視察。「世界で最も心地よいレストルーム」をモットーに協賛メーカーのINAXが日本産業館内に設置したトイレで、本物の金を特殊コーティングした展示用の便器(推定約700万円)と対面した。

 「ホ  ンマにピカピカですね。自分で買うとなったら、世界一べっぴんになれる可能性がありますよね。でも、日常生活にはちょっと…」。苦笑しつつも、今でもおばあちゃんの言葉を信じ、私生活で便器磨きとオンナ磨きを続けている。上海へ出発する直前にも、便器に「行ってきまーす」とあいさつしてきたという。

 ライブでは、「トイレの神様」のショートバージョンのほか、「ミルクティー」など4曲をギターの弾き語りで披露。中国語でもあいさつし、「花菜ちゃーん」「アイシテル」などと大声援を浴びた。

 8月は千葉・幕張で開かれる野外音楽イベント「サマーソニック2010」 をはじめ、さまざまなライブイベントへの出演が決まっている。上海でさらなるブレークの手応えをつかんだ植村が目指す場所は、やはり日本レコード大賞やNHK紅白歌合戦への出場だ。

 「この夏にどれだけ結果が残せるか。どれだけの人に伝えられるかが年末につながっていくと思います」。植村はトイレの神様とヒットの神様を味方に付け、ピカピカと金色に輝く未来を手に入れるつもりだ。

◆日本産業館5時間待ち

 上海万博の日本産業館には、世界一トイレを創設したINAXをはじめ、キッコーマンや日本郵政など多数の企業や自治体が参加。人気は高く、この日も最長で5時間待ちとなった。

 ●植村花菜(うえむら・かな) 1983年1月4日生まれ、兵庫県出身。幼少時代にクラシックバレエやピアノを習い、02年にギターと作詞作曲を始める。大阪を中心にライブハウスやストリートでライブ活動を開始し、同年「ザ・ストリートミュージシャン・グランプリ」に出場。1200組の中からグランプリを獲得した。05年にシングル「大切な人」でメジャーデビュー。

 

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