はやくも2日目にして空席が目立つ客席=愛知県体育館(撮影・保田叔久)
「大相撲名古屋場所2日目」(12日、愛知県体育館)
2日目にして早くも、村山弘義理事長代行(73)=元東京高検検事長=が名古屋場所を留守にした。元朝青龍の書類送検や元琴光喜自宅への家宅捜索など、トップの対応が求められたが、残された親方衆では責任の所在がはっきりせず、協会としてのコメントを出せなかった。初日に角界再生を誓ったばかりだというのに、ちぐはぐな内情を露呈してしまった。
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ある親方は不機嫌そうに言い放った。「村山さんは明日(3日目)には来ると思う。常勤ではないから。個人の仕事と聞いているが(詳細は)分からない」。代行とはいえ、理由を明確にせず、協会トップが場所を留守にするのは異例の事態。まして再出発を期した今場所なら、なおさらだ。
協会の説明は食い違った。代行補佐の尾車親方(元大関琴風)は「昨日、二所ノ関親方と打ち合わせをした」とした一方で、その二所ノ関名古屋場所担当部長(元関脇金剛)は「けさ、知った」。二所ノ関部長は「村山代行は(両国)国技館に行った」としており、完全な“欠勤”とは認識していないが、ちぐはぐさが目立った。
二所ノ関部長は“代行の代行”を任されているが、元朝青龍らの件についてコメントを求められても「困るね。どういうコメントすればいいのかな。朝青龍は引退相撲まで結論が出るのかね」と、言葉を濁した。世間の注目を集めるこの時期に、協会として責任あるコメントを出せないのは、負のイメージを呼び起こしかねない。
やむを得ない理由で留守にするのなら、事情をできる限り公表するなど、善後策はあったはず。二所ノ関部長は「前もって(欠勤日が)分かっていた方がいい」と、3日目に村山代行が出勤した際にスケジュールの確認をする方針を示した。
(2010年7月14日)