中国人も「トイレの神様」に涙！植村花菜、上海万博で海外初ライブ

世界に２台しかない黄金の世界一トイレを訪れた植村花菜

　【上海（中国）１３日】亡き祖母との思い出を歌った「トイレの神様」が大ヒット中のシンガー・ソングライターの植村花菜（２７）が、上海万博の日本産業館特設ステージで初の海外ライブを行った。「泣ける歌」として社会現象化しているが、中国人観客も涙する人が続出。同館に展示され話題となっている黄金仕様の「世界一トイレ」とも対面した。

　９分５２秒の「誰もが泣ける歌」は、中国でも通用した。ライブの最後に植村が「トイレの神様」を歌い出すと、植村の写真を撮るのに一生懸命だった中国人観客の手が止まる。歌声に耳を傾け、大型ビジョンに流れた字幕の歌詞を静かに見つめた。歌い終えると、中国人が、次々と涙した。

万博会場でライブを行った植村

　「トイレの神様」は、トイレにはキレイな女神様がいて、毎日キレイにしたら美人になれると、亡き祖母が諭した言葉をサビに、祖母との実話を歌った楽曲。上海万博の日本産業館総合プロデューサー・堺屋太一氏（７５）が曲を知り感動。曲が同館のテーマ「きれイ、かわいイ、きもちいイ」にピッタリなことと、“世界一のトイレ”を展示していることから急きょ、出演が決まった。

　上海では無名に等しく言葉も通じない、超アウェーの万博ライブ。「通じないのはどうしようもない。私だって洋楽に感動するし、思いを込めて歌えばいい。どこまで気持ちを届けられるか」と自然体で臨んだ。

字幕で歌詞を知り、中国人も感涙

　ステージ上では「ニーハオ、ウォー、ジョー植村花菜」と中国語で自己紹介。最初は興味本位で集まった中国人観客だったが、最後は歌声に聴きほれた。湖北省からきた女性（４２）は泣きながら「自分のおばあちゃんを、曲を聴いて思い出した。中国にはトイレに神様がいる文化はないけど、家に帰ったらトイレをきれいにします」と話した。全４曲、１日３回の公演に計約２０００人が集まった。

　“世界進出”を成功させ、年末の賞レース争い、紅白歌合戦出場にも意欲十分。「夏、秋でどれだけ結果を出せるか」。この一年に勝負をかける。

　◆植村　花菜（うえむら・かな）１９８３年１月４日、兵庫・川西市生まれ。２７歳。１９歳から路上で音楽活動を始め、０５年５月にシングル「大切な人」でデビュー。今年３月、ミニアルバム「わたしのかけらたち」に収録した「トイレの神様」がヒットし書籍化。９月１５日にアルバム「花菜～Ｍｙ　Ｆａｖｏｒｉｔｅ　Ｔｈｉｎｇｓ」を発売。身長１６１センチ。血液型Ａ。

　◆７００万円のトイレとご対面　〇…「トイレの神様」を歌う植村が、万博で話題の世界一トイレと“ご対面”した。黄金仕様の世界一トイレはＩＮＡＸの高機能トイレ「ＲＥＧＩＯ」特別版。金色は中国で縁起がいいとされ、上海万博のために特別に製作。販売はせず価格は公表していないが、関係者によると約７００万円だという。隣に立った植村は「ホンマに金ピカ！　うわさのトイレを見られてうれしい、興奮です」と大喜びだ。