きょうのコラム「時鐘」 2010年7月14日

 一つの器にうどんとそばが半分ずつ入った「チャンポン」が紙面で紹介されていた。JR高岡駅構内の名物メニューの一つである

店には何度も足を運ぶが、まだ食べてはいない。「作法」が分からないのである。うどん、そばと交互に食べるのか。片方を平らげてから、次のめんに取り掛かるのか。最初に二つをかきまぜて、一緒に味わうのか

好きに食べればいいのだろうが、常連客から「あんたの食べ方は筋違い」と説教されそうな予感がする。大物俳優2人を主役にするドラマ作りは、神経をすり減らすそうである。めん類の王者共演も、味わうのに気を遣う

もっとも、チャンポンは私たち日本人の得意技の一つで、西洋渡来の生地に和の美味を包んだあんパンがその代表選手。日本画の絵の具で外国の風物を描く人気画家も大勢いる。日々の暮らし自体が、和洋折衷である

国会も、与野党チャンポンになった。それが有権者の声なのだから、せっせと折衷の仕事に励んでもらいたい。意のままにならぬ「ねじれ」ばかりを嘆くのは、筋が違う。チャンポンの料理人やあんパン職人の腕を見習うといい。